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本編
14 餌付け…………?
しおりを挟む注文したグラタンは名前の通り、出来たてホクホク白いクリームがトロリとしていてチーズもいっぱい入っていて所々にベーコンが見え隠れしています。野菜も本当に沢山で、人参とー、玉ねぎ、カボチャあと……このトゲトゲしてる物はなんだろう……まあいっか。あとはーグラタンの主役マカロニッ!早速食べるっ!我慢出来ないっ!両手を合わせて、
「いただきますっ!」
むっ!ほわっ、あふぃ、はふはふっ、うみゃぃ~。トロトロでホクホクでじゅわっとしててクリーミィ~。し・あ・わ・せ♪
ベーコンの塩気も最高なのです。ぱくぱくっ!はむはむ……ぱくぱく……。箸が…いや、スプーンが止まらないっ!
「美味いか?」
「おいひぃれすっ!はふはふっ。」
そりゃもうっ!3、4日ぶりの食事ですからねっ!最高です。胃の中に染み渡っていきます。その食べっぷりを見ていた団長さんは自分の所にあるお皿を差し出してきました。
「ほら、これも食え。」
「うにゃ?なんれふか?これ?」
「リルの実のタルトだ。」
「リルの実…?って何ですか?」
初めて聞くものですね。1cmくらいの黄色い実が所狭しとタルトの上に乗っていて美味しそうです。
「リルの実を知らないのか?家庭でもよく食べられている果物だ。甘酸っぱくて美味いから食べてみろ。」
……でも団長さんのお菓子これで頼んだ物の最後の奴ですよね?団長さんは先に好きな物食べる派でしょうか?それとも最後に食べる派でしょうか?うーん……。
「ん?どうした?食べないのか?」
「いや、もちろん食べますけど…、団長さんはいいんですか?私が食べちゃって……。」
「なんだ、そんな事か。良いんだよ俺はいつでも来れるからな。ここのリルの実のタルトは格別なんだ。この街の中でも一番美味い。だから嬢ちゃんも、食べてみろ。」
これはリルの実のタルト、団長さん大好物最後に食べる派でしたか。実は私も最後に食べる派ですっ!でも好きなものを勧めてくれるのはなんだか嬉しいですね。
「じゃあ、お言葉に甘えていただきます。」
グラタンを食べ終わり、タルトにかじりつきます。はむっ!もぐもぐ……。
「美味しいっ!」
甘さの中に少しの酸味があって、甘過ぎず病み付きになる美味しさですっ!!団長さんもだろ?とドヤ顔しています。
「はい、あーん。」
一口サイズに切ってタルトを団長さんの前に差し出します。
「は?」
「ほらっ、はやく口開けてっ!落ちちゃうから、あーん。」
「あー、んっ」
口を開いた団長さんの口にすかさずタルトをつっこみます。大好物なんだから怒りはしないと思う。と思ってまた自分の分を切り分け頬張っていると団長さんに思いっきりフード越しから頭をわちゃわちゃと頭を撫で回されました。ひゃぁ…頭が……ぐるぐる回る……。
「ありがとな。」
……団長さん。その笑顔はギャップあり過ぎだと思う。反則並みの攻撃力持ってる。ナダルシア国騎士団長、恐るべし。
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