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本編
38 2つのダガー
しおりを挟む庭からお店の中に戻り、3人で軽いお茶会が始まりました。そしてこのお茶、ほうじ茶みたいで心が暖まる。
「ふぅ。お嬢ちゃん、大したもんだよ。ここまで来ると王宮魔法士クラスの魔法使い…いや、それ以上の力の持ち主だな。参ったよ。」
鍛冶師さんは参った参ったと言ってますが、結構派手目に魔法使ったのに傷一つないのが怖いよっ?!
「いえいえ、鍛冶師さんも強かったです。あの速さにはビックリしました。」
「そりゃあな。殺す気で行ったからな。」
「………まさか、鍛冶師さん…本当に殺す気だったんですか?」
「……さあな。」
意味深な笑顔が怖いですよぉぉぉ!!!
「ガハハハハハッッ!冗談だよ。それにお嬢ちゃん殺したらマスターに殺されちまうわ。……まあ、武器を買いに来て、何とか生きてるかどうかで帰る奴も何人かはいるけどな。」
ん?なんか後半聞いちゃいけないことが聞こえた気がするんだけどな…。そして鍛冶師さんを見るマスターの目が笑ってない…。このふたり怖いよぉ。
「さて話は変わるが、お嬢ちゃんにはこのダガーがおすすめだな。」
2本のダガーが私の前に置かれました。1つは白くてもう1つは黒いダガー。
「1つは防御に特化した作りのダガー。もう1つは攻撃に特化したダガーだ。両方の剣には魔石が練り込んである強化品で、魔石を特殊な方法で練り込むと剣の色がそれぞれ違う。俺自身作っていても何が出来るか分からない品物だから扱いが難しい。
その中でもずば抜けて扱いづらい品物がこいつらだ。作ったはいいが何でかこいつらは扱う人を選ぶ奴らでな、お嬢ちゃんにはもしかしたら使えるかもしれん。」
なんというか剣が人を選ぶとか、どっかの神話か童話のエクスカリバーみたいなのと一緒ですね。
「ちなみに鍛冶師さんは扱えたんですか?」
「一応、な。作り手だからしゃーねぇみたいな感じだったわ。扱うつっても試し斬りくらいだよ。後はみんなこいつらは拒否しやがる。」
拒否する剣とか聞いたことないよ…?
「とりあえずお嬢ちゃん握ってみろ。話はそれからだ。」
「はい。」
そっと2つの剣を握ると……。なにも、起こらないね。
「お嬢ちゃん、剣を鞘から抜いてみてくれ。」
コクリと頷いてまず白い剣から抜いてみると眩い光がパッと光り、目の前には白い狐さんがいました。それも尻尾が9本もありますね。
『ふわぁ…っ。はじめましてっ!ボクは白狐と申します!これからよろしくお願いします!ご主人様!』
「…………へ?」
いきなり狐が現れてご主人様と呼ばれました。
「こりゃすげぇ。お嬢ちゃん黒の方も抜いてみろ。」
鍛冶師さんニヤニヤしながら1人で勝手にテンション上がってますけど大丈夫ですか?血圧とか大丈夫?
とりあえず黒の方も抜いてみましょうか。結果がわかってる感じがするなぁ。
「はあ。多分こっちは……。」
剣を抜くとやっぱりと言うほど光りながら黒い狐さんがひょっこりとご登場。
それも尻尾も揃って9本です。
『はじめまして!僕は黒狐と言います。よろしくお願い致します!ご主人様!』
ほら、やっぱりこうなった。2匹の狐は私の両肩にちょこんとすわってご主人様コールしてます。なんか可愛いけど、複雑だよ…。
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