犬のきもち

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しにたくない!!おれはまだ死にたくない!たすけて!ポチー!!」
遠くからジェムの声が微かにしかしはっきりと聞こえた。

「ジェム!?まさかジェムは!」

嫌な予感はしていたここに居ようといったときと別れ際泣きそうな顔をしていた。それよりも連れていかれるときジェムは震えていたんだ!
なんで気付かなかったんだ!ジェムは気丈にふるまっていたんだ俺のために!気づけたはずだ!時々職員に怯えながらも連れていかれている犬たちが居たんだ!ジェムもほんとは怖かったはずだ
気付けていればもっとはやく気付けていれば!!いやまだだ!

ポチは鉄格子に何度も体当たりした!

ドンッドンッ

「クソっ!クソっ!」
鉄格子はびくともしなかった。

そして実感としてわかったジェムは死んだんだ。言い表せないような虚脱感と同時に真逆の胸からこみあげてくるものがあった。

アオーーーン!

大きな遠吠えの何度も何度も上げずにはいられなかった。

ポチは人生で二度目の涙を流したのであった。



あれから数日後ポチは檻の中の片隅に寝ていた。
ここにいるものは大体3日~7日でいなくなるようだ。とうに、7日は過ぎているだろうになぜまだ自分の番が来ないかはわからない。しかしただ待っていればいいのだ、そしたらいつか俺は家族やジェムの所にいけるのだから。

俺とジェムの関係を知ってか何匹話しかけてくる犬もいたが申し訳ないが誰かと話す気力はなかった。いや、ただ誰かと親しい関係になるのが怖いんだろう。また俺の元から離れて行ってしまうではないかと。

扉の開く音が聞こえた。新しい犬が来たのだろう。メスのゴールデンレトリバーのようだ。
ここに来るのは純血種が多く来るみたいだ。だからか出ていくのは早く入りは少ないのだろうここに残るのは俺みたいな偏屈な犬しかいないのだろう。

そうこう考えているうちにメスのゴールデンレトリバーが話しかけてきた。

「ねぇねぇ、なんかここじめじめしない?」

ここはいつも通り無視して寝よう。明日になれば無駄だとわかって話かけないだろう。
そっと深い眠りについた。
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