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ブランケンハイム公爵視点
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『すごい令嬢がいたものだ』マドレーナを見たブランケンハイム公爵の第一印象はそれだった
商談中の父親のいる部屋に大きな物音をたてながら突然入って来たかと思えば何やら奇声を発しながら支離滅裂な事を叫んでいるではないか
彼女の話の内容を単語を拾い上げて組み合わせてみるとどうやらマドレーナ嬢はティアゴ公爵令息に恋心を抱いていて婚約者となったリリー嬢に対する恨み言を並べているようだ
父親であるモーリア伯爵は首がもげるのではないかと思う程頭を下げ娘にも謝罪をさせようと必死になっているが当のマドレーナ嬢は完全に頭に血が上っている状態で父の言葉は耳に入っていない
元気過ぎる娘さんを持って伯爵も苦労をする
穏やかな伯爵からこの令嬢が生まれるとは遺伝子とは不思議なものだ
「お嬢様も何やら切迫している様子です、私は日を改めますのでお話を聞いてあげてはいかがでしょうか?」
このままでは商談どころではない、モーリア伯爵が気の毒になった事もあるが続けてもお互いに時間の無駄であろう
それに何より幼い頃から知っていて息子の想い人でもあるリリー嬢への暴言をこれ以上聞くのは耐えられそうになかった
伯爵は再度深々と頭を下げるがやはり娘は相変わらずリリー嬢への恨み言を叫ぶだけだった
ティアゴ公爵令息とリリー伯爵令嬢の婚約にショックを受けているのは何もマドレーナ嬢だけではない
強引に婚約者にされたリリー嬢はもちろん、リリー嬢を想っていた息子のアリスティアだって大きな衝撃を受けている
(アリスティア、だからもっと早く行動に出ろと言ったのだ…)
実は今回商談の他にモーリア伯爵にアリスティアとご令嬢の縁談を持ちかけようとしていた
他の令嬢との婚約の話が出れば息子も初恋の未練を断ち切る事が出来るのではないかと考えたからだ
(しかしあの令嬢は無いな…)
アリスティアの話を持ちかける前で本当に良かった
(アリスティア、お前は公爵家の跡取りだ未婚のままではいられないぞ)
少しずつで良い、他の令嬢にも目を向けて欲しい
それから3ヵ月後ティアゴ公爵令息と例のマドレーナ嬢との婚約が決まった事により、リリー嬢との婚約が白紙になった
どうやら父親のモーリア伯爵が動いたようだ、常識人かと思っていたが娘にはこうも弱いのか…
しかしリリー嬢にアプローチするのに何の障害も無くなり、今回の件で呑気に構えていてはまた誰かに奪われるかも知れないと学んだ息子はリリー嬢に告白をし晴れて彼女と婚約する事が出来た
好きになる事は出来ないがこの事に関してはマドレーナ嬢に感謝をしている
ティアゴ公爵令息、あまり良い噂を聞かない彼だがきっと彼女とはお似合いなのだろう
そのような事を考えながらブランケンハイム公爵は息子とリリー嬢の婚約の報告のため謁見室へと向かうのであった
商談中の父親のいる部屋に大きな物音をたてながら突然入って来たかと思えば何やら奇声を発しながら支離滅裂な事を叫んでいるではないか
彼女の話の内容を単語を拾い上げて組み合わせてみるとどうやらマドレーナ嬢はティアゴ公爵令息に恋心を抱いていて婚約者となったリリー嬢に対する恨み言を並べているようだ
父親であるモーリア伯爵は首がもげるのではないかと思う程頭を下げ娘にも謝罪をさせようと必死になっているが当のマドレーナ嬢は完全に頭に血が上っている状態で父の言葉は耳に入っていない
元気過ぎる娘さんを持って伯爵も苦労をする
穏やかな伯爵からこの令嬢が生まれるとは遺伝子とは不思議なものだ
「お嬢様も何やら切迫している様子です、私は日を改めますのでお話を聞いてあげてはいかがでしょうか?」
このままでは商談どころではない、モーリア伯爵が気の毒になった事もあるが続けてもお互いに時間の無駄であろう
それに何より幼い頃から知っていて息子の想い人でもあるリリー嬢への暴言をこれ以上聞くのは耐えられそうになかった
伯爵は再度深々と頭を下げるがやはり娘は相変わらずリリー嬢への恨み言を叫ぶだけだった
ティアゴ公爵令息とリリー伯爵令嬢の婚約にショックを受けているのは何もマドレーナ嬢だけではない
強引に婚約者にされたリリー嬢はもちろん、リリー嬢を想っていた息子のアリスティアだって大きな衝撃を受けている
(アリスティア、だからもっと早く行動に出ろと言ったのだ…)
実は今回商談の他にモーリア伯爵にアリスティアとご令嬢の縁談を持ちかけようとしていた
他の令嬢との婚約の話が出れば息子も初恋の未練を断ち切る事が出来るのではないかと考えたからだ
(しかしあの令嬢は無いな…)
アリスティアの話を持ちかける前で本当に良かった
(アリスティア、お前は公爵家の跡取りだ未婚のままではいられないぞ)
少しずつで良い、他の令嬢にも目を向けて欲しい
それから3ヵ月後ティアゴ公爵令息と例のマドレーナ嬢との婚約が決まった事により、リリー嬢との婚約が白紙になった
どうやら父親のモーリア伯爵が動いたようだ、常識人かと思っていたが娘にはこうも弱いのか…
しかしリリー嬢にアプローチするのに何の障害も無くなり、今回の件で呑気に構えていてはまた誰かに奪われるかも知れないと学んだ息子はリリー嬢に告白をし晴れて彼女と婚約する事が出来た
好きになる事は出来ないがこの事に関してはマドレーナ嬢に感謝をしている
ティアゴ公爵令息、あまり良い噂を聞かない彼だがきっと彼女とはお似合いなのだろう
そのような事を考えながらブランケンハイム公爵は息子とリリー嬢の婚約の報告のため謁見室へと向かうのであった
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