53 / 67
第二章 人間に崇拝される編
53.変わらぬ天界
しおりを挟む
「どどどど、どういうこと!?」
「おおおお、落ち着きなさいツツミ」
状況が飲み込めず慌てふためくツツミ。それをたしなめるレカエルもまったくもって冷静さがない。
「ま、まずは状況を整理するのです。何故こうなったのか、それを考えればこれからどうすべきかも見えてくるはずです」
「なんでこんなことになったのかって……」
「あなたの主が失敗したに決まっているでしょう。とすれば、まずすべきことはひとつです」
レカエルはツツミの神社に向かって歩き出す。
「忌まわしい悪魔の像をバラバラに切断しましょう。残骸は燃やして灰はいくつかに分け、土に埋めたり川に流したりするのです。さあ早く!」
「レカエル、それただの憂さ晴らしだよ!?」
なんの解決にもならない現実逃避をとろうとするレカエル。やはりまだ混乱しているようである。
「黙りなさい! あの性悪な気取り屋の嫌味ったらしい悪魔ときたら! 嫌がらせを尽くした挙句失敗するとは何事ですか! どうせ盗み見しているのでしょう? ツツミも言ってやるのです!」
「え? え、ええと、やーい! ウカノミタマ様の役立たずー。無能者ー。若作りに必死なの知ってますからねー!」
途中からただの悪口になっている。と、エウラシアが口をはさんだ。
「たぶん。転移の。儀式の。途中で。邪魔が。入った。からだと。思う」
「はい?」
エウラシア曰く、転移術にはかなり高い集中と緻密な技が必要なはずらしい。軽口をたたきながら飄々と刀を振るっていたウカノミタマだが、実は相当高度な事をやっていたようだ。
「あの。剣舞の。最後に。……うー。意図して。いなかった。妨害が」
「それって……」
思い当たる節はひとつしかない。ツツミはゆっくりとレカエルに視線を移す。それに連動するようにレカエルはあらぬほうに目をそらした。先ほどまでとは打って変わって穏やかに言う。
「ま、まあ失敗は誰にでもある事ですよね」
「完全にレカエルのせいじゃん!!」
どうやら原因が明らかになったようだ。となればツツミがとるべき行動はただひとつ。
「ウカノミタマ様! 今からこの無能天使の神殿を焼き討ちにしてみせます! どうか見ていてくださいね、いつも優しくかっこいい、私の大好きなウカノミタマ様!」
「あ、こら! なに分かりやすく媚を売っているのですか! ウカノミタマ、ツツミはあなたの像の前歯を全部折るそうです!」
「ぎゃー! 告げ口禁止だって! 汚いよレカエル!」
「ツツミこそ焼き討ちとは何ですか! そんな神をも恐れぬ所業はこの私が許しません!」
ウカノミタマがこの会話を聞いているかは知る由もないが、とりあえず若作りは言いすぎたかもしれない。挽回に必死になるツツミだった。
「おほん。ともかく……」
言い争いが一段落し、レカエルが咳払いをして仕切り直した。
「大事なのはどうしてこうなったかではありません。これからどうするかが重要なのです」
「レカエルが言うのは釈然としないけど、まあそうだね」
一言釘を刺さずにはいられなかったツツミ。レカエルは無視して話を続ける。
「この世界のどこがどう変化したのか。ひとつずつ確認していきましょう。差し当たっては……」
レカエルは可能な限り首を上に向けた。ツツミとエウラシアもそれに倣う。三人揃って口がポカンと開いている。
「いくらなんでも大きくなりすぎでしょうこの木は!」
エウラシアの木は三人のすぐ傍まで来ていた。目の前にあるそれはもはや壁である。幅も高さも果てが見えない巨木の幹に触れ、エウラシアがぽっ、と顔を赤らめた。
「……いやあ。照れる」
「その感想はよくわかんないんだけど……」
自身の分身ともいえるこの木の成長は、エウラシアにとっては喜ばしい事らしい。答えるように木も体を震わせた。ちょっとした地震である。
「前から聞こうと思ってたんだけど、これ何の木なの?」
「さぁ?」
「いや、さぁではないでしょう」
木の精であるニンフは一心同体である木と共に生まれる。しかしエウラシアはその種類に心当たりがないのだった。
「オリンポスでも。同じ木は。見たこと。ない」
「……まあスギたちをよく従わせられるのです。ただの木という事もないでしょうが……」
ヤクスギ、レバノンスギたちはその周りに控えていた。ツツミたちが現れたのを知らせたのは彼ららしい。
天界の木々にしてみれば、深遠な森ができるほど長く不在だった主の帰還である。喜んで踊っているように見えたのはあながち間違いではないかもしれない。
「天界の。維持は。みんなで。やって。くれてたって。神殿も。神社も。結構。きれい。らしいよ」
「そ、そうですか。ありがとう、みんな」
ある程度自身の木とコミュニケーションが取れるエウラシア。その説明を聞いて微妙な表情になってしまったレカエルだった。……木々が掃除などしてくれていたのだろうか。シュールな絵だ。
「とりあえず、様子を見に行きましょうか」
レカエルは神殿に、ツツミとエウラシアは神社に向かって確認することになった。
「……本当にきれいですね」
神殿にたどり着いたレカエルは軽く息をのんだ。元世界に戻る前とほとんど変わらない神殿の様子である。広い庭も手入れがされ、荒れている様子はない。
建物はさすがに創ったときほどの新しさは失われていた。しかしこちらも廃墟のような風ではない。むしろ年季が入った分、荘厳さが増したようにも見えた。
「スギたちには感謝しなければいけませんね。まあさすがに室内はホコリもたまって……。きゃっ!」
レカエルは神殿の入り口のドアを開け、中に入る。目に入ってきたのは小さいスギたちが枝をハタキのように使って掃除をしている姿だった。
スギたちはレカエルを見て手(枝)を止める。しかしそれも一瞬のことだった。ぺこりとお辞儀をするように幹を傾け、すぐに作業に戻る。
「ご、ご苦労様です」
どうやらレカエルの想像以上に行き届いた手入れをしてくれていたらしいスギたちだった。
「ひとまず聖堂に行って主に祈りを捧げましょうか。……というかあの鬼畜悪魔、元世界に戻したのならば少しくらい御許に参ずる時間くらい……ん?」
レカエルの独り言は近づいてくる空気の振動に遮られた。置いてある調度品の数々がカタカタと音をたてはじめる。
「……この既視感はまさか」
レカエルは外に出て振動の元凶を探した。案の定、空から見たことのある影が接近してくる。
「……やはりですか」
『レカエル! たいへんたいへん!!』
機影は移動型木製神社要塞ロボ『明星』だった。乗り込んだツツミが慌てた様子で呼びかけてくる。
「またそれで来たのですか! どうせなら飛べなくなっていればいいものを!」
『スギたちってすごいね! って、そんなことより一大事だよ! やっぱかなり未来だここ!』
「なんだというのですか、いったい!」
『明星』が稼働できるまでに維持に力を尽くしてくれたらしいスギたち。手落ちがあるとも思えないレカエルに、ツツミは絶望したように言った。
『マンガが、ゲーム機がぁぁ!!』
……神社は神殿と同じように保たれていたらしい。城も同様である。しかし、時間の流れは元世界から持ってきたツツミのコレクションを蝕んでいた。
『ゲーム機は電源入らなくなってるし! マンガなんて触ったら崩れちゃうんじゃないかって感じにボロボロに……! 学園ラブコメが完全に古文書みたいな風合いにぃぃ!』
「なんですって……! では、コーリーベイたちの活躍を描いたあの本も……!」
『あ、それは葛籠に入れて持ち歩いてたから大丈夫。でも部屋に出しといたあれとかこれとかがぁ!』
ショックのあまり思わず『明星』を起動して駆けつけてしまったらしいツツミ。天界のために腐心してくれたスギたちにも、無理なことというものはあったのだった。
「おおおお、落ち着きなさいツツミ」
状況が飲み込めず慌てふためくツツミ。それをたしなめるレカエルもまったくもって冷静さがない。
「ま、まずは状況を整理するのです。何故こうなったのか、それを考えればこれからどうすべきかも見えてくるはずです」
「なんでこんなことになったのかって……」
「あなたの主が失敗したに決まっているでしょう。とすれば、まずすべきことはひとつです」
レカエルはツツミの神社に向かって歩き出す。
