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第三章:魔法使いミーミ
第三章:魔法使いミーミ①
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「ギギーッ!」
森の中に入って数時間。本日何度目かの魔物の登場だ。魔物は色の変わったこん棒を手に、ぎらつかせた目をこちらに向けている。
「うわっびっくりした……ダモさんよろしく!」
「……うむ」
魔物の前に歩み出ると、目を見開き叫ぶ。
「貴様! 言語すら持たぬ下級魔物の分際で、この魔王に楯突くと言うのかーっ!!」
「グギッ!? ギィーッ!」
俺の態度と言葉を聞いて、魔物は慌てて去っていく。
「よーし、やったねダモさん!」
「あ、あぁ……」
カイは至極嬉しそうであるが、俺の心は複雑だ……。
一緒に旅をすると決めたからには、こうやって魔物を追い払うのも覚悟の上だったが……。いや、魔物を追い払うのが嫌なわけではないのだ。もう魔王の立場を失おうが何だろうが関係ない。問題は、その、追い払う時の台詞が……。
「なぁ、カイ。この台詞もう少しどうにかならんのか……」
先ほど言っていたとても魔王らしい威厳のある台詞は、実はカイが考えたものなのだ。
初め俺は『コラーッ! 家に帰れ!』等と言っていたのだが、それでは駄目だと注意され、結果カイが考えたこの台詞を言うことになってしまった。
だが効果のほどはてき面で、俺の台詞だと魔物はぽかんとしていたが、カイの台詞だと脱兎のごとく逃げていくのだ。一体何故……何が違うのというだ……。
ともかく、おかげでカイの考えたこっぱずかしい台詞を言わなくなってしまった訳なのだが、この台詞……もう少し何とかならないものだろうか……。
「何で? 魔物は逃げてくしいいんじゃない?」
「いやそうだがしかし……」
「少なくともダモさんが考えた台詞よりは効果あると思うけど」
……そう言われてしまうと何も言えないではないか。
仕方がない、事実は事実だ。俺には恥を忍んでこの台詞を言い続けるしか方法はない……。頼むからもう魔物は出ないでくれ……。
「ギギーッ!」
「ほら、ダモさん」
「ぐぬうぅ……」
初めの内は数えていた魔物の数も、10匹超えたあたりから数えなくなっていた。普段からあまり大声を出さないせいか、俺は次第に元気をなくし、一刻も早くエルフの里に着く事だけが頭の中にあった。
「どうしたの? 元気ないじゃん!」
元気そうなカイが言う。そりゃあお前は良いだろうさ、魔物と対峙することなく今までやり過ごしてきたのだから……だが俺は怒りすぎて疲れたぞ。大体怒るなんて行為俺には向いていないのだ、今時の魔王たるもの黙っていても威厳が伝わるくらいのカリスマ性をだな……。
「……さん、ダモさんってば!」
「ぬっ! 何だ、魔物か!?」
「違うって、ほら」
カイが指さした方を見ると、そこには高い木の上に築かれた家々があった。家々はつり橋の様なもので繋がれており、そこを沢山の人と思しき者が行き来している。
「これは……」
「ここが、エルフの里だよ」
そうか、ここがエルフの里……。ここにミーミがいるという訳か。そして確か、城の兵士の話によると今ここに魔物が出たとか言っていたな。
「よし、では早速向かおう」
「……何だかダモさんにしてはやる気だね」
「そ、そんなことは……」
正直、カイの言葉は図星を付いている。もう森で魔物を追い払う作業などこりごりなのだ。とっととここの魔物を追い払って次のところへ行きたいと言うのが本音だ。
「さぁ、行くぞ!」
「……どうにも怪しいんだよなぁ……」
こちらを怪しむカイの視線を振り切るように、早足で集落がある木々の元へと近寄っていくと、根元に何者かがいるのが目に入った。
その人物は俺たちの姿が目に入ると一目散にこちらへ駆け寄ってくる。
そしてその姿には何だか見覚えがあった。
「む、あれは……」
「ミーミ?」
「アンタたち、遅―い!!」
森の中に入って数時間。本日何度目かの魔物の登場だ。魔物は色の変わったこん棒を手に、ぎらつかせた目をこちらに向けている。
「うわっびっくりした……ダモさんよろしく!」
「……うむ」
魔物の前に歩み出ると、目を見開き叫ぶ。
「貴様! 言語すら持たぬ下級魔物の分際で、この魔王に楯突くと言うのかーっ!!」
「グギッ!? ギィーッ!」
俺の態度と言葉を聞いて、魔物は慌てて去っていく。
「よーし、やったねダモさん!」
「あ、あぁ……」
カイは至極嬉しそうであるが、俺の心は複雑だ……。
一緒に旅をすると決めたからには、こうやって魔物を追い払うのも覚悟の上だったが……。いや、魔物を追い払うのが嫌なわけではないのだ。もう魔王の立場を失おうが何だろうが関係ない。問題は、その、追い払う時の台詞が……。
「なぁ、カイ。この台詞もう少しどうにかならんのか……」
先ほど言っていたとても魔王らしい威厳のある台詞は、実はカイが考えたものなのだ。
初め俺は『コラーッ! 家に帰れ!』等と言っていたのだが、それでは駄目だと注意され、結果カイが考えたこの台詞を言うことになってしまった。
だが効果のほどはてき面で、俺の台詞だと魔物はぽかんとしていたが、カイの台詞だと脱兎のごとく逃げていくのだ。一体何故……何が違うのというだ……。
ともかく、おかげでカイの考えたこっぱずかしい台詞を言わなくなってしまった訳なのだが、この台詞……もう少し何とかならないものだろうか……。
「何で? 魔物は逃げてくしいいんじゃない?」
「いやそうだがしかし……」
「少なくともダモさんが考えた台詞よりは効果あると思うけど」
……そう言われてしまうと何も言えないではないか。
仕方がない、事実は事実だ。俺には恥を忍んでこの台詞を言い続けるしか方法はない……。頼むからもう魔物は出ないでくれ……。
「ギギーッ!」
「ほら、ダモさん」
「ぐぬうぅ……」
初めの内は数えていた魔物の数も、10匹超えたあたりから数えなくなっていた。普段からあまり大声を出さないせいか、俺は次第に元気をなくし、一刻も早くエルフの里に着く事だけが頭の中にあった。
「どうしたの? 元気ないじゃん!」
元気そうなカイが言う。そりゃあお前は良いだろうさ、魔物と対峙することなく今までやり過ごしてきたのだから……だが俺は怒りすぎて疲れたぞ。大体怒るなんて行為俺には向いていないのだ、今時の魔王たるもの黙っていても威厳が伝わるくらいのカリスマ性をだな……。
「……さん、ダモさんってば!」
「ぬっ! 何だ、魔物か!?」
「違うって、ほら」
カイが指さした方を見ると、そこには高い木の上に築かれた家々があった。家々はつり橋の様なもので繋がれており、そこを沢山の人と思しき者が行き来している。
「これは……」
「ここが、エルフの里だよ」
そうか、ここがエルフの里……。ここにミーミがいるという訳か。そして確か、城の兵士の話によると今ここに魔物が出たとか言っていたな。
「よし、では早速向かおう」
「……何だかダモさんにしてはやる気だね」
「そ、そんなことは……」
正直、カイの言葉は図星を付いている。もう森で魔物を追い払う作業などこりごりなのだ。とっととここの魔物を追い払って次のところへ行きたいと言うのが本音だ。
「さぁ、行くぞ!」
「……どうにも怪しいんだよなぁ……」
こちらを怪しむカイの視線を振り切るように、早足で集落がある木々の元へと近寄っていくと、根元に何者かがいるのが目に入った。
その人物は俺たちの姿が目に入ると一目散にこちらへ駆け寄ってくる。
そしてその姿には何だか見覚えがあった。
「む、あれは……」
「ミーミ?」
「アンタたち、遅―い!!」
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