ある独りの侯爵令嬢は精霊に愛される。

玲藍

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第一章 幼少期編

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あっという間に月日は流れて私は6歳になり、タリーシャ先生のおかげで学園の中等部のカリキュラムまで終わることが出来ました。
今日からは高等部の勉強をしようとした時、廊下から足音が近づいてきてノックも無しにドアが勢いよく開きました。誰でしょうか、当たり前のマナーすら守れない人は。

「レミリアおねえさま、ベロニカとあそんでください。」

ベロニカでしたか。納得です。

「ベロニカ、ノックも無しに人の部屋にいきなり入るのはお行儀が悪いわよ。」

「おねえさま!ベロニカとあそんでくださいっ!」

マナーすら守れない子になっているとはどういう風に甘やかされたのでしょうか?お母様が、昔からお行儀を教える為に雇った家庭教師の方が苦労するのが目に見えて理解ができます。

「ごめんなさい、ベロニカ。私はこれから勉強しなくては行けないの。家庭教師の先生も困ってしまうし、勉強が終わってから遊んであげるわ。」

これで多分大丈夫な筈よね。

「嫌です!ベロニカは今おねえさまと遊びたいのです!勉強なんて後でもできるでしょう?だからベロニカとあそんでください!」

…………誰かこの子に遠慮と言うものを教えてあげてください。確かにベロニカは4歳でまだまだ何でも出来るわけでは無いのでしょうが、これはいかがなものかと。

「ベロニカ、今は家庭教師の先生も来ていらっしゃるし、私は勉強をしなくてはいけない時間なの。だから貴女とは遊べないわ。」

「おねえさまはベロニカの事嫌いなのですか…?」

 しょぼんと寂しそうな顔をして下から目線でうるうるさせている瞳。意味がわからない…。
 それに嫌いとか一言も言ってませんよ。断っただけで酷い被害妄想です。呆れてものも言えません…。

「嫌いなわけないでしょう。」

「ならあそんでください!」

この子は何回言っても分からない子なのかしら…。
トホホと呆れているとまた足音がしてきました。次はどなたですか?

「ベロニカ!どこにいるのだ、ベロニカ!」

…お父さまですか。

「おとうさまっ!ベロニカはここです!」

「なぜこんな所にいるのだ。」

「おねえさまにあそんで欲しくてお願いしていたのです。……でもおねえさまがあそんでくれなくて…うっ…うぅっ…」

お父さまはベロニカに駆け寄り心配そうに見つめ、泣きだしたベロニカを見てよしよしと撫でながら私を思いっきり睨み付けてきました。

「ベロニカ、可哀想に…。お前も少しはベロニカと遊んだらどうだ?可愛いお前の妹なんだぞ。」

いつもはベロニカに近寄るな、お前などいらぬなどなど散々言われてるのですが…?私にどうしろっていうんですか、さすがに理不尽過ぎますよ、お父さま。

「お父さま。私は家庭教師の先生に来ていただき指南していただいている立場です。それを蔑ろにし、妹と遊べと仰るのですか?」

そう、私を睨みつけている暇があるのならそこで泣きじゃくる愚妹をさっさと引き取ってください。

「…いや、それはそうだ。お前は不出来なのだから勉強をしなくてはな。自分の立場を理解しているようで何よりだ。ベロニカ、もう泣くな。代わりにお父様が遊んであげよう。」

お父さまの言葉に一瞬で泣きやみ、さらに笑顔でコクリと頷きベロニカは抱き上げられて嵐のような2人は居なくなった。
それを黙って見ていたタリーシャ先生は今日は街へ出かけましょうか。といって外に連れ出してくれたのは疲れた私にとってすごくありがたかった。
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