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第二章 人間に崇拝される編
55.オブジェ
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三人がひとまず訪れたのは、タンチョウたちが暮らしていた集落があるあたりだった。
「……本当に街ができてる」
上空から見下ろしながらツツミが呟く。大小さまざまな建物が密集していた。材質に統一性はない。レンガを組み上げたもの、石材のもの、木でできたものなどが入り混じっている。
様式も色々で、純和風といった感じの屋敷から、エウラシアの国にあるような白く四角い石造りの建物、西洋風の家屋などごちゃまぜだった。
そもそも街といったがちゃんとした境目もないようだ。城壁や門などがないので、どこまでが街であるという明確な区分がない。
「なんというか、秩序がないですね」
レカエルの言葉通り都市計画もなにもあったものではない街である。
「まあこれはこれでなんかいいじゃん! さ、降りてみようか」
「ちょっと。待って」
勇み足のツツミを引き留めたのはエウラシアだった。
「私たちの。像が。あるくらい。このまま。降りたら。うー。面倒に。なるかも」
「……たしかにそうですね」
鳥たちの映像がいつ、どこのものかはわからないが、明らかにツツミたちをモチーフとした像があった。
「あ、そうだね。いやあ、女神降臨って騒ぎになっちゃったりして! ね、試しに一回だけこのまま行ってみない?」
「わざわざ厄介事を招く必要もないでしょう。はしゃぎすぎですよ」
ツツミの提案は二人の同意を得られなかった。
「ツツミ、あなた人間界で遊ぶときはどうしていたのです?」
「ん? 耳としっぽだけ見えなくしてた」
「服装はそのままですか? あなたの国の一般的な恰好とはだいぶ違う気がしますが……。神職の女性が着る服だと前に言っていましたね」
ツツミの巫女装束を見ながらレカエルが尋ねる。
「あー、大丈夫! うちの国の人間たちにはこういう文化もあるから。私がよく行く場所とか、巫女じゃないのにこの格好してる人結構いたし。写真を撮らせてほしいってよく言われた!」
「おや。なかなか信心深い人間がいるのですね。邪教とはいえ感心なことです」
「いや、信仰心から着てるわけじゃないんだけど……」
ツツミはなんと説明したものか考えたが、長くなりそうなので諦めた。
「ま、まあ置いといて。とりあえず今回はこれでいいでしょ」
ツツミは指をパチンと鳴らしてゆったりとしたポンチョを出した。足元まであるタイプのものである。フードもついているので耳も隠せるだろう。
「ではエウラシア。私たちも」
「……んー」
レカエルとエウラシアも同じような服を出した。これでレカエルの背の翼も天使の輪も、エウラシアのツタが巻き付いたようないで立ちも目立たない。
「そういえば、エウラシアが服着てるってなんか新鮮」
ツツミの言葉にエウラシアはどこか窮屈そうな様子だった。
「……うー。落ち着かない。服。きらい。……やっぱ。脱ごうかな」
「やめなさい。男性の目もあるのですから」
エウラシアの扇情的な恰好で街に入れば、ニンフどうこう以前に良くないことが起こりそうな予感がするレカエルだった。
「おお。結構にぎやかになってきたね!」
街の外れに降りたった三人は中心部と思われる辺りに向かってのんびり歩いていた。はじめは畑や家がぽつぽつとあるだけだったが、やがて道は舗装され、お店が立ち並ぶ大通りが広がり始める。
「人間も多いですね。取引も活発なようです」
レカエルが言うように、大通りは商品を売る人、買う人で賑わっていた。往来から見える店の中には食べ物や服、家具や日用品が並べられている。
「それにしても、ここにいる人間たちは……。その、人種が様々というか……」
「う、うん。そうだね」
行きかう人々の姿は様々だった。大きく分けて三タイプ。いわゆる純粋なヒューマノイド、角と蹄を持つ牛人、体の後ろを中心に羽毛を持つ鳥人である。
「……イヴとミノタリア、タンチョウによく似ていますね」
「そ、そだね。お嫁さん候補三人によく似てるね」
「……お嫁さん候補の中からアツシに一人選ばせる。そういう話でしたね」
「う、うんうんその通り! いやあ、アツシは誰を選んだのかな! 気になるね!」
「これは。どう。考えても。ハーレ……」
「やめなさい! ……まだそうと決まったわけではないのです。結論を出すのは後でいいでしょう」
エウラシアの言葉をレカエルが遮り、この話は一旦中断となった。
「お、あれはもしかして広場じゃない? 鳥たちのイメージに出てきたやつだ!」
通りを眺めながらてくてく歩いてきた三人。やがて街の中心らしい開けた場所に着いた。どうやら鳥たちが見せてくれた広場はこれらしい。
「イメージ通り噴水もありますね。地下水か、川から水路を引いているのかわかりませんが……。こういう風に水を使えるという事は、生活用水も充実しているのでしょう」
「そんなことより像! 私たちの像は!?」
真面目に考察しているレカエルをよそに、俄然テンションが上がってきたツツミである。きょろきょろと辺りを見回して目的の物を探し始めた。
「ツツミ。あれ。じゃない?」
エウラシアがとある方向を指さす。そこにあったのは確かに件の三体のヒヒイロノカネでできた像だった。
「おお! 確かにあれだよ! 見て、レカエル!」
「え、ええ。しかし我が主を差し置いてそんな、人間に崇められるなんて……。おや?」
レカエルはまだ煮え切らない顔をしていたが、像の様子を見ていぶかしげな顔をした。
「きゃっきゃっ! わーいわーい!」
「みてみて! 上までのぼれたー!」
「おにいちゃんすごーい! わたしもわたしも!」
「わーい、おっぱいおっぱい」
像の辺りに小さな子供が集まって遊んでいる。像を叩く、上に登る、色々な場所を触る、やりたい放題である。
「ほらー。あんまりはしゃいで落ちるんじゃないぞー」
「はーい!」
近くにいた父親らしき牛人の青年が子供をたしなめる。とはいっても微笑ましく見守っている表情で、ことさら咎める様子もない。
「……なんか、崇められてるって感じじゃないね」
「え。ええ。きゃわいい子供たちが楽しそうでなによりですね」
「私。おっぱい。触られてる」
どう見ても神聖さとか荘厳さとかとはかけ離れたほのぼの日常風景である。
何とも言えない様子で子供たちを見つめる三人に気が付いたのか、先ほどの父親が近づいてきた。
「ごめんね、騒がしくしてしまって」
「い、いえいえ! 子供が元気なのは良いことです!」
軽く頭を下げる父親にパタパタと手を振って言うレカエル。
「なにぶん遊び盛りでね……。はは」
「そ、そうだよね! ところでお父さん、あの像なんだけど……」
「うん? あのオブジェかい?」
神像でもご神体でもなくオブジェときた。
「う、うん。あの、お、オブジェってなに?」
「あれかい? もしかして君たちは街の外から来た人かな?」
「え、ええ。そうなんです」
ツツミとレカエルの質問に父親は優しく答えてくれた。
「この広場のシンボルみたいなものかな? なかなかよくできてるだろう。けっこう古い物らしいね」
「そ、そうなんですか。なんていう名前の像なんですか?」
「名前? 名前は……あるのかな? みんな『広場の像』とか『噴水の像』とか呼んでるけど」
「ねえ由来は? どういう由来で造られたの?」
「さあ……? なにせこの街より古いんじゃないかって話らしいからね。知ってる人は……いるのかな」
どうやら市民の憩いの場にあるオブジェくらいの扱いらしい。
「では、信仰の対象となる神の像ではないのですね……」
怒るべきか喜ぶべきか微妙な表情のレカエル。と、父親は不思議そうな顔をした。
「神様? 神様の像なら教会に行けばあるよ?」
「教会があるのですか!?」
レカエルが勢い込んで尋ねる。どうやら自分の主を信じる人間が集う場所を想像しているのだろう。
「いやいやレカエル、それよりも神様にひっかかるべきでしょ。……お父さん、神様ってここにある像の三人じゃないの?」
「えっ? いや、これはただの美術品じゃないか」
「別に神様がいるの!? どんな神様!?」
「どんなって……神様といえば神様だろう?」
どうも話がかみ合わない。釈然としない顔の父親にツツミ。こうなってしまっては聞くより見たほうが早い。
「お父さん! 教会の場所、教えて!」
「……本当に街ができてる」
上空から見下ろしながらツツミが呟く。大小さまざまな建物が密集していた。材質に統一性はない。レンガを組み上げたもの、石材のもの、木でできたものなどが入り混じっている。
様式も色々で、純和風といった感じの屋敷から、エウラシアの国にあるような白く四角い石造りの建物、西洋風の家屋などごちゃまぜだった。
そもそも街といったがちゃんとした境目もないようだ。城壁や門などがないので、どこまでが街であるという明確な区分がない。
「なんというか、秩序がないですね」
レカエルの言葉通り都市計画もなにもあったものではない街である。
「まあこれはこれでなんかいいじゃん! さ、降りてみようか」
「ちょっと。待って」
勇み足のツツミを引き留めたのはエウラシアだった。
「私たちの。像が。あるくらい。このまま。降りたら。うー。面倒に。なるかも」
「……たしかにそうですね」
鳥たちの映像がいつ、どこのものかはわからないが、明らかにツツミたちをモチーフとした像があった。
「あ、そうだね。いやあ、女神降臨って騒ぎになっちゃったりして! ね、試しに一回だけこのまま行ってみない?」
「わざわざ厄介事を招く必要もないでしょう。はしゃぎすぎですよ」
ツツミの提案は二人の同意を得られなかった。
「ツツミ、あなた人間界で遊ぶときはどうしていたのです?」
「ん? 耳としっぽだけ見えなくしてた」
「服装はそのままですか? あなたの国の一般的な恰好とはだいぶ違う気がしますが……。神職の女性が着る服だと前に言っていましたね」
ツツミの巫女装束を見ながらレカエルが尋ねる。
「あー、大丈夫! うちの国の人間たちにはこういう文化もあるから。私がよく行く場所とか、巫女じゃないのにこの格好してる人結構いたし。写真を撮らせてほしいってよく言われた!」
「おや。なかなか信心深い人間がいるのですね。邪教とはいえ感心なことです」
「いや、信仰心から着てるわけじゃないんだけど……」
ツツミはなんと説明したものか考えたが、長くなりそうなので諦めた。
「ま、まあ置いといて。とりあえず今回はこれでいいでしょ」
ツツミは指をパチンと鳴らしてゆったりとしたポンチョを出した。足元まであるタイプのものである。フードもついているので耳も隠せるだろう。
「ではエウラシア。私たちも」
「……んー」
レカエルとエウラシアも同じような服を出した。これでレカエルの背の翼も天使の輪も、エウラシアのツタが巻き付いたようないで立ちも目立たない。
「そういえば、エウラシアが服着てるってなんか新鮮」
ツツミの言葉にエウラシアはどこか窮屈そうな様子だった。
「……うー。落ち着かない。服。きらい。……やっぱ。脱ごうかな」
「やめなさい。男性の目もあるのですから」
エウラシアの扇情的な恰好で街に入れば、ニンフどうこう以前に良くないことが起こりそうな予感がするレカエルだった。
「おお。結構にぎやかになってきたね!」
街の外れに降りたった三人は中心部と思われる辺りに向かってのんびり歩いていた。はじめは畑や家がぽつぽつとあるだけだったが、やがて道は舗装され、お店が立ち並ぶ大通りが広がり始める。
「人間も多いですね。取引も活発なようです」
レカエルが言うように、大通りは商品を売る人、買う人で賑わっていた。往来から見える店の中には食べ物や服、家具や日用品が並べられている。
「それにしても、ここにいる人間たちは……。その、人種が様々というか……」
「う、うん。そうだね」
行きかう人々の姿は様々だった。大きく分けて三タイプ。いわゆる純粋なヒューマノイド、角と蹄を持つ牛人、体の後ろを中心に羽毛を持つ鳥人である。
「……イヴとミノタリア、タンチョウによく似ていますね」
「そ、そだね。お嫁さん候補三人によく似てるね」
「……お嫁さん候補の中からアツシに一人選ばせる。そういう話でしたね」
「う、うんうんその通り! いやあ、アツシは誰を選んだのかな! 気になるね!」
「これは。どう。考えても。ハーレ……」
「やめなさい! ……まだそうと決まったわけではないのです。結論を出すのは後でいいでしょう」
エウラシアの言葉をレカエルが遮り、この話は一旦中断となった。
「お、あれはもしかして広場じゃない? 鳥たちのイメージに出てきたやつだ!」
通りを眺めながらてくてく歩いてきた三人。やがて街の中心らしい開けた場所に着いた。どうやら鳥たちが見せてくれた広場はこれらしい。
「イメージ通り噴水もありますね。地下水か、川から水路を引いているのかわかりませんが……。こういう風に水を使えるという事は、生活用水も充実しているのでしょう」
「そんなことより像! 私たちの像は!?」
真面目に考察しているレカエルをよそに、俄然テンションが上がってきたツツミである。きょろきょろと辺りを見回して目的の物を探し始めた。
「ツツミ。あれ。じゃない?」
エウラシアがとある方向を指さす。そこにあったのは確かに件の三体のヒヒイロノカネでできた像だった。
「おお! 確かにあれだよ! 見て、レカエル!」
「え、ええ。しかし我が主を差し置いてそんな、人間に崇められるなんて……。おや?」
レカエルはまだ煮え切らない顔をしていたが、像の様子を見ていぶかしげな顔をした。
「きゃっきゃっ! わーいわーい!」
「みてみて! 上までのぼれたー!」
「おにいちゃんすごーい! わたしもわたしも!」
「わーい、おっぱいおっぱい」
像の辺りに小さな子供が集まって遊んでいる。像を叩く、上に登る、色々な場所を触る、やりたい放題である。
「ほらー。あんまりはしゃいで落ちるんじゃないぞー」
「はーい!」
近くにいた父親らしき牛人の青年が子供をたしなめる。とはいっても微笑ましく見守っている表情で、ことさら咎める様子もない。
「……なんか、崇められてるって感じじゃないね」
「え。ええ。きゃわいい子供たちが楽しそうでなによりですね」
「私。おっぱい。触られてる」
どう見ても神聖さとか荘厳さとかとはかけ離れたほのぼの日常風景である。
何とも言えない様子で子供たちを見つめる三人に気が付いたのか、先ほどの父親が近づいてきた。
「ごめんね、騒がしくしてしまって」
「い、いえいえ! 子供が元気なのは良いことです!」
軽く頭を下げる父親にパタパタと手を振って言うレカエル。
「なにぶん遊び盛りでね……。はは」
「そ、そうだよね! ところでお父さん、あの像なんだけど……」
「うん? あのオブジェかい?」
神像でもご神体でもなくオブジェときた。
「う、うん。あの、お、オブジェってなに?」
「あれかい? もしかして君たちは街の外から来た人かな?」
「え、ええ。そうなんです」
ツツミとレカエルの質問に父親は優しく答えてくれた。
「この広場のシンボルみたいなものかな? なかなかよくできてるだろう。けっこう古い物らしいね」
「そ、そうなんですか。なんていう名前の像なんですか?」
「名前? 名前は……あるのかな? みんな『広場の像』とか『噴水の像』とか呼んでるけど」
「ねえ由来は? どういう由来で造られたの?」
「さあ……? なにせこの街より古いんじゃないかって話らしいからね。知ってる人は……いるのかな」
どうやら市民の憩いの場にあるオブジェくらいの扱いらしい。
「では、信仰の対象となる神の像ではないのですね……」
怒るべきか喜ぶべきか微妙な表情のレカエル。と、父親は不思議そうな顔をした。
「神様? 神様の像なら教会に行けばあるよ?」
「教会があるのですか!?」
レカエルが勢い込んで尋ねる。どうやら自分の主を信じる人間が集う場所を想像しているのだろう。
「いやいやレカエル、それよりも神様にひっかかるべきでしょ。……お父さん、神様ってここにある像の三人じゃないの?」
「えっ? いや、これはただの美術品じゃないか」
「別に神様がいるの!? どんな神様!?」
「どんなって……神様といえば神様だろう?」
どうも話がかみ合わない。釈然としない顔の父親にツツミ。こうなってしまっては聞くより見たほうが早い。
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