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第一章 占領
龍の力
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夢をみた。ハッキリと夢だと自覚できる夢。
その私の目の前にはあの家があって、母親と一緒に寝る支度をしていた。
当時の私は寝るまえに母のお話を聞くのが習慣だった。小さい頃の私を第3者の目線から見る夢。懐かしい気持ちで胸がいっぱいになる気がした。
「レティシア。お伽噺をしてあげる」
「なになに!?」
「遠い遠いむかしの話よ?いい子に聞いていられる?」
「うん!」
「遠い遠い昔、とある集落に迷い込んだ青年がいました。 青年は不幸なことに家から追われていました。だからとある集落に逃げ込んだのです。」
「とある集落?」
「そうよ。いまはあるかどうかも分からないけどね」
「見てみたいなー」
「そうね~じゃあ続きを話すわよ?」
「うん!」
とある集落で青年は娘に一目惚れし、二人は両想いの仲睦まじいカップルとなった。
だが、青年が結婚を迫ると娘はそれを拒んだ。
「何故拒むのか?」
青年は娘に聞いた。
「人とこうして関係を持つこと自体異端なのです私は…実は…。」
娘はそう言うと1匹の龍となり、姿を現した。
「私は龍なのです。だから…あなたと一緒になる事は出来ません…。今まで黙っていてすみませんでした…。」
娘は涙ながらにそう言い放つとそのまま集落へ帰ろうとしました。
しかし、青年がそれを止めます。
「種族が違うから、寿命が違うからなんだと言うのだ!お願いだ。君にとって有意義になる時間を私と共有してくれないか!?」
「……。」
二人のそんな姿を見て心を痛めた娘の父親は娘に広い世界を見ておいでと諭し、世に旅立たせました。
娘は青年と同じ道を歩けることに喜びました。
そして二人はその後に居着いた国で成功し、とても幸せに暮らしましたとさ
確かそんな内容だった。何処にでもあるそんな物語。なぜ今こんな夢をみているのか…不思議だった。
そして、私は目が覚めた。夜も更けてしんと静まり帰ったアジトの中で小さな声が聞こえた。
「レティシアに呪力を教えたみたいだなルチル。」
「あぁ。そうだよ。ザック。」
物音を立てないように慎重に近づき、耳を澄ます。どうやらザックとルチルが話している様だった。
「我々との契約…分かっているよな?」
「あぁ。分かっているさ。」
「お前は呪力として教えたみたいだが…あれはレティシアの固有能力だ。呪いの力じゃない。」
「王国の為さ。あんた達もレティシアに呪いをかけた奴を探しているんでしょ?」
「あぁ、龍種に喧嘩を売った奴を生かしておくほど我々は優しくないのでな」
大分大事な話をしているが……ザックってあんなキャラだっけ……。
「じゃあ、安心しな。あの子は死ぬ気で守る」
「……。頼んだぞ?人間」
さて、ここで問題。現状をどう打開すれば…いいだろう。今見つかった瞬間立ち聞きがバレる。
「隠れてないで出ておいで。あんたも知ってとくべきだろう?」
は?顔みてないのになんで考えを読まれるんだよ!?え?
「……。ルチル…」
素直に出て行こうとしたら先に出ていく人影を見つけた。
「エレン。聞きな。レティシア、あの子は龍種なんだ。」
「龍……種?」
「大昔の言葉でいうとドラゴン。」
「え?ドラゴンって大昔の大戦と環境の変化に対応出来なくて絶滅したんじゃなかったの?」
「……。ルチル…貴様…今代の語り部では無いのか…?」
「い、いや、実はあたしも先代からほとんど何も聞いてなくてさ…。」
「はぁ…お前らに郷の命運がかかってると思うと複雑な気分だな」
「それで?レティシアがどうしたの?」
「……まぁ、その眼なら心配ないな。今後もよろしく頼む」
「は?うん…まぁ。わかんないけど分かった。
あぁ、そうそうレティシア、今部屋にいなかったよトイレかな?」
「ふぅん」
おいぃぃエレーン!何さらっと私の不在をバラしてるんだよぉぉ。見つかる、絶対見つかる!
「この事、本人に伝えた方がいいのかい?」
「……。まぁ、今はまだの方が色々面倒が少ないだろ」
ごめん、知った。人間的には思春期真っ盛りの年代にとっても複雑な問題を知った。
私…人間じゃなかったのか…。
複雑な気分のなか、3人に見つからない様に部屋へ戻るのは至難の業だった。
そして、翌朝私とエレンは見事に寝坊しルチルに怒られた…。
その私の目の前にはあの家があって、母親と一緒に寝る支度をしていた。
当時の私は寝るまえに母のお話を聞くのが習慣だった。小さい頃の私を第3者の目線から見る夢。懐かしい気持ちで胸がいっぱいになる気がした。
「レティシア。お伽噺をしてあげる」
「なになに!?」
「遠い遠いむかしの話よ?いい子に聞いていられる?」
「うん!」
「遠い遠い昔、とある集落に迷い込んだ青年がいました。 青年は不幸なことに家から追われていました。だからとある集落に逃げ込んだのです。」
「とある集落?」
「そうよ。いまはあるかどうかも分からないけどね」
「見てみたいなー」
「そうね~じゃあ続きを話すわよ?」
「うん!」
とある集落で青年は娘に一目惚れし、二人は両想いの仲睦まじいカップルとなった。
だが、青年が結婚を迫ると娘はそれを拒んだ。
「何故拒むのか?」
青年は娘に聞いた。
「人とこうして関係を持つこと自体異端なのです私は…実は…。」
娘はそう言うと1匹の龍となり、姿を現した。
「私は龍なのです。だから…あなたと一緒になる事は出来ません…。今まで黙っていてすみませんでした…。」
娘は涙ながらにそう言い放つとそのまま集落へ帰ろうとしました。
しかし、青年がそれを止めます。
「種族が違うから、寿命が違うからなんだと言うのだ!お願いだ。君にとって有意義になる時間を私と共有してくれないか!?」
「……。」
二人のそんな姿を見て心を痛めた娘の父親は娘に広い世界を見ておいでと諭し、世に旅立たせました。
娘は青年と同じ道を歩けることに喜びました。
そして二人はその後に居着いた国で成功し、とても幸せに暮らしましたとさ
確かそんな内容だった。何処にでもあるそんな物語。なぜ今こんな夢をみているのか…不思議だった。
そして、私は目が覚めた。夜も更けてしんと静まり帰ったアジトの中で小さな声が聞こえた。
「レティシアに呪力を教えたみたいだなルチル。」
「あぁ。そうだよ。ザック。」
物音を立てないように慎重に近づき、耳を澄ます。どうやらザックとルチルが話している様だった。
「我々との契約…分かっているよな?」
「あぁ。分かっているさ。」
「お前は呪力として教えたみたいだが…あれはレティシアの固有能力だ。呪いの力じゃない。」
「王国の為さ。あんた達もレティシアに呪いをかけた奴を探しているんでしょ?」
「あぁ、龍種に喧嘩を売った奴を生かしておくほど我々は優しくないのでな」
大分大事な話をしているが……ザックってあんなキャラだっけ……。
「じゃあ、安心しな。あの子は死ぬ気で守る」
「……。頼んだぞ?人間」
さて、ここで問題。現状をどう打開すれば…いいだろう。今見つかった瞬間立ち聞きがバレる。
「隠れてないで出ておいで。あんたも知ってとくべきだろう?」
は?顔みてないのになんで考えを読まれるんだよ!?え?
「……。ルチル…」
素直に出て行こうとしたら先に出ていく人影を見つけた。
「エレン。聞きな。レティシア、あの子は龍種なんだ。」
「龍……種?」
「大昔の言葉でいうとドラゴン。」
「え?ドラゴンって大昔の大戦と環境の変化に対応出来なくて絶滅したんじゃなかったの?」
「……。ルチル…貴様…今代の語り部では無いのか…?」
「い、いや、実はあたしも先代からほとんど何も聞いてなくてさ…。」
「はぁ…お前らに郷の命運がかかってると思うと複雑な気分だな」
「それで?レティシアがどうしたの?」
「……まぁ、その眼なら心配ないな。今後もよろしく頼む」
「は?うん…まぁ。わかんないけど分かった。
あぁ、そうそうレティシア、今部屋にいなかったよトイレかな?」
「ふぅん」
おいぃぃエレーン!何さらっと私の不在をバラしてるんだよぉぉ。見つかる、絶対見つかる!
「この事、本人に伝えた方がいいのかい?」
「……。まぁ、今はまだの方が色々面倒が少ないだろ」
ごめん、知った。人間的には思春期真っ盛りの年代にとっても複雑な問題を知った。
私…人間じゃなかったのか…。
複雑な気分のなか、3人に見つからない様に部屋へ戻るのは至難の業だった。
そして、翌朝私とエレンは見事に寝坊しルチルに怒られた…。
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