17 / 21
第17話 一体どこへ?
しおりを挟む
「そう、馬鹿だよね。でも、静嵐は人間になりたいと思っても、神様になりたいと思ったことはないんじゃないかな。自分が神であるのが間違い。そう考え続けていた。だからこそ、自分が人間でも神でもないとなった時、こうしていなくなったんだろうし」
「ああ」
もう、ものすごいジレンマと、愛佳は頭を抱えてしまう。
どこまでも人間でありたいと願う静嵐。でも、それではこのまま消えてしまう。だからといって静嵐が神になるとすると、それはそれで問題なのだ。
愛佳たちは神になるための手助けする事が出来る。そしてしっかり神様になってしまえば、消えることそのものを止められるだろう。
しかし、そうすれば静嵐は愛佳を選ぶことが出来なくなる。自分が同じ罪を犯してしまうからと、拒絶するだろう。好きだと自覚した相手を永遠と遠ざけることになる。
それは多分、愛佳だって納得出来ない。
だが、このまま人間であると認めてしまえば、静嵐は跡形も無く消えてしまうのだ。人間になりたいと願っても、それを叶える方法はない。
唯一出来ることは消えるまでの時間をどう過ごすか。それって、結局はどこにも救いはない。静嵐は愛佳を好きになったことを後悔してしまうだろう。
「静嵐は、消えることを止める方法を知っているんでしょうか?」
「さあ。解らないのかもね。神様になろうと、自分で願ったことがないんだから」
「――」
本人にも解決法が解らないとなると、どうすればいいのだろう。愛佳は必死に考えるが、神様になることを回避して今のままでいる方法なんて、それこそ何も思い浮かばない。
それは寺本も同じで、京都市内を適当に車を走らせながら、何か手段はないかと必死に考えていた。しかし、本人を見つけることを優先する以外に、出来ることはなさそうだった。
そう、今までがあり得ない状況だったのだ。曖昧なまま存在し続ける。そんなこと、普通ならば不可能だ。だが、静嵐は神と自覚しないまま生きてきた。ということは、何か彼を縛るものがあったはず。
「静嵐は、どこに行ったんでしょう」
「さあ。見当も付かないな。彼は大学が出来てから、あそこを離れたことがないはずだ。そして大学が出来る前からあそこにいたということは、ルーツはあそこにあるはずなんだけど、そこで見つからないとなると、いよいよ消えてしまったのかと疑ってしまうね。とはいえ、曲がりなりにも人間に知覚できるほどの存在だ。そんなにすぐに消えてしまうはずはないんだが」
「ううん」
そうだ。あそこから離れて生きていく手段がないと、そう言っていたではないか。では、図書館を離れてどこへ。
「まさか、両親に関係するところ」
「ああ、それはあるかも。でも、どこだろう」
ぐるっと回って大学に戻ってきたところで、何も解らないんだと二人して絶望してしまう。そう、愛佳にしても寺本にしても、彼が神と人間のハーフだという事実しか解らない。
「ああ」
もう、ものすごいジレンマと、愛佳は頭を抱えてしまう。
どこまでも人間でありたいと願う静嵐。でも、それではこのまま消えてしまう。だからといって静嵐が神になるとすると、それはそれで問題なのだ。
愛佳たちは神になるための手助けする事が出来る。そしてしっかり神様になってしまえば、消えることそのものを止められるだろう。
しかし、そうすれば静嵐は愛佳を選ぶことが出来なくなる。自分が同じ罪を犯してしまうからと、拒絶するだろう。好きだと自覚した相手を永遠と遠ざけることになる。
それは多分、愛佳だって納得出来ない。
だが、このまま人間であると認めてしまえば、静嵐は跡形も無く消えてしまうのだ。人間になりたいと願っても、それを叶える方法はない。
唯一出来ることは消えるまでの時間をどう過ごすか。それって、結局はどこにも救いはない。静嵐は愛佳を好きになったことを後悔してしまうだろう。
「静嵐は、消えることを止める方法を知っているんでしょうか?」
「さあ。解らないのかもね。神様になろうと、自分で願ったことがないんだから」
「――」
本人にも解決法が解らないとなると、どうすればいいのだろう。愛佳は必死に考えるが、神様になることを回避して今のままでいる方法なんて、それこそ何も思い浮かばない。
それは寺本も同じで、京都市内を適当に車を走らせながら、何か手段はないかと必死に考えていた。しかし、本人を見つけることを優先する以外に、出来ることはなさそうだった。
そう、今までがあり得ない状況だったのだ。曖昧なまま存在し続ける。そんなこと、普通ならば不可能だ。だが、静嵐は神と自覚しないまま生きてきた。ということは、何か彼を縛るものがあったはず。
「静嵐は、どこに行ったんでしょう」
「さあ。見当も付かないな。彼は大学が出来てから、あそこを離れたことがないはずだ。そして大学が出来る前からあそこにいたということは、ルーツはあそこにあるはずなんだけど、そこで見つからないとなると、いよいよ消えてしまったのかと疑ってしまうね。とはいえ、曲がりなりにも人間に知覚できるほどの存在だ。そんなにすぐに消えてしまうはずはないんだが」
「ううん」
そうだ。あそこから離れて生きていく手段がないと、そう言っていたではないか。では、図書館を離れてどこへ。
「まさか、両親に関係するところ」
「ああ、それはあるかも。でも、どこだろう」
ぐるっと回って大学に戻ってきたところで、何も解らないんだと二人して絶望してしまう。そう、愛佳にしても寺本にしても、彼が神と人間のハーフだという事実しか解らない。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
俺様御曹司に飼われました
馬村 はくあ
恋愛
新入社員の心海が、与えられた社宅に行くと先住民が!?
「俺に飼われてみる?」
自分の家だと言い張る先住民に出された条件は、カノジョになること。
しぶしぶ受け入れてみるけど、俺様だけど優しいそんな彼にいつしか惹かれていって……
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
夜の帝王の一途な愛
ラヴ KAZU
恋愛
彼氏ナシ・子供ナシ・仕事ナシ……、ないない尽くしで人生に焦りを感じているアラフォー女性の前に、ある日突然、白馬の王子様が現れた! ピュアな主人公が待ちに待った〝白馬の王子様"の正体は、若くしてホストクラブを経営するカリスマNO.1ホスト。「俺と一緒に暮らさないか」突然のプロポーズと思いきや、契約結婚の申し出だった。
ところが、イケメンホスト麻生凌はたっぷりの愛情を濯ぐ。
翻弄される結城あゆみ。
そんな凌には誰にも言えない秘密があった。
あゆみの運命は……
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる