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第三章:魔法使いミーミ
第三章:魔法使いミーミ②
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ミーミが頬を膨らましながら走って近づいてくる。おぉ、あれから幾ばくもたっていないが、何だか久しぶりの様な気がするな。懐かしさに惹かれ近寄っていくも、俺の目に飛び込んできたのは高々と振り上げられたミーミの拳だった。
「どんだけ待ったと思ってんのよぉ!」
「おい、待てちょっ……!」
ミーミの右手が俺の顔にぶち当たる。一瞬の痛さと共に俺の視界がぐるりと回転する。気づけば俺は地面に寝転がっており、高い木々と青い空が見えていた。一体何が……いや何が起きたかは分かっている。ミーミにぶん殴られたのだ。一体、何故俺が……。
「ははは! 綺麗に入ったね!」
笑っている場合ではないぞ、カイ。何故お前ではなく俺が殴られなければならないのか……まだ出会ってからそう経っていない奴を殴るか普通。エルフというのはよくわからん。
「はーすっきりした! ほら、いつまでも寝てないで起きなさいよ」
……理不尽とはこの様なことを言うのか。今まであまり経験してこなかったが、こう、腹の底がもやもやとするこの感覚。なるほど、これが理不尽か。
服に付いた草などを払いつつ俺が起き上がると、それを待っていたようにミーミが口を開く。
「……アンタ、魔王で間違いないのよね」
「そうだ。と言うことはお前……」
ミーミが俺の事を魔王だと呼ぶ。それが何を意味するかはすぐに分かった。つまりはミーミもカイと同様に、時が繰り返す前の事を覚えているということだ。
正直、カイ以外の者は覚えていないのかもしれないと考えていたので、ミーミが覚えていることはとても都合が良い。この分では、他の仲間も覚えている可能性が高いな。
「お前じゃなくて、ミーミよ。アンタ覚えてないの?」
「い、いや覚えてるぞミーミ。俺の事はダモサーラと……」
「ダモさんでいいよ」
突如カイが口を挟む。なんてことを言うのだ!そんなことを言ってしまえばコイツは絶対……。
「ふーん、何だか近所のおじさんみたいな名前ね。ダモさん」
ほら、こうなる。こうしてまた俺の事をあだ名で呼ぶ者が増えたという訳か……。願わくば、これ以上増えぬよう……。
「んで、ミーミ。遅いってことは、僕たちの事を待ってたの?」
「あ、そうなのよカイ。詳しくは長老の家で話すわ。付いてきて」
そう言うとミーミはさっさと歩いて行ってしまう。俺はミーミに聞こえぬよう小声でカイに問う。
「前回もこんな感じだったのか?」
「いや、前回はその長老のところでミーミと会ったんだよ。そこまでは別のエルフに案内してもらってさ」
なるほど、ミーミが俺たちの事や前回の旅の事を覚えていたせいで、少し前回とは違う道筋になっているという訳か。これが後々どう影響してくるかは分からないが、一応覚えておいた方が良いだろう。
そして、俺にはもう一つ確認したいことがある。
「ちなみに、その案内してもらったエルフには殴られたか……?」
もし、カイが前回殴られていれば今回のミーミの行動にも説明が……。
「あっはっはっは! そんなわけないじゃん! はは、あっはっは!」
説明が……つくと思っていたのだが、どうやら違ったようだ。ではあれは本当にただの腹いせで……?むぅ、けしからん。
……それにしてもカイは笑いすぎだ。そんなに面白いことを言った覚えはないぞ。
「何してんの? さっさと行くわよ」
俺たちが遅いことを気にしてか、ミーミが戻ってきて注意をするも、まだ笑いを引きずっているカイを見て怪訝そうな顔をする。
「なんで笑ってるの?」
「いや、ダモさんが、ミーミに殴られたの、すごい、気にしてるみたいだから……可笑しくって!」
「……はぁ?」
ミーミが眉間に皺を寄せながら俺を見る。そ、そんな顔で見られてはないも言えないぞ……。俺はただ静かに首を振った。
「何にもないんなら早く行きましょ、ほら」
ミーミに背中を押された俺とカイは強制的に早足で進む羽目になったのだった。
「どんだけ待ったと思ってんのよぉ!」
「おい、待てちょっ……!」
ミーミの右手が俺の顔にぶち当たる。一瞬の痛さと共に俺の視界がぐるりと回転する。気づけば俺は地面に寝転がっており、高い木々と青い空が見えていた。一体何が……いや何が起きたかは分かっている。ミーミにぶん殴られたのだ。一体、何故俺が……。
「ははは! 綺麗に入ったね!」
笑っている場合ではないぞ、カイ。何故お前ではなく俺が殴られなければならないのか……まだ出会ってからそう経っていない奴を殴るか普通。エルフというのはよくわからん。
「はーすっきりした! ほら、いつまでも寝てないで起きなさいよ」
……理不尽とはこの様なことを言うのか。今まであまり経験してこなかったが、こう、腹の底がもやもやとするこの感覚。なるほど、これが理不尽か。
服に付いた草などを払いつつ俺が起き上がると、それを待っていたようにミーミが口を開く。
「……アンタ、魔王で間違いないのよね」
「そうだ。と言うことはお前……」
ミーミが俺の事を魔王だと呼ぶ。それが何を意味するかはすぐに分かった。つまりはミーミもカイと同様に、時が繰り返す前の事を覚えているということだ。
正直、カイ以外の者は覚えていないのかもしれないと考えていたので、ミーミが覚えていることはとても都合が良い。この分では、他の仲間も覚えている可能性が高いな。
「お前じゃなくて、ミーミよ。アンタ覚えてないの?」
「い、いや覚えてるぞミーミ。俺の事はダモサーラと……」
「ダモさんでいいよ」
突如カイが口を挟む。なんてことを言うのだ!そんなことを言ってしまえばコイツは絶対……。
「ふーん、何だか近所のおじさんみたいな名前ね。ダモさん」
ほら、こうなる。こうしてまた俺の事をあだ名で呼ぶ者が増えたという訳か……。願わくば、これ以上増えぬよう……。
「んで、ミーミ。遅いってことは、僕たちの事を待ってたの?」
「あ、そうなのよカイ。詳しくは長老の家で話すわ。付いてきて」
そう言うとミーミはさっさと歩いて行ってしまう。俺はミーミに聞こえぬよう小声でカイに問う。
「前回もこんな感じだったのか?」
「いや、前回はその長老のところでミーミと会ったんだよ。そこまでは別のエルフに案内してもらってさ」
なるほど、ミーミが俺たちの事や前回の旅の事を覚えていたせいで、少し前回とは違う道筋になっているという訳か。これが後々どう影響してくるかは分からないが、一応覚えておいた方が良いだろう。
そして、俺にはもう一つ確認したいことがある。
「ちなみに、その案内してもらったエルフには殴られたか……?」
もし、カイが前回殴られていれば今回のミーミの行動にも説明が……。
「あっはっはっは! そんなわけないじゃん! はは、あっはっは!」
説明が……つくと思っていたのだが、どうやら違ったようだ。ではあれは本当にただの腹いせで……?むぅ、けしからん。
……それにしてもカイは笑いすぎだ。そんなに面白いことを言った覚えはないぞ。
「何してんの? さっさと行くわよ」
俺たちが遅いことを気にしてか、ミーミが戻ってきて注意をするも、まだ笑いを引きずっているカイを見て怪訝そうな顔をする。
「なんで笑ってるの?」
「いや、ダモさんが、ミーミに殴られたの、すごい、気にしてるみたいだから……可笑しくって!」
「……はぁ?」
ミーミが眉間に皺を寄せながら俺を見る。そ、そんな顔で見られてはないも言えないぞ……。俺はただ静かに首を振った。
「何にもないんなら早く行きましょ、ほら」
ミーミに背中を押された俺とカイは強制的に早足で進む羽目になったのだった。
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