魔力無しグルコ25歳の備忘録

イイズナそまり

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第二十四話

グルコとマルサ

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 「ナナフシ薬局にマルサが来ます。」

 洞窟風古民家BARナナフシ薬局 
開店直後 商業さんが来店と共に物騒な話題を持ち込んだ

「国税局査察部のマルサですか?」
「そのマルサです。」
「最悪ですね」

薬局の閉店前からカウンターで呑んだくれている店長とシンさんは知らんぷりを決め込む
さてはこの二人 既に知っていたな
「商業さん、その情報、俺に話して大丈夫なんですか?お飲み物はどうされますか?」
「普通はダメです。ターキー17をショットで。」
「ですよね」

オホホホ~「こんばんは~。うちにマルサが来たわよぉ~」

東さんまで
転移魔法での入店には慣れているけど 挨拶ついでに物騒な話題はやめて欲しい
内容次第では秘匿魔法を交わしたり面倒くさいのだ
まあ 情報の無料提供はありがたいけどね
「自宅ですか?魔塔ですか?」
オホホホ~「どっちだと思う~?」
その怒り笑顔
「両方ですね?」
フンッ「山神百年の孤独、ストレートでちょうだい」
「ハイハイ」

〈グビグビグビグビ〉

プハァ~「やってらんないわよチクショー!」
〈ガンッ〉
大虎完成 今日は早かったな

「グラスが割れます」
「割れないわよ!」
「いつ来たんですか?おかわり飲みま」
俺からボトルをぶん取りグラスに波々と注いだ
「今日よ!手ぶらで帰るマルサって何なのよ!」グビグビ
「それはまあ、脱税の摘発が目的じゃないからでしょうね」チラリ
シンさんと目が合ったがフィッと逸らされた
「そうでしょうともさっ!」グビグビグビグビ
荒れてるなぁ
〈ガンッ〉
〈プハァーーーーーーーーーーーー〉

「東さんの屋敷は何時からでしたか?どうぞ」
さりげなくターキー17を注いだけど そっちの方が度数10くらい高いよね
「ありがとう。朝6時からよ。まさか商業も?」
「はい。起こされました。」
「うちは魔塔もやられたわ」
「私は自宅、ギルド、実家もでした。一斉に着手したんですね。」
「あなたの実家、領外だったわよね?」
「今は王都です。両親は元マルサです。ついでに元部下達に家具移動をやらせたと自慢していました。」
マルサとはなんぞや
「うちは倉庫の片付けをさせたわ。でもね、粗大ごみを押収しなかったのよ?サービス悪いと思わない?」
それは回収と言います
「今回はサービスが悪かったですね。」
「今回はって。マルサの常連なの?」
「はい。そんなことより、子供部屋は許せませんよね?」
〈バンッ〉
「それよっ!ムカつくったらありゃしない!」
「子供が隠してる物を暴くとか、絶対ダメです。」
「そうよね!うちの子、別れた亭主の写真を隠し持ってたのよ!どう思うっ!?」
「うちもですっ!最悪ですっ!」
あれ?商業さんは
「あなた離婚したの!?」
「はい!裏の年一発目の大厄災でした!」
「最悪ねっ!」
「はいっ!」
あちゃー お気の毒さま

コソリ「シン坊、知ってたか?」
コソリ「いや。全く」

「店長、冒険者ギルドもですかね?」
「ああ。ガッツリだよ」
全部知ってるんだな
「しかし随分と大掛かりだなぁ。暇なのか?」
ケッ「税金ドロボー共め」
「関係各所を一斉着手し混乱させ本丸に逃げ込ませる。人が集まると綻びが広がる。そこで一網打尽。マルサの定番だな。狙いはナナフシ薬局だよ」
実際こうして集まってしまった 筋書き通りだな
「シンさんと店長は怖く無いんですか?」
《全然》
「帝国魔塔が王国のマルサを使ってシロアリ探しをしてるんですよね?」
「そーだな。奴ら、生き残りの存在を確信して動いてるな」
「帝国の魔塔から出向してる奴が居たわ。わたしが確認できたのは5人。おそらく隠密部隊も来てるはずよ」
「私の方も初見が5人居ました。魔塔ですね。」

ハッハッハッ「ほんと執念深いよなぁ~」
「シンさん、笑い事じゃないですよ」
「グルコ君、シロアリは全て私が焼却したんだよ。そうだろ?」
好々爺のキメ顔 カッチョイイけどさ
「ボリルと寝てるあの子は?」
「私達以外にはクロアリの亜種に見えている」
その隠蔽魔法が自分ではわからないから不安なのに
しかも生き残りを確信してるって
「バレませんか?」
「西」
「アタシが死ぬまでバレないよ」
ハッハッハッ「だそーだ。安心しなさい」


テコテコ「グルコォー」テコテコ
通り口から眠そうに入ってきた
「ボリル、どうしたの?」
背中にシロアリを乗せている カウンターの面々を見渡す
「ズナお話しして大丈夫だよ」
「ヤナカンジ」

《ギョッ》

「ズナと名付けたのね」
「いや、ちょっと待て待て」
「しゃべってます。」
「あら、この子、元からそーいう雰囲気あったじゃない?」
「おいで。いつからだい?」
ピョンッと店長の胸に飛び込んだ
「さっきだよねー」
「ネ―」
「羽根はどーした?」
背中を撫で撫で
「イラナイ」
「魔力で抑制してるのかい?」
「シテナイ」
撫で撫で
「そーかい」
撫で撫で
「もう隠蔽魔法は要らないね。解除するよ」

〈ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ〉
シロアリの体が白く仄めいた

モゾモゾ「クスグッタイ」モゾモゾ
仄めきが消える
「終わったよ」

「西、どういう事よ?」
「遺伝子組換え亜種じゃなくなってる」
「つまり?」
「普通の亜種だ。デカイ働きシロアリだよ」

《えええぇーーーーーーー!?》

「魔力を見てごらん」
「んーーー。ん?」
「嫌な感じが無いです!」
「あら、むしろ爽やかな?」
「キレイな魔力だな」

「体も前よりしっかりしてる」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で
「そーかそーか。科学が自然のチカラには及ばなかったんだな」
「お前さん、良く頑張ったなぁ」
撫で撫で撫で撫で撫で撫で

「シンさん、この子はもう帝国魔塔に狙われ無いですよね?」
「ああ。これからは正々堂々と法律で守らせるよ」

詠唱「シンケー領固有種登録」

カウンターに発現した魔法陣に書類が乗っている

詠唱「種族シロアリ亜種 働きシロアリ 名称ズナ 特徴デカイ スキル人語会話とか色々 以上 初代領主権限登録」

〈パァーーーーー〉

閃光し魔法陣が消えた
「これで安心だ」

「隠れて暮らすのは終わりだよ」
「ウレシイ」

ヒンヒン「良かったぁ~」
「おっとっとっ」
全身で擦り寄ってきた 黄色い瞳 涙目だ
ボリルが一番心配してたもんなぁ
「良かったね」ヨシヨシ
「グルコ、出していい?」
「え?あ、うん、いーけど何を」

ポン〈カサッ〉

収納魔法から羽根の付いた蟻のデカイ抜け殻

《脱皮!》

ハッハッハッ「脱皮かぁ~そーきたかぁ~」
「こりゃまた面白い!」
店長がキラキラ顔

ドキドキドキドキ
コソリ「ヤバかったわ。ギリセーフだったわ」
ドキドキドキドキ
コソリ「カウンターに虫を出されるのはトラウマです。」

「ねえ。薬の素材になるかな?」
「カナ?」
「うん。薬剤師さんに聞いてみようね」

「羽根はアタシが貰うよ」

〈プチッ〉

フム「これで普通の亜種の抜け殻になったな」
「しまっててね」
「うん」

「それで。ヤナカンジってどんな感じだい?」
撫で撫で撫で撫で
「ビリビリ」
「どこがだい?」
「コレ」
触角を振り回す
「そうか。触角か」
「ココ、ヤナカンジ」
先を床に向け チョイチョイと上下させた

《?》

「ああ、わかるのかい。スキルだね」
「トクイ」
撫で撫で撫で撫で
「ボリル、結界の下、地中深く。
新しい探索魔法を教えただろ?使ってみな」
「うん」

詠唱「穴から~空転げ落ちて~ 気がつけばそこは はははぁ~ん」

また変な歌の魔法を教えたな

「んーーーーーーーー?」
床の魔法陣をジッと見つめる
皆んなカウンターに乗り出した
商業さんまたカウンターの上に正座してる

「どうだい?」
「あっ!」
「何か見つけたかい?」
「土竜人族だ!」
「ご明答」
ハッハッハッ「根性だなぁ~」
「まんまと結界に惑わされてる」

ゲェー「帝国魔塔の隠密部隊だわ。地の果てまで追ってくるやつね」
「東をつけて来たんだな」
「地上での転移先が分かるんですか?」
「わかるんですってよ」
「土竜人族は大陸一謎の生態です。」
マジか
「超高速で掘り進みます。地中では無敵の速さです。」

ニヤニヤ「西、可哀想だから入れてあげろよ?」
ニヤニヤ「だな」
えっ?


〈ピンポーンピンポーンピンポーン〉

「そら来た」
えっ 何 何 何をしたの?
相手は隠密部隊でしょ?

「グルコ君」
マジかぁー

黒い引き戸をそっと開ける

「あー家の人居たぁ、良かったぁ」
「夜分に突然すみませ~ん」
「オイラ達、迷子でぇー」
「ここはどこですかぁ?」

はっ? これが土竜人族? 普通の人族だけど

「えーと、町の外れのナナフシ薬局です」

《ギョギョギョッ!》
〈ピシャンッ〉

え 閉められた?

《ワッハッハッハッハッハッ》

カウンターを振り向く
「まあ、そうよねー。ここは本丸だもの」
「ザマアミロですね。」

《ワッハッハッハッハッハッ》

からかったのか?
帝国魔塔の隠密部隊をからかったのか?

引き戸をそっと開ける 誰も居ない 月明かりに照らされた庭に目を凝らす
「モグラが出た後のボコンボコンが無いです」
「穴を残さない退路が埋まる魔法を使うのよ。魔力残留も無いの」
マジか
「普通の人族でしたよね?」
「立派な土竜だったよ」
「デッカイ土竜。洋服着てたよ」
「土竜人族だったわ」
「実写版、初めて見ました。」
「俺、隠蔽魔法に掛かってたんですね?」
「西の結界内で通用したんだな」
ケッ「修業が足りん!」

「いやいや、そんなことより、次のマルサうちですよね?あの人達、着手前にバレちゃって処罰とか大丈夫なんですか?」
「さあ~?隠密部隊は公に処罰出来ないから」
「密かに処罰されるとか?」
「んー。帝国の魔塔主次第かしらね」
何か人の良さそうな感じだった 酷い目に遭って欲しくない
「大丈夫よ。隠密部隊は魔塔主のお気に入り。きっとお咎め無しだわ」


ニヤニヤ「しかしよぉ、この事が王国のマルサに知れたら帝国魔塔の恥だな」
ニヤニヤ「うちの査察が楽しみだ」
「よし。私も同席しよう。商業、いつ来るかわかるかい?」
「マルサの女が帰り際に、明日はナナフシだと小声で教えてくれました。」
「罠か?帝国魔塔への反骨心か?」
「反骨心だと思います。」
「そうね。奴らは一枚岩では無いわね」

「グルコ君、今夜は泊まるよ」
「アタシも泊まるよ。敵は取ってやるからな」
撫で撫で撫で撫で撫で


ハァー「お好きにどうぞ」

「それでは、ナナフシ薬局の前途を祝して」

《カンパ~イ》

〈グビグビグビグビグビグビグビグビ〉





ガオオオオオォォー
ギャッギャッギャッ
ブシュブシュブシュ

賑やかな魔獣の鳴き声で目が覚めた
夜明け前 夜行性の魔獣達が其々の寝蔵に帰っていく

山神の峰の中腹 標高の高いシンケー領は朝の冷え込みが厳しい

酒臭い

すっかり目が覚めてしまい 二度寝は諦める
窓の外は薄紫 白い霧 夜明けが近い

「ガリガリのワイルドボア⋯」
「不味そうね」
「グルコォ」
「サムイ」

〈ぺ〉

ふわふわと浮いて俺の頭を撫でるように叩いたペンペンスリッパが弱々しく持ち主の手元に帰る

「店長、大丈夫ですか?」
「問題ない」

シワシワ魔女
マルサに子供店長の姿を見せるわけにはいかないとかで
老人魔法に上掛けされた子供魔法をどうにかしなくてはと試行錯誤していた

「キツければ私の老人魔法を上掛けするぞ?」
上掛けしすぎでややこしい
「光陰矢の如し魔法ね」
「いや、いい。あれは本当の老人になっちまう」
「まあ、そうなんだが」
「子供魔法の抑制に慣れたら通常運転だ」

〈ヒュ~~〉

「グルコ君、寒いよ。窓を閉めてくれないか」

「空気の入れ替えです。暖房魔法してくださいよ」

東側の広い客間にベッドがズラリズラリ
昨夜 この部屋に集まって眠った
4人の呑んだくれがこの広い部屋を酒臭くしたのだ

詠唱「熱血漢」
詠唱「冬の寒さにも負けず」
詠唱「心も体もぽっかぽか~」
詠唱「エアロゲル」

自分達だけかよ

詠唱「家族団らんら~ん」

「おお~。ボリルありがとうね~」
「アリガトウ」
ボソッ「蟻がありがとう」
〈ペンッ〉
「寒いわボケ」

「まだ早いけど朝ご飯食べておきましょう」
「だな」


 ズナをうちで預かる事になって数日後 町の家具屋からオーク製の立派なキャビネットが配達された
送り主は元魔塔主だった 手紙は無かったがキャビネットの引き出しに燻製チップやら木端こっぱやらが詰め込んであった
台所でズナ用として使っている

「ズナ、どれにする?」
ボリルが嬉しそう 昨夜も遅くまでお話ししてた
「ウルミチップ」
「くるみチップだよ」
「くるみチップ」
発音が整った
うふふ「良く出来ました」
「ウフフ」
誰かと会話をするってほんと大切だよね





〈ピン              ポン〉

「朝6時。この特徴的な押し方」
「マルサですね。」
「グルコ君」
「ハイハイ」

魚眼レンズを覗くと真っ暗 指で抑えてるな
「開けますよ」
黒い引き戸をスススー
わ 目前に立っていた
「どちら様ですかね?」
一応聞いておく
「マルサの女です」
ですよね
「ご要件は?令状は?」
「ナナフシ薬局を脱税の容疑で査察に参りました」
令状に目を通す ちゃんとしてるな
「わかりました。中へどうぞ」

〈ゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロゾロ〉

10 11 12 13 14
ニヤニヤしてる 王国のマルサだな 精鋭では無さそうだ

〈ズカズカズカズカズカズカズカズカ〉

ここから後ろは厳しい顔 帝国魔塔だ
15 16 ⋯ 34    

まずこの状況がマルサのやり方では無い
査察対象物のある薬局を素通りして居住スペースに行くなんて論外だ
そもそも誰も俺に張り付かないのはおかしい
魔塔の人達も俺を気にせずサッサと行ってしまった

おでこの直通念話ボタンを押す
(店長、全員入りました。マルサ14、帝国魔塔20
帝国魔塔はお揃いの腕時計型魔道具を付けてます。
遺伝子組換えシロアリ亜種を探索する魔道具だと思います)
(了解。今マルサの女がこっちに来た。念話終了)
(了解)
シロアリ駆除をした時に待機室に使った広い部屋に全員集まっている
後の事はシンケー領の精鋭達にお任せだ

さて 俺は一か八かの接待
「寒いので皆さんも中へどうぞー」
庭先に出て地面に向かって叫ぶ

〈ポコッ ポコッ ポコッ ポコッ〉

あらら アッサリ出てきちゃった
人族が地面からボッコリ出てるのに音は可愛いかった この人達の隠蔽魔法は音まで作れないのかな


強い結界が張られた薬局の中
カウンターに行儀よく座る姿は普通の人族にしか見えない
店内に入ったら隠蔽魔法が解除されて土竜獣人族の姿に見えると期待していたのでガッカリだ
修業 やってみようかなぁ


「俺、今から朝ごはん食べますけど、皆さんもご一緒にいかがです?」

「オラ達の分もあるんけ?」
「昨夜のお詫びも兼ねて沢山作りました」
ワゴンには大鍋と黒パンの山やら準備万端だ

蓋を開けるとふわぁ~と湯気が昇る

《ゴクリ》

カウンターに温かいクリームシチューと黒パンなどが並んだ

「いやぁ~ゆんべはど~もすんません」
「挨拶もせんとドア閉めてごめんなぁ」
「オイラ達、ワルイ奴じゃねーでよ」
「許してケロ」

「こちらこそ。からかってすいません。さっきの人達に叱られませんでしたか?心配したんですよ?」

「いんや。お咎め無しだわ」
「オラ達は魔塔主の直属だで」
ぬしさんに甘やかされてるだ」
「好きに動くしな」
やっぱりか
「アンタさんも偉い人だに、優しいな」
「主さんみたいだなや」
「あ。いや、俺は魔力無しです。高位の魔術師じゃないんですよ」

《魔力無し!?》

んーーー 現場の情報が共有されてないのか 
そーいうの良くないよね
「触るとすぐ分かりますよ」
手を差し出す
「たっすいのぉ」
「細っこい」
「潰すなよ」
「わあっ!なんじゃこりゃ!?」
獣毛は感じ無い もちもちした手のひら 普通に人間の手だ 隠蔽魔法すげぇ
「おうワシもワシも」
この人もだ 土竜の手のひらってこんなんか?
「うひゃー!魔力がねぇーだ!」
カウンター越しに握手会




 長テーブルに出納帳など薬局が春の確定申告に使った書類がビッシリ並んでいる

「準備が良いですね。」
ニヤリ「まあな」


「ここ、お馬さんの経費名、賃借料とありますが何故レンタル料では無いんですか?」
「この賃借料、受取りは所有者ではなくボリルさん本人です。
馬獣人族の確認が取れる成長時期までは給料として計上できません。
期限に縛りのあるレンタル料に絞り込むのは不向きですよね?」
「あのね、商業さん。今はナナフシ薬局の査察中なのよ?あなたは口を挟まないで。」
「あらあらあら、ごめんなさいね。」
「そもそも、財務省がボリルの給料を認める新案に反対したから複雑になってるのよ?」
クスンッ「ボリルお給料欲しい」
「ほら、ご覧なさい。いつまでも宙ぶらりんで可哀想でしょ?」
「それは知りませんでした。」
「そうなの?国税局まで情報が下りてなかったの?」
「東さん、法律案の扱いは大臣クラスです。」
「あら、そうなのね、知らなかったわ~」
コソリ「財務大臣は猫好きです。」
コソリ「まあ、ご親切にありがとう」
コソリ「冒険者ギルドに働く猫探しを依頼します。」


「おい、ほら、姉御が絡まれてるぞ」
「寄ってたかって」
「反省文を書かされる子供みたいだな」
「確かに」
「助けなくて良いのか?」
「あの面子に勝てるとでも?」
「無理だな」
「姉御は強いから大丈夫だろ」
「それもそーだな」


「このお馬さんの口座、裏帳簿とかじゃないですよね?」
「それを調べるのがお前達の仕事だろ」
「初代まで。口を挟まないでください。」
「おう」

「何、この人。馬の事しか調べないつもりかしら」
「実家が競馬場を経営しています。ボリルさんが珍しくて我慢出来ないんですよ。」
「へぇ~」
「もぉー外野は黙っててください。あれ?店長さんは」
キョロキョロ
「ズナと機織り機で遊んでるわ」
「ズナ?」
「シロアリの名前よ」
うふふ「ボリルが名付け親なの」
「あら、そうなのね。」
ほわほわ顔
コホン「ここからはナナフシ薬局の相談役の私がお相手しますね。」
「商業さん、相談役なんですか?」
「はい。開店準備、新規事業立ち上げ、税務など、全て関わってます。勿論、無償です。」
「個人経営者に肩入れしすぎでは無いですか?」
「シンケー領は移住者に手厚いんです。」
「ああ、あの魔力無し店員ですか。」
「違法じゃないでしょ?」
「まあ。そうですけど⋯」
「ほら、無駄口叩いてないで仕事しなさいよ」


「このお馬さんの餌代ですが金額が大き」
「酷い!」
「え?」
「餌じゃないもん!」
「え?」
「食費だもんっ!」
「正しくは食料費と書いてあります。」
「ようは餌でしょ?」
「ボリルは家畜じゃないもん!」

〈ヒィーンヒィーンヒィーン〉

「あ~あ、泣かしちゃったぁ~」
「え?何で?」
「あなたは今尊厳的な倫理的な何かに触れました。ボリルさんは現在、馬獣人族予備群です。馬獣人族協会に報告します。」
「え?何で?だって今は普通のしゃべる仔馬でしょ?」

「仔馬じゃないもんっ!子供馬だもんっ!」
〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉

「ボリル泣いてるっ!」
「ズナ、行っておやり」
「うん!」
〈ピョ~ン〉

「あ、ちょっと、まだ検査終わってない!」

詠唱「武器を下ろして手を上げろ」
〈プシュー〉

「あれっ!?魔法陣が消えたっ!?」
「この部屋じゃ帝国魔法は使えないよ」
「なんだとっ!?」
「どーいうことだ!?」
「アタシャ知らないね。山神さまに聞いとくれ」
「クソッ!また山神さまかっ!」
「なんなんだこの町は!」

《ガヤガヤガヤガヤ》

他の部屋の探索を終えた帝国魔塔が通り口から入って来た

「ボリル泣かしたーっ!」
〈ピョ~ン ピョ~ン〉

「今虫がしゃべった!?」
「私も聞いた!」
「落ち着け。得体のしれない亜種だ。」

「まだ検査してません!」
〈バタバタバタバタバタバタ〉

「なんだと!?」
「お前達は何をやってるんだ!?」

「室内を先に調べてたんです!」
「いーから捕まえて!」

〈ピョ~ン ピョ~ン〉
「やっ!来ないでぇーーー」
〈ピョ~ン ピョ~ン〉

「おい!マルサ!ボケっと見てないでシロアリ捕まえろ!」

「はあ~?あんたら出向のクセに何様だぁ?」
「俺たちゃ帳簿で忙しいんだ」
「虫取りなんざ知らんわ~」

「クソッ税金ドロボーめ!」

「おう!やるのかナヨナヨ!」
「この部屋じゃまともに魔法が使えんのだろ?」
「よそもんがエッラそーになぁ」

「なんだとぉー!」
「マルサのくせに生意気だぞっ!」
「構うな!マルサのザコはほっとけ!」

「おうおう帝国のヘタレがケンカ売ってるぞ」
ケッ「ピカピカするしか能がないくせになぁ」
「帰れ帰れ~」

《ワアワアワアワア》
小競り合いが始まった

「まただよ。血の気の多い奴はヤダねぇ~」
「ほっとけぇ」
「なあ、おい、この帳簿見ろよ。完璧だよ。字も上手い」
「ここまで整理されてると俺達の仕事が捗るわ」
「これをテンプレ化して全国共通で使うの有りだな」
「戻ったら局長に打診しようぜ」
「無駄だよ。奴は現場に興味がない」
「そーだった」
「誰かクビにしてくれんかねぇ」
「それな」

《ガヤガヤガヤガヤ》

〈ピョ~ン ピョ~ン〉
「ボリル泣かした!」

「あっ!」
「わっ」
「姉御っ!」

〈ペタッ〉

〈フガッ!?〉
マルサの女の顔にズナが密着

「おいマルサ!傷つけるな!」
「じっとしてろ!」

土足でテーブルに飛び乗り書類を踏み散らかす

「わっ!バカやろお!」
「こらっ!てめぇっ!」

〈フガフガフガフガ!?〉

「エイッ!エイッ!」
〈ペシン ペシン〉
頭を細い足で叩いてる

〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉

「こら!虫!妨害行為は現行犯逮捕だぞ!」

「大げさねぇ。あんなの痛くも痒くも無いでしょ?」
「実に愚かです。」
「うちの魔塔、実は立派だったのね~」

〈フガッ!フガッ!〉
シロアリのくっついた顔 耳と首が赤くなってきた
「いっ、今剥がします!」
「剥がすな!」
「そのまま検査だ!」
腕時計型魔道具を構えた
文字盤の蓋がパカッと開く
「動くなよ!」

〈ピピピッ ピーーーーーーーーーー〉

「陰性!?」
「バカな!私がやる!」

〈ピピピッ ピーーーーーーーーーー〉

「陰性だっ!?」
「何故だ!?次は私が」

〈ボカッ〉
「ギャッ」

「いい加減にしろ!」
「姉御!今剥がします!」
「お前はそっちの足を」

「ズナーー。こっちにおいでー」

「うんっ」
〈ピョ~ン〉

「わあっ」
「うへっ」
そこいらの頭を踏み台に飛び跳ねる
「お腹ぽよん!」
「マジ?」


〈ピョ~ン〉

〈ポスン〉
「ケガは無いかい?」
撫で撫で撫で撫で
「うん!」

「ちょっと婆さん!」
「邪魔するなババア!」
「こっちに寄こせ!」
「もう一度検査だ!」

アッカンベー「やなこった」

「ボリル!」

〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉

「馬うるさい!黙らせろ!」

「おっと。虫やら馬やらババアやら。こりゃあ完全にアウトだな」
コソリ「録画してるわ。帝国に訴えましょ」
コソリ「あの一際大きい5Kカメラは王宮とか領主邸とかに生中継しています。」
コソリ「国王も見てるはずよ。寝坊してなければだけどね」
コソリ「私の両親、今は国際弁護士です。ご利用ください。」
「おう。初代領主権限で国際裁判に持ち込むぞ」

「おい、今どっかから初代領主権限って聞こえたぞ」
「初代が生きてんのか!?」
「まさか!」
キョロキョロキョロキョロ
「あの酒臭いジジイか?」
「裁判がどうとかも聞こえた」
「酔っぱらいの戯言だ!ほっとけ!」

「さすが帝国魔塔、耳の良い奴が結構いるなぁ」
コソリ「認容間違いなしね。勝訴取れるわよ」
コソリ「民事の示談交渉で儲けて、刑事裁判で葬りましょう。」


〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉
「ボリル泣かないでー」
〈エーンエーンエーンエーンエーン〉
「ズナ泣かないでー」
〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉


「⋯心が痛いです⋯」
コソリ「二人とも演技力ありすぎね」
コソリ「初代。泣いてきて良いですか?」
コソリ「好きにしろ」

椅子に立ち上がる
詠唱「MAXゲンコッ!ハッ!」
〈ガンッ!〉
〈バキッ〉

テーブルを真っ二つ

《ザワザワザワザワ》

幼気いたいけな子供達に酷すぎまーす!」
〈わあああぁぁぁーーーーーーーん〉

《ギョッ》

〈ヒィーンヒィーンヒィーンヒィーン〉
〈エーンエーンエーンエーンエーン〉
〈わぁーんわぁーんわぁーんわぁーん〉

《ザワザワザワザワ》

コソリ「引くわね」
コソリ「そーだな」
コソリ「子供達の勇姿をしっかり目に焼き付けときな。これが二人の銀幕デビューだ」
コソリ「親バカ」
〈ペンッ〉
コソリ「婆バカだろ」
〈ペンッ〉




「で、これが神経痛に良く効く薬です。俺も毎日飲んでます」
「ハァー、シンケー領は山奥だで、こーいうもんは不自由しとるかと思っとった」
「よそから見える皆さんそうおっしゃいます。王国一の辺境ですからね」
「西の隣国からは仕入れんと?」
「ナナフシ薬局は完全地産地消です。それに俺は個人的に付き合いたく無いんです」
「だよなぁ」
「あんな国から買うなら遠くても帝国が良かんべよ」
「悪さが過ぎる」
「んだんだ」
「あ、帝国からはマッチとコーヒーとかを買ったりしますよ」

《マッチ!コーヒー!》

「あんたぁお貴族さまの出身かえ?」
「しがない薬局の店員です。自分へのご褒美に贅沢をするんですよ」
「ご褒美は大事だに」
「なんやあれじゃ」
「ほれ、あれじゃ、ほれ」
「独身貴族っちゅーやつじゃ」
「ですです。良ければご馳走させてください。コーヒー飲めますか?」
「飲める飲める!」
「お待ちくださいね」
カウンターの棚からサイフォンを出す

《サイフォンッ!》

「これも帝国から輸入しました」
「骨董じゃなか」
「職人がまだ生きとったんか」
「誰の作品じゃろか?」
「さあ、通販カタログで買ったので分かりません」
商業ギルドを介して手に入れた貴重なカタログ
「こちらです。最新版です」
「おー、帝国出版が発行しちょる」
〈パラパラ〉
「高いのぉ」
「送料手数料込みですからね」
「そーじゃなぁ」
「お。曲げわっぱ!」
「地元じゃあ途絶えたわ」
「オラんとこもじゃ」
「職人技が途絶えるのは淋しいですよね」
「んだんだ」
「よそん国の人がこうして使ってくれるん。ありがたい」
「ほんにほんに」





〈アーブクタッターニエタッターアーブクタッターニエタッター〉
〈アーブクタッターニエタッターアーブクタッターニエタッター〉
〈アーブクタッターニエタッターアーブクタッターニエタッター〉
〈アーブクタッターニエタッターアーブクタッターニエタッター〉

「中継を観ている大臣達から続々と届いております。」

「国王様。」
「うむ。財務大臣と外務大臣を呼べ」
「畏まりました。」

国王の間を出ると既に二人は待機していた
「宰相様、あちらの部屋でお話しを」
「ああ。」






「私にもコーヒーを頼むよ」

カウンターの端 転送ポストの真下に土竜がちょこん
「あんれまぁ」
「どがいしたとね?」
土竜仲間か
「帰りが遅いから心配で迎えに来たんだよ」
「何でまたそんななりで?」
「君達の魔力を辿るしかここに入る方法が無くてね。この姿がベストチョイスだった」
あれ?魔力残留は無いんじゃ?
「この土地は歪な結界じゃでなぁ」
「そうそれ」
「あの、普通サイズのコーヒーで良いですか?」
「ああ。普通で頼むよ」

魔塔主かなぁ 聞きたくない情報だよなぁ 面倒くさい事に巻き込まれそうで嫌な予感しかしないよ

「互いに名乗らずが良き」

おっとぉ 敢えての発言か
「ソウデスネ」

今あの部屋は国際裁判を視野に入れて王宮とかに生中継してる
悪い方向に進んだらこの人と争う事になるのか
嫌だなぁ


〈カチャ〉
「お待たせしました」

〈ポンッ ストン〉

「ありがとう」

帝国の魔塔主だ

フゥ~「君の淹れるコーヒーはやっぱり上手い」

「ソウデスカ」

「困難な時期は終わったよ」

「ソウデスカ」

「亡命先はシンケー領にするね」

「ソウデスカ、えっ?」

「あんれ辞めるんけ」
「えらいこっちゃ~」
「オラ達も一緒だで」
「んだんだ」

「皆んな、ありがとう」

穏やかな顔

全ての責任を取って辞任するんだな

「ご馳走さま」

〈ピンッ〉
硬貨を弾いた

「さあ、帰ろうか」

〈ポンッ〉
〈ポンッポンッポンッポンッ〉

5匹の土竜が細く開いた黒い引き戸を通り抜けて行った

カウンターで帝国金貨がクルクルクルクル回り続ける

〈パチンッ〉

容赦なく指で止めた






~グルコとマルサ 完~
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