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6章 空のない世界
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バンバンバン!!
激しくドアが叩かれる。
「ねぇ、ここにいるの?」
「ドア壊そうよ」
「鍵壊そうよ」
「あいつら見つけたら殺そうよ」
「駄目だよ~、そうやってせっかく見つけたオモチャ壊しちゃ~」
「壊れたら、また見つければいい」
「そうだね、沢山オモチャはあるし。なら、これが終わったら、オモチャをどう壊して遊ぶか決めようよ」
「いいね~、また新しい遊び見つけたね」
「さぁ、鍵あけて、ドア開けて、私達と一緒に遊びましょ」
子ども達の無邪気な笑いがドア越しに響く。
バンバンバン!
ドアが本当に壊されちゃうんじゃないかという程、物凄い叩きだした。
「ヤバイよ、本当にドアが壊れちゃうかも」
「真紀ちゃん、隠れよう」
バンバンバン……ドン!
ガタガタガタ、ガシャン!!
ドアは鍵を破壊し、そのまま吹き飛んだ。見事に吹き飛ばされたドアは床を回転して回り、壁に激突した。
「あれ~、いないよ?」
そこは誰もいない部屋だった。
「でも、鍵がかかってたんだからどこかに隠れてるんだよ」
「へぇ~、面白そう。つまり、この部屋のどこかに絶対にいるんだよね」
カチッ
残り5分。
「どっちが早いかな。見つかるのと、時間まで逃げ切れるのか」
「無理でしょ~。鬼ごっこじゃなくて、かくれんぼにしたのは見つかれば終わりだからだよ。この部屋のどこかに隠れてるなら、片っ端から探せばいい」
「もう、かくれんぼも飽きちゃったし、早く次の遊びしたいしね」
「じゃあ、探しますか」
子どもはそれぞれに別れて探し出した。いくら、他の病室に比べて広いからといって、手分けして探せば時間なんて問題ではなかった。なかった……が、見つからなかった。
「どこにいるの~」
「うーん、ここだ!」
バンッ!
勢いよくクローゼットを開ける。しかし、ものけのからだった。
「どうしてよ、どうしていないの!!」
ギィ…ギィ…
車椅子が中に入る。
「どうしよう、お姉様。奴らいません」
……
「はい、お姉様」
四天王、メアリー・メアの声は子ども達にしか聞こえない。
メアリーは子ども達に何かを話すと、車椅子を動かし部屋を出てしまった。
カチッ
残り1分。
「負けたね」
「負けたね」
「初めて負けたね」
「うん」
「お姉様、笑ってたね」
「うん。お姉様が笑ったの久しぶりだね」
「うん」
「さぁ、お家に帰ろ」
「そうだね」
「そうだね」
カチッ
・・・・
「ふきちゃん、あいつらいなくなったね」
「うん。丁度時間だし」
「あのルール通りだね」
「でも、何であの車椅子の奴、途中でいなくなったんだろ?」
「ねぇ、ちょっと狭いからそろそろ出ようか」
「・・・そうだね」
ガシャン
真紀と山吹は通気口(ダクト)から出てきた。
「流石に、人が入る想定されてないのは分かるけど、ちょっとあの姿勢で腰がキツイ」
「まぁね。それより、この病院の地下を探しましょ。レムとかが言ったことが本当なら、地下通路があるはず。そこから次のエリアに行けるはずよ」
「じゃあ行こう。もう、ここから離れたい」
「真紀は怖いの苦手だもんね」
「そう言うふきちゃんも、結構びびってたよね」
「まぁ、今回はね。もう、怖いのはこりごり。次のエリアは流石にホラー系じゃないのでお願いしたいかも」
「だね」
真紀達は早速、階段を探しに特別室を出た。
と、すぐに山吹は立ち止まる。
「いてっ!」
急に立ち止まった山吹に真紀はぶつかった。
「いててて、どうしたのふきちゃん」
「なんか聞こえる」
「えっ?」
真紀は山吹に言われ、耳をすませる。
「うーん・・・」
パラ
「ン?」
パラリヤ
「パラリヤ?」
パラリヤパラリヤパラリヤパラリヤ!!
「はっ!?」
パラリヤパラリヤ
暴走族みたいな格好して、派手に改造した車椅子が物凄い勢いでこちらに向かって来るのが見えきた。
「はぁ!?なんじゃあれりゃあ」
「真紀ちゃん、逃げるよ!」
真紀達は、襲ってくる暴走車椅子から走って逃げ出した。
「早く階段見つけなきゃ!」
「あ、多分あの先階段じゃない?」
真紀の指さす方向にすぐさま走る。
パラリヤパラリヤパラリヤ!!
「何で暴走族みたいになってるの!?」
「知らないわよ。とにかく早く!」
真紀達は、階段に急いで駆け込み、下に降りた。
パラリヤパラリヤパラリヤ!
暴走車椅子は階段出前で止まった。
「流石に、車椅子で階段は無理で!いやいやいやいやいやいや無理でしょ!?」
ガタンッ!
ガタンッ、ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!
「いやあぁぁーー来ないで~~」
「ちょっと真紀ちゃん、置いてこないでよ!」
車椅子はガタガタとそのまま降りてきた。しかも、変なうめき声付きで。
ガタガタガタガタ
「真紀ちゃん、そのまま下に降りて次のエリア向かおう。多分、あいつそこまでは追って来ないはず」
「言われなくても、そうする!」
真紀は物凄い足で、階段を勢いよく降りる。
「もうすぐで階段が終わる」
階段を降り終わった真紀達は、地下にたどり着いた。そこは、一本の通路しかなかった。
「多分、この先だよ」
真紀達はそのまま次のエリアに向かった。
激しくドアが叩かれる。
「ねぇ、ここにいるの?」
「ドア壊そうよ」
「鍵壊そうよ」
「あいつら見つけたら殺そうよ」
「駄目だよ~、そうやってせっかく見つけたオモチャ壊しちゃ~」
「壊れたら、また見つければいい」
「そうだね、沢山オモチャはあるし。なら、これが終わったら、オモチャをどう壊して遊ぶか決めようよ」
「いいね~、また新しい遊び見つけたね」
「さぁ、鍵あけて、ドア開けて、私達と一緒に遊びましょ」
子ども達の無邪気な笑いがドア越しに響く。
バンバンバン!
ドアが本当に壊されちゃうんじゃないかという程、物凄い叩きだした。
「ヤバイよ、本当にドアが壊れちゃうかも」
「真紀ちゃん、隠れよう」
バンバンバン……ドン!
ガタガタガタ、ガシャン!!
ドアは鍵を破壊し、そのまま吹き飛んだ。見事に吹き飛ばされたドアは床を回転して回り、壁に激突した。
「あれ~、いないよ?」
そこは誰もいない部屋だった。
「でも、鍵がかかってたんだからどこかに隠れてるんだよ」
「へぇ~、面白そう。つまり、この部屋のどこかに絶対にいるんだよね」
カチッ
残り5分。
「どっちが早いかな。見つかるのと、時間まで逃げ切れるのか」
「無理でしょ~。鬼ごっこじゃなくて、かくれんぼにしたのは見つかれば終わりだからだよ。この部屋のどこかに隠れてるなら、片っ端から探せばいい」
「もう、かくれんぼも飽きちゃったし、早く次の遊びしたいしね」
「じゃあ、探しますか」
子どもはそれぞれに別れて探し出した。いくら、他の病室に比べて広いからといって、手分けして探せば時間なんて問題ではなかった。なかった……が、見つからなかった。
「どこにいるの~」
「うーん、ここだ!」
バンッ!
勢いよくクローゼットを開ける。しかし、ものけのからだった。
「どうしてよ、どうしていないの!!」
ギィ…ギィ…
車椅子が中に入る。
「どうしよう、お姉様。奴らいません」
……
「はい、お姉様」
四天王、メアリー・メアの声は子ども達にしか聞こえない。
メアリーは子ども達に何かを話すと、車椅子を動かし部屋を出てしまった。
カチッ
残り1分。
「負けたね」
「負けたね」
「初めて負けたね」
「うん」
「お姉様、笑ってたね」
「うん。お姉様が笑ったの久しぶりだね」
「うん」
「さぁ、お家に帰ろ」
「そうだね」
「そうだね」
カチッ
・・・・
「ふきちゃん、あいつらいなくなったね」
「うん。丁度時間だし」
「あのルール通りだね」
「でも、何であの車椅子の奴、途中でいなくなったんだろ?」
「ねぇ、ちょっと狭いからそろそろ出ようか」
「・・・そうだね」
ガシャン
真紀と山吹は通気口(ダクト)から出てきた。
「流石に、人が入る想定されてないのは分かるけど、ちょっとあの姿勢で腰がキツイ」
「まぁね。それより、この病院の地下を探しましょ。レムとかが言ったことが本当なら、地下通路があるはず。そこから次のエリアに行けるはずよ」
「じゃあ行こう。もう、ここから離れたい」
「真紀は怖いの苦手だもんね」
「そう言うふきちゃんも、結構びびってたよね」
「まぁ、今回はね。もう、怖いのはこりごり。次のエリアは流石にホラー系じゃないのでお願いしたいかも」
「だね」
真紀達は早速、階段を探しに特別室を出た。
と、すぐに山吹は立ち止まる。
「いてっ!」
急に立ち止まった山吹に真紀はぶつかった。
「いててて、どうしたのふきちゃん」
「なんか聞こえる」
「えっ?」
真紀は山吹に言われ、耳をすませる。
「うーん・・・」
パラ
「ン?」
パラリヤ
「パラリヤ?」
パラリヤパラリヤパラリヤパラリヤ!!
「はっ!?」
パラリヤパラリヤ
暴走族みたいな格好して、派手に改造した車椅子が物凄い勢いでこちらに向かって来るのが見えきた。
「はぁ!?なんじゃあれりゃあ」
「真紀ちゃん、逃げるよ!」
真紀達は、襲ってくる暴走車椅子から走って逃げ出した。
「早く階段見つけなきゃ!」
「あ、多分あの先階段じゃない?」
真紀の指さす方向にすぐさま走る。
パラリヤパラリヤパラリヤ!!
「何で暴走族みたいになってるの!?」
「知らないわよ。とにかく早く!」
真紀達は、階段に急いで駆け込み、下に降りた。
パラリヤパラリヤパラリヤ!
暴走車椅子は階段出前で止まった。
「流石に、車椅子で階段は無理で!いやいやいやいやいやいや無理でしょ!?」
ガタンッ!
ガタンッ、ガタガタガタガタガタガタガタガタ!!
「いやあぁぁーー来ないで~~」
「ちょっと真紀ちゃん、置いてこないでよ!」
車椅子はガタガタとそのまま降りてきた。しかも、変なうめき声付きで。
ガタガタガタガタ
「真紀ちゃん、そのまま下に降りて次のエリア向かおう。多分、あいつそこまでは追って来ないはず」
「言われなくても、そうする!」
真紀は物凄い足で、階段を勢いよく降りる。
「もうすぐで階段が終わる」
階段を降り終わった真紀達は、地下にたどり着いた。そこは、一本の通路しかなかった。
「多分、この先だよ」
真紀達はそのまま次のエリアに向かった。
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