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第二章:勇者カイ
第二章:勇者カイ⑪
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「取りあえずさ、このまま魔王退治の旅をしてみるっていうのはどうかな。神様の言うことを信じるなら魔王を……ダモサーラを倒さなきゃいけないんでしょ? それなら仲間がいた方がいいと思うし」
「つまりは俺を倒すための仲間を集めるというのか」
「まぁ結果としてはそうなっちゃうのかな? でも、もしかしたら旅の途中で時の繰り返しについての手掛かりが手に入るかもしれないし、いい考えだと思うんだけど」
馬鹿馬鹿しい。どこの世界に自分を殺すための人間を集める者がいるというのだ。死にたい願望があればまだしも、俺にはそんなものない。それはカイにだって分かっているはずなのだが、コイツの事を買いかぶりすぎていたのだろうか?
「別にダモさんが嫌なら付いてこなくてもいいし、危険だと思うなら今ここで僕を殺してもいいよ」
「勇者様!」
カイの言葉に姫が叫びをあげる。何を言うかと思えば……カイ、お前は自分の命をそれほどの物だと思っていたのか?もしくは本当に、ここで死んでもいいというのか?
「今の僕ではダモさんに敵いそうにないしね。もっとも、成長したら敵うのかって言われたら……分かんないけど」
「……殺されてもいいと言うのだな」
「ダモさんがしたいなら、すればいいよ」
「…………」
「ダモサーラお止めください! どうか……」
姫の懇願が耳に入る。カイはあくまで表情を変えず、まるでいつも通り……むしろ余裕があるように見える。
どうするべきか……カイをここで殺さねば、いずれあの魔王城での決戦が繰り返されることだろう。あの時は何回戦っても俺が勝つ結果となったが、今回もそうなるとは限らない。
いずれ自らの脅威となり得るものを、ここで見逃すわけにはいかないか……?それとも……。
「……お前が死んだら、母君は悲しむか」
「母一人子一人だからね、そりゃあ」
初めてカイの表情に変化があった。母君の話をした時、とても悲しそうであった。
まぁ、当然か。そうだな、母君は悲しむ。カイ自身も悲しむか、それならば……。
「……ならば、殺すのはやめよう。この服の礼もまだ十分にできていないからな」
「……そ、分かった」
俺も甘くなったものだ。恩義を返そうとするなど、魔王のすることではない。それは勇者の役目だと言うのに……まぁ、深く考えるのはよそう。頭が痛くなる。
ふと、カイの頬に一筋の汗が流れたのが見えた。コイツ、余裕綽々に見えたが内心は余裕がなかったのではないか?先程殺されてもいいというようなことを言っていたが、それは勇者としての虚勢を張っていたのではないだろうか。勇者とて、死ぬのは怖いのだ。勿論魔王とて怖い。
「それで、ダモさんも一緒に旅に行く? 魔王城で待っててくれてもいいけど」
「いや、俺も行こう。お前たちは弱すぎるからな。途中で死なれたらたまらん」
「よし、じゃあ改めてよろしくね! ダモさん」
「あぁ、よろしく頼む。カイ」
二人で握手を交わす。魔王と勇者など変な組み合わせだが、これも楽しいかもしれんな。少なくとも魔王城で勇者たちが来るのは今か今かと待つよりは、面白くなりそうだ。
「お二人とも、良かったですわ! 仲良きことは美しきことですわね……!」
姫が輝いた目でこちらを見ている。う、うむ……美しきことなのかはさておき、殺し合いなどに発展しなかったことは良かったかな。
「そうですわ! 仲間をお探しでしたら、まずはエルフの里から行ってみてはどうでしょう? あそこには強い魔力を持った者が大勢いると聞いていますわ」
「ミーミのとこかぁ。確か前回も最初に寄ったのはエルフの里だったはずだよ」
「よし。ではエルフの里に向かうとしよう」
行き先は決まった。まずはミーミのいると言うところか……。確かミーミは色々あって付いていく形になった、とか言っていたか?はてさて何があったのやら。
「つまりは俺を倒すための仲間を集めるというのか」
「まぁ結果としてはそうなっちゃうのかな? でも、もしかしたら旅の途中で時の繰り返しについての手掛かりが手に入るかもしれないし、いい考えだと思うんだけど」
馬鹿馬鹿しい。どこの世界に自分を殺すための人間を集める者がいるというのだ。死にたい願望があればまだしも、俺にはそんなものない。それはカイにだって分かっているはずなのだが、コイツの事を買いかぶりすぎていたのだろうか?
「別にダモさんが嫌なら付いてこなくてもいいし、危険だと思うなら今ここで僕を殺してもいいよ」
「勇者様!」
カイの言葉に姫が叫びをあげる。何を言うかと思えば……カイ、お前は自分の命をそれほどの物だと思っていたのか?もしくは本当に、ここで死んでもいいというのか?
「今の僕ではダモさんに敵いそうにないしね。もっとも、成長したら敵うのかって言われたら……分かんないけど」
「……殺されてもいいと言うのだな」
「ダモさんがしたいなら、すればいいよ」
「…………」
「ダモサーラお止めください! どうか……」
姫の懇願が耳に入る。カイはあくまで表情を変えず、まるでいつも通り……むしろ余裕があるように見える。
どうするべきか……カイをここで殺さねば、いずれあの魔王城での決戦が繰り返されることだろう。あの時は何回戦っても俺が勝つ結果となったが、今回もそうなるとは限らない。
いずれ自らの脅威となり得るものを、ここで見逃すわけにはいかないか……?それとも……。
「……お前が死んだら、母君は悲しむか」
「母一人子一人だからね、そりゃあ」
初めてカイの表情に変化があった。母君の話をした時、とても悲しそうであった。
まぁ、当然か。そうだな、母君は悲しむ。カイ自身も悲しむか、それならば……。
「……ならば、殺すのはやめよう。この服の礼もまだ十分にできていないからな」
「……そ、分かった」
俺も甘くなったものだ。恩義を返そうとするなど、魔王のすることではない。それは勇者の役目だと言うのに……まぁ、深く考えるのはよそう。頭が痛くなる。
ふと、カイの頬に一筋の汗が流れたのが見えた。コイツ、余裕綽々に見えたが内心は余裕がなかったのではないか?先程殺されてもいいというようなことを言っていたが、それは勇者としての虚勢を張っていたのではないだろうか。勇者とて、死ぬのは怖いのだ。勿論魔王とて怖い。
「それで、ダモさんも一緒に旅に行く? 魔王城で待っててくれてもいいけど」
「いや、俺も行こう。お前たちは弱すぎるからな。途中で死なれたらたまらん」
「よし、じゃあ改めてよろしくね! ダモさん」
「あぁ、よろしく頼む。カイ」
二人で握手を交わす。魔王と勇者など変な組み合わせだが、これも楽しいかもしれんな。少なくとも魔王城で勇者たちが来るのは今か今かと待つよりは、面白くなりそうだ。
「お二人とも、良かったですわ! 仲良きことは美しきことですわね……!」
姫が輝いた目でこちらを見ている。う、うむ……美しきことなのかはさておき、殺し合いなどに発展しなかったことは良かったかな。
「そうですわ! 仲間をお探しでしたら、まずはエルフの里から行ってみてはどうでしょう? あそこには強い魔力を持った者が大勢いると聞いていますわ」
「ミーミのとこかぁ。確か前回も最初に寄ったのはエルフの里だったはずだよ」
「よし。ではエルフの里に向かうとしよう」
行き先は決まった。まずはミーミのいると言うところか……。確かミーミは色々あって付いていく形になった、とか言っていたか?はてさて何があったのやら。
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