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一章、人喰い狼
裏、真実その二
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まったくもって不快だ。不快極まりない。
なぜか?
もちろんこの男である。
屍臭漂うこの部屋に、まさか嘔吐物の香りも混ぜてくれるとは。
この男は私の殺意を高めるのが特技らしい。私の能力が、対象を嘔吐物に変える能力であったなら、今すぐにこの男を、嘔吐物と共に生活させてやるのに。
そうはいかないので、私の中でのこの男の位置付けを、嘔吐物にすることとしよう。
さて、この後は、婆さんと話さねばなるまい。しかし、邪魔な嘔吐物がいるのでそこらの家を訪問させよう。
それを行かせるのにも一苦労である。この男……この嘔吐物は、おどおどしているくせに、自分の意思はしっかり持っていて、疑問に思ったことは飲み込めぬ体質らしい。
嘔吐物にならなかっただけ感謝すればよいものを。
「さて、あなたに聞きたいことがあります。」
『ええ、何でしょう』
「この死体は誰ですか」
『……夫です』
往生際が悪いな。
「……聞き方を間違えました。なぜ死体の腹部から大腿にかけての部分を切り刻んだのですか」
『……!』
なぜそれを知っているのかと言いたげな表情だが、死体をよく見れば、二種類のえぐれ方があるのが分かる。それに、婆さんから漂っていた血の臭いとこの死体の臭いは一緒である。さらに、床の血の量も少ない。
しかし、婆さん一人で顔の骨をここまで割れるはずもない。ここから導き出される結論は……
『全て話します』
なぜか?
もちろんこの男である。
屍臭漂うこの部屋に、まさか嘔吐物の香りも混ぜてくれるとは。
この男は私の殺意を高めるのが特技らしい。私の能力が、対象を嘔吐物に変える能力であったなら、今すぐにこの男を、嘔吐物と共に生活させてやるのに。
そうはいかないので、私の中でのこの男の位置付けを、嘔吐物にすることとしよう。
さて、この後は、婆さんと話さねばなるまい。しかし、邪魔な嘔吐物がいるのでそこらの家を訪問させよう。
それを行かせるのにも一苦労である。この男……この嘔吐物は、おどおどしているくせに、自分の意思はしっかり持っていて、疑問に思ったことは飲み込めぬ体質らしい。
嘔吐物にならなかっただけ感謝すればよいものを。
「さて、あなたに聞きたいことがあります。」
『ええ、何でしょう』
「この死体は誰ですか」
『……夫です』
往生際が悪いな。
「……聞き方を間違えました。なぜ死体の腹部から大腿にかけての部分を切り刻んだのですか」
『……!』
なぜそれを知っているのかと言いたげな表情だが、死体をよく見れば、二種類のえぐれ方があるのが分かる。それに、婆さんから漂っていた血の臭いとこの死体の臭いは一緒である。さらに、床の血の量も少ない。
しかし、婆さん一人で顔の骨をここまで割れるはずもない。ここから導き出される結論は……
『全て話します』
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