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第一章 占領
正体不明の自称こそ泥
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誰もいない工場の事務所のような場所で照明の当たらない空間に向けて声をかける。
「それで?説明…してくれるんだよね?」
薄暗がりが奇妙に動く。そして、形になるとそこにはこそ泥ザックの姿があった。心底不愉快そうな顔をしている。
「ッチ。何故バレた」
「雰囲気を感じた。貴方とは一度会ってるからね。」
「……。お前普通の人間じゃねぇよ。」
「そう?じゃあ私は何?」
「さぁな。レジスタンスにお前を預けたのはその方が面白そうだからだ。俺はレジスタンスにも帝国軍にも顔が知られてるからな。どちらにも参加する気は無い。精々小競り合ってもらって仕事をしやすくしてもらいたいんだわ。」
「…………。」
長い長い沈黙と私の視線を受けたザックはやがてやれやれと言ったふうに動作で訴えると口を開いた。
「何でも分かるってか?まぁ、ここまでは話していいか…。俺はな…実は…」
「消灯時間過ぎてるぞ……あれ?どうしたの?レティシア。こんな所で。」
「ルチル……。」
「ほらほら、消灯時間だよ。さっさと寝床に戻った戻った。」
「……。はい。」
さっきの言葉…すごく気になる。すごく気になるが…ルチルが入ってきた瞬間ザックの気配が感知できるギリギリになってしまった以上ここは大人しく撤退した方が良さそうだ。
「あんなとこで何してたんだい?」
「眠れなくて。風に当たってた。」
「この吹雪の中?」
「……うん」
「ザックが来たんだろ?」
「……。顔かどっかに出てたりする?」
「いや?あたしは魔眼持ちでね。隠し事や隠れてるものが見えるのさ。」
「……な、なるほど。」
「ちなみに、カトリも魔眼持ち。しかも特殊なの奴。」
「……そうなんだ。」
「あたしとカトリは幼なじみでね~昔っからあいつの考えてることが分からなくてさ。あいつあたしの魔眼にもかからない嘘をたまにつくんだ。」
「……。そう言えばここはどこ?」
「ん?あぁ、ここは外郭都市エレンの中央工業地域の兵器工場跡さ。連中が攻めてきた時に一番始めに潰された工場。物資や資料なんかはあらかたすっぱ抜かれてるけど地下の方は案外手付かずになってる。」
「迷路みたいだね…。」
「迷うなよ?エレンですら迷わないんだから。」
「エレン?」
「子どもたちのチームを纏めてるガキ大将さ。中々の切れ者で作戦に参加してたりもするよ」
「……。」
「危なくないのか?って顔してるね。あたしだって好きで子どもを戦場に送ってるわけじゃない。比較的安全な仕事を割り振ってる。でも、子どもにだって意地はある。結構しっかりしてるんだよあの子たちも。はい、ココがあんたの部屋。」
そう言えば私の部屋はどこなんだろうと考えていたら読まれたらしい。
木製の薄い扉には看板がかかっていた。
「レティシア&エレン」
「……。え?エレンてもしかして…」
「ん?ちゃんと同性の相部屋にしてあるよ。エレンはガキ大将だけどれっきとした女さ。ほら、入った入った。明日は早いからね」
「ん?なんだ新入りさんか。どうも。ボクはエレン。歳は12。君とも近いんじゃないかな?」
「……そうだね。たぶん近い。」
エレンは既に寝間着に着替えており、大きなクマを抱えてコロコロと笑っていた。
艶のある綺麗な黒髪を肩まででバッサリと切ってあり、黒くて綺麗な瞳をしていた。
「?黒目に黒髪ってやっぱ珍しい?」
「……。あっいや、そういう訳じゃ…。」
「大丈夫だよ。もう特に気にならないから。」
「……。気に障ったならごめんなさい。」
「いや、いいって仕方ないから。じゃあおやすみ。明日は夜明け前から訓練だよ?」
「……。え?」
結局、私は寝付けなかった。なぜなら天井を見上げたらいたからだ。ザックが。
エレンを起さないようにザックを捕まえて外に放り投げる頃には夜明けが迫っていた。
ザック…あいつは絶対に分かっててやっていた…。
「それで?説明…してくれるんだよね?」
薄暗がりが奇妙に動く。そして、形になるとそこにはこそ泥ザックの姿があった。心底不愉快そうな顔をしている。
「ッチ。何故バレた」
「雰囲気を感じた。貴方とは一度会ってるからね。」
「……。お前普通の人間じゃねぇよ。」
「そう?じゃあ私は何?」
「さぁな。レジスタンスにお前を預けたのはその方が面白そうだからだ。俺はレジスタンスにも帝国軍にも顔が知られてるからな。どちらにも参加する気は無い。精々小競り合ってもらって仕事をしやすくしてもらいたいんだわ。」
「…………。」
長い長い沈黙と私の視線を受けたザックはやがてやれやれと言ったふうに動作で訴えると口を開いた。
「何でも分かるってか?まぁ、ここまでは話していいか…。俺はな…実は…」
「消灯時間過ぎてるぞ……あれ?どうしたの?レティシア。こんな所で。」
「ルチル……。」
「ほらほら、消灯時間だよ。さっさと寝床に戻った戻った。」
「……。はい。」
さっきの言葉…すごく気になる。すごく気になるが…ルチルが入ってきた瞬間ザックの気配が感知できるギリギリになってしまった以上ここは大人しく撤退した方が良さそうだ。
「あんなとこで何してたんだい?」
「眠れなくて。風に当たってた。」
「この吹雪の中?」
「……うん」
「ザックが来たんだろ?」
「……。顔かどっかに出てたりする?」
「いや?あたしは魔眼持ちでね。隠し事や隠れてるものが見えるのさ。」
「……な、なるほど。」
「ちなみに、カトリも魔眼持ち。しかも特殊なの奴。」
「……そうなんだ。」
「あたしとカトリは幼なじみでね~昔っからあいつの考えてることが分からなくてさ。あいつあたしの魔眼にもかからない嘘をたまにつくんだ。」
「……。そう言えばここはどこ?」
「ん?あぁ、ここは外郭都市エレンの中央工業地域の兵器工場跡さ。連中が攻めてきた時に一番始めに潰された工場。物資や資料なんかはあらかたすっぱ抜かれてるけど地下の方は案外手付かずになってる。」
「迷路みたいだね…。」
「迷うなよ?エレンですら迷わないんだから。」
「エレン?」
「子どもたちのチームを纏めてるガキ大将さ。中々の切れ者で作戦に参加してたりもするよ」
「……。」
「危なくないのか?って顔してるね。あたしだって好きで子どもを戦場に送ってるわけじゃない。比較的安全な仕事を割り振ってる。でも、子どもにだって意地はある。結構しっかりしてるんだよあの子たちも。はい、ココがあんたの部屋。」
そう言えば私の部屋はどこなんだろうと考えていたら読まれたらしい。
木製の薄い扉には看板がかかっていた。
「レティシア&エレン」
「……。え?エレンてもしかして…」
「ん?ちゃんと同性の相部屋にしてあるよ。エレンはガキ大将だけどれっきとした女さ。ほら、入った入った。明日は早いからね」
「ん?なんだ新入りさんか。どうも。ボクはエレン。歳は12。君とも近いんじゃないかな?」
「……そうだね。たぶん近い。」
エレンは既に寝間着に着替えており、大きなクマを抱えてコロコロと笑っていた。
艶のある綺麗な黒髪を肩まででバッサリと切ってあり、黒くて綺麗な瞳をしていた。
「?黒目に黒髪ってやっぱ珍しい?」
「……。あっいや、そういう訳じゃ…。」
「大丈夫だよ。もう特に気にならないから。」
「……。気に障ったならごめんなさい。」
「いや、いいって仕方ないから。じゃあおやすみ。明日は夜明け前から訓練だよ?」
「……。え?」
結局、私は寝付けなかった。なぜなら天井を見上げたらいたからだ。ザックが。
エレンを起さないようにザックを捕まえて外に放り投げる頃には夜明けが迫っていた。
ザック…あいつは絶対に分かっててやっていた…。
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