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ハロー、ガイズ。
当然のように俺だ。
今更ながら自己紹介だが、俺の名はテクニカル・マッシヴ山田。
気軽にマッシヴさんと呼ぶといいぞ。
ーーなんつって嘘だ、山田と呼んでくれ。
つーかなんだ、テクニカル・マッシヴって。
そもそもマッシヴってどういう意味?
「マッシヴさーん!!」
おーっと、勘違いしているぞリトル・ミス。
豊満なふたつのダイナマイトをしこたま弄んでやろうかこのやろう。
なお彼女の名前はビビアン。
トップ・テイマーを目指して田舎からはるばる都会に出て、大枚はたいてモンスター・テイマー・バトルトーナメントに登録したものの、ゴミカスみたいな外れくじを引かされた悲運の乙女だ。
今日はそんな彼女と、バトルトーナメントの、最下級こと入門大会にきてます。
会場の皆さん、こんにちは俺です。
しかしバトルトーナメントは、最下級大会なれど、客入りは巨人ー阪神戦並だ。
もしくは戦前の早慶戦だが、誰がわかるのだそんなもの。
ましてや会場も広い。
東京ドームなら1個は入る。
つまり東京ドームと同じ規模のデカさの会場だ。
なんだこの回りくどい言い回しは。
さて、それはそれとして、バトルの仕組みだ。
基本、バトルは一対一。
つまりテイマー一人とモンスターのペアが、ひとつのチームとなり、おなじくテイマー一人とモンスターのペアと戦うのだ。
デカいフィールドにでられるのはモンスターのみで、テイマーは隅っこの、バリアーの中でモンスターに指示を出す。
頼むからそのバリアー俺も入れてくれ。
俺は今、正に戦いの場に出るのに、クマさんパジャマ一丁だ。
どうしろと言うんだ。
戦うとは俺は言ったが、まさか着の身着のままで、すぐさまなんて、詐欺にあったもさも似たりだ。
もう少し猶予が欲しかったが、ビビアンのやつめ気が逸ったとかなんとか、召喚前に大会エントリーを済ますなんて、締め切り前に泣きべそかいて原稿に向かうコミケ作家なのかお前は。
さあしかし、俺たちは持ち場についた。
泣き言はここまでだ。
ーーやっぱりもうちょっといい?
あ、だめ?やっぱり?
ちくしょう、覚悟もまだできてないのに、試合が終わったらビビアンの乳も尻も太腿も、あまつさえあれもそれもこれも好きにしてやる。
こちとら戦いを決意したあとに死の可能性を知らされた被害者だちくしょう。
ああ、クマさんパジャマも泣いている。
……別に失禁したわけじゃないぞ、股間の涙だ。
さあ、対戦相手はなんだ?
スライムか?おおうさぎか?それともまっかり虫か?
見たとこ、まだテイマーしかいない。
テイマーは背の高い、グラマラスなチャンネーだ。
鞭とか似合いそうなタイプだ。
ビビアンもわがままボディだが、大人の魅力と鞭は持ってない。
交換してほしい。
そして尻をぶってほしい。
「さあわたしの可愛いこちゃん、いらっしゃい!」
チャンネーは言った。
やはり女王様タイプ、交換してほしい。
「今から来るのか……」
いよいよ試合の始まりというわけだ。
大したモンスターはいないらしいが、さあどんな相手だ。
「やま……マッシヴさん、ファイト!」
おまえ今、正しい名前だったのに、なんで言い直したの?
「ーー」
そして、空からそいつはやってきた。
ほほう、なるほど、飛行ユニットか。
上空から、豆粒みたいのがやってくる。
ーー小さい。
「ふふ、これなら楽勝だな」
初戦はまず、命は助かった。
しかし、やたらに降りてくるのに時間がかかかる。
やがて、そいつは段々大きくなる。
「……思ったよりデカそうだな」
だが、それでもそこそこだ。
勝確とはいかんが、まあ善戦できるだろう。
しかし、そいつはますます大きくなり……。
「……」
どすぅんーーと、降り立った。
ばかでかい会場の、ほとんどがそいつになったかと思った。
はっきり言って、超巨大な、そいつはドラゴンだった。
「ギャオオオオオアン!!!」
ゴジラみたいに吠えている。
咆哮の風で竜巻が巻き起こる。
喉の奥で、炎がちろちろ覗いている。
クマさんパジャマが大泣きに泣いている。
「こいつ……当たりガチャじゃねーか!!!」
は、話が違う!
うさぎでもきもい虫でもない。
完全に話が違う!!
「び、ビビアンさーん!!!」
こうなりゃ頼れるのはテイマーだけだ。
大きな野望を持った、お嬢さんのポテンシャルが命綱だ。
なんとか俺を、童貞のまま墓場で運動会という最低のパーリィナイから救ってくれ!
「山田さん、頑張ってください!!」
こ、こいつポンコツじゃねーか!?
