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第三章:魔法使いミーミ
第三章:魔法使いミーミ④
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ミーミの後に付いて行くと、他の家よりも少し大きい家に辿り着く。
「ここよ、入って」
促されるままに家の中に入って行くと、そこには長老と思しきエルフの老人が一人佇んでいた。体つきはミーミよりも小さく、灰色の髪なのか髭なのか分からない毛で顔中が覆われており、男なのか女なのかすらわからない。エルフのローブを着ていなければ、ただの毛玉かと思ってしまうほどだ。……これは少し言い過ぎか、失敬。
「良く来なさった……さぁ、お座りなさい」
灰色の毛玉がもごもごと動く。声から察するに男……だろうか。うーむ分からん。
取りあえず言われた通りにカイの隣へと座る。カイはまだ具合が悪そうだが大丈夫か……?
ミーミは俺たちの隣ではなく長老の斜め後ろに控える。うむ、家臣はその位置が良いであろう。ミーミも一応その程度は分かっておるのだなぁ……。
「さて……既にミーミから話はお聞きしていますじゃ。里に魔物が現れる時、必ず勇者様が助けに来て下さると……」
そうか、ミーミも前回の記憶があるから俺たちが来るのを予想していたというわけだな。だからこその『遅い』だったのか……いやだからと言って殴るのはいただけないが……。
「ありがとうございますじゃ。勇者様、本当にお待ち申しておりました」
そう言って長老は皺皺の手を差し出し優しく握った。俺の手を。
「あぁ勇者様……勇者様の手はお冷たいのですなぁ……きっと心が温かいと言う事でしょうぞ」
「……ん?」
「あれ?」
これは、何だ、ええと……。この長老は俺の事を勇者だと勘違いしてしまっていると言う事か?な、何という……!
「おじいちゃん! 勇者はそっちじゃなくて、こっち!」
ミーミが慌てて俺の手から長老の手を引きはがしカイの方へ持っていく。
「おぉすまんすまん……こちらの方のほうが見た目が強そうだったんでな……素敵な角じゃのう」
「いやぁ、はは……」
これはこれは、参ったな。まぁ仕方あるまい。ご老人の目の方が真実を映し出すと言うことだ……勇者であるカイよりも俺の方が強く見えてしまうのも、また真実と言うことだろう。なぁ、カイ?……と、カイの方をちらりと見てみたものの、相変わらず具合が悪そうでそれどころではないらしい。
本当に大丈夫なのかコイツは……これでは勇者と思われなくても無理はないぞ。
「では改めまして勇者様。里に出た魔物の事をご説明しますじゃ」
「あ、はい……あの、あんま揺らさないで……」
長老がカイの手を取って揺らす。カイは青白い顔をしながら弱弱しく返事をしている。この分ではまともに話も聞けぬだろうな……俺がきちんと聞いておかねば。
「魔物が出たのはついさっきの事ですじゃ。奴等虫の様な魔物でのぉ……尾についている鋭い針でわしたちにいきなり襲い掛かってきたのじゃ! 幸い食料がちと取られただけで怪我人はいないようじゃが、次襲われた時には怪我人が出るやもしれんし、このまま食料が取られ続ければわし等は餓死してしまうじゃ! そこで、勇者様に奴等魔物を倒してほしいという訳なんじゃが、引き受けて頂けるかのぉ」
長老の話を聞いて、思い当たる節があった。確か魔物の中に虫の様な姿をした果実を好む奴がいたような気がするな。きっと長老が言っているのはそいつらの事だろう。ふむ、俺にかかればそ奴らごとき、簡単に倒すことができよう。
だが依頼を引き受けるためには勇者であるカイが返事をしなくてはならないのだが……カイはさっきから何をしているんだ?
カイの方を見ると、奴はうつらうつらと舟を漕いでいる始末だった。俺が肘でカイをつつくと、慌ててカイが目覚める。
「うぇっ!? あ……はい。お任せください」
「おぉ、引き受けて下さるか! ありがとうございますじゃ……!」
「あ、はぁ……へへ……」
愛想笑いを浮かべながら頷くカイ。話の内容も聞かずに承諾して……コイツ、俺がいなかった前回の旅でもこんな感じで引き受けていたのではなかろうな。
うーむ、心配だ……。
「ここよ、入って」
促されるままに家の中に入って行くと、そこには長老と思しきエルフの老人が一人佇んでいた。体つきはミーミよりも小さく、灰色の髪なのか髭なのか分からない毛で顔中が覆われており、男なのか女なのかすらわからない。エルフのローブを着ていなければ、ただの毛玉かと思ってしまうほどだ。……これは少し言い過ぎか、失敬。
「良く来なさった……さぁ、お座りなさい」
灰色の毛玉がもごもごと動く。声から察するに男……だろうか。うーむ分からん。
取りあえず言われた通りにカイの隣へと座る。カイはまだ具合が悪そうだが大丈夫か……?
ミーミは俺たちの隣ではなく長老の斜め後ろに控える。うむ、家臣はその位置が良いであろう。ミーミも一応その程度は分かっておるのだなぁ……。
「さて……既にミーミから話はお聞きしていますじゃ。里に魔物が現れる時、必ず勇者様が助けに来て下さると……」
そうか、ミーミも前回の記憶があるから俺たちが来るのを予想していたというわけだな。だからこその『遅い』だったのか……いやだからと言って殴るのはいただけないが……。
「ありがとうございますじゃ。勇者様、本当にお待ち申しておりました」
そう言って長老は皺皺の手を差し出し優しく握った。俺の手を。
「あぁ勇者様……勇者様の手はお冷たいのですなぁ……きっと心が温かいと言う事でしょうぞ」
「……ん?」
「あれ?」
これは、何だ、ええと……。この長老は俺の事を勇者だと勘違いしてしまっていると言う事か?な、何という……!
「おじいちゃん! 勇者はそっちじゃなくて、こっち!」
ミーミが慌てて俺の手から長老の手を引きはがしカイの方へ持っていく。
「おぉすまんすまん……こちらの方のほうが見た目が強そうだったんでな……素敵な角じゃのう」
「いやぁ、はは……」
これはこれは、参ったな。まぁ仕方あるまい。ご老人の目の方が真実を映し出すと言うことだ……勇者であるカイよりも俺の方が強く見えてしまうのも、また真実と言うことだろう。なぁ、カイ?……と、カイの方をちらりと見てみたものの、相変わらず具合が悪そうでそれどころではないらしい。
本当に大丈夫なのかコイツは……これでは勇者と思われなくても無理はないぞ。
「では改めまして勇者様。里に出た魔物の事をご説明しますじゃ」
「あ、はい……あの、あんま揺らさないで……」
長老がカイの手を取って揺らす。カイは青白い顔をしながら弱弱しく返事をしている。この分ではまともに話も聞けぬだろうな……俺がきちんと聞いておかねば。
「魔物が出たのはついさっきの事ですじゃ。奴等虫の様な魔物でのぉ……尾についている鋭い針でわしたちにいきなり襲い掛かってきたのじゃ! 幸い食料がちと取られただけで怪我人はいないようじゃが、次襲われた時には怪我人が出るやもしれんし、このまま食料が取られ続ければわし等は餓死してしまうじゃ! そこで、勇者様に奴等魔物を倒してほしいという訳なんじゃが、引き受けて頂けるかのぉ」
長老の話を聞いて、思い当たる節があった。確か魔物の中に虫の様な姿をした果実を好む奴がいたような気がするな。きっと長老が言っているのはそいつらの事だろう。ふむ、俺にかかればそ奴らごとき、簡単に倒すことができよう。
だが依頼を引き受けるためには勇者であるカイが返事をしなくてはならないのだが……カイはさっきから何をしているんだ?
カイの方を見ると、奴はうつらうつらと舟を漕いでいる始末だった。俺が肘でカイをつつくと、慌ててカイが目覚める。
「うぇっ!? あ……はい。お任せください」
「おぉ、引き受けて下さるか! ありがとうございますじゃ……!」
「あ、はぁ……へへ……」
愛想笑いを浮かべながら頷くカイ。話の内容も聞かずに承諾して……コイツ、俺がいなかった前回の旅でもこんな感じで引き受けていたのではなかろうな。
うーむ、心配だ……。
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