シロップのないシルビノ

1話 見えない壁

　私は、努力が嫌いだ。
どれだけ努力をしても、絶対に越えられない壁が存在がいる。

　それは、努力をするだけ意味がないようにも思えてくる。

だから、私は平均の点数をとり続けている。

「ねえ、安住。今日転校生が来るって知ってる？」今の私の唯一の友達の中井　綾香が話しかけてきた。

「転校生？知らなかったけどなんでこんな時期に？」と私は聞いた。

「確かにね、なんでだろう。」
すると、先生が入ってきた。
　
　この担任の先生は苦手だ。
いつも声が大きい割に重要な事を言い忘れる。その上、地獄耳ときた。
ありえない。
しかもスタイルがいいから男子たちがいつもソワソワするから正直、気をつけて欲しい。

唯一、女の先生だから話しやすいのはいいことだと思う。

「みんなの知っての通り。転校生を紹介する。」と言うと転校生が入ってきた。

見た目は落ち着いた。黒髪の少女だった。

「高城　白陵です。よろしく。」

男どもは一気に湧いた。
「かわいい女の子きたー！」
「美人だ！」

女たちもザワザワしている。

うるさい声が響く中。転校生と目が合った。私は、その転校生が人形みたいに綺麗な子だと思った。

　教室の騒ぎに乗って先生が「美人ならここにもいるぞ！」と言って。

　教室は一瞬にして静かになった。

みんなのあまりの変動ぶりに男子たちはところどころ笑っていた。

「先生って恋人いるんですか？」と一人の女子が聞き始めた。

すると先生は「もちろん！」と答えて。

クラスは「え～ーー！」と言う感じで朝のホームルームは終わった。