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本編
11 絡まれました。
しおりを挟むふぅ。五月蝿いのがいなくなってスッキリしました。いきなり魔法を使ったことに驚きを隠せないのか周りのガラ悪い人達はあんぐりとしてます。マスターは驚いてるしなんか呆然としていらっしゃるような…あ、壁、壊しちゃった…。
「あ、あの、マスターさん?」
「………………はい?なんですか?」
怒っていらっしゃるぅぅぅっーー!!
「ごめんなさいっ!壁思いっきり壊してしまって!本当にごめんなさいっ!」
「いえ、貴女が悪いわけじゃないですから良いですよ。悪いのは吹き飛んでいったクズ野郎ですから。」
「いえっ、場所も考えず魔法ぶっぱなした私も悪いですごめんなさいっっっ!!」
「本当に大丈夫ですよ。でもこれじゃ魔法で直すのも無理そうですね。」
「……え?魔法で直せるんですか?」
意外と魔法で壁って直せるんですね。魔法ある程度何でもありなの?というか、マスターも魔法使える人なんですね。
「直せますよ?ただ、こんな大きなものは初めてでちゃんと直せるかどうか…。」
マスターの顔がますますしょぼんってなってます。やばい、何とかせにゃだめだよ、これっ!
「マスター?破壊した私が言うのもなんですが、私が直します。」
「それは悪いですから、先程も言ったように貴女は悪くないですし、絡んできたあのクソ野郎のせいなんですから、気にしなくても……」
「いいえっ!私が招いたことですから、直しますっ!」
「そこまで言うなら、お願いしてもいいですか?」
少しおかしいやり取りの結果、私が直すことになりました。魔法の練習です。意外と吹っ飛べであんなに飛んでいくとは思っていなかったんですよね…。さてさて、壁を直しますよー。
「【ちちんぷいぷい壁よ直れーっ!】」
唱えたあとには、飛び散った壁の破片が集まりパズルのピースのようにどんどん埋まっていき、最後にはひび一つない元通りの壁になりましたっ!よしっ!成功っ!
「そんな無茶苦茶な詠唱初めて聞きましたよ。貴女本当に何者ですか?」
マスターは少し驚きつつ聞いてきました。んー何者、かぁ。
「ただの田舎の家出少女ですよ。」
そう。異世界から来ました。なんて言っても信じはしないと思うし、巻き込まれた挙句捨てられました。とか面倒になりそうだから言わない。
意外とマスターはそうですか、と言うだけでそれ以上は聞いてきませんでした。
さて、とりあえず酒場ではあまり聞けることが少なかったので集会所のほうにも行ってみましょうか。
マスターに道順を教えてもらい、店を出ます。出る前のお店の中のガラ悪い人達…言いにくいのでヤンキーでいいでしょう。ヤンキーさん達は恐れたように私に向けて出てってくれー。という念を送っていたと思います。ニッコリと微笑んで睨んであげました。魂今頃抜けてるんじゃ無いですかね。ざまぁ。
「えっと、集会所は酒場を出て右へ行き3本目の十字路を右に曲がって少し進んだ所、だったよね。」
さっき2本目を通り過ぎたからー、その次だ。あとちょっとー。ふんふーん。?
ザッザッザッザッザッザッ…………。
ん?何やら後ろから大人数が行進している音がするんですけど…。また嫌な予感が……。
「あ、あいつだっ!俺をハメて城の中に飛ばして国の金奪ってこいって言ったのはあいつだっっ!」
なーんか、聞き覚えのある奴の声だったなぁ。胸糞悪くなる声だなぁ、吹き飛ばした方向が悪かったのかなー。冤罪ふっかけられた気がするんだけどなぁ。とりあえず話だけは聞かなきゃなのかなー。
「そこのローブをしている者、止まれ。命令である。命令を無視したらどうなるか、分かっているよな?」
なんかお偉いさんの声が聞こえますー。何で一難去ってまた一難なのでしょうか。巻き込まれてからろくな事が無い。素直に止まりましたよ?歩くの辞めました。で、なんですか?
「お前がこの者を城に飛ばし、国の金を奪えと命じたのか?」
ふるふると首を左右に振ります。冤罪、ダメ、絶対。
「んなわけねぇだろっ!俺は奪って来ないと殺すと脅されたんだっ!」
……いつどこで誰がそんな事言ったんでしょうかね。こいつ……。
「と、この者は言っているが、真実を答えろ。」
はぁ、何この茶番劇ーだっっっる。
「あのさぁ、人に冤罪吹っかけるの止めてくれないですか?いくら酒場で私から金を奪えなかったからってなんでそんな嘘をつく必要あるんです?
そんな嘘すぐにバレるの分かってるもんじゃないわけ?そんなのにいちいち引っかかるほど私、暇じゃないんです。
それに城とかなんとか言ってましたね、貴方は騎士とかの役職の人ですよね?下調べとか証拠集めしないでお前が命じたのか?とか普通聞きに来る?馬鹿じゃないの?」
「なっ!貴様っ調子に乗りおって!引っ捕らえよっ!」
話の通じない奴だとは……騎士ってこんなに馬鹿な奴が多いの?まあいっか。この国の神が付いてんだしどうとでもなるだろ。
「はぁ、【結界】」
私はとりあえず防御に入ります。楽だからね。私に迫ってくる兵達は結界に触れた瞬間弾かれて行きます。誰も捕まえられないのに。
でもこのままだと埒が明かないなぁ。どうしよ。
「おい、誰の命令で犯人をつれて街へ出ていけと言った?」
ふぁ?また新しい人がきた。なんかさっきの騎士よりも偉い人なのかなー。上司って奴か。またややこしくなるのかなぁ。ねぇ、逃げちゃダメ?
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