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春の洗礼を受けて僕は
15話 日曜日4 ★
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結構長い時間歩いてから、ようやく目的のファミレスに着いて、さっきまで観ていた映画や月曜の授業の話をした。
どちらかがなんとなく一言発して、そのうち糸を撚るように会話が続いていく。
自分にはそういう経験があまりなかったから不思議に思った。ただ、とても心地よかった。
帰宅してそれぞれ風呂に入って、寝支度を整えた。
「本当にソファでいいの」
寝付けないんじゃないのと聞くも、ソファでいい、掛けるものを貸してくれればいいというので、ガーゼケットを出した。
そして自室のベッドに入った途端、気を失うように眠りに就いた。
誰かが自分の体に触れてくる。
するすると風のように撫でられて、なんだかもどかしくなって、
「ッ…!!!」
バッと飛び起きた。
体が熱い。
動いた拍子に服が擦れただけで、変な声を出してしまいそうになる。
心臓が荒く拍動するのに反して、ゆっくりとしか息ができない。胸が詰まって、苦しくて、何か噛み締めたくて、怪我していた手に齧り付く。
ギリギリと歯を立てて、口中に血の味が広がっても、下は収まらない。
「ウッ…」
欲しい。何かが欲しい。食らいたいような、食らわれたいような。混濁した精神が溢れてしまいそうだ。
「ハ、ア」
脂汗が首の下を流れていく。
弾む胸を強く抑える。
出来るだけそっと立ち上がって、ドアの側のライトを付けた。
強張る手をもう片方で押さえて、ドアを開ける。リビングに、ラッチの金属音が小さく響いた。
ひどい熱を出したときのように、体が動かない。
小さく一本、もう一歩進んで、テーブルの上に手を伸ばした。急に体が大きく震えて、ハーブを挿していたコップを激しく倒してしまった。
はっと息を止めて、反射的にソファを見る。
物音がした気がして、ゆっくりと目を開ける。
外はまだ暗い。
体を起こそうとしたら、急に鼻腔に花のような香りが充満して面食らった。
「なんだ…?」
香りが一気に体内に広がる。
香り?
キッチンの方を見ると、人影があった。
それが木之内だと気付いた途端、ソファをまたいで両肩を掴んで、その首筋に顔を埋めていた。
大きく何度も呼吸して、少しも洩らすことのないように嗅ぐ。
「ウッ、ン」
木之内の体が小さく震える。
顔を上げると、ほとんど暗い空間の中で、漏れる光が木之内の瞳を照らす。
黒かったはずの目は、今は宝石のようにつやつやとした紫色をたたえている。どこまでも引き込まれそうな透明度の瞳。
もう一度、首筋に鼻を近づける。
鼻梁が触れた途端、薄い体の熱が上がって、ぶるっと震えた。
「んっ、くぅ…」
目が慣れてきたからか、木之内の表情を捉えることができた。
紅潮した顔が恍惚を堪えようと歪んで、たまらなく淫靡だ。
木之内の足の間に、自分の足を割り入れる。それだけで熱い息を漏らしていたのを、太ももで中心を擦ってやったら、声も出せないようで、ただ体をぎゅうっと縮こまらせる。
もう一度、擦り寄せる。
「んっん、んー!」
今度は背中を退け反らせる。
はー、はーと大きく息をして、どうにか整えようとしているのがいじらしい。
自分の胸がギリギリと締め付けられる。
この体を貪り食ってやりたい。体の中央に、絶対消せないくらい傷を付けたい。深く、自分を刻みこみたい。
覚えた記憶のない激情に夏伊も心の片隅で驚きと恐怖を覚えてはいた。
だがもうこの体を手放すことはできない。
肩を掴んでいた手を回して、木之内の上半身を包み込んで密着した。
「あっああ、うっ、あ」
気持ちが極まってか、泣き声と嬌声が混じる。
木之内の体がガクガクと震え、一気に力を無くした。
するりと抜け落ちるように腰を抜かすのを追って、夏伊も体を下げる。
腰を引き寄せると、一段と大きく跳ねた。
「ッーーーーー!!!」
そしてまた重量に逆らえなくなる。
二人で床にしゃがみ込む。
木之内がしゃくりあげる。
嘘だ、と泣く。
木之内の股間が、夏伊の足に当たって水っぽく滑るのがわかった。
独特の匂いが、鼻腔に微かに届く。
木之内の手は力なく夏伊の胸板を押し返そうとするが、あまりに弱々しくてむしろ嗜虐的な考えが引き摺り出される。
片手で熱い体をホールドして、もう片方を木之内の短パンの中に滑らせた。
「や!」
大きく見開かれた目が、涙でビー玉のようにつるんと輝く。
耳朶を食む。それから、耳の穴に小さく息を吹き込んだ。
「は、う…」
逃げようにも、壁と夏伊の体に挟まれて上半身を固められて、足の間に割り込まれている状態では、抜け出すのは至難の技だ。その上夏伊の方が体格もいい。
両足を少し開くと、それを挟む形になっている木之内の足もどうしても開かれる。
潤んだ芯を、ゆっくりと撫でてやる。
木之内はもう、詰まった息とたまらなさそうな泣き声ばかりをだらだらと漏らすばかりだ。
「ん、うう、うぇ」
ピクピクとする中心を宥めるようにゆったりと擦る。どんどん潤むところに軽く爪を立てたら、あともうとも付かない声を上げて、また達した。
「はっはっ、はぁ、あ、ううっ」
足を開いた体勢だったので後ろに触るのは余裕だった。
前のもので濡れたそこに、中指を沿わせる。
どちらかがなんとなく一言発して、そのうち糸を撚るように会話が続いていく。
自分にはそういう経験があまりなかったから不思議に思った。ただ、とても心地よかった。
帰宅してそれぞれ風呂に入って、寝支度を整えた。
「本当にソファでいいの」
寝付けないんじゃないのと聞くも、ソファでいい、掛けるものを貸してくれればいいというので、ガーゼケットを出した。
そして自室のベッドに入った途端、気を失うように眠りに就いた。
誰かが自分の体に触れてくる。
するすると風のように撫でられて、なんだかもどかしくなって、
「ッ…!!!」
バッと飛び起きた。
体が熱い。
動いた拍子に服が擦れただけで、変な声を出してしまいそうになる。
心臓が荒く拍動するのに反して、ゆっくりとしか息ができない。胸が詰まって、苦しくて、何か噛み締めたくて、怪我していた手に齧り付く。
ギリギリと歯を立てて、口中に血の味が広がっても、下は収まらない。
「ウッ…」
欲しい。何かが欲しい。食らいたいような、食らわれたいような。混濁した精神が溢れてしまいそうだ。
「ハ、ア」
脂汗が首の下を流れていく。
弾む胸を強く抑える。
出来るだけそっと立ち上がって、ドアの側のライトを付けた。
強張る手をもう片方で押さえて、ドアを開ける。リビングに、ラッチの金属音が小さく響いた。
ひどい熱を出したときのように、体が動かない。
小さく一本、もう一歩進んで、テーブルの上に手を伸ばした。急に体が大きく震えて、ハーブを挿していたコップを激しく倒してしまった。
はっと息を止めて、反射的にソファを見る。
物音がした気がして、ゆっくりと目を開ける。
外はまだ暗い。
体を起こそうとしたら、急に鼻腔に花のような香りが充満して面食らった。
「なんだ…?」
香りが一気に体内に広がる。
香り?
キッチンの方を見ると、人影があった。
それが木之内だと気付いた途端、ソファをまたいで両肩を掴んで、その首筋に顔を埋めていた。
大きく何度も呼吸して、少しも洩らすことのないように嗅ぐ。
「ウッ、ン」
木之内の体が小さく震える。
顔を上げると、ほとんど暗い空間の中で、漏れる光が木之内の瞳を照らす。
黒かったはずの目は、今は宝石のようにつやつやとした紫色をたたえている。どこまでも引き込まれそうな透明度の瞳。
もう一度、首筋に鼻を近づける。
鼻梁が触れた途端、薄い体の熱が上がって、ぶるっと震えた。
「んっ、くぅ…」
目が慣れてきたからか、木之内の表情を捉えることができた。
紅潮した顔が恍惚を堪えようと歪んで、たまらなく淫靡だ。
木之内の足の間に、自分の足を割り入れる。それだけで熱い息を漏らしていたのを、太ももで中心を擦ってやったら、声も出せないようで、ただ体をぎゅうっと縮こまらせる。
もう一度、擦り寄せる。
「んっん、んー!」
今度は背中を退け反らせる。
はー、はーと大きく息をして、どうにか整えようとしているのがいじらしい。
自分の胸がギリギリと締め付けられる。
この体を貪り食ってやりたい。体の中央に、絶対消せないくらい傷を付けたい。深く、自分を刻みこみたい。
覚えた記憶のない激情に夏伊も心の片隅で驚きと恐怖を覚えてはいた。
だがもうこの体を手放すことはできない。
肩を掴んでいた手を回して、木之内の上半身を包み込んで密着した。
「あっああ、うっ、あ」
気持ちが極まってか、泣き声と嬌声が混じる。
木之内の体がガクガクと震え、一気に力を無くした。
するりと抜け落ちるように腰を抜かすのを追って、夏伊も体を下げる。
腰を引き寄せると、一段と大きく跳ねた。
「ッーーーーー!!!」
そしてまた重量に逆らえなくなる。
二人で床にしゃがみ込む。
木之内がしゃくりあげる。
嘘だ、と泣く。
木之内の股間が、夏伊の足に当たって水っぽく滑るのがわかった。
独特の匂いが、鼻腔に微かに届く。
木之内の手は力なく夏伊の胸板を押し返そうとするが、あまりに弱々しくてむしろ嗜虐的な考えが引き摺り出される。
片手で熱い体をホールドして、もう片方を木之内の短パンの中に滑らせた。
「や!」
大きく見開かれた目が、涙でビー玉のようにつるんと輝く。
耳朶を食む。それから、耳の穴に小さく息を吹き込んだ。
「は、う…」
逃げようにも、壁と夏伊の体に挟まれて上半身を固められて、足の間に割り込まれている状態では、抜け出すのは至難の技だ。その上夏伊の方が体格もいい。
両足を少し開くと、それを挟む形になっている木之内の足もどうしても開かれる。
潤んだ芯を、ゆっくりと撫でてやる。
木之内はもう、詰まった息とたまらなさそうな泣き声ばかりをだらだらと漏らすばかりだ。
「ん、うう、うぇ」
ピクピクとする中心を宥めるようにゆったりと擦る。どんどん潤むところに軽く爪を立てたら、あともうとも付かない声を上げて、また達した。
「はっはっ、はぁ、あ、ううっ」
足を開いた体勢だったので後ろに触るのは余裕だった。
前のもので濡れたそこに、中指を沿わせる。
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