婚約破棄された聖女は、真実の愛に目覚めた二人に一生離れられない祝福を授ける

弥生

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4.違和感

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 最初は小さな違和感だった、リゼットが聖女を解任になった時にジョルジュとマリーナに祝福をかけた事を忘れかけていたその頃。

「うわああ!!」

 ジョルジュが王立学園に登校するため、馬車に乗ろうとした時にそれは起きた。

「ジョルジュ殿下大丈夫ですか!?」

「いや、大丈夫だ騒がせたな」

 御者に心配そうに声をかけられ、ジョルジュは咄嗟にそう答えた。

 馬車に足をかけた時ド派手に転んだ、いや転んだなんて生易しいものではない。
 電撃が走ったような感覚がして、突き飛ばされるようにふっ飛んだ。

(…一体何なんだ?)

「ジョルジュ様ぁ~!!」

「ああ、マリーナか…おはよう」

 何が起こったのか考えようとしていたその時、自分の名前を呼び駆け寄る愛しい女性の姿を見つけた。

「もう!酷いですよぉ、私を置いて行こうとするなんてぇ」

「マリーナすまない、今日は生徒会の早朝会議があるから早く出ないといけなくて。マリーナを起こすのは可哀想だと思ったんだ」

「もう、そんな寂しい事を仰らないでぇ、私も一緒に行きますぅ」

「はは!そうか、なら一緒に行こう」

 愛するマリーナに可愛い事を言われて、ジョルジュは何が起こったか深く考える事を止めた。

 マリーナは本来なら学園に行かず王宮で王太子妃教育を受けなければならないのだが、王太子妃教育以前に一般的教養もままならない事が発覚したため、学園を卒業してから王太子妃教育を始める事に決まった。

「ジョルジュ様ぁ、私幸せですぅ。愛するジョルジュ様とずっと一緒にいられてぇ」

「マリーナ、俺もだよ」

 愛し合う二人が誰にも邪魔をされず、ずっと一緒にいる。
 何て幸せな事だろう?少なくともこの時は、ジョルジュもマリーナも本気でそう思っていたのだった。



 読んで下さり有り難うございます。
 自分で書いておいて、マリーナ男爵令嬢の喋り方に頭がパーン!\(^o^)/となったので取り敢えず区切ります。
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