ダンジョンクリエイト -洞穴から始まる異世界攻略-

初期ダンジョン

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ゴブリンのしゃがれた耳障りな声は歓喜に満ちていた。
足を持って引き摺られてきたのは、、人間の男が2名と女性が1名。
おそらく10代後半くらいだろうか？
抵抗は見られないが男の内1人は手足がありえない方向を向いているし、他の2人も何かしら怪我をしているのはわかる。

ゴブリン自身も怪我をしているようだし、数匹少なくなっているように思う。かなり激しい戦闘があったのだろう。

ゴブリン達は少女の手足を縄で縛ると、落とし穴のある横穴に雑に投げ込む。

手足を折られている男は、、おそらく戦士だろうか？革鎧に破れた衣服から楔帷子のようなものが見える。粗雑なゴブリンの装備に比べると品質は良さそうだ。

もう1人はローブを着ており余り筋肉質ではないし、魔道士だろう。

目を覚ましたとして、まともに抵抗できそうなのは魔道士のみだが、、、その魔道士も服を剥ぎ取られ、猿轡を噛まされる。魔法対策としたら、ゴブリンの知能は見た目よりはありそうだ。

少女は、、1人横穴に投げ込まれた事を考えると繁殖用だろうか？

守護者を見ると特に気にした風もなく佇んでいる。最初に取り込んだ魂の質はダンジョンにとってとても重要だ。取り込んだ魂に近い魂への守護者の親和性が強くなる。

強化させる時に、例えば魔道士の魂なら魔法が得意になる傾向にあるし戦士なら肉体的に強くなる。種族も重要で、例えば同じ魔力量の人間とエルフなら、エルフの方が成長率が高くなる、などだ。

なので、ゴブリンは殺せずにいた訳で、、、その意味であの3人にも取り込む魅力はないと言える。

ダンジョンが魂を取り込むにはダンジョンの仕掛けや生み出した魔物で殺す必要がある。彼らがゴブリンに殺されても影響はない。だから、暫く様子見だな、、。

ゴブリンに仲間を悼む習慣はない。そんな訳でさっそく獲物を使った遊びが始まった。

囚われた魔道士は粗雑な机に縛り付けられている。ゴブリンは無抵抗の獲物にはあり得ないくらい残酷だ。

だから、叫びもしない、恐怖も感じない気絶状態など許さない。頬をはたいたり、ションベンをかけたりして意識を取り戻させる。

哀れな魔道士は己の置かれた状況を理解し声にならない叫び声をあげ必死に逃げようと抵抗するが、、無理だ。

彼の恐怖に煽られるようにゴブリンの狂気も加速する。

目的が相手の苦痛を求めるだけの拷問に耐えられるだろうか？いや、そもそも耐える理由がない。

彼は片目を抉られ、残った方も閉じられないように器用に瞼を剥がされる。テレビのグルメレポーターがするようにカメラに向かってゆっくりと目玉を咀嚼する。カメラマンの絶望はその演出がとても効果的だと伝えている。

彼はその後すぐに残った片目も悪臭を放つ舌ですくうようにかぶりついたゴブリンの口に消えていく。

視覚を失った彼に世界はどう見えるのだろう？
軽い甘噛み、ねっとりと這う舌の感触、、、、その都度反応する玩具に、次第に遊びは激しさを増して、ナイフで腹部を切開すると嬉しそうに手を突っ込み内臓を揉みしだき、、外に引き摺り出していく。

打ちどころが悪ければ転んだだけで死ぬこともある。
悪くなければ？

人はこんなにも欠損しながら生きられるのかと驚くことだろう。彼が息絶えるまで3時間以上はかかったのだ。

そして、、途中で意識をとり戻した戦士と少女の絶望は如何程だろう？

あのおぞましい宴、正しく邪悪な魔物の次の食事は自分なのだ。どう考えても助からない現実を受け入れられなどしないだろう。

邪悪な視線が次の哀れな被害者へ向く。手足を折られて、既に戦意を喪失した戦士は死ぬなら楽に、、、、視線を浴びた瞬間に思い切り舌を噛みちぎる。

だが、彼の不幸は、、ゴブリンの知能の高さを知らなかったことだ。彼らにしてみればそんな場面何度も見てきたし、玩具を長く活かす方法は丹念に調べ上げてきたのだ。

テレビドラマで舌を噛んだ瞬間に死ぬなんて演出があるがあれは間違い。噛み切った舌は弛緩して腫れた舌が喉奥に詰まり窒息死するだけだ。

だから、彼らは顎を外して汚い手を突っ込むと舌を強引に引き出す。そして器用に縛り付け紐を通して強引に止血と気道を確保して見せてのだ。

再びはじまった血の狂乱、、、少女は恐らく孕み袋として種の保存に貢献するのだろう。

、、、恐らく僕の前世は人間だ。

あの3人を見た時に少し親近感を覚えたのは間違いないし、少女を見た時、ゴブリン如きの玩具にはもったいないと感じた。

何もないコアルームでゴブリンを観察する日々には確かに飽き飽きしていたし、侵入した生命を弄ぶのはダンジョンのはずだろ？

それにダンジョンの知識はあっても外の知識はない。
どんな罠や仕組みなら攻略され難いか、何があれば人気のダンジョンになるのか、そう言った情報が欲しい。

「戦う力はなさそうだけど、コアルームにご招待はさすがにできないから、、」

コアルームの位置をずらして、、落とし穴の下に三畳程の空間を作成して、、コアルームと通路で繋ぐ。
コアルーム側の通路との設置面に鉄格子を設置して、、牢屋を完成させる。

もしあのゴブリンが何者かに討伐されてもいいように、情報源を確保するのは悪くない考えだ。
少女が消えたとしたら怪しむだろうが、、見つからなければそれまでだ。