「忌まわしい悪魔の像をバラバラに切断しましょう。残骸は燃やして灰はいくつかに分け、土に埋めたり川に流したりするのです。さあ早く!」
「レカエル、それただの憂さ晴らしだよ!?」
なんの解決にもならない現実逃避をとろうとするレカエル。やはりまだ混乱しているようである。
「黙りなさい! あの性悪な気取り屋の嫌味ったらしい悪魔ときたら! 嫌がらせを尽くした挙句失敗するとは何事ですか! どうせ盗み見しているのでしょう? ツツミも言ってやるのです!」
「え? え、ええと、やーい! ウカノミタマ様の役立たずー。無能者ー。若作りに必死なの知ってますからねー!」
途中からただの悪口になっている。と、エウラシアが口をはさんだ。
「たぶん。転移の。儀式の。途中で。邪魔が。入った。からだと。思う」
「はい?」
エウラシア曰く、転移術にはかなり高い集中と緻密な技が必要なはずらしい。軽口をたたきながら飄々と刀を振るっていたウカノミタマだが、実は相当高度な事をやっていたようだ。
「あの。剣舞の。最後に。……うー。意図して。いなかった。妨害が」
「それって……」
思い当たる節はひとつしかない。ツツミはゆっくりとレカエルに視線を移す。それに連動するようにレカエルはあらぬほうに目をそらした。先ほどまでとは打って変わって穏やかに言う。
「ま、まあ失敗は誰にでもある事ですよね」
「完全にレカエルのせいじゃん!!」
どうやら原因が明らかになったようだ。となればツツミがとるべき行動はただひとつ。
「ウカノミタマ様! 今からこの無能天使の神殿を焼き討ちにしてみせます! どうか見ていてくださいね、いつも優しくかっこいい、私の大好きなウカノミタマ様!」
「あ、こら! なに分かりやすく媚を売っているのですか! ウカノミタマ、ツツミはあなたの像の前歯を全部折るそうです!」
「ぎゃー! 告げ口禁止だって! 汚いよレカエル!」
「ツツミこそ焼き討ちとは何ですか! そんな神をも恐れぬ所業はこの私が許しません!」
ウカノミタマがこの会話を聞いているかは知る由もないが、とりあえず若作りは言いすぎたかもしれない。挽回に必死になるツツミだった。
「おほん。ともかく……」
言い争いが一段落し、レカエルが咳払いをして仕切り直した。
「大事なのはどうしてこうなったかではありません。これからどうするかが重要なのです」
「レカエルが言うのは釈然としないけど、まあそうだね」
一言釘を刺さずにはいられなかったツツミ。レカエルは無視して話を続ける。
「この世界のどこがどう変化したのか。ひとつずつ確認していきましょう。差し当たっては……」
レカエルは可能な限り首を上に向けた。ツツミとエウラシアもそれに倣う。三人揃って口がポカンと開いている。
「いくらなんでも大きくなりすぎでしょうこの木は!」
エウラシアの木は三人のすぐ傍まで来ていた。目の前にあるそれはもはや壁である。幅も高さも果てが見えない巨木の幹に触れ、エウラシアがぽっ、と顔を赤らめた。
「……いやあ。照れる」
「その感想はよくわかんないんだけど……」
自身の分身ともいえるこの木の成長は、エウラシアにとっては喜ばしい事らしい。答えるように木も体を震わせた。ちょっとした地震である。
「前から聞こうと思ってたんだけど、これ何の木なの?」
「さぁ?」
「いや、さぁではないでしょう」
木の精であるニンフは一心同体である木と共に生まれる。しかしエウラシアはその種類に心当たりがないのだった。
「オリンポスでも。同じ木は。見たこと。ない」
「……まあスギたちをよく従わせられるのです。ただの木という事もないでしょうが……」
ヤクスギ、レバノンスギたちはその周りに控えていた。ツツミたちが現れたのを知らせたのは彼ららしい。
天界の木々にしてみれば、深遠な森ができるほど長く不在だった主の帰還である。喜んで踊っているように見えたのはあながち間違いではないかもしれない。
「天界の。維持は。みんなで。やって。くれてたって。神殿も。神社も。結構。きれい。らしいよ」
「そ、そうですか。ありがとう、みんな」
ある程度自身の木とコミュニケーションが取れるエウラシア。その説明を聞いて微妙な表情になってしまったレカエルだった。……木々が掃除などしてくれていたのだろうか。シュールな絵だ。
「とりあえず、様子を見に行きましょうか」
レカエルは神殿に、ツツミとエウラシアは神社に向かって確認することになった。
「……本当にきれいですね」
神殿にたどり着いたレカエルは軽く息をのんだ。元世界に戻る前とほとんど変わらない神殿の様子である。広い庭も手入れがされ、荒れている様子はない。
建物はさすがに創ったときほどの新しさは失われていた。しかしこちらも廃墟のような風ではない。むしろ年季が入った分、荘厳さが増したようにも見えた。
「スギたちには感謝しなければいけませんね。まあさすがに室内はホコリもたまって……。きゃっ!」
レカエルは神殿の入り口のドアを開け、中に入る。目に入ってきたのは小さいスギたちが枝をハタキのように使って掃除をしている姿だった。
スギたちはレカエルを見て手(枝)を止める。しかしそれも一瞬のことだった。ぺこりとお辞儀をするように幹を傾け、すぐに作業に戻る。
「ご、ご苦労様です」
どうやらレカエルの想像以上に行き届いた手入れをしてくれていたらしいスギたちだった。
「ひとまず聖堂に行って主に祈りを捧げましょうか。……というかあの鬼畜悪魔、元世界に戻したのならば少しくらい御許に参ずる時間くらい……ん?」
レカエルの独り言は近づいてくる空気の振動に遮られた。置いてある調度品の数々がカタカタと音をたてはじめる。
「……この既視感はまさか」
レカエルは外に出て振動の元凶を探した。案の定、空から見たことのある影が接近してくる。
「……やはりですか」
『レカエル! たいへんたいへん!!』
機影は移動型木製神社要塞ロボ『明星』だった。乗り込んだツツミが慌てた様子で呼びかけてくる。
「またそれで来たのですか! どうせなら飛べなくなっていればいいものを!」
『スギたちってすごいね! って、そんなことより一大事だよ! やっぱかなり未来だここ!』
「なんだというのですか、いったい!」
『明星』が稼働できるまでに維持に力を尽くしてくれたらしいスギたち。手落ちがあるとも思えないレカエルに、ツツミは絶望したように言った。
『マンガが、ゲーム機がぁぁ!!』
……神社は神殿と同じように保たれていたらしい。城も同様である。しかし、時間の流れは元世界から持ってきたツツミのコレクションを蝕んでいた。
『ゲーム機は電源入らなくなってるし! マンガなんて触ったら崩れちゃうんじゃないかって感じにボロボロに……! 学園ラブコメが完全に古文書みたいな風合いにぃぃ!』
「なんですって……! では、コーリーベイたちの活躍を描いたあの本も……!」
『あ、それは葛籠に入れて持ち歩いてたから大丈夫。でも部屋に出しといたあれとかこれとかがぁ!』
ショックのあまり思わず『明星』を起動して駆けつけてしまったらしいツツミ。天界のために腐心してくれたスギたちにも、無理なことというものはあったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?
たまご
ファンタジー
アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。
最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。
だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。
女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。
猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!!
「私はスローライフ希望なんですけど……」
この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。
表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~
黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる