1 / 3
出会い
しおりを挟む
時は南北朝時代
天皇と武将は敵対し都さえも両断された。
「よぉ、お前見ない顔だな。新人か?」
「はい」
「そうか、では私の部屋へ茶を」
言い置いて頭を垂れるその者のそばを通りすぎていった。
「ばれたかと思った。」
小さな声でつぶやく。
「ですから、皇子自身が出向かれるようなマネをなさらずともよいとあれほど言ったではありませんか。」
従者が顔をしかめながらとがめるのを見て、あっけらかんとして笑う。
「まぁ、そのときはそのときじゃないの。」
私は父の役にたちたいの。右も左もわからなかった私をここまで育てていただいた御身にかけて。
あれはまだ私が平成にいたときの話。
ほとんど開いていない目をして電車に揺られていた
『次はー大泉、大泉です。お降りの方は…』
車内アナウンスが意識の遠くのほうで聞こえた。
あぁ、この揺れ、最高に眠れるわ。
そう、大泉ね。私が降りる駅だわ。うん。
うん?え?うわ、ヤバい!降りないと!
重たい瞼を瞬時に見開いてドアへ走った。
間に合ったー。良かったー。
ここで間に合わなければ何のために一夜漬けでテスト範囲を叩き込んだかわからない。
そっと胸を撫で下ろし、さて学校へと歩き出した。
昨夜、日本史をやっていたからそのせいかしら
辺りは草むらのようで電柱や道路さえない。
やっぱり降りる駅間違えたんじゃないの?
焦燥が募った
陛下が現れたのはその少しあとのことだ
天皇と武将は敵対し都さえも両断された。
「よぉ、お前見ない顔だな。新人か?」
「はい」
「そうか、では私の部屋へ茶を」
言い置いて頭を垂れるその者のそばを通りすぎていった。
「ばれたかと思った。」
小さな声でつぶやく。
「ですから、皇子自身が出向かれるようなマネをなさらずともよいとあれほど言ったではありませんか。」
従者が顔をしかめながらとがめるのを見て、あっけらかんとして笑う。
「まぁ、そのときはそのときじゃないの。」
私は父の役にたちたいの。右も左もわからなかった私をここまで育てていただいた御身にかけて。
あれはまだ私が平成にいたときの話。
ほとんど開いていない目をして電車に揺られていた
『次はー大泉、大泉です。お降りの方は…』
車内アナウンスが意識の遠くのほうで聞こえた。
あぁ、この揺れ、最高に眠れるわ。
そう、大泉ね。私が降りる駅だわ。うん。
うん?え?うわ、ヤバい!降りないと!
重たい瞼を瞬時に見開いてドアへ走った。
間に合ったー。良かったー。
ここで間に合わなければ何のために一夜漬けでテスト範囲を叩き込んだかわからない。
そっと胸を撫で下ろし、さて学校へと歩き出した。
昨夜、日本史をやっていたからそのせいかしら
辺りは草むらのようで電柱や道路さえない。
やっぱり降りる駅間違えたんじゃないの?
焦燥が募った
陛下が現れたのはその少しあとのことだ
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 4
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる