20 / 34
20:取り調べ①
しおりを挟む
午前10時、森に覆われた丘陵の坂道を、葉月を乗せた黒塗りの高級車が静かに下っていた。
「ふわぁぁぁぁ、眠い。昨晩は一睡もしていないし、出席はあまり気が進まんな」
後部座席に座る葉月が、立食パーティーの招待状を見ながらぼやいた。
格式ばった挨拶文の下には『衆議院議員 久松康夫』と書かれている。
久松は前の総理大臣で、今も与党の重鎮として君臨する政界きっての実力者だ。
4年前に起きた武蔵航空472便墜落事故の際には、迅速な対応をしたことで危機管理に強いリーダーという評価を得て、国民から根強い人気がある。
「とはいえこの人には可愛がってもらっているからな、さすがに断れん。政治資金集めくらいは協力しておくか」
招待状の入った封筒には、5万円のパーティー券が同封されている。
これから向かうホテルの立食パーティーは、会場こそ大きくて豪華なものの、料理はサンドイッチかフライドポテト、飲み物もビールかウーロン茶しかない質素なものだ。
一人あたりの経費はせいぜい1万円、つまり差し引き4万円が久松の懐に入る。
パーティー券は幽霊参加者を含めて3000枚が売れたというから、今日だけで1億2千万の儲け、まったくいい商売だと思う。
「ま、さっさと挨拶だけ済ませて、適当な所で帰るればいいさ。こっちはこっちでやることがあるからな」
葉月はカバンの中からタブレットを取り出した。
画面に映っているのは、檻の中にいる怪盗アクアの姿だ。
白神に頼んで、監視カメラの映像はいつでも見られるようにしてある。
「うふふ、足掻いている足掻いている」
画面に映るレオタード姿の女怪盗は、鉄格子を調べたり、這いつくばって床を探ったりと、必死に檻からの脱出を試みている。
それを見ながら葉月はニンマリと口元を吊り上げた。
「いくら調べても無駄だよ、その檻は遠隔操作でしか開けられないなd。いくら君でも脱出は絶対に不可能さ」
タブレットに向かって語りかける葉月の顔には、歪んだ笑みが浮かんでいる。
「くだらんパーティーから帰ってきてひと眠りしたら、いよいよ調教の開始だ。君の心を折り、そこから逃げることを諦めさせて、絶対に私のものにしてあげるからね、はっはっはっ」
「ふわぁぁぁぁ、眠い。昨晩は一睡もしていないし、出席はあまり気が進まんな」
後部座席に座る葉月が、立食パーティーの招待状を見ながらぼやいた。
格式ばった挨拶文の下には『衆議院議員 久松康夫』と書かれている。
久松は前の総理大臣で、今も与党の重鎮として君臨する政界きっての実力者だ。
4年前に起きた武蔵航空472便墜落事故の際には、迅速な対応をしたことで危機管理に強いリーダーという評価を得て、国民から根強い人気がある。
「とはいえこの人には可愛がってもらっているからな、さすがに断れん。政治資金集めくらいは協力しておくか」
招待状の入った封筒には、5万円のパーティー券が同封されている。
これから向かうホテルの立食パーティーは、会場こそ大きくて豪華なものの、料理はサンドイッチかフライドポテト、飲み物もビールかウーロン茶しかない質素なものだ。
一人あたりの経費はせいぜい1万円、つまり差し引き4万円が久松の懐に入る。
パーティー券は幽霊参加者を含めて3000枚が売れたというから、今日だけで1億2千万の儲け、まったくいい商売だと思う。
「ま、さっさと挨拶だけ済ませて、適当な所で帰るればいいさ。こっちはこっちでやることがあるからな」
葉月はカバンの中からタブレットを取り出した。
画面に映っているのは、檻の中にいる怪盗アクアの姿だ。
白神に頼んで、監視カメラの映像はいつでも見られるようにしてある。
「うふふ、足掻いている足掻いている」
画面に映るレオタード姿の女怪盗は、鉄格子を調べたり、這いつくばって床を探ったりと、必死に檻からの脱出を試みている。
それを見ながら葉月はニンマリと口元を吊り上げた。
「いくら調べても無駄だよ、その檻は遠隔操作でしか開けられないなd。いくら君でも脱出は絶対に不可能さ」
タブレットに向かって語りかける葉月の顔には、歪んだ笑みが浮かんでいる。
「くだらんパーティーから帰ってきてひと眠りしたら、いよいよ調教の開始だ。君の心を折り、そこから逃げることを諦めさせて、絶対に私のものにしてあげるからね、はっはっはっ」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
こども病院の日常
moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。
18歳以下の子供が通う病院、
診療科はたくさんあります。
内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc…
ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。
恋愛要素などは一切ありません。
密着病院24時!的な感じです。
人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。
※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。
歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる