22 / 67
第一章 世界創造編
22.ツツミのお嫁さん創り
しおりを挟む
ツツミは考えていた。今回のお嫁さんコンテストについてである。
「うーん。とにかくかわいい女の子を創ればいいんだよね」
とは言ったものの、考えがまとまらない。元となるアイデアは、ラブコメ物の作品も嗜むため多数ある。
しかし逆に想像がとっ散らかってしまい、イメージを固めることができなかった。
「どうしよう……。そもそもあの人間がどんな子が好きかがわからないし……。」
相手となる男は、そもそも恋愛の機微を理解できるかも疑問な状態である。
「とにかく、好きというのを行動で示すことが大事だよね」
愛は行動によって裏打ちされる。それがツツミの持論だった。愛する人がしてほしいことをする。どんなことでもする。自分に不利益であってもそうしてしまわざるを得ない。
「それが……恋ってことさ」
誰もいないにもかかわらず、フッと笑ってドヤ顔のツツミ。自身にそんな経験がないことは棚に上げた。
……ふと、そういう話があったような気がした。男のために尽くそうとし、自分の身を削り、最後には悲しい別れとなってしまっても相手を責めない……。
「……天啓だ。天啓が下りてきた」
ツツミの嫁づくりが始まった。
「さーらーきーたーまーえーきーたーおーなーかーがーすーいーたー」
ツツミは神社のなかで榊を振っていた。神事などで神主さんが振るあの枝である。ちなみに祝詞は適当だ。
ツツミの前には少女が横たわっている。長い赤毛の少女だ。
「はーえーたーまーえーはーえーたーまーえー」
やがて少女の身体、肩のあたりから羽毛が生え始めた。肩から背中に広がり、腰の辺りからは体の前面部も覆っていく。両手はとくにふわふわしていた。
羽毛に覆われていないのは顔と、首からおへその辺りの前面部だけである。
「よし。いい感じ!」
ツツミは最後の仕上げに入る。
「あーさーだー、おーきーろー。なーんーじーのーなーはー。『タンチョウ』」
名付け、榊を少女の身体に振り下ろす。次の瞬間、光が少女の身体を覆った。
……やがて少女は目を開け、立ち上がる。あたりをキョドキョドと見渡した。
「おはよう『タンチョウ』! 私が君を創った神使、ツツミだよ!」
ツツミの挨拶にびくっと震えるタンチョウ。しかしおどおどと笑顔を作り、言葉を返す。
「あ、あの、初めましてご主人様。ツツミ様ですね。『タンチョウ』が私の名ですか?」
「そう! 君は人間でありツルの化身だからね!」
ツツミがモチーフとしたのは鶴の恩返しだった。罠から助けてくれた男(老夫婦だったかもしれない)の元に人間となって現れ、自らの羽をむしって美しい布を織りあげる。
献身の見本ともいうべき愛情の深さではないか。
「ご、ご主人様。創ってくれてありがとうございます」
「うんうん、奥ゆかしくて気立てのよさそうな娘さんだ! あんまり畏まらなくてもいいよ?」
「は、はい。なんだか緊張しちゃって」
そわそわしているタンチョウ。やがてタンチョウは自分の胸元に目をやり、顔を赤らめた。
「ご主人様。そ、その、服をもらえないでしょうか。裸なのはちょっと……」
タンチョウの上半身の前面は普通の人間と変わらない。両腕を組むようにして縮こまる彼女。
「ああごめんごめん。……そうだ!」
ツツミは念じ、タンチョウの前に機織り機を出した。
「服は自分で作ったらどうかな? 服が作れる女の子はかわいいよ?」
「は、はい」
タンチョウは機織り機の前に進み、辺りを見て困惑した。
「あの、ご主人様。糸をいただけないでしょうか」
「ううん。せっかくだから、名高い鶴の織物を作ろうよ! 自分の羽でこう……」
タンチョウは恐縮したように答える。
「え? えっと、その……。ごめんなさいご主人様。できません」
「……えっ?」
意味が分からないという顔をするツツミ。
「その、織物というのは糸を縦横に組み合わせて作る布のことです。私の羽毛があったところで……」
言葉を濁すタンチョウ。半身を覆っているのはふわふわした短い羽毛である。
「え、えーと……そうだ、両腕を振ってみて!」
「は、はい」
タンチョウがツツミの言葉に従うと、両腕に翼が生えた。正しくは収納されていた翼が広げられたのであるが。
「この翼の羽はそれなりに長さがあるよ? これならどうかな?」
「は、はい。でも、これもただの羽であって糸ではないので……」
「そ、そっか。あれ? 鶴の恩返しのツルさんはどうやって織ったのかな?」
「ご、ごめんなさい。私にはわかりません……」
「……」
気まずい雰囲気が二人に流れる。
「ごめんなさいごめんなさい、そうですよねご主人様! 何か方法があるはずです」
そう言ってタンチョウは翼を広げ、一本の羽をつまむ。えい、という掛け声とともにそれを引き抜いた、いや引き抜こうとした。
直前で止まるタンチョウ。きっと痛みがあるのだろう。しかし泣きそうな顔でタンチョウは続ける。
「あ、あはは。ちょっと待ってくださいね。私頑張りますから。せーの……」
「ごめん私が悪かった!! いい、むしらなくていいから!!」
ひしっ、とタンチョウを抱きしめるツツミ。
「ごめんなさい。役に立てなくて、ほんとうにごめんなさい」
「いいって! そうだよね。羽で織物なんて作れないよね。服は私が出してあげる」
ツツミはそういって指をパチンと鳴らした。次の瞬間、ツツミと同じ巫女服がタンチョウに着せられる。
「ありがとうございます! こんな素敵な服を頂けるなんて……」
「うんうん似合ってる。あ、袖の下の部分は切って翼を出しやすくしといたから。これなら着たまま飛べるでしょ?」
「えっ?」
再び会話が途切れる。タンチョウは恐る恐る言った。
「あの、人間に翼があっても、鳥のようには飛べません。そんなに羽ばたけないですし、体全体もそういう風になってはいないので……」
「え? いやでも私は飛ぼうと思えば飛べるし、レカエル、いや天使だって……」
「そ、その。……言いにくいのですが、私はあくまで人間なので……」
「……」
本当に申し訳ない、その気持ちがすごく伝わってくる。再びタンチョウは言った。
「ごめんなさいごめんなさい! もしかしたら飛べるかもしれません。そうだ! この辺に高いところはありますか? 飛び降りて上昇気流に乗ればなんとか……」
「飛ばなくていい、多分死んじゃうって!! ……ごめんやっぱ私の計画がいろいろ甘かった」
しきりに頑張ってくれようとするタンチョウに、申し訳なさがいっぱいになるツツミであった。
「……それで、私は何をすればいいんでしょう」
「うん。一応地上にいる人間のお嫁さんになってもらおうと思ったんだけど……」
ツツミはこの短時間で、タンチョウがいい子すぎるのを実感していた。
「その。どうかな? まあ会ってみないと何とも言えないだろうし、それでいやだったら別に構わないから」
「いえ。やらせてください」
タンチョウは悲壮な覚悟で答える。
「ご主人様の期待に何一つ応えられない私です。せめて、せめてできることだけはしっかりと全うして見せます!」
「ごめんね、追い詰めちゃって本当にごめんね」
至らない主人を懸命に支えてくれようとするタンチョウに、ツツミは罪悪感でいっぱいであった。
「それで、お嫁さん候補はほかにも二人いてね。一人の男に選ばれなきゃいけないんだ」
「が、頑張ります」
ぐっとこぶしを握るタンチョウ。ツツミは決意した。仲良くなり、いいところを見せるチャンスだ。
「じゃあこれから英才教育をはじめよう!」
「英才教育……ですか?」
「そう。今から一緒に私の城に行こ? 恋愛のすべてを教えてあげる。とはいっても難しい物じゃないから、一緒に楽しんでくれればいいよ」
「は、はい!」
ツツミは城に戻り、タンチョウと一緒に恋愛物のアニメ鑑賞会を行った。他にも漫画やゲームなど、時間が許す限りの情報を与えたのである。
「……『お兄ちゃん』と言ってあげると男の人は喜ぶのですね」
こうしてタンチョウの恋愛観はいい子過ぎるが故、順調に斜め上に成長していったのであった。
「うーん。とにかくかわいい女の子を創ればいいんだよね」
とは言ったものの、考えがまとまらない。元となるアイデアは、ラブコメ物の作品も嗜むため多数ある。
しかし逆に想像がとっ散らかってしまい、イメージを固めることができなかった。
「どうしよう……。そもそもあの人間がどんな子が好きかがわからないし……。」
相手となる男は、そもそも恋愛の機微を理解できるかも疑問な状態である。
「とにかく、好きというのを行動で示すことが大事だよね」
愛は行動によって裏打ちされる。それがツツミの持論だった。愛する人がしてほしいことをする。どんなことでもする。自分に不利益であってもそうしてしまわざるを得ない。
「それが……恋ってことさ」
誰もいないにもかかわらず、フッと笑ってドヤ顔のツツミ。自身にそんな経験がないことは棚に上げた。
……ふと、そういう話があったような気がした。男のために尽くそうとし、自分の身を削り、最後には悲しい別れとなってしまっても相手を責めない……。
「……天啓だ。天啓が下りてきた」
ツツミの嫁づくりが始まった。
「さーらーきーたーまーえーきーたーおーなーかーがーすーいーたー」
ツツミは神社のなかで榊を振っていた。神事などで神主さんが振るあの枝である。ちなみに祝詞は適当だ。
ツツミの前には少女が横たわっている。長い赤毛の少女だ。
「はーえーたーまーえーはーえーたーまーえー」
やがて少女の身体、肩のあたりから羽毛が生え始めた。肩から背中に広がり、腰の辺りからは体の前面部も覆っていく。両手はとくにふわふわしていた。
羽毛に覆われていないのは顔と、首からおへその辺りの前面部だけである。
「よし。いい感じ!」
ツツミは最後の仕上げに入る。
「あーさーだー、おーきーろー。なーんーじーのーなーはー。『タンチョウ』」
名付け、榊を少女の身体に振り下ろす。次の瞬間、光が少女の身体を覆った。
……やがて少女は目を開け、立ち上がる。あたりをキョドキョドと見渡した。
「おはよう『タンチョウ』! 私が君を創った神使、ツツミだよ!」
ツツミの挨拶にびくっと震えるタンチョウ。しかしおどおどと笑顔を作り、言葉を返す。
「あ、あの、初めましてご主人様。ツツミ様ですね。『タンチョウ』が私の名ですか?」
「そう! 君は人間でありツルの化身だからね!」
ツツミがモチーフとしたのは鶴の恩返しだった。罠から助けてくれた男(老夫婦だったかもしれない)の元に人間となって現れ、自らの羽をむしって美しい布を織りあげる。
献身の見本ともいうべき愛情の深さではないか。
「ご、ご主人様。創ってくれてありがとうございます」
「うんうん、奥ゆかしくて気立てのよさそうな娘さんだ! あんまり畏まらなくてもいいよ?」
「は、はい。なんだか緊張しちゃって」
そわそわしているタンチョウ。やがてタンチョウは自分の胸元に目をやり、顔を赤らめた。
「ご主人様。そ、その、服をもらえないでしょうか。裸なのはちょっと……」
タンチョウの上半身の前面は普通の人間と変わらない。両腕を組むようにして縮こまる彼女。
「ああごめんごめん。……そうだ!」
ツツミは念じ、タンチョウの前に機織り機を出した。
「服は自分で作ったらどうかな? 服が作れる女の子はかわいいよ?」
「は、はい」
タンチョウは機織り機の前に進み、辺りを見て困惑した。
「あの、ご主人様。糸をいただけないでしょうか」
「ううん。せっかくだから、名高い鶴の織物を作ろうよ! 自分の羽でこう……」
タンチョウは恐縮したように答える。
「え? えっと、その……。ごめんなさいご主人様。できません」
「……えっ?」
意味が分からないという顔をするツツミ。
「その、織物というのは糸を縦横に組み合わせて作る布のことです。私の羽毛があったところで……」
言葉を濁すタンチョウ。半身を覆っているのはふわふわした短い羽毛である。
「え、えーと……そうだ、両腕を振ってみて!」
「は、はい」
タンチョウがツツミの言葉に従うと、両腕に翼が生えた。正しくは収納されていた翼が広げられたのであるが。
「この翼の羽はそれなりに長さがあるよ? これならどうかな?」
「は、はい。でも、これもただの羽であって糸ではないので……」
「そ、そっか。あれ? 鶴の恩返しのツルさんはどうやって織ったのかな?」
「ご、ごめんなさい。私にはわかりません……」
「……」
気まずい雰囲気が二人に流れる。
「ごめんなさいごめんなさい、そうですよねご主人様! 何か方法があるはずです」
そう言ってタンチョウは翼を広げ、一本の羽をつまむ。えい、という掛け声とともにそれを引き抜いた、いや引き抜こうとした。
直前で止まるタンチョウ。きっと痛みがあるのだろう。しかし泣きそうな顔でタンチョウは続ける。
「あ、あはは。ちょっと待ってくださいね。私頑張りますから。せーの……」
「ごめん私が悪かった!! いい、むしらなくていいから!!」
ひしっ、とタンチョウを抱きしめるツツミ。
「ごめんなさい。役に立てなくて、ほんとうにごめんなさい」
「いいって! そうだよね。羽で織物なんて作れないよね。服は私が出してあげる」
ツツミはそういって指をパチンと鳴らした。次の瞬間、ツツミと同じ巫女服がタンチョウに着せられる。
「ありがとうございます! こんな素敵な服を頂けるなんて……」
「うんうん似合ってる。あ、袖の下の部分は切って翼を出しやすくしといたから。これなら着たまま飛べるでしょ?」
「えっ?」
再び会話が途切れる。タンチョウは恐る恐る言った。
「あの、人間に翼があっても、鳥のようには飛べません。そんなに羽ばたけないですし、体全体もそういう風になってはいないので……」
「え? いやでも私は飛ぼうと思えば飛べるし、レカエル、いや天使だって……」
「そ、その。……言いにくいのですが、私はあくまで人間なので……」
「……」
本当に申し訳ない、その気持ちがすごく伝わってくる。再びタンチョウは言った。
「ごめんなさいごめんなさい! もしかしたら飛べるかもしれません。そうだ! この辺に高いところはありますか? 飛び降りて上昇気流に乗ればなんとか……」
「飛ばなくていい、多分死んじゃうって!! ……ごめんやっぱ私の計画がいろいろ甘かった」
しきりに頑張ってくれようとするタンチョウに、申し訳なさがいっぱいになるツツミであった。
「……それで、私は何をすればいいんでしょう」
「うん。一応地上にいる人間のお嫁さんになってもらおうと思ったんだけど……」
ツツミはこの短時間で、タンチョウがいい子すぎるのを実感していた。
「その。どうかな? まあ会ってみないと何とも言えないだろうし、それでいやだったら別に構わないから」
「いえ。やらせてください」
タンチョウは悲壮な覚悟で答える。
「ご主人様の期待に何一つ応えられない私です。せめて、せめてできることだけはしっかりと全うして見せます!」
「ごめんね、追い詰めちゃって本当にごめんね」
至らない主人を懸命に支えてくれようとするタンチョウに、ツツミは罪悪感でいっぱいであった。
「それで、お嫁さん候補はほかにも二人いてね。一人の男に選ばれなきゃいけないんだ」
「が、頑張ります」
ぐっとこぶしを握るタンチョウ。ツツミは決意した。仲良くなり、いいところを見せるチャンスだ。
「じゃあこれから英才教育をはじめよう!」
「英才教育……ですか?」
「そう。今から一緒に私の城に行こ? 恋愛のすべてを教えてあげる。とはいっても難しい物じゃないから、一緒に楽しんでくれればいいよ」
「は、はい!」
ツツミは城に戻り、タンチョウと一緒に恋愛物のアニメ鑑賞会を行った。他にも漫画やゲームなど、時間が許す限りの情報を与えたのである。
「……『お兄ちゃん』と言ってあげると男の人は喜ぶのですね」
こうしてタンチョウの恋愛観はいい子過ぎるが故、順調に斜め上に成長していったのであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる