どうやら私は異世界トリップに巻き込まれてしまったようです。

玲藍

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本編

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『それはすみませんでした。』

すみませんでした。ニッコリ。で済ませるなっ!

『さてと、そこの馬鹿姉さん。自分が何したか理解してますか?』

『な、何よっ!なにか文句あるのかしら、ナダル。』

上から目線で言ってくるこの都合のいい事しか考えない女神に腸が煮えくり返る。

「文句あるのはこっちなんですよ。そこの馬鹿神!」

『ちょっ、カンナさんっ。』

「うっさいシスコン神少し黙っててっ!」

『私、シスコンじゃない…』

「大体なんで関係の無い別世界の人間に使命だ使命だとあなた達の世界の事情を背負わせるのよ!
 こっちは不安だし、何すりゃいいのかも分からないし、それが正解なのか不正解なのかも分からない。
心の拠り所もなければ助け合えたり、自分の考えを理解してくれる人間もなかなか見つからない。
 どっかのファンタジー小説みたいに誰かがこの姫神子を支えてくれた?!私が神子を支えてる?んなの出来るわけねぇだろ!所詮神と人間、生きてる領域が違いすぎる。そんなんで一丁前に私は神としてこの子支えてます。なんて簡単に言うんじゃねぇよっっっ!!!」

「カンナさん、私は大丈夫ですから。」

「…それは神賀院 璃菜として心の底から思ってることなの?」

「それは…。」

私の問に目を泳がせる神子は思い当たる節があるんだと思う。

「自分の心では分かっているんでしょう?言葉に出すことがどれだけ勇気がいるかは分かるけれど、貴女は自分でこの国を背負う責任を持ったんじゃないの?人々を守りたいって。たとえそれがなし崩しに起こったことだとしても。」

「……」

「貴女は弱くても強くてもとっても勇気がある人だと私は思う。だから胸を張っていいと思う。神様だからとか何とか思わないで自分の言いたいことを言っていいし、それがあなた自身である限り、貴女は貴女だよ。」

「カンナさん…。」

『なんで私ばかり責められなくては行けないのよっ!私は悪くないわ。神として最善を尽くしたのよっ!なのに!なんであなたみたいな人間にそんなこと言われなくては行けないのっ!』

女神はそう言って泣き崩れる。だけど私は間違ったことは言っていないと思う。は繋がりたいと思っていてもそれは辛く苦しく、そして重く残酷なものなのだ。

「貴女はは最善を尽くしていたのかもしれない。だけどその最善は人間には重くて残酷な試練にしかならなかった。ただそれだけよ。」
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