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第三章:魔法使いミーミ
第三章:魔法使いミーミ⑤
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「さ、今日はもう遅い。部屋を用意させますので、是非泊まっていってくだされ」
そう言われて窓から外を見ると、既に日が傾き始めていた。
魔物がいつ来るかは分からないが、こちらから向かうにも場所が分からぬことだし、泊っていった方が確実だろう。
「カイ、いいな」
「んあ……」
半分寝ぼけた様子でカイが返事をする。具合が悪くなったりいきなり居眠りし始めたり……全く忙しい男だな、コイツは。
「じゃあ、部屋を用意してくるわ」
そう言ってミーミが部屋を出ていく。ミーミと言えば、一つ長老に聞きたいことがあったのだ。
「あの、少しよろしいか」
「なんですかな?」
「ミーミの事ですが……もしやミーミは長老のお孫さんでは……?」
先ほど長老が俺を勇者だと間違えた時、ミーミは長老の事をおじいちゃんと言った。老人に対して親族ではなくとも通称として言う時があるとは聞いていたが、果たしてどうなのかと思い聞いてみることにした。
「うむ……そうじゃよ。ミジュトレイゼンバフォミはわしの孫じゃ」
「そうですかやはり…………ん?」
やはり孫だった。それはまぁ予想通りなのだが、それよりも何だ?今何と言ったのだ?
「あの、今の言葉をもう一度……」
「言葉? ミジュトレイゼンバフォミのことかの」
何だその聞いたこともないような言葉は。エルフ独特の言葉なのだろうか……しかし今までそんな情報は聞いたことがないぞ!と、取りあえず長老に聞くとしよう。
「申し訳ないが、その、ミジュ……とやらは一体……?」
長老は俺の言葉を聞き、驚いたように身を引いたもののすぐに納得したように頷く。
「なるほど、まだ聞いておりませんでしたか。まぁ、そうでしょうなぁほっほっほ」
一人で納得したように笑っている長老。笑っていないで俺にも何なのか教えてほしいものだ。
俺の願いが通じたのか、はたまた顔に出ていたのか、長老はゆっくりと話し始める。
「ミジュトレイゼンバフォミとは、貴方たちがミーミと呼んでいる子の本当の名前ですじゃ」
「な……っ!」
何だと……!俺はてっきりミーミが名前だと思っていたが、実際はミーミと言うのはあだ名だったという訳か……。あだ名、か。何だか親近感が湧くな。
しかし何故わざわざあだ名を使うのだ?ミジュトレイゼンバフォミは確かに長いが強そうで格好の良い名前だと思うのだが……。
「あの子はこの名前を嫌っておりますのじゃ。何でも『可愛いアタシには似合わない!』とのことでしてな……」
うむ、ミーミが言いそうなことだ。確かにあの可愛らしい見た目からは想像もできないような名前だという点では間違ってはいないな。
「それともう一つ理由がありましてな……これは、あの子からは誰にも言うなと言われているのじゃが……」
誰にも聞かれたくない理由か。生きていれば皆一つぐらいはある物だろう。勿論俺にもある。嫌がるものを無理に聞く訳にはいかない。
だが、聞きたいと思っているのもまた事実だ。単なる好奇心からかもしれないが、この話を聞くことによって、もっとミーミの事を知ることができたらと言う思いがあると言うのも、決して嘘ではない。
元敵とは言え、これから共に旅する仲間の事を知っておきたいと思うのは、当然の事だろう。
「……差支えないようであれば、お聞かせ願いたい」
俺の言葉を聞いて、長老はしばし考えるように沈黙する。そしてふいに両手で顔を覆ったかと思うと、顔を隠していた毛を勢いよく後ろに持っていく。毛が無くなった長老の顔は、どことなくミーミに似ている気がした。
「分かり申した。では、お話ししましょう……」
静かに語り出した長老を見て、俺も姿勢を正して長老の言葉に耳を傾ける。
「ミーミは昔……里の者にいじめられておったのです」
そう言われて窓から外を見ると、既に日が傾き始めていた。
魔物がいつ来るかは分からないが、こちらから向かうにも場所が分からぬことだし、泊っていった方が確実だろう。
「カイ、いいな」
「んあ……」
半分寝ぼけた様子でカイが返事をする。具合が悪くなったりいきなり居眠りし始めたり……全く忙しい男だな、コイツは。
「じゃあ、部屋を用意してくるわ」
そう言ってミーミが部屋を出ていく。ミーミと言えば、一つ長老に聞きたいことがあったのだ。
「あの、少しよろしいか」
「なんですかな?」
「ミーミの事ですが……もしやミーミは長老のお孫さんでは……?」
先ほど長老が俺を勇者だと間違えた時、ミーミは長老の事をおじいちゃんと言った。老人に対して親族ではなくとも通称として言う時があるとは聞いていたが、果たしてどうなのかと思い聞いてみることにした。
「うむ……そうじゃよ。ミジュトレイゼンバフォミはわしの孫じゃ」
「そうですかやはり…………ん?」
やはり孫だった。それはまぁ予想通りなのだが、それよりも何だ?今何と言ったのだ?
「あの、今の言葉をもう一度……」
「言葉? ミジュトレイゼンバフォミのことかの」
何だその聞いたこともないような言葉は。エルフ独特の言葉なのだろうか……しかし今までそんな情報は聞いたことがないぞ!と、取りあえず長老に聞くとしよう。
「申し訳ないが、その、ミジュ……とやらは一体……?」
長老は俺の言葉を聞き、驚いたように身を引いたもののすぐに納得したように頷く。
「なるほど、まだ聞いておりませんでしたか。まぁ、そうでしょうなぁほっほっほ」
一人で納得したように笑っている長老。笑っていないで俺にも何なのか教えてほしいものだ。
俺の願いが通じたのか、はたまた顔に出ていたのか、長老はゆっくりと話し始める。
「ミジュトレイゼンバフォミとは、貴方たちがミーミと呼んでいる子の本当の名前ですじゃ」
「な……っ!」
何だと……!俺はてっきりミーミが名前だと思っていたが、実際はミーミと言うのはあだ名だったという訳か……。あだ名、か。何だか親近感が湧くな。
しかし何故わざわざあだ名を使うのだ?ミジュトレイゼンバフォミは確かに長いが強そうで格好の良い名前だと思うのだが……。
「あの子はこの名前を嫌っておりますのじゃ。何でも『可愛いアタシには似合わない!』とのことでしてな……」
うむ、ミーミが言いそうなことだ。確かにあの可愛らしい見た目からは想像もできないような名前だという点では間違ってはいないな。
「それともう一つ理由がありましてな……これは、あの子からは誰にも言うなと言われているのじゃが……」
誰にも聞かれたくない理由か。生きていれば皆一つぐらいはある物だろう。勿論俺にもある。嫌がるものを無理に聞く訳にはいかない。
だが、聞きたいと思っているのもまた事実だ。単なる好奇心からかもしれないが、この話を聞くことによって、もっとミーミの事を知ることができたらと言う思いがあると言うのも、決して嘘ではない。
元敵とは言え、これから共に旅する仲間の事を知っておきたいと思うのは、当然の事だろう。
「……差支えないようであれば、お聞かせ願いたい」
俺の言葉を聞いて、長老はしばし考えるように沈黙する。そしてふいに両手で顔を覆ったかと思うと、顔を隠していた毛を勢いよく後ろに持っていく。毛が無くなった長老の顔は、どことなくミーミに似ている気がした。
「分かり申した。では、お話ししましょう……」
静かに語り出した長老を見て、俺も姿勢を正して長老の言葉に耳を傾ける。
「ミーミは昔……里の者にいじめられておったのです」
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