三人娘が異世界を創る ゆるく まったり いとをかし!

市上 未来

文字の大きさ
52 / 67
第一章 世界創造編

52.時空を超える

しおりを挟む
「元気そうで何よりだよ、ツツミ」

 ウカノミタマは柔らかい笑みを浮かべながら言った。一方のツツミはパニック状態である。

「え。え。え? ここ、高天原? あなた、ウカノミタマ様?」
「うん。ここ、高天原。僕、ウカノミタマ様」

 律儀に答えを返してくるウカノミタマ。

「つまり……ここは元の世界ですか? え? なんで?」
「……あなたの主が呼び戻したという事なのでしょう」
「……うー。あの。星の。光。来た時と。同じ。だった」
「お友達の方が理解が早いようだね」

 レカエルとエウラシアはある程度状況が飲み込めたらしい。ツツミも頭が回ってきた。

「つまりあの星はウカノミタマ様の仕業ですか! 天界ごと滅びるかと思いましたよ!」
「いやあ、見ていたよ。とてもいい顔をしていた。うん」

 どうやらリアルタイムで鑑賞されていたらしい。趣味の悪い主である。

「それで、ウカノミタマ? 呼び戻されたという事は、私たちの異世界での仕事は終わりですか?」

 一応レカエルより格上の存在であるウカノミタマ。しかし唯一神の使いを自負するレカエルは敬称を使うつもりはないらしい。ウカノミタマも気にした様子もなかったが。

「いや、そういうわけではないんだ。君たちにちょっと相談したいことがあってね」

 ウカノミタマは少し真剣な顔をして言った。

「あの人間について、君たちの意見を聞きたい」

 そういうことか。ツツミはウカノミタマの袴の裾をちょいちょいとつつきながら答える。

「なんだー、そんなことですか。ウカノミタマ様ったら、まだまだお若いんですねっ」
「うん? なにがだい?」
「またまたーとぼけなくっても。で、どの娘が好みなんです? 私の一押しは断然タンチョウですよ! それともミノタリアのボディにやられちゃいました? あ、イヴの勝気な感じがいいんでしょうか?」

 悪徳奴隷商人のような笑顔でツツミは続ける。

「人間の娘を妾にしようだなんて……。あ、もしかして三人いっぺんに? もうっ、ウカノミタマ様の、ヘ・ン・タ・イ・さんっ」
「食べるならツツミがいいかな」
「ひゃっ!」

 ウカノミタマは笑顔で腰の刀を振るった。とっさに躱したツツミの前髪が何本かはらり、と地に落ちる。

「そういえば久しぶりにカレーが食べたかったところなんだ。キツネの肉は臭みが強いらしいが大丈夫。カレーなら何とかしてくれる」
「ご、ごめんなさいウカノミタマ様っ! 冗談に決まってるじゃないですか! 久しぶりの主とのお茶目な掛け合いがしたかっただけなんです。ていうかタンチョウはあげませんよ!」
「……イヴとミノタリアなら構わないような言い方をするのではありません」

 レカエルがあきれ果てたように言う。ツッコミがデンジャラスなのは二人に共通しているかもしれない。

「人間についての相談、つまり、アツシのことでしょう。私たちのことを監視していたようですから」
「うんご名答。それにしてもアツシ、アツシね」

 とげのあるレカエルの言葉を軽くいなし、ウカノミタマはくっくっくと笑った。

「アツシ。彼はこの世界の人間だ」




「まあ。正直。そんな気は。してた」

 明かされたアツシの出所に、どうでもいいような様子のエウラシア。ツツミもレカエルもさほど驚きはない。

「考えられる一番高い可能性はそれでしたからね」
「うん。格好もこの世界のヤツに似てたし」

 推測が当たっていたことが確認できた。それだけの話である。

「それにしても名前がアツシになった時は笑ったよ。この世界での彼の名前もアツシという。いやはや偶然とは恐ろしいものだ」

 完全にイヴやミノタリアたちの都合でつけられた名前はばっちり正解だったようだ。

「それで、アツシをこちらに戻すんですか? うーん……タンチョウたちと仲良くやってるみたいだったんですが、仕方ないですかね」

 少々残念だが、生まれ育った世界に戻るほうがアツシにとっても幸せかもしれない。しかしウカノミタマは首を横に振った。

「いや、本来ならそうすべきなんだろうけどね。彼、なかなかかわいそうな境遇の人間なんだよ」
「かわいそう……ですか?」

 はて、と首をかしげるレカエル。ウカノミタマは言いよどむ。

「まあ。なんというか……。よくできた人間なんだ。ただ、総じていい人間は悪い人間の食い物にされるのが人の理というものでね。詳しい事情は聞かないほうがいいと思うよ?」

 主がここまで歯切れが悪いのはけっこう珍しい。よほど聞くに堪えない事情があるのだろう。

「まあ、色々込み入った話があって彼はそちらの世界に飛ばされたんだ。本人が望んだわけでもなくね。といっても、彼にとっては幸運だったかもしれない」

 ウカノミタマは話をまとめるようにパン、と手を打った。

「と、いう訳で、彼はそのままそちらに住まわせてくれるとありがたい。つらい記憶もなくしてうまくやってるみたいだからね。一応実際に会ってる君たちの話も聞こうと思ったんだが……」

 ウカノミタマの問いかけるような視線に三人は顔を見合わせた。

「きちんとアツシと話したことはないけど。いいんじゃないかな」
「ええ。イヴも憎からず思っているようですし」
「ラブコメ。ハーレム。だしね」

 エウラシアの意見はともかく三人の意見は一致した。それを見てウカノミタマも頷く。

「よしよし。ではよろしく頼む。……ああ、ツツミ? せっかく戻ってきたんだ、見せたいものがあるよ」
「はい? なんですか? ……ってそれは!」

 ウカノミタマが持っていたのはブルーレイディスクである。ツツミは異世界へ旅立つ直前のことを思い出した。

「ホントに録画してくれたんですか!?」
「君の同僚のキツネがね。ああ、君が太陽や月を創る時に人の書物を参考にしていた話も彼女にしたよ。そしたらこっちも渡してくれと頼まれた」

 ウカノミタマは袂から一冊の本を取り出す。

「そ、それはひょっとして……あの物語の!」

 反応したのはレカエルだった。参考にされたコミックス。その最新刊である。最も続きを読みたがっていたのは彼女だった。

「ウカノミタマ様……。ありがとうございますっ! いい主に仕えられて私は幸せです!」
「本当ですね! 神を僭称する者にしてはよく気が利いています!」

 受け取ろうとウカノミタマに近づくツツミとレカエル。しかし刀が一閃され、二人は歩みを止めた。

「わっ!?」
「危ないではないですか! 何の真似……え?」

 空を切った刀の軌道が虹色の光を放っている。

「言っただろう? って。もう見たじゃないか。では用事は終わりだ。そちらの世界に帰るといい」

 そう言うとウカノミタマは微笑みながら刀を何度も振るった。ツツミたちの周りを虹色の光が囲んでいく。

「ウカノミタマ様!? 手土産にくれるんじゃないいんですか!?」
「うん? そんなつもりはまったくないよ」
「ええ!? なんでそんな見せびらかすようなことを!」
「そのほうが君が悔しがるからに決まっているじゃないか」

 ものすごくさわやかな笑顔のウカノミタマはよどみなく剣舞を舞う。

「ひどすぎます!! 私が何をしたって言うんですか!!」
「ははは。君が創った神社の僕の像。随分かっこよくしてくれたようだね」
「……あっ」

 移動型木製神社ロボ『明星』の存在がばれている。頭部はウカノミタマのご神体を使ったのだった。

「遊園地もなかなか楽しそうじゃないか。悪魔を倒すあの遊びは面白かったかい? カッコつけているつもりはなかったんだが……、不快にさせてすまなかったね」
「あ、あっ」

 ウカノミタマがモチーフの悪魔に嬉々として銃弾をぶち込んだ姿も見られていたようだ。

「ウカノミタマ! 大人げないことをするのではありません! あなた、眷属への情はないのですか!?」

 レカエルも、コミックスを目の前にちらつかされたのは腹に据えかねたのだろう。しかしウカノミタマは微笑みも動きも絶やさない。

「そういえば、僕の姿のアレを創ったのは君だって? はは、ちょっと誇張がすぎるんじゃないかな?」
「……くっ!」

 割とレカエルも恨んでいるらしいウカノミタマ。レカエルは悔しそうに唇をかむ。

「ツツミ! なんとか主をいさめなさい!」
「そ、そんなこと言われても!」

 虹色の光に取り囲まれたツツミたち。結界の様になっているのか、ウカノミタマに近づくことができない。

「ではまたしばしのお別れだ。……かわいそうだからあらすじだけ教えてあげようか。ええと、コーリーベイ、だっけ? 火山に飛び込んだあれは……」
「そ、それだけは許しません!!!」

 本気かどうか、そもそも読んでいたのかもわからないがネタバレをしようとするウカノミタマ。それはレカエルの逆鱗に触れたらしい。

「はぁあああああ!!!」
「こ、こらっ、そんなことをしたらっ」

 最後の一閃を放とうとしたウカノミタマの刀を聖槍で受け止めるレカエル。初めて余裕の表情が消えたウカノミタマだったが、格の違いを見せつけるかのようにそのまま押し切った。

