魔力無しグルコ25歳の備忘録

イイズナそまり

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第八話

配達員グルコ出陣

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 ポーション配達員の仕事は奥が深い
山奥の森の奥の細道を迷わず進み 動く蔦や動く落ち葉に阻まれながら突き進むとか 魔獣の目を掻い潜り目的地に辿り着くとか この仕事は奥が深い


「ウェッ」
「グルコ、上級ポーション飲むか?」
「いや、売り物だから、やめとくよ」
俺はゾム酔いに苦しみながら歩いている
「ごめんな、僕も予備を持ってなくて」
「そのうち治まるから多分」
〈ブフォ〉
「ゾムはデカくてもふもふで大人しくて人に良く懐く高冷地の荷運びに適した家畜だって備忘録に書いてあったのに」
〈ブフォブフォ〉
「そうだね」
「俺を乗せるの嫌なのゾム?」
〈ブフォ〉
ドロイに手綱を引かれてそれはもうお利口さんなお散歩ですわ
「ゾム、グルコが乗るとスキップするよね。なんでかな?」
〈ブフォ〉
「ウェッ」
胃袋はもう空だ えづくだけ これがキツイのなんの
「おんぶするか?」
「ウェッ」うん

 俺達は今 ポーション配達員の仕事で西の森の奥の森に向かっている 森と森の境目が何なのか俺には分からないが 魔力持ちには分かるそうだ
店長が配達依頼を受けた奥地の村は 初めてなのでドロイに道案内を緊急依頼した
「あのさ、昨夜、冒険者仲間に聞いたんだ⋯」
あ やめて 君が言い淀む時はろくな話しじゃないんだよ
「ケホッ」
「弱いグルコには言いにくいんだけど⋯」
俺の弱さは折り紙付きだからね おんぶされてるからね
「この辺、出るらしいんだ」
俺にも分かる トラブル臭がぷんぷんする 一応聞く流れで 
「なにが?」
「山賊」
ほらね だよね いかにも出そうな雰囲気だもの
「山賊のお仕事は?」
「行商人から荷の略奪かな?あとは⋯⋯まあ、色々だね」
俺たち鴨ネギだわ ドロイが鴨で俺がネギ
「そんなことより、仲間が言うにはさ、ばっちゃんの歯痛の薬、村の薬剤師が作れるかも知れないんだ」
山賊はそんなことより扱いか さすがA級冒険者 頼りになりますな
「ケホッ」
〈ブフォ〉


 町の外れのナナフシ薬局/我が家に静かな朝が訪れた 夜明け前に魔獣の咆哮で起こされても二度寝を満喫できる 環境に慣れるって健康の原点だよね それにしても静かすぎ
今日は店休だっけ?店長遅刻かなぁ などと のんびり店のカウンターで朝のコーヒーを啜りながら注文台帳に目を通す
上級ポーション5本配達か 知らない村だ 店長が転移魔法でチャチャっと配達する分だね 準備だけしとくか

〈バンバンッ〉
ゼェハァ「グルコ!いるんでしょ!」
ツヤツヤ魔女が店のカウンターで喚いてるが テンプレ登場なので気にせず 薬品室で配達バックに上級ポーションを詰める
〈バンバンッ〉
ゼェハァ「大変なんだってば!」
魔女ってのはカウンターをバンバン叩く生き物らしい 素知らぬ顔で薬品室を出る
「東さん、転移先は店の前、チャイムを鳴らして入る練習してくださいね」
ゼェハァ「いるんじゃない!返事しなさいよっ!」
「すいませんね。薬品室にいると聞こえにくくて」
嘘です
ゼェ「そんなことより!西がっ西がっ西がっ」
「店長なら遅刻です。まだ一緒に住んでるんですよね、遅刻理由ご存知ですか?」
「もおっ!おバカァーー」パッチン
俺は首根っこ掴まれて指パッチンで店長の寝室へ転移した



《ギャーギャーギャーギャー》
「ばっちゃーん死んじゃヤダァーーー」
「ばっちゃーーばっちゃーー」
《ギャーギャーギャーギャー》
子供達が泣き叫ぶ 妹の方は布団の小山を跨いでる 重そう
「ねえ死ぬの!? 西は死ぬの!? 助けなさいグルコッ!」
「んーーーーー」
魔女って何千年も生きてる古代兵器だよね?確か不死身だよね? 違うのかなぁ
「店長、どうされました?」
ギャーギャー騒ぐ3人はさておき そっと耳元に話しかけてみた
「⋯⋯⋯い」
「胃?」
「⋯⋯たい」
「鯛?」
腹ペコちゃんかな
「⋯が痛い」
「外帯?」
「アタシャ歯が痛いんだよ!静かにおしっグハアッ」



〈ブフォブフォブフォブフォー〉

「キミにも分かるんだねゾム」
は? 俺には分からないけど?
何そのシリアス展開に持ち込もうとするセリフ
フラグか?フラグ立てるのか?
堅い表情 全身に張り詰めた空気を纏う魔法使うのやめて
「山賊?」
「わからない」
多分だけど鴨ネギのネギだけ狙うよ?メインディッシュの鴨は堅くて噛めないから ネギだけ狙い撃ちするよ?
「ゾム、グルコを乗せて先に行ってて」
家畜に頼むことかなぁ そりゃそーだけどさ俺は足手まといだけどさ
「グルコ、後のことは頼んだよ」
ピコーン ほらねフラグの立つ音がしたよ!
「ばっちゃんの歯痛薬、必ず届けて!」
やめてやめてっ マジごめんやめてってば
「走れ!」バチンッ
尻叩いたっ
〈ブッフオオォォォォォーーー〉
ヒイイイイィィィーーーーー
フラグは俺に立っていた


 牡丹鍋が野獣の猪とは限らない。凶暴な魔獣ワイルドボアも猪なのだ。
「グルコさん、これ豚足オススメですよ」
この村では、ワイルドボアの足を豚足と言う。
「ありがとうございます」
「グルコさん、酒はイケる口かな?私が作った甘酒なんですよ。おひとつどうぞ」
この村では、ドブロクを甘酒と言う。
「いただきます」
俺は今夜、白濁した沼で溺れてるところを豚足で踏み沈められる夢を見るだろう。
「グルコさんは学者さんですか?」
「いえ。なぜですか?」
「先程からずっとその黒い本に文字を書いています。沢山文字を書くのは学者さんです」
「はい。日々何かを学ぶ者です」
「ギャハハハハハハ」
だまれ笑うな山賊 アンタのせいで悲惨なフラグが立ったんだぞ と思っても口にしてはいけない
「村長、違いますよ!グルコは薬局のポーション配達員ですよ!」
「ああ、そうでした、そうでした」
「ギャハハハハハハ」
「ギルマス、飲みすぎるとまた奥さんに小遣い減らされちゃいますよ?」
ドロイ ヤブを棒でつついちゃったね
「あ~ん?オレは甘酒をちょびっと飲んだだけだ!ドロイ!女房にチクッたらB級にランク下げるからな!」
ほぉらヤブから蛇が出たぁ~ パワハラサイテ~ 泣きぼくろキモッ
「お好きにどうぞ。もう冒険者ギルドには上級ポーション卸しませんからね」
「べつにいーもんねー、グルコから買うからいーもんねーだっ」
なるほどなるほど。こうして価格が高騰していくのか。学んだなぁ
オッホン
「ナナフシ薬局は健全な取り引きをモットーにしております。それに卸し売りは致しておりません。うちはどこぞの高飛車な工房とは違いますので、あしからず」
「あ~ん?オレに逆らうだと?ナナフシのクセに生意気だぞ!お前、資格を剥奪されたいのか?あ~ん?」
クスクス「ギルマス?それはお角違いでございます。俺の資格は商業ギルドの認可ですよ?冒険者ギルドの出る幕じゃあございません。ご存知でない?」
「クソッ!」
「それからそれから。このような席で、町の恥を晒すような発言はお控えくださいね」
「なんだとやるのかうらぁ」
「まあ怖い怖い。野蛮な山賊がなんでこ」
「グルコッ!」
バチンッ「フガッ」
「グルコも飲みすぎ!もう黙って!」
そっか。俺は酔っ払いなのか⋯ 皮下脂肪の薄いほっぺたがA級鉄板に挟まれて頬骨粉砕骨折なんですが?これ労災下りますか?