生きて帰ったら、生きて帰ったらてめぇ、どうか一晩よろしくお願いします!!!
当然のように俺だ。
今更ながら自己紹介だが、俺の名はテクニカル・マッシヴ山田。
気軽にマッシヴさんと呼ぶといいぞ。
ーーなんつって嘘だ、山田と呼んでくれ。
つーかなんだ、テクニカル・マッシヴって。
そもそもマッシヴってどういう意味?
「マッシヴさーん!!」
おーっと、勘違いしているぞリトル・ミス。
豊満なふたつのダイナマイトをしこたま弄んでやろうかこのやろう。
なお彼女の名前はビビアン。
トップ・テイマーを目指して田舎からはるばる都会に出て、大枚はたいてモンスター・テイマー・バトルトーナメントに登録したものの、ゴミカスみたいな外れくじを引かされた悲運の乙女だ。
今日はそんな彼女と、バトルトーナメントの、最下級こと入門大会にきてます。
会場の皆さん、こんにちは俺です。
しかしバトルトーナメントは、最下級大会なれど、客入りは巨人ー阪神戦並だ。
もしくは戦前の早慶戦だが、誰がわかるのだそんなもの。
ましてや会場も広い。
東京ドームなら1個は入る。
つまり東京ドームと同じ規模のデカさの会場だ。
なんだこの回りくどい言い回しは。
さて、それはそれとして、バトルの仕組みだ。
基本、バトルは一対一。
つまりテイマー一人とモンスターのペアが、ひとつのチームとなり、おなじくテイマー一人とモンスターのペアと戦うのだ。
デカいフィールドにでられるのはモンスターのみで、テイマーは隅っこの、バリアーの中でモンスターに指示を出す。
頼むからそのバリアー俺も入れてくれ。
俺は今、正に戦いの場に出るのに、クマさんパジャマ一丁だ。
どうしろと言うんだ。
戦うとは俺は言ったが、まさか着の身着のままで、すぐさまなんて、詐欺にあったもさも似たりだ。
もう少し猶予が欲しかったが、ビビアンのやつめ気が逸ったとかなんとか、召喚前に大会エントリーを済ますなんて、締め切り前に泣きべそかいて原稿に向かうコミケ作家なのかお前は。
さあしかし、俺たちは持ち場についた。
泣き言はここまでだ。
ーーやっぱりもうちょっといい?
あ、だめ?やっぱり?
ちくしょう、覚悟もまだできてないのに、試合が終わったらビビアンの乳も尻も太腿も、あまつさえあれもそれもこれも好きにしてやる。
こちとら戦いを決意したあとに死の可能性を知らされた被害者だちくしょう。
ああ、クマさんパジャマも泣いている。
……別に失禁したわけじゃないぞ、股間の涙だ。
さあ、対戦相手はなんだ?
スライムか?おおうさぎか?それともまっかり虫か?
見たとこ、まだテイマーしかいない。
テイマーは背の高い、グラマラスなチャンネーだ。
鞭とか似合いそうなタイプだ。
ビビアンもわがままボディだが、大人の魅力と鞭は持ってない。
交換してほしい。
そして尻をぶってほしい。
「さあわたしの可愛いこちゃん、いらっしゃい!」
チャンネーは言った。
やはり女王様タイプ、交換してほしい。
「今から来るのか……」
いよいよ試合の始まりというわけだ。
大したモンスターはいないらしいが、さあどんな相手だ。
「やま……マッシヴさん、ファイト!」
おまえ今、正しい名前だったのに、なんで言い直したの?
「ーー」
そして、空からそいつはやってきた。
ほほう、なるほど、飛行ユニットか。
上空から、豆粒みたいのがやってくる。
ーー小さい。
「ふふ、これなら楽勝だな」
初戦はまず、命は助かった。
しかし、やたらに降りてくるのに時間がかかかる。
やがて、そいつは段々大きくなる。
「……思ったよりデカそうだな」
だが、それでもそこそこだ。
勝確とはいかんが、まあ善戦できるだろう。
しかし、そいつはますます大きくなり……。
「……」
どすぅんーーと、降り立った。
ばかでかい会場の、ほとんどがそいつになったかと思った。
はっきり言って、超巨大な、そいつはドラゴンだった。
「ギャオオオオオアン!!!」
ゴジラみたいに吠えている。
咆哮の風で竜巻が巻き起こる。
喉の奥で、炎がちろちろ覗いている。
クマさんパジャマが大泣きに泣いている。
「こいつ……当たりガチャじゃねーか!!!」
は、話が違う!
うさぎでもきもい虫でもない。
完全に話が違う!!
「び、ビビアンさーん!!!」
こうなりゃ頼れるのはテイマーだけだ。
大きな野望を持った、お嬢さんのポテンシャルが命綱だ。
なんとか俺を、童貞のまま墓場で運動会という最低のパーリィナイから救ってくれ!
「山田さん、頑張ってください!!」
こ、こいつポンコツじゃねーか!?
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