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第16話 シャッキーン
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結果として、大出血はしたものの、小針浜さんとおじさん課長の命は助かった。
俺が彼らにミャロを吸ったパワーで治癒魔法をかけてやったのだ。
正直に言うと、俺は回復術師としてそれなりの力を持っている。だから、失った小針浜さんの足も生えてきてたぞ。
で、小針浜さんとおじさん課長がオオカミの空を名乗るテロ組織に所属していてそこから銃器を入手したのは警察による家宅捜索であっさりと判明した。
ミャロをテイムしたのは合法的な手続きとして認められ、小針浜さんに対して魔法攻撃をしかけたのも正当防衛として認められた。
まあいきなりサブマシンガンで襲われたんだ、そうでなければ困る。
というわけで俺たちは無罪放免ってわけだ。
★
それはそれとして。
俺は無職なので、金がない。
だから。
「おいす、映ってるかー?」
俺はカメラに向かって話しかける。
〈お、始まった〉
〈楽しみにしてた〉
〈あれだろ、ネットで噂になっていた地上で魔法を使ったやつ〉
〈そいつがついにダンジョン配信デビューか〉
「そうだ。ダンジョン配信します。はっきりいって俺は無職で借金持ちなんで、とにかく金がほしいんだ。みんな頼むぞほんと投げ銭とか投げ銭とか投げ銭とか」
〈yootubeじゃなくてトコトコ動画でやるのか。まああっちはグロはBANだからな。お前らもグロい死に方はやめてくれよ〉
〈よい死に方をしたら投げ銭してやるぞ〉
「それじゃ遅いんだよ……。ほんとトコトコ動画の民度は低いな」
〈そのおかげでダンジョン配信なんていろいろグロいもんが映る配信ができる上におもしろかったら投げ銭ももらえるんだからいいじゃないか〉
まあ、そうだな。
yootubeは残念ながらミャロの裸のせいでBANされたしな。
カメラは取り外し可能のボディカメラだ。
戦闘中は俺の身体にとりつけて配信することとなる。
ドローン式のカメラも売ってはいるんだが……。
あれ、魔法とかの攻撃を自動でよけてくれる機能とかつけると、小型車一台分を軽く超える値段がするから今の俺には無理なんだよなあ。
「とにかくバズっていっぱい投げ銭もらえたら焼肉とうなぎなのにゃですよ!」
今は人間の姿をしているミャロが長いしっぽを楽しそうに振りながら言った。
〈お、この子があの救出動画のワーキャットだな〉
〈言葉を話せるモンスターとかかなりレアだからな〉
〈ちゃんと首輪もしているし、安全にテイムしているな〉
〈なんか強いらしいじゃないか、その猫〉
「そうなのですにゃ! レッドドラゴンと闘ったこともあるのにゃですよ!」
指の先から長い爪をシャッキーンと出して言うミャロ。
うむうむ、俺はヒーラーだからな。
前衛はまかせたぞ。
とりあえず、今日のところは腕試しというかテスト配信もかねているので、地下一階か地下二階くらいまでのザコモンスターだけ倒してみようという予定だ。
「ふふふ! 私のこの爪が! そんじょそこらのモンスターなんて切り裂いてやりますのにゃです!」
俺が彼らにミャロを吸ったパワーで治癒魔法をかけてやったのだ。
正直に言うと、俺は回復術師としてそれなりの力を持っている。だから、失った小針浜さんの足も生えてきてたぞ。
で、小針浜さんとおじさん課長がオオカミの空を名乗るテロ組織に所属していてそこから銃器を入手したのは警察による家宅捜索であっさりと判明した。
ミャロをテイムしたのは合法的な手続きとして認められ、小針浜さんに対して魔法攻撃をしかけたのも正当防衛として認められた。
まあいきなりサブマシンガンで襲われたんだ、そうでなければ困る。
というわけで俺たちは無罪放免ってわけだ。
★
それはそれとして。
俺は無職なので、金がない。
だから。
「おいす、映ってるかー?」
俺はカメラに向かって話しかける。
〈お、始まった〉
〈楽しみにしてた〉
〈あれだろ、ネットで噂になっていた地上で魔法を使ったやつ〉
〈そいつがついにダンジョン配信デビューか〉
「そうだ。ダンジョン配信します。はっきりいって俺は無職で借金持ちなんで、とにかく金がほしいんだ。みんな頼むぞほんと投げ銭とか投げ銭とか投げ銭とか」
〈yootubeじゃなくてトコトコ動画でやるのか。まああっちはグロはBANだからな。お前らもグロい死に方はやめてくれよ〉
〈よい死に方をしたら投げ銭してやるぞ〉
「それじゃ遅いんだよ……。ほんとトコトコ動画の民度は低いな」
〈そのおかげでダンジョン配信なんていろいろグロいもんが映る配信ができる上におもしろかったら投げ銭ももらえるんだからいいじゃないか〉
まあ、そうだな。
yootubeは残念ながらミャロの裸のせいでBANされたしな。
カメラは取り外し可能のボディカメラだ。
戦闘中は俺の身体にとりつけて配信することとなる。
ドローン式のカメラも売ってはいるんだが……。
あれ、魔法とかの攻撃を自動でよけてくれる機能とかつけると、小型車一台分を軽く超える値段がするから今の俺には無理なんだよなあ。
「とにかくバズっていっぱい投げ銭もらえたら焼肉とうなぎなのにゃですよ!」
今は人間の姿をしているミャロが長いしっぽを楽しそうに振りながら言った。
〈お、この子があの救出動画のワーキャットだな〉
〈言葉を話せるモンスターとかかなりレアだからな〉
〈ちゃんと首輪もしているし、安全にテイムしているな〉
〈なんか強いらしいじゃないか、その猫〉
「そうなのですにゃ! レッドドラゴンと闘ったこともあるのにゃですよ!」
指の先から長い爪をシャッキーンと出して言うミャロ。
うむうむ、俺はヒーラーだからな。
前衛はまかせたぞ。
とりあえず、今日のところは腕試しというかテスト配信もかねているので、地下一階か地下二階くらいまでのザコモンスターだけ倒してみようという予定だ。
「ふふふ! 私のこの爪が! そんじょそこらのモンスターなんて切り裂いてやりますのにゃです!」
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