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《第2幕》8章 鼠
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【宇宙ステーション・展望フロア】
「どうするんだ、エレベーターが動かないんじゃ、結局助からないんじゃないのか?せっかく生き延びたというのに、いきなり絶望を見せられた気分だ。それも、これもアメリカ大統領の策略らしいじゃないか!」
「大統領は誰かに洗脳されていたんです。これは大統領ではなく、大統領を操った黒幕が他にいるんです」
「いいや、大統領にも責任はある。もし、ここから脱出できたらアメリカとはもう関係をつくるつもりはない!」
「それより、ここには爆弾があるんだよね?いつ、爆発してもおかしくないんだよね」
「今のところ、爆弾は作動していません」
「だが、作動したらどうする?」
「それは……」
「ねぇ、大統領が犯人なら爆弾のスイッチとかも持ってるんじゃないの?」
「可能性あるな。よし、調べよう」
「遺体をあさるんですか」
「このまま何もしないよりかはマシだろ」
「じっとできないの間違いじゃなくて?」
「何だと!」
「おいおい、やめろ。揉めて何になる」
「うるさい、私に指図するな!」
鬼により大量虐殺を目撃し、さっきまで話していた人が目の前で死んでいくのを間近に見た上に、エレベーターは動かず、場所だけに救助もなく、おまけに施設丸ごと吹き飛ばす程の爆弾があると知れば、人間は正常ではいられない。最早、言葉を選んで話す余裕も失い、どんどん関係を悪化していった。
さくらはそれを恐れていた。それが、この事件の黒幕の狙いだとしたらと思うとゾッとするからだ。間違いなく戦争につながる。だからこそ、今の状況を打開する必要があった。
しかし、自分のことでいっぱいな彼らに今更何を言ってもまともに聞ける人はいないだろう。つまり、まんまと敵の策略にはまってしまったのだ。
「とにかく、お前らがやらなくても私はやるからな」
そう言って、爆弾の場所、大統領の死体がある場所まで向かった。仕方なく、それに付き添う何人かと、真紀達もそれに同行した。
【宇宙ステーション・倉庫エリア】
「おい、あいつの死体はどこにある?」
「えっ?そこに……!?」
そこには大量の血だけで肝心の死体は見つからなかった。
「そんな!」
「あいつが死んだの、ちゃんと確認したのか?」
「分かるでしょ、この血の量で」
床にある血を指した。
「こんなに血を流せば無事ではすまない。出血死してもおかしくない量よ。それに、首を深く斬っている」
「なら、なぜここに死体がないんだ。死体が勝手に動いたとでも言うのか?」
「あはは、ゾンビになってたりしてな」
「ふん、ふざけるな。今はそんなこと言ってる状況じゃないだろ!」
「何だと!」
「いいえ、彼の言った通り冗談言ってる状況じゃないわ。だってほら」
そう言って、女性は指をさす。
「なっ!?」
「嘘でしょ!?」
その指さす方向には爆弾があり、タイマーが動いていた。
「おい、誰か爆弾解体できる奴はいないのか!?」
「いや、いないだろ普通。それにいたところで、この数の爆弾を解体している時間はないだろう」
「じゃあ……今度こそ終わりなのか?」
男は膝をついた。
「せっかくここまでのぼりつめたというのに」
ドンッ!
「何の音だ?」
「何かぶつかったような音だったけど」
「もしかすると、大統領かもしれない。行くぞ!」
「でも……」
「何を怖がるんだ、奴は瀕死なんだろ。大人が複数かかれば問題ないだろ。それに、奴には簡単に死なせるつもりはない」
その言葉になぜか皆動かされたかのように、まるで普通の人間だったのが、人殺しの目をした化け物になっていくような感じがした。
もう、さくらは止められなかった。皆は音のする方へと向かう。
「ねぇ、音のする方ってエレベーターのある展望フロアだよね?」
真紀は聞いた。
「えぇ」
「私達も行った方がいいんじゃないかな?」
「……そうね、行きましょう」
そう言って、真紀達も展望フロアに向かった。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁーー!!」
展望フロアに向かう途中、先程の悲鳴が聞こえた。急いで向かうと、
うぅ……うぉぉ……おぉぉ…
「何これ!?」
そこには殺されたはずの死人が動き、人を襲っていた。
ドスッ、ドスッ!