ギャースギャースギャース
グッホッホッホッホッホッ
ミャーミャーミャーミャー

賑やかな魔獣の鳴き声で目が覚めた
夜明け前 夜行性の魔獣達が其々の寝蔵に帰っていく 豚足の夢は見なかった
「グルコ起きた?」
「ルダ、おはよう、早いね。もう村に着いたんだ」
「うん。起きてすぐ出てきた」
「ギルマスとドロイは?」
「村長の部屋でまだ寝てたよ」
午前1時過ぎ先に床に就いた この村は夜が長く夜明けも遅い あの二人はなんだかんだザルだった 酔っ払ってから強くなるタイプの酒豪ってやつだ 付き合いきれん

「グルコ、上級ポーションありがとう」
「俺じゃなくて、ドロイに言いな」
「起きたらすぐ言うよ」
この村にはルダのお母さんの遠戚が住んでいる 上級ポーションは遠戚からの依頼だった ルダ達の家は森の奥にあるそうだ
様々な事情を抱えているのだろう
「お母さん、良くなった?」
「うん!グルコありがとう!」
子供に抱きつかれると ほんわか照れてしまうよね
クンクン「グルコ臭い」
「魔蟲避けが染み込んでるんだよ」
「マチューヨケ?」
「小さい蟲がチクチク体を刺すだろ?あの蟲はこの臭いが嫌いなんだよ」
「ふーん。グルコは肌も弱いんだね。がんばってね」
「うん。がんばるよ」
「ゾムの朝ごはん、やっといたよ」
「ありがとう」
「おばちゃんがね、ゾムが速く走るの初めて見たって。グルコを乗せて村まで走って来てビックリしたって」
「あーーー」
そのおばちゃんに殺されかけたのよ俺 魔獣の襲撃と間違われて 矢が飛んできたのよ ゾムの体で弾かれたけど洒落にならんかったのよ とは子供には話せないよなぁ
「それとねそれとね!」
ペロンと服の裾を捲ってみせた 俺の渡した名札がへその下辺りにぶら下がってる 紐の長さが調整できる工夫が必要だな
「ここ!ここ!お願い事の上!
山神さまのお守りって書いてある!」
「お。バレちゃいましたか」
「おばちゃんが教えてくれたよ」
「そうかぁ」
「泣いてたよ。グルコもこれ書くとき泣いてたよね」
「なんでだろうね。不思議だね」
「うん。大人って泣き虫で不思議だね」
「貸してごらん」
ルダの願い事 お母さん元気 に文字を書き足した 勿論 契約魔法ペンで書く
「はい。これで良し」
紐の長さを作り目の輪で調整する
「なんて書いたの?」
「ずっと」
「ずっと?」
「そう。お母さんずっと元気」
わあっ「グルコ大好きありがとう!」
「俺じゃなくて」
〈トントン〉名札をつつく
うふふ「山神さまありがとうございます!」
名札の紙に備忘録のページを破って使ったのは 俺には分からない魔力とか魔法とかの効力がありそうだったからだ 契約魔法ペンで〈山神さまのお守り〉と書いたので守ってくれるだろう 多分 暇なら 気まぐれで


 ギルマスは村長とまだ話し合う事が残っているそうで 俺とドロイとゾムは先に出発した 復路ではゾムはもう俺を乗せてもスキップしなかった 魔蟲避けの匂いが薄まったからとか?
「グルコ、この村から注文がある時は、また、誘ってくれよな」
いや 君を雇うと利益ゼロなんですけど?
ポッ「僕、あの薬剤師に惚れちゃった」
マジか 大事そうに胸に抱えてるけど それラブレターじゃないよ?歯痛の薬だよ?
「ひとりで行きな」
「やだ、恥ずかしいもん」
「ウェッ」


 
 西の森に帰り着いたのは日没前だった
昨日はバタバタと忙しなくて気付かなかったが 店長の家の外観はちゃんとした普通の家だった ゾム小屋もちゃんとした普通の小屋だった
「空き巣に入られました?」
「え。なんでなんで?」
「違うならいいです。聞き流してください」
以前 子供のいる家に初めてお邪魔した時 あまりの散らかり様に驚いて大声で騒いでしまったが今回は冷静だ 俺も大人になったなぁ
「子供達は?」
「今は眠ってるわ。起きて泣いてごはん食べて眠って」
ずっとその繰り返しか
「お疲れ様でございました」
ツヤツヤ魔女も俺達が来るまで添い寝してたんだね 顔に筋 布シワの跡が残ってる ほらね チャイムを鳴らして訪問を知らせるって 
大事な礼儀でしょ?


グウゥゥーーグウゥゥーーグウゥゥーー
「店長、配達終わりました」
グウゥゥーーグウゥゥーーグウゥゥーー
「東さん、痛いの痛いの飛んでけ魔法、解除してください」
「あら、そうねそうね」パッチン
この人は全部指パッチンで発生させる 指の骨折れたらどうするんだろ
「グハッ!イテテテテッ!グルコッ!アンタアタシに何したのさっ!ウギギッ」
痛いんだね 俺も子供の小さいおもちゃを踏んづけて足の裏痛いんだよ 靴が汚なすぎて玄関で脱いだけど こんな部屋なら別に履いてても良かったんだよ
「店長、配達、終わりました。ご依頼、間に合いましたよ」
「ばっちゃん、ばっちゃん、歯痛の薬だよ!僕の愛しの君が作ったんだ!良~く効くよ!」
君飲んでないでしょ 効能・効果は証明されてないでしょ
「西、ほら早く、飲んで飲んで飲んで、飲んで飲んで飲んで、飲んで飲んで飲んで」
吐くわ!そんな勢い良く飲んだら吐くわ
「ある程度痛みが治まるまで、俺が見てますから」
「じゃあ僕、お粥作っとくね。手伝って貰えますか?」
「わたし?わたしが手伝っても良いのかしら?」
「ヤメトクレ」
「だそうです。東さんは、もう少し休まれてください。お疲れでしょう」
ここでウロウロされると俺が疲れる
「そうねそうね、じゃあお願いね」パッチン



 一時間程経つと店長の低い呻き声が治まった
鎮痛効果が高い これはかなり良い薬だ
さてさてどれどれ
俺も一包飲んでみた 顆粒が喉の奥でニガく広がる 水 水 水! 先にひとくち水を飲んで喉を潤してから飲むんだった 顆粒は久しぶりで忘れていたよ
「腰かい?」
「坐骨ほにゃららもです」
「効能・効果が確認できたら、この薬、うちでも扱うよ」
「俺もそのつもりです」
「アンタも長椅子で横になりな」
「ハイハイ」
長椅子ってどこですか?クシャクシャの服と分厚い本と子供のおもちゃのオブジェならありますけど?

夢を見た
白濁した沼で溺れてるところを豚足で踏み沈められる夢を見た
「店長?」
「ああ、起きてるよ。痛み疲れがあるだけだ」
「俺もです」
「アンタ、呻いてたよ?ホントに効いたのかい?」
「それは、悪夢を見てたので、痛みの呻き声ではないです」
「そうかい。それじゃ、この薬」
「買いです」
「わかった。交渉はアタシに任せな」
「あ、村にはドロイを同行させてください」
「ドロイはいらないだろ?」
「それがそうでも無いかもです」
「わかった。アンタの勘を信じるよ」
「ありがとうございます」
「どら、お粥でも喰うかね」
「あ。俺は喰わないです。帰ります」
「わかった。ありがとよ」


 町の外れのナナフシ薬局/我が家 には転移されなかった
「こりゃ参った」
俺は円舞台の真ん中に立っていた
円舞台広場は街灯が落とされ 月明りだけが頼りだ こんなに暗い町は初めてだ 静かだ
ここから歩いて帰れってかぁ どうしよ俺すげぇ疲れてんだけどなぁ しかも裸足
クスッ 勝手に〈山神さまのお守り〉作った罰ゲームかもな
服の上から胸に下げた名札を柔らかく握る
しかしまあ このこと店長に報告したら驚くだろうね 魔女の転移魔法から俺を掻っ攫っちまうなんて 面白い神さまだね

山神さま これからも子供達を守ってくださいね
俺は名札をギュッと握りしめた
瞬間

ピカッ

足元の円舞台が閃光した
全身 目の奥まで白くなる強い光だった 痛みは無い
〈あーあー〉
今のが山神さまの魔力か?俺にも見えたのか?
〈あーあー〉
ん? 目の前に黒い獣がいる いや黒鹿毛か? 白く仄めいてる
〈あーあー〉
馬か?あーあー鳴いてるけど馬だよな?まだ仔馬だ
〈あーあーよんだー〉
「おうっ馬がしゃべった」
〈あーあーごほーびーやまがみさまーごほーびーあずけるー〉
仔馬が人間の子供の声でしゃべってる
「こんばんは」
〈あーあーこんばんはー〉
マイクテストみたいだね あーあーテステステス本日は晴天なり
波長とやらを合わせてるのかな
「山神さまご褒美預ける?」
〈あーあーそれー〉
服の胸元がふわっと浮き上がる 
「これ?名札?」
〈あーあーやまがみさまーうれしー〉
お守りを作ったのが嬉しかったのか 罰ゲームじゃなかったのね とりあえず貰えるなら貰っとこう 
暗闇に目を凝らすがそれらしい物は見当たらない
「もしかしてご褒美は君かな?」
〈あーあーごほーびーあずけるー〉
「山神さまから君を預かるのがご褒美なんだね」
〈あーあーそーそー〉
なるほどね 人語を話す馬か 凄いご褒美だよな
山神さまが魔力無しに預けるくらいだ この仔馬には何か特別なチカラがあるんだろう
でもこれじゃあなんか
「もっと簡単にお話しできるかな?」
〈あーあーできるーじゅーまー〉
「君を従魔化できるの?」
〈あーあーできるーはやくーつかれるー〉
「確か名前を付けて従魔化するんだよね」 
〈あーあーそーそーなまえー〉
んーと 仔馬はタテガミと尾は黒鹿毛 体は黒毛だけど
「ボリル。君の名前はボリル」
俺の好きな古代の名馬 黒鹿毛 シン・ボリル・リスエス

「ボリル!ステキ!ありがとう!」
〈ヒヒーン〉棹立ち
「わあっ」

仔馬とはいえ目の前でされると大迫力!デカイ!
「俺はグルコ、よろしくねボリル」
「グルコ覚えた。よろしくね」

「さて。お家に帰ろうか」
「お家どこ?」
「町の外れ。ボリルはこの町は初めてかな?」
「うん。まちのはずれってなあに?」
ゼロからスタートなのね
「町は人間が集まってる所。その端っこが町の外れ」
「覚えた」
「あと、ひとつ。ボリルは男の子?女の子?」
「知らない。ボリルはボリル」
「そっか。ボリルはボリル」
「覚えてね」
「覚えたよ」

「あのさ、俺、裸足で足が痛いんだ。ボリルの背中に乗せて貰えるかな?」
「んー?んー。いいよ」
ふわりと体が浮いて背中に跨ってしまった
「ありがとう」
「んー?んー」
体が軽くなった
「背もたれ付きの椅子かな?」
「うん。グルコ魔力弱い」
「魔力無しなんだ」
「弱いけど魔力ある」
ふふ「そーだね。ありがとう」
「うん。ボリル、グルコ守るの」
それはまた頼もしい

もしも馬を飼えたなら
颯爽と騎乗していざ出陣!ハイヨーシルバ!
ってのをやってみたかったけど まあこんな俺達だしね
「それでは、西の森へレッツラゴ~」
「西の森知らない」
だよね
「あっちだよ」
「覚えた」テコテコテコテコ⋯





~配達員グルコ出陣 完~
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