ある独りの侯爵令嬢は精霊に愛される。

玲藍

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第一章 幼少期編

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 次の日になり、私の為の家庭教師の先生が来てくれました。

「ようこそいらっしゃいました。レミリア・キャンベントと申します。今日からご指導のほど、よろしくお願い致します。」

「お嬢様自らお出迎えありがとうございます。私はタリーシャ・フェリス・トランジアと申します。今日からお嬢様の家庭教師として参りました。どうぞよろしくお願い致します。」

 タリーシャ先生はご結婚されていて、ご結婚される前は王宮魔法士兼薬師として働いていたそうです。
とても優秀で聡明な方なのだそうです。

「私のことは、どうか気軽にレミリアと呼んでください。」

「それでは私のこともタリーシャとお呼びください。そちらの方が私も嬉しいですわ。さてさっそくですが、お茶会をしましょうか。」

「お茶会ですか……?勉強では無くて?」

「ええ。今日は顔合わせのつもりで来たのですよ。ですから、お勉強する前にレミリアさんのお話を聞かせて頂いてもよろしいですか?」

 にっこりと微笑むタリーシャ先生はどこか無邪気で少しだけお茶目だ。打ち解けやすくすぐにいい人だと感じた。

「分かりました。それではタリーシャ先生のことも教えてくださいませ。楽しいお話がきけると嬉しいですわ。」

「ええ、もちろん。」

 
「ここがレミリアさんの部屋ですか。本が沢山ありますが…これは古代語ですか?!」

「この文字は、古代語と言うんですか?」

 タリーシャ先生を私の部屋に案内して、まず驚く所が本だとは思ってもいなかった。

「ええ。古代語はとても難しい文字で、学者の中でも読める人は数人しかいないんですよ?」

そんな事、初耳でこっちが驚いた。
 私が知っている文字は、この古代語と呼ばれたもので、アクアが外で遊ばないなら本よっ!と言ってどこからか沢山持ってきてあっという間に本棚が埋まっていったことがあった。
 文字が読めなかった時は読み聞かせをしてくれたりして教えてくれたのはアクアだった。そこにだんだんアンナも加わりいつの間にか勉強会になっていたのは言うまでもない。

「そうだったんですか…。そんなに難しい文字だなんて初めて知りました。」

「この文字どなたに教わったのですか?」

「精霊に教わりました。」

「精霊ですか。レミリアさんは精霊ととても仲が良いんでしたね。私が教える事が無くなってしまいそうです。ふふっ。」

「そんな事ありません!私はまだまだ無知で未熟ですから、もっと勉強したいのです。」

「レミリアさん、そんなにはやく成長しようとしなくていいんですよ。まだあなたは5歳、 勉強以外でも色んなことに触れて、色々なことに興味を持っていいんです。だから勉強も楽しめる事を沢山しましょうね。」

 タリーシャ先生は私に目線を合わせ笑顔で言う。楽しめる勉強とはなんだろう。とわくわくした気持ちで私は、はいと微笑んだ。




 
 家庭教師としてタリーシャ先生がついてから私は外出する事が増えて、色々なことが学べていてとても楽しいです。
外出に対しておとうさまは、何も言うことは無く相変わらず無関心ですし、ベロニカは遊びだと思っているのか私も行きたい!お姉さまだけ街に行くなんて!などと謎めいた駄々をこねて大変だったりと、何故かぐったりとする日々が続いています。

「はぁ……。」

「あら、レミリアさん、どうかしたんですか?」

「いえ、特にどうというわけじゃないんです。すみません。」

「お気になさらずに。ですがため息をついたら幸せが逃げますから注意して下さいね?」

「そうなんですか?……幸せが逃げてしまうのは嫌です。」

「ええ、だから笑顔でいましょう。ずっと笑顔でとは言いませんが、笑うというのはとても大切で凄いことなのですから。」

タリーシャ先生はすごい人です。私の心を見抜くというか、観察眼がすごいと言いますか。でもそれは嫌な物ではなくて、ちゃんと優しさや思いがこもっていて…。

「さて、今日は現代語ですよ。古代語とは全くの別物なので頑張って覚えましょうね。」

「はいっ!よろしくお願いします。タリーシャ先生。」

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