そこに丸型の太った少女があらわれた。
「あなたは!」
「あら、誰かと思えば巫女様に操られたお人形さんじゃないか」
「何でここにあなたが!?……まさか、これはあなたのせい」
「そうよ。私は巫女様と違い、人間を人形にして扱うのが大得意なの。あなたもあのまま巫女様に操られたお人形さんでいればよかったのに。あなたが人形のまま巫女様につかえていたら私も手は出せなかったけど、人形ごときが逆らうというなら、私があなたを壊してあげる」
「私は人形じゃない!それにあなた、前より太ったんじゃない?前より足音が重そうだけど、車椅子が必要かしら?」
「んんんんん!!殺す、殺す殺す!!私をデブ、豚って言った奴は生かしはしないが、太っただって?言ってくれるじゃないか!ふんっ!!お望み通り壊してやる!まず足を引き抜き逃げないようにしてから、両手をもぎ取り抵抗できなくし、一つ一つお前の臓器に風穴開けて、何も言えないよう舌を切り裂いてから、お前もあいつら同様再び私の人形として可愛がってやるさ」
デブが山吹にどんどん近づく。地ならしおこしながら。
「ふんっ!!」
鼻息を荒くし、デブ特徴の周りを熱しそこだけ真夏のような気温にしながら、どんどこ近づいてくる。
その目の前に真紀は立ちはだかる。
「真紀ちゃん!!」
「何だお前は?邪魔だ」
「うるさい、ボール!お前なんか、たまごオバケなんか真っ二つにしスクランブルエッグにしてやる!」
「たまごは好きだけど、私をボール呼ばわりしたのは許さん!!お前なんか挽き肉にしてハンバーグにしてやる」
「ゴクリっ」
「真紀ちゃん……ヨダレ」
真紀はヨダレを拭きながら、刀を構える。
「ふんっ、裏切り者と一緒に死ぬがいい!!」
うおおぉぉぉーーー
ゾンビになった死体が真紀達を襲いかかってきた。
真紀は死人を無力にする為、頭を狙い剣先を定める。そして、ゾンビが真紀周辺に集まったタイミングで剣先を放った!
「 怨剣屍無ゑい 」
派手に頭は粉砕され、血肉が周りに飛び散った。
「なっ!?……私の人形が・・・・」
「普通のゾンビゲームより楽だったよ」
太ったデブ豚ボールたまごオバケは歯ぎしりをする。
「く~~よくもやってくれたね!なら、私が直々に相手してやる」
ドスッ、ドスッ!
真紀は再び構え、剣先を太ったデブ略に定める。そして、
「 怨剣屍無ゑい 」
剣先はやつの腹に突き刺さる……が、
ボヨーン!
「なっ……跳ね返った!?」
「ふふふ、デブをナメるからよ。デブは刃を通さない!全ての刃物は斬れず、跳ね返す!」
「なんだって!?」
「お前に勝ち目はない!デブに押し潰され死ね!!」
「遂に自分でデブって言っちゃったよ、この人」
山吹はボソッとツッコミを入れる。
「 プレス!! 」
太った略はジャンプし、巨体を宙に浮かせる。どうやら、上から押し潰す算段らしい。
真紀は刀を鞘に納め、野球バットを持つかのように構えた。
「な、何をする気だ?」
「斬れないなら、殴り叩き割る!」
「や、やめろー!!」
太った略は最早回避不能だった。自分で仕掛けておいてやられに向かったのだ。
ただ、重力に従い落下するだけの太った略に対し、真紀はかわしながらストレートゾーンで構える。そして、落下してきたのと同時に振り上げた!
「 骨粉砕酷刑 」
バキバキバキッ!
「ぎゃふん!!」
巨体は骨を砕かれ、その場に倒れた。
「どうするんだ、エレベーターが動かないんじゃ、結局助からないんじゃないのか?せっかく生き延びたというのに、いきなり絶望を見せられた気分だ。それも、これもアメリカ大統領の策略らしいじゃないか!」
「大統領は誰かに洗脳されていたんです。これは大統領ではなく、大統領を操った黒幕が他にいるんです」
「いいや、大統領にも責任はある。もし、ここから脱出できたらアメリカとはもう関係をつくるつもりはない!」
「それより、ここには爆弾があるんだよね?いつ、爆発してもおかしくないんだよね」
「今のところ、爆弾は作動していません」
「だが、作動したらどうする?」
「それは……」
「ねぇ、大統領が犯人なら爆弾のスイッチとかも持ってるんじゃないの?」
「可能性あるな。よし、調べよう」
「遺体をあさるんですか」
「このまま何もしないよりかはマシだろ」
「じっとできないの間違いじゃなくて?」
「何だと!」
「おいおい、やめろ。揉めて何になる」
「うるさい、私に指図するな!」
鬼により大量虐殺を目撃し、さっきまで話していた人が目の前で死んでいくのを間近に見た上に、エレベーターは動かず、場所だけに救助もなく、おまけに施設丸ごと吹き飛ばす程の爆弾があると知れば、人間は正常ではいられない。最早、言葉を選んで話す余裕も失い、どんどん関係を悪化していった。
さくらはそれを恐れていた。それが、この事件の黒幕の狙いだとしたらと思うとゾッとするからだ。間違いなく戦争につながる。だからこそ、今の状況を打開する必要があった。
しかし、自分のことでいっぱいな彼らに今更何を言ってもまともに聞ける人はいないだろう。つまり、まんまと敵の策略にはまってしまったのだ。
「とにかく、お前らがやらなくても私はやるからな」
そう言って、爆弾の場所、大統領の死体がある場所まで向かった。仕方なく、それに付き添う何人かと、真紀達もそれに同行した。
【宇宙ステーション・倉庫エリア】
「おい、あいつの死体はどこにある?」
「えっ?そこに……!?」
そこには大量の血だけで肝心の死体は見つからなかった。
「そんな!」
「あいつが死んだの、ちゃんと確認したのか?」
「分かるでしょ、この血の量で」
床にある血を指した。
「こんなに血を流せば無事ではすまない。出血死してもおかしくない量よ。それに、首を深く斬っている」
「なら、なぜここに死体がないんだ。死体が勝手に動いたとでも言うのか?」
「あはは、ゾンビになってたりしてな」
「ふん、ふざけるな。今はそんなこと言ってる状況じゃないだろ!」
「何だと!」
「いいえ、彼の言った通り冗談言ってる状況じゃないわ。だってほら」
そう言って、女性は指をさす。
「なっ!?」
「嘘でしょ!?」
その指さす方向には爆弾があり、タイマーが動いていた。
「おい、誰か爆弾解体できる奴はいないのか!?」
「いや、いないだろ普通。それにいたところで、この数の爆弾を解体している時間はないだろう」
「じゃあ……今度こそ終わりなのか?」
男は膝をついた。
「せっかくここまでのぼりつめたというのに」
ドンッ!
「何の音だ?」
「何かぶつかったような音だったけど」
「もしかすると、大統領かもしれない。行くぞ!」
「でも……」
「何を怖がるんだ、奴は瀕死なんだろ。大人が複数かかれば問題ないだろ。それに、奴には簡単に死なせるつもりはない」
その言葉になぜか皆動かされたかのように、まるで普通の人間だったのが、人殺しの目をした化け物になっていくような感じがした。
もう、さくらは止められなかった。皆は音のする方へと向かう。
「ねぇ、音のする方ってエレベーターのある展望フロアだよね?」
真紀は聞いた。
「えぇ」
「私達も行った方がいいんじゃないかな?」
「……そうね、行きましょう」
そう言って、真紀達も展望フロアに向かった。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁーー!!」
展望フロアに向かう途中、先程の悲鳴が聞こえた。急いで向かうと、
うぅ……うぉぉ……おぉぉ…
「何これ!?」
そこには殺されたはずの死人が動き、人を襲っていた。
ドスッ、ドスッ!
そこに丸型の太った少女があらわれた。
「あなたは!」
「あら、誰かと思えば巫女様に操られたお人形さんじゃないか」
「何でここにあなたが!?……まさか、これはあなたのせい」
「そうよ。私は巫女様と違い、人間を人形にして扱うのが大得意なの。あなたもあのまま巫女様に操られたお人形さんでいればよかったのに。あなたが人形のまま巫女様につかえていたら私も手は出せなかったけど、人形ごときが逆らうというなら、私があなたを壊してあげる」
「私は人形じゃない!それにあなた、前より太ったんじゃない?前より足音が重そうだけど、車椅子が必要かしら?」
「んんんんん!!殺す、殺す殺す!!私をデブ、豚って言った奴は生かしはしないが、太っただって?言ってくれるじゃないか!ふんっ!!お望み通り壊してやる!まず足を引き抜き逃げないようにしてから、両手をもぎ取り抵抗できなくし、一つ一つお前の臓器に風穴開けて、何も言えないよう舌を切り裂いてから、お前もあいつら同様再び私の人形として可愛がってやるさ」
デブが山吹にどんどん近づく。地ならしおこしながら。
「ふんっ!!」
鼻息を荒くし、デブ特徴の周りを熱しそこだけ真夏のような気温にしながら、どんどこ近づいてくる。
その目の前に真紀は立ちはだかる。
「真紀ちゃん!!」
「何だお前は?邪魔だ」
「うるさい、ボール!お前なんか、たまごオバケなんか真っ二つにしスクランブルエッグにしてやる!」
「たまごは好きだけど、私をボール呼ばわりしたのは許さん!!お前なんか挽き肉にしてハンバーグにしてやる」
「ゴクリっ」
「真紀ちゃん……ヨダレ」
真紀はヨダレを拭きながら、刀を構える。
「ふんっ、裏切り者と一緒に死ぬがいい!!」
うおおぉぉぉーーー
ゾンビになった死体が真紀達を襲いかかってきた。
真紀は死人を無力にする為、頭を狙い剣先を定める。そして、ゾンビが真紀周辺に集まったタイミングで剣先を放った!
「 怨剣屍無ゑい 」
派手に頭は粉砕され、血肉が周りに飛び散った。
「なっ!?……私の人形が・・・・」
「普通のゾンビゲームより楽だったよ」
太ったデブ豚ボールたまごオバケは歯ぎしりをする。
「く~~よくもやってくれたね!なら、私が直々に相手してやる」
ドスッ、ドスッ!
真紀は再び構え、剣先を太ったデブ略に定める。そして、
「 怨剣屍無ゑい 」
剣先はやつの腹に突き刺さる……が、
ボヨーン!
「なっ……跳ね返った!?」
「ふふふ、デブをナメるからよ。デブは刃を通さない!全ての刃物は斬れず、跳ね返す!」
「なんだって!?」
「お前に勝ち目はない!デブに押し潰され死ね!!」
「遂に自分でデブって言っちゃったよ、この人」
山吹はボソッとツッコミを入れる。
「 プレス!! 」
太った略はジャンプし、巨体を宙に浮かせる。どうやら、上から押し潰す算段らしい。
真紀は刀を鞘に納め、野球バットを持つかのように構えた。
「な、何をする気だ?」
「斬れないなら、殴り叩き割る!」
「や、やめろー!!」
太った略は最早回避不能だった。自分で仕掛けておいてやられに向かったのだ。
ただ、重力に従い落下するだけの太った略に対し、真紀はかわしながらストレートゾーンで構える。そして、落下してきたのと同時に振り上げた!
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