60 / 104
第4章 帰り道が騒がしい
第59話 暗殺者って意外と多いの?
しおりを挟む何が起こった訳でも無く、自然に目を覚ます。周りは暗くなっていて、スキル夜目を使って見渡すとここは宿屋の部屋らしく、お嬢様とメサ、メイカ、リーナ、カトラが3つの敷布団を並べて身を寄せ合って寝ていた。
俺は少し距離が空いているところに寝かされていたらしい。リーナの仕業らしいが、正直助かったな。起きてすぐお嬢様が近くにいるなんて事にならず。
……そうだ、そういえば俺は『闇夜の暗殺者』と戦って……重傷を負いつつも何とか倒せて…ここに転移したのか。
思い出している時に気付いたのだが、腹が減ったな。思えば昼飯を食べてからだいぶ時間が空いてしまっている。確か無限収納にまだ食料があったはず…。
無限収納から取り出した見た目は桃、味はパイナップルの果実を食べながら『闇夜の暗殺者』との戦闘とスキル一覧を見る。
スキル一覧
・道具作成 (執事たる者、全ての物を速やかに用意すべし)
・武器作成 (執事たる者、全ての武器を速やかに用意すべし)
・意思疎通 (執事たる者、仕える者とどこでも通じ合うべき)
・魔法適正 (執事たる者、魔法の1つや2つはこなせておくべき)
・武器適正 (執事たる者、全ての武器を扱えるべき)
・特定転移 (執事たる者、仕える者にすぐさま駆けつけるべき)
・職業適正 (執事たる者、執事という職を極めるべき)
・自己修復 (執事たる者、傷なんかに気にしてはいられない)
・無限収納 (執事たる者、いつ如何なる時でも物を出し入れすべき)
・限界突破 (執事たる者、限界を超えて諸事を全うせよ)
・疲労耐性 (執事たる者、そう簡単に疲れてはいけない)
・置換転移 (執事たる者、様々な距離を自在に行き来すべし)
・威圧視 (執事たる者、視線で威圧させて場を制すべき)
・気配探知 (執事たる者、周りの気配には敏感に)
・魔道具作成 (執事たる者、魔道具くらい用意すべき)
・魔道具適正 (執事たる者、魔道具の扱いくらいこなせるべき)
・馬操縦適正 (執事たる者、御者が必要無いくらいには馬を操れるべき)
・隠密 (執事たる者、誰にも悟られる事なく諸事をこなせ)
・空間把握 (執事たる者、空間は完全に把握すべき)
・夜目 (執事たる者、夜でも問題無く行動出来ておく)
・幻覚魔法適正 (執事たる者、幻覚魔法ぐらい扱えるべき)
・精神治癒 (執事たる者、仕える者の精神を癒せるようにすべき)
・解体術 (執事たる者、解体程度の雑事はこなせるべき)
・仮死化 (執事たる者、死を偽装して意表をつけるように)
・異空間倉庫 (執事たる者、食料の備蓄は入念に)
スキル一覧 ー非常時発動型
・超速再生 (執事たる者、治療に時間をかけていられない)
・職業適性極み (執事たる者、執事たれ)
……うん、くっそ多いな。どうにかして短縮したいが……こればっかりは念じても何にもならないな。
それに職業適性極みというスキルはよく分からないな。説明は執事たれしか無いし、いつもなら感覚的にスキルの事が理解できるのに、このスキルにはそれが無い。このスキルのおかげで勝てたのは間違いないんだけどなー。
それに、疲労耐性とか効果があるのかって思うぐらい、最近疲れに耐えられない事があるんだが……疲労耐性がしっかりと機能していてそうだとしたら無理し過ぎているのか?
……まあ今はもう一回寝よ………。
翌朝、お嬢様に起こされるという執事としてはなかなかの自殺ものの出来事が起き、最悪のテンションで買い出しに行った。スキル異空間倉庫の存在も教えたのでかなりの量の買い出しを済ませたので、金貨が心許無くなった。
移動している時にしょっちゅう魔物に出くわすのでまた倒しておいたら大丈夫だろう。
ガエンの死亡が報じられた事により騒がしい街からおさらばする前にイグザに会いに行こうかと思ったが……お嬢様に止められた。
あいつから詳しい話を聞けなかったのは残念だったが、お嬢様が代わりにある程度聞いていたらしく、それを聴きながら馬車を取りに行った。
そして、特に何も起こる事なく街を出た。もう1週間分の食料は買い揃えているので、《センコーン》にも《トレナス》にも寄る必要が無いので一直線に向かうつもりだ。
途中で魔物が多く発生すると言われる地域を通る事になるが、大丈夫だろう。
長い事帰らなかった城に帰ろうか………。
真っ暗な洞窟……というより、廃れた鉱山の坑道を拡大し、広げて蟻の巣のように山に張り巡らせた拠点。その中でも広場として利用されている空間に多くの黒ずくめの男、女が規則正しく並んでいた。
「………敬礼」
「……解け」
一人の男の指示で寸分違わず同じタイミングで動く黒ずくめ達を見て、別に何も思うところも無いように、冷酷な口調で話し始めた。
「……我々闇夜を照らす存在を抹殺する時は近い。全てはこの世界を闇夜に染めるために」
男が手を掲げると黒ずくめ達は跪き始めた。ドミノ倒しのように綺麗に滑らかに跪いていくその姿は忠誠心の強い騎士団のよう。
「そのためには全ての障害を取り除く必要がある。……各自、行動を開始せよ」
男の命令に言葉で応じる者は無く、皆黙って立ち上がり、それぞれの持ち場及び準備をするための部屋へと向かっていく。
全ての者がAランク冒険者を軽く屠れる力を……いや、暗殺能力を有していて、障害など超人を超えたSランク冒険者か『宝剣』使いのみ。
…その注意すべきリストに一人の執事が少し前に加わった。その者は勇者だという。……勇者、忌々しき存在を示す存在。必ず抹殺しなければならない。一人残らず………。
確かメサが言っていた暗殺者たち。いつかは襲って来る、そう思っていたが、『闇夜の暗殺者』の事もあっていつの間にか頭の隅に追いやってしまっていた。
だからなのだろうか、30もの暗殺者らしき奴らに囲まれるまでメサの関係者だと気付かなかったのは。
今は魔物が出やすいと言われている森に挟まれた一本道に居る。地図的に言うと、《トレナス》よりも《センコーン》に近いところで、メサたちと出会って少し行ったところだった。
「ちょっとみんな!もう辞めようよっ!暗殺者なんて…!いくら職業が暗殺者に生まれたからって、暗殺者の道に行かなくて良いんだよ!?」
メサが馬車から乗り出して周りの奴らに訴えるが、全員様子がおかしい。まるで、意識が無い人形のような目をしている。
「……まさかっ!グラミノ様の…!!」
「そうだ、よく覚えていたな」
空間把握で認識はしていたが、まさか出て来るとは。てっきり、ずっと木々の隙間からこちらを伺う程度の事しかしないと思っていたが。
暗殺者たちに道を開けられて来たのは背中にトランプのハートのような槍先になっている鉄の槍を背負った、内巻きのボブヘアーが極まり過ぎて耳の辺りで巻いてしまっている暗めの紫色の髪色の男。
貴族のような高圧的な態度をしている男がグラミノと言うらしい。
「さあ、メサ。成果を聞こうか?」
くっそ腹の立つ、人を顎で使うような奴は性格の良い奴では無い事が明白。なので………
「ムカつくな、お前」
「何だ、お前ーーぐはっ!!」
馬車から降りてすぐ殴りつけてしまった。何でこうも問題ばかりが続くものかと、イライラしてしまったという事で言い訳にならないかな………。
============================================
スキル一覧は忘れている人が居ると思ったので一度全部書いてみました。……多すぎ。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる
初
ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。
レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。
これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。
【完結】モブ令嬢のわたしが、なぜか公爵閣下に目をつけられています
きゅちゃん
ファンタジー
男爵家の三女エリーゼは、前世の記憶を持つ元社畜OL。社交界デビューの夜、壁際でひとりジュースを飲んでいたところを、王国随一の権力者・ヴァルナ公爵カイルにスカウトされる。魔法省の研究員として採用されたエリーゼは、三年間誰も気づかなかった計算の誤りを着任三日で発見。着々と存在感を示していく。一方、公爵の婚約候補と噂されるクロード侯爵令嬢セラフィーヌは、エリーゼを目障りに思い妨害を仕掛けてくるが...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる