ある独りの侯爵令嬢は精霊に愛される。

玲藍

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第三章 舞踏会編

5

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ダンスが終わり、オスカー様は両陛下と共に上座にいらっしゃいます。舞踏会では、貴族として身分の高い順に挨拶すると言う決まりがあり、私もお母様と一緒に挨拶へと向かいます。

「本日のご招待誠にありがとうございます。」

「キャンベント侯爵夫人、よく来てくれた。そしてレミリア嬢、素敵なダンスだったぞ。」

「ええ、とても可憐で素敵でした。」

両陛下は満足そうに微笑んでおられて、オスカー様の方を見ると微笑みを返してくれました。

「お褒め頂きありがとうございます。とても光栄です。」

「初めての舞踏会慣れないであろうが楽しんで行くが良い。」

「はい。両陛下に精霊の御加護があらんことを。」

「ありがとう。レミリア嬢。」

こうして挨拶を済ませた後、私が婚約者候補として発表されたからか、同じ侯爵家や、伯爵家、辺境伯までもが挨拶を称して娘、息子を紹介してくる。皆うんざりするほど同じ事ばかりなので、かなり疲れた。
 お母様が、あとは任せて少し涼んできたら?と言ってくれなかったら今頃私は倒れていただろう。

「ふぅ。風が気持ちいい」

バルコニーに出ると心地よく風が吹いている。

「姫様。お疲れ様です。」

「ウェントゥス!久しぶりね。」

「姫様もお元気そうで何よりです。お綺麗になられましたね。」

「ありがとう。そう言ってくれて嬉しいわ。ところで今日はどうしたの?」

「いえ、これといって用事はないのです。少し様子をと思いまして。」

「そうだったの。でも会えて嬉しい。舞踏会は華やかだけれどとても疲れるわ。」

ふわっとウェントゥスは風魔法で私を包む。不思議と温かくて顔が綻ぶ。

「姫様に良き風を。いつも見守っております。また時間がある時にお屋敷にお邪魔致します。」

ありがとうと伝えると、ウェントゥスは微笑み帰っていった。

「レミィ。ここに居たのね。」

「お母様、」

「そろそろ帰りましょう。」  

「はい。」

こうして短くて長い夜が終わったのだった。
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