「きゃあっ! く、無念です……」
「覚えておいてくださいよウカノミタマ様! あっちのご神体がどうなっても知りませんからね!!」

 怨嗟の声を漏らす二人はすぐに虹色の光に巻き込まれていった。やがて空間は何事もなかったように元の状態に戻る。

「やれやれ……運ぶ儀式を中断させようなんて乱暴な真似を……。いずことも知れない場所に飛ばされたらどうするんだ、まったく」

 ウカノミタマは誰もいなくなった本殿で独りごちる。

「大変なことになっていないといいんだが……とにかく確認するか」

 一枚の鏡を取り出して中を覗き込むウカノミタマ。どうやらそれがツツミたちの様子を見ることができる神具らしい。鏡を見ていたその目はやがて驚愕に見開かれた。

「お、おや? これは……。……やれやれ。君たちが招いた結果だからね」




「とりあえず悪魔の像は破壊します! ツツミ、手伝いなさい!」
「それよりうんと恥ずかしい顔に改造しよう! 鼻毛とか生やそう!」

 騒いでいたツツミたちの周りから虹色の光が薄れていく。やがて目の前に広がったのは元いた天界の景色だった。

「鼻毛はちょうちょ結びです! なんならカラフルに染め上げて!」
「前歯は全部折ろうね!」

 どんな報復をしたものか盛り上がるツツミとレカエル。と、黙っていたエウラシアが不思議そうな表情をした。

「おー? 天界。なんか。違う?」
「えっ?」

 ひとまずウカノミタマへの恨みを置いて周りをみわたす二人。確かにどこかが違っていた。

「あれ? 天界の森ってこんなにうっそうとしてたっけ?」
「といいますか、スギたちが随分大きいような……」

 森が奥深くなっている。と、まわりのスギたちが一斉に枝を振り始めた。

「うわっ! なに!? どうしたの!?」
「レバノンスギたち! なにを騒ぎ立てるのです!」

 ツツミたちの問いには答えず、放射状にスギたちの踊りは広がっていく。やがて遠くから地響きが轟いてきた。

「お。おお。おおお」
「あれは……エウラシアの木ですか!?」

 遠くからでも近づいてきているのがよく見えるエウラシアの木。しかし……。

「あんなに大きくなかったじゃん!!!」

 もともと巨木といって差し支えなかったそれだが、これは巨大すぎる。見上げてもてっぺんが見えないほどだ。世界を分かつという伝説の木があるそうだがこれがそうだろうか。

 あっけにとられるツツミの耳に別の音が聞こえた。今度はバタバタという何かが虚空を打つ音だ。やがてその原因が姿をみせはじめる。

「鳥たちです!!!」
「こ、こんなにたくさん創ってない!!!」

 ハトやフクロウ、空飛ぶウサギたちである。天界を埋め尽くすほどの大勢の群れがツツミたちの周りに止まり、一斉にイメージを頭に送り始めた。

「わわわわっ! そんないっぺんに見せられても……! うげぇ、気持ち悪い!」
「頭が、頭が割れます!」
「う。……や。……お」

 膨大な情報量は神使三人をもってしてもかなりの負荷だった。なんとか意識をはっきり保ってひとつひとつ整理していく。

「あああああ。……あれ? あれれ?」
「もうなにがなんだか……。あら?」
「うー? んー?」

 やがて徐々にイメージがはっきり見えるようになってきた。鳥たちが見た地上の様子である。それを見て困惑するツツミとレカエル、エウラシア。

「これ、街? 建物がいっぱいある」
「亜人がたくさん……? タンチョウやミノタリアに似た種族ですが、別人ですか?」
「人間が。いっぱい」

 伝わってきたのは活気ある人間たちの暮らしの様子だった。タンチョウたちが暮らしていた竪穴式住居の集落ではない。レンガや木でできた家々。道は石畳で舗装され、多くの者が行きかっている。

 やがてひときわ大きい広場の光景になった。噴水が水を噴き出すその傍らに、ヒヒイロノカネでできた三体の像があった。

「……これ。……私たちだ!!!」

 立ち並ぶ三体の像。耳としっぽのある巫女。輪を頭上、翼を背に持つ天使。ツタと冠をまとったニンフ。多少の造形の違いはあるが間違いない。

「なにこれ? なんでこんな短い時間で文明ができてるの?」
「い、いえ。これは短時間で発展したというよりは……」

 レカエルが周りのスギや鳥たちを見て何かに気づく。成長した木々。こんなにいなかった鳥たち。産み増えたらしい人間たち。

「ま、まさか……」

 ツツミも思い当たったようで驚愕に思考が停止する。エウラシアが彼女にしては早口で言った。

「たぶん。ここ。未来」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~

チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!? 魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで! 心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく-- 美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』

宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜

野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」 ***  魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。  王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。  しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。  解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。  ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。  しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。  スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。  何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……? 「今日は野菜の苗植えをします」 「おー!」 「めぇー!!」  友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。  そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。  子育て成長、お仕事ストーリー。  ここに爆誕!

異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~

黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!

処理中です...