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第9話 ちゃっかりしてる
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「難しいな」
「うん」
問題だらけだよと、倫明は溜め息を吐いた。わざわざ朝から台風対策なんて口実でやって来たのは、こうして弱音を吐き出す相手が欲しかったからだろう。どういう場であっても、調整役が最も負担が掛かる。
「でね。台風」
沈んだ顔をしていられないと、倫明は再び話題を台風へと戻した。こうやって話している間も、外では絶え間なく強風が吹き荒れている。今日の見学も大丈夫だろうかと心配するレベルだ。
「距離はそんなにないから、移動は大丈夫だと思う。それに雨はまだ降っていないからね」
「ああ、そうだな。強風に雨となると、さすがに移動したくないね」
朝飛はびしょ濡れになるのは嫌だなあ、と暗く重たい雲を見てぼやく。
「まあね。誰だって濡れるのは嫌だよ。というわけで、早めに加速器に移動して見学、と同時に対策をしたいんだ」
「となると、土嚢を積むとか」
朝から力仕事かあと、今度は美樹がどんよりとした雲に目を向ける。時間との勝負になりそうだなと、思わず半袖なのに腕まくりをする動作をしていた。
「うん。ごめんね。入り口には一応設置しておきたいんだ。加速器の本体は地下にあるから、水が浸入すると困る。もちろんそれなりの防水設備は備えているが、予想以上に大型の台風だから万が一のことを考えないといけないと思うんだ。土嚢は台風が来るって解った段階で、斎藤さんが手配してくれているんだけどね」
「さすが。あの斎藤って人は凄いって感じがするよ」
朝飛は素直に日向に向けて賛辞を送ってしまう。それに、倫明は相変わらずだなあと呆れていた。こうやって他人の凄さをすぐに認められるところも、朝飛の美点でありやっかみを買う原因だ。
「斎藤さんは社内での評価も凄く高いみたいだね。K大学を卒業してうちに入社。めきめきと頭角を現して、三十五歳にして外商部門の部長だ。さらに社長のお気に入り。今回ここを取り仕切ることを任されたのも、社長の信任ゆえってことだ。斎藤さんとしたら迷惑だろうけどね。ただでさえ、外商部門は忙しいのに」
「だな。下手したら左遷と受け取られかねない」
「その心配はないよ。社内では一か月出張扱いだからね」
「ははっ、確かに出張だな」
「父のことだから、ちゃんと手当もつけているはずだよ。そういうところもちゃっかりしているんだよ。抜け目がないんだ」
倫明がやれやれという感じで言うので、お前が言うかと朝飛は笑ってしまった。物理学者を目指しているとはいえ、将来はどこかにポジションを用意される可能性だってあるだろう。そういう気遣いをとやかく言うものではない。
「それはないかな。俺、一生物理学をやっていたいし。だから、こういう点でも一族では異質なんだよねえ。祖父は初期宇宙を知りたいとずっと思っていたけど、それを職業にしてまで研究しようとは、毛ほども思わなかったみたいだから」
「根っからの商売人だったわけか」
「そういうこと」
そこで丁度よく六時半になったので、揃ってレストランへと移動することになった。廊下に出ると、田中志津が移動しようと部屋から出てきた。志津は三〇七号室なので階段に近い位置に部屋がある。
「あら、皆さんお揃いで」
「おはようございます。田中さんも風で起こされましたか」
朝飛が笑顔でそう声を掛けると、そのとおりよと志津は笑った。やはり昨日のぎすぎすした雰囲気は微塵もなくなっている。
「凄い強風ですものね。これからもっと凄くなるみたいです」
美樹も挨拶を交わしてから、先ほど見た台風情報を志津に教える。すると、困ったものねと眉を顰めた。
「一日移動が早くなったから、台風に関しては解っているんだけど。でも、やっぱり憂鬱よね」
「ですよね。大きな低気圧のせいで頭痛もするし」
「解るわ。私も台風だけは駄目なのよ。頭痛止め、持って来ているの?」
「もちろんです」
「そう、足りなかったら言ってね。いつも余分に持ち歩いているから」
「ありがとうございます」
そしてそのまま、二人は天気痛ともいえる頭痛に関して盛り上がり始める。取り残された形の朝飛と倫明は苦笑するだけだ。
「確かに頭痛はするよな」
「まあな。台風ほど気圧の変化の大きいものってないしねえ」
男二人も頭痛の心配はあるなと同意しつつ階段を降りると、二階から信也が合流した。
「よお」
「おはようございます」
「すげえ風だよ。普段はもっと寝坊なのにさ」
やはり話題は外の風の音となり、これはもう全員が起きているなと推測できる状況だった。風の音は問題だが、朝飛はみんな寝れなかったのかと、どちらかと言えばこれからの作業が心配になる。
「枕も違うし、環境も違う。そこにこの風だぜ。さすがに神経図太いって言われる俺でも起きるさ。だから仕方ないよ。初日はどうせ集中できないものだしな」
土嚢積みくらいの肉体労働で丁度いいよと、階段の上り下りには消極的な信也が言うので、朝飛はまあいいかと思えた。自分の名前のおかげだという倫明だったが、初回の人選は素晴らしいと、こういうトラブルを前に思わせてくれる。
そのままレストランに向かうと、やはり風に起こされた他のメンバーが集まっていた。すでにコーヒーを飲んでいる。
「悪いかなって思ったんだけど、レストランを管理する藤本さんがコーヒーを淹れてくれてね。あっ、ご飯も出来たのかな」
六時くらいからいるという健輔がそう説明してくれた。どうやらこのレストランの一切を取り仕切る藤本――四十代の男性のコックだ――はみんなが風で寝れずに起きてくると解り、早めにここをオープンさせていたらしい。
「そうなの。クッキーももらったわ」
「いいな。一枚ちょうだい」
「いいわよ」
どういうわけか、すでに仲良しになっていたようで、織佳と美樹は気楽に会話をして、テーブルの上にあるクッキーを摘まみ始める。これからご飯だというのに、美樹の方が大食いだなと朝飛は思った。
そうしていると、手伝いの二人の女子、坂田と梶原が料理をテーブルに運び始めた。
朝食もビュッフェ形式だ。好きなものを好きなだけ取るようになっている。それも和洋どちらも用意されていた。先ほどまでコーヒーの香りが充満していたレストランが、一気に美味しそうな香りに包まれる。
「人数もいるから、こっちの方が楽なんだって」
「へえ」
毎日大変なのではと思っていた朝飛に、倫明がそう説明してくれた。
確かにビュッフェ形式ならば個別に作る必要はなく、ざっと作って並べておける。今日はみんなが早い時間に起きてきたが、これから研究が進むとそうはならない。確かにこのスタイルが便利だろう。
「食材は二週間分より少し多めに用意してありますから、台風の間も同じように提供できますよ。遠慮なさらずに食べ そこに日向がやって来て、そんな説明までしてくれた。やはり抜け目がない。その日向は朝早いというのにすでにスーツ姿だった。
こうして誰もが早めの朝食を済ませたこともあり、台風対策も兼ねての加速器見学は、八時から行われることになったのだった。
「うわっ、凄い風だ」
外に出るなり強風に煽られ、直太朗が危ない感じになってきたねと笑う。台風となると、何故かテンションが高くなる人がいるが、直太朗もその部類に入るらしい。
食事を終え、一度部屋に戻ってから玄関に集合となったのだが、先に着いていた直太朗が、待ちきれない子どものように外に出て風に煽られていた。時間少し前に来た朝飛は、それを丁度目撃してしまった形になる。
「皆さま、ヘルメットを着用してください」
そこにすかさずヘルメットを人数分持った日向が現れ、先に外に出ていた直太朗に手渡す。
「周囲は木々に覆われていますので、小枝が飛んでくる可能性がありますから」
「あ、そうすっね」
「気を付けます」
直太朗と、のそっとやって来た健輔は日向からヘルメットを受け取り、それぞれ殊勝な返事をする。
てください」
「うん」
問題だらけだよと、倫明は溜め息を吐いた。わざわざ朝から台風対策なんて口実でやって来たのは、こうして弱音を吐き出す相手が欲しかったからだろう。どういう場であっても、調整役が最も負担が掛かる。
「でね。台風」
沈んだ顔をしていられないと、倫明は再び話題を台風へと戻した。こうやって話している間も、外では絶え間なく強風が吹き荒れている。今日の見学も大丈夫だろうかと心配するレベルだ。
「距離はそんなにないから、移動は大丈夫だと思う。それに雨はまだ降っていないからね」
「ああ、そうだな。強風に雨となると、さすがに移動したくないね」
朝飛はびしょ濡れになるのは嫌だなあ、と暗く重たい雲を見てぼやく。
「まあね。誰だって濡れるのは嫌だよ。というわけで、早めに加速器に移動して見学、と同時に対策をしたいんだ」
「となると、土嚢を積むとか」
朝から力仕事かあと、今度は美樹がどんよりとした雲に目を向ける。時間との勝負になりそうだなと、思わず半袖なのに腕まくりをする動作をしていた。
「うん。ごめんね。入り口には一応設置しておきたいんだ。加速器の本体は地下にあるから、水が浸入すると困る。もちろんそれなりの防水設備は備えているが、予想以上に大型の台風だから万が一のことを考えないといけないと思うんだ。土嚢は台風が来るって解った段階で、斎藤さんが手配してくれているんだけどね」
「さすが。あの斎藤って人は凄いって感じがするよ」
朝飛は素直に日向に向けて賛辞を送ってしまう。それに、倫明は相変わらずだなあと呆れていた。こうやって他人の凄さをすぐに認められるところも、朝飛の美点でありやっかみを買う原因だ。
「斎藤さんは社内での評価も凄く高いみたいだね。K大学を卒業してうちに入社。めきめきと頭角を現して、三十五歳にして外商部門の部長だ。さらに社長のお気に入り。今回ここを取り仕切ることを任されたのも、社長の信任ゆえってことだ。斎藤さんとしたら迷惑だろうけどね。ただでさえ、外商部門は忙しいのに」
「だな。下手したら左遷と受け取られかねない」
「その心配はないよ。社内では一か月出張扱いだからね」
「ははっ、確かに出張だな」
「父のことだから、ちゃんと手当もつけているはずだよ。そういうところもちゃっかりしているんだよ。抜け目がないんだ」
倫明がやれやれという感じで言うので、お前が言うかと朝飛は笑ってしまった。物理学者を目指しているとはいえ、将来はどこかにポジションを用意される可能性だってあるだろう。そういう気遣いをとやかく言うものではない。
「それはないかな。俺、一生物理学をやっていたいし。だから、こういう点でも一族では異質なんだよねえ。祖父は初期宇宙を知りたいとずっと思っていたけど、それを職業にしてまで研究しようとは、毛ほども思わなかったみたいだから」
「根っからの商売人だったわけか」
「そういうこと」
そこで丁度よく六時半になったので、揃ってレストランへと移動することになった。廊下に出ると、田中志津が移動しようと部屋から出てきた。志津は三〇七号室なので階段に近い位置に部屋がある。
「あら、皆さんお揃いで」
「おはようございます。田中さんも風で起こされましたか」
朝飛が笑顔でそう声を掛けると、そのとおりよと志津は笑った。やはり昨日のぎすぎすした雰囲気は微塵もなくなっている。
「凄い強風ですものね。これからもっと凄くなるみたいです」
美樹も挨拶を交わしてから、先ほど見た台風情報を志津に教える。すると、困ったものねと眉を顰めた。
「一日移動が早くなったから、台風に関しては解っているんだけど。でも、やっぱり憂鬱よね」
「ですよね。大きな低気圧のせいで頭痛もするし」
「解るわ。私も台風だけは駄目なのよ。頭痛止め、持って来ているの?」
「もちろんです」
「そう、足りなかったら言ってね。いつも余分に持ち歩いているから」
「ありがとうございます」
そしてそのまま、二人は天気痛ともいえる頭痛に関して盛り上がり始める。取り残された形の朝飛と倫明は苦笑するだけだ。
「確かに頭痛はするよな」
「まあな。台風ほど気圧の変化の大きいものってないしねえ」
男二人も頭痛の心配はあるなと同意しつつ階段を降りると、二階から信也が合流した。
「よお」
「おはようございます」
「すげえ風だよ。普段はもっと寝坊なのにさ」
やはり話題は外の風の音となり、これはもう全員が起きているなと推測できる状況だった。風の音は問題だが、朝飛はみんな寝れなかったのかと、どちらかと言えばこれからの作業が心配になる。
「枕も違うし、環境も違う。そこにこの風だぜ。さすがに神経図太いって言われる俺でも起きるさ。だから仕方ないよ。初日はどうせ集中できないものだしな」
土嚢積みくらいの肉体労働で丁度いいよと、階段の上り下りには消極的な信也が言うので、朝飛はまあいいかと思えた。自分の名前のおかげだという倫明だったが、初回の人選は素晴らしいと、こういうトラブルを前に思わせてくれる。
そのままレストランに向かうと、やはり風に起こされた他のメンバーが集まっていた。すでにコーヒーを飲んでいる。
「悪いかなって思ったんだけど、レストランを管理する藤本さんがコーヒーを淹れてくれてね。あっ、ご飯も出来たのかな」
六時くらいからいるという健輔がそう説明してくれた。どうやらこのレストランの一切を取り仕切る藤本――四十代の男性のコックだ――はみんなが風で寝れずに起きてくると解り、早めにここをオープンさせていたらしい。
「そうなの。クッキーももらったわ」
「いいな。一枚ちょうだい」
「いいわよ」
どういうわけか、すでに仲良しになっていたようで、織佳と美樹は気楽に会話をして、テーブルの上にあるクッキーを摘まみ始める。これからご飯だというのに、美樹の方が大食いだなと朝飛は思った。
そうしていると、手伝いの二人の女子、坂田と梶原が料理をテーブルに運び始めた。
朝食もビュッフェ形式だ。好きなものを好きなだけ取るようになっている。それも和洋どちらも用意されていた。先ほどまでコーヒーの香りが充満していたレストランが、一気に美味しそうな香りに包まれる。
「人数もいるから、こっちの方が楽なんだって」
「へえ」
毎日大変なのではと思っていた朝飛に、倫明がそう説明してくれた。
確かにビュッフェ形式ならば個別に作る必要はなく、ざっと作って並べておける。今日はみんなが早い時間に起きてきたが、これから研究が進むとそうはならない。確かにこのスタイルが便利だろう。
「食材は二週間分より少し多めに用意してありますから、台風の間も同じように提供できますよ。遠慮なさらずに食べ そこに日向がやって来て、そんな説明までしてくれた。やはり抜け目がない。その日向は朝早いというのにすでにスーツ姿だった。
こうして誰もが早めの朝食を済ませたこともあり、台風対策も兼ねての加速器見学は、八時から行われることになったのだった。
「うわっ、凄い風だ」
外に出るなり強風に煽られ、直太朗が危ない感じになってきたねと笑う。台風となると、何故かテンションが高くなる人がいるが、直太朗もその部類に入るらしい。
食事を終え、一度部屋に戻ってから玄関に集合となったのだが、先に着いていた直太朗が、待ちきれない子どものように外に出て風に煽られていた。時間少し前に来た朝飛は、それを丁度目撃してしまった形になる。
「皆さま、ヘルメットを着用してください」
そこにすかさずヘルメットを人数分持った日向が現れ、先に外に出ていた直太朗に手渡す。
「周囲は木々に覆われていますので、小枝が飛んでくる可能性がありますから」
「あ、そうすっね」
「気を付けます」
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