朝目覚めたら横に悪魔がいたんだが・・・告白されても困る!

渋川宙

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第96話 魔界の地図

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 こういうのを宣伝効果の凄さというのか。
 奏汰はルシファーと街を歩きつつ、そんなことを思ってしまう。
 というのも
「この間はご無礼を」
 と、襲いかかったことを覚えていた悪魔から詫びとしてリンゴ山盛りもらい
「ルシファー様のお相手とあれば、もっと精を付けられた方がいいでしょう」
 と、別の悪魔からマムシの生き血を貰った。
 かと思えば
「ルシファー様に気に入られるほどの御方。どうか、その胤を」
 と女性悪魔に迫られる迫られる。もちろん、その度に
「ダメだ。奏汰の総ての胤は俺様のためにある」
 ルシファーが恥ずかしい台詞で追っ払うから、堪ったものじゃない。
 ともかく、ルシファーが気に入った人間である。この事実が悪魔たちの態度を大きく変えているわけだ。
 びっくり。
「でもさ、一人で歩くのは怖いよね。ああいう女性悪魔もそうだけど、気に食わねえって路地裏に連れ込まれて締め上げられそう」
 奏汰は腕の中いっぱいの貰い物を見つつ、逆の考えの奴もいるよねと思う。
「ああ、それはそうだな。とはいえ、そういう奴はこの街に住んでいないぞ。サタン城下のこの街はまず問題ないと思う」
「そうなのか」
 意外とあっさりそこは大丈夫って言うな。奏汰は疑わしい目で見てしまう。
「この間の問題のある奴はネトゲに放り込んだし、大丈夫さ。そもそもここは治安が最もいい場所なんだ。だから、ルールから外れるとちゃんと罰が与えられるし、この地区外に追放される」
「へえ」
 そう言えば、魔界全体に関してまだ知らない奏汰だ。この間のリゾート地はかなり離れた場所にあったことから、ここが相当広いことは知っているが、全体像は知らなかった。
「ああ、そうだな。そういうことも教えておかないと。ああ、あそこに地図がある」
 ルシファーはそう言うと雑貨屋に入っていく。もちろんここもルシファーの店だ。
「おいっ、地図」
「はっ、ただいま」
「そもそも、これがびっくりだよな」
 どの店もルシファーが経営してるんだもん。奏汰はルシファーが一声掛けると何でも出てくる状況には、まだ慣れていない。
「どうぞ」
 そんなことを思っていると、店主が地図を持ってきた。てっきりファンタジーに出てくるような古めかしい地図が出てくるのかと思っていたのに、日本にある世界地図と変わらないような地図が出てきた。
 ちぇっ、横にドラゴンとか描かれてないんだ。
「ええっと、これがこの街か」
 しかし、初めて見る地図に興味津々だ。大陸が二つあって、真ん中に海がどんっとあるという地図だった。その中からサタンの文字を見つけて、ここかと左側の大陸の真ん中を指差す。
「そうだ。ちなみに右側は天界だ」
「えっ」
「一枚に書こうと思ったらそうなるじゃん」
「ああ。ってことは、この真ん中にあるの、海じゃなくて」
「空だな。どっちも一つの大陸みたいなもんだ」
 やっぱり、普通の地図とは違ったぜ。
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