1 / 23
1. 愚か者の金
しおりを挟む
その男、片山天雄は人生に倦んでいた。
華やかな舞台に立ち、聴衆から喝采を浴びながらも、彼の心は満たされていなかった。
片山はここ呂色国で今、最も勢いがある漫談師だ。まさにこの瞬間も、政府高官、大病院の院長、そして最上位の華族たちが、彼が次に放つ言葉を固唾を飲んで見守っている。
「紳士淑女の皆様、今宵も御機嫌よう!わたくし片山がお話させていただきます。昔ある男が田舎道を通りかかると、小さい子が石使って火を起こしてましてん。でもそれ、どう見てもキンキラキンの金塊やってん!」
片山は大げさな動きをしながらネタのさわりを披露した。一瞬の静寂の後、1人のマダムを皮切りに爆笑の渦が広がった。
何で今笑うねん。まだ笑いどころやないやろ。
お辞儀をして聴衆の歓声に答えながら、片山は冷え切った心で彼らをあざ笑う。
彼らの中に今、ネタで笑っている奴なんて一人もいない。さっき話した部分に笑いどころなど入れていないのだから。ただ“教養のある”マダムが笑うタイミングを真似しているだけだ。こっちが頭を振り絞って考えてきたネタが、ただ教養のアピールとして使われている。
そんな奴らの前で道化を演じている自分が堪らなく惨めになって、片山は笑顔のまま奥歯を食いしばった。
誰か一人だけ。誰か一人だけでいいから、どうか俺の笑ってほしい場面で笑ってくれ。
「ボクなんでそれで火ぃ起こしてんの、と男が聞くと、子供はこう言う。これは“ふるご”っていう石で、火ぃつけるのに使うもんや、と。男は無知な子供から二束三文で金塊を買い上げると、意気揚々と町まで向かって…」
ネタを続ける彼の視界の端で、なにかがちら、と動いた。
それは銀のトレイだった。女中が抱えたトレイが、彼の言葉に合わせてかすかに揺れてシャンデリアの光を反射しているのだ。彼女はうつむいていたが、その口元は笑いを堪えるようにへの字に曲げられていた。気のせいだろうかと思い、彼はネタを続ける。
「男は宝石屋に入ると、この金塊、いくらで売れる?と得意顔。すると宝石店のおっちゃん、あんたこれは金やない、“ふるご”や、と笑って返す。金やないって?さっきからその“ふるご”って何やねん。男が聞くと、おっちゃんはにやりと笑って答えましてん。これは金とよく似た黄鉄鋼、別名は“フールズゴールド”(愚か者の金)……さすが皆さん、ここで大爆笑!今日いらっしゃる方々はバッタもんなんか絶対持たへんもんねえ。この話を別の会場でやった時、皆一斉になんやごそごそし始めて、自分の“金”製品を確かめてはったのに!それではどうも、ありがとうございました!」
笑う聴衆の端で、先ほどの女中もまた皆と同じようにうつむいて控えめに笑っている。しかし彼の漫談師としての直感が、彼女が他とは違う理由で…自分の意図を理解して笑っていると告げていた。
片山の目がその女中にくぎ付けになっていると、彼女がふと顔を上げた。意志の強そうな漆黒の瞳と目が合う。笑いや拍手の音が遠くなり、この場で息をしているのが2人だけのような錯覚に陥る。彼女の瞳は少しもたじろぐことなく、片山をまっすぐに見据えていた。
それが、片山と女中…琥珀の出会いだった。
「片山様、今夜の漫談も最高でしたわ。さすが呂色国一番の漫談師!」
漫談が終わり舞台を降りると、聴衆の中で一番に笑ったマダムが取り巻きと共に近づいてきた。彼女はここ呂色国の大蔵大臣を務める霞氏の夫人で、 国中のインテリが集まるサロンを主宰している。悪い人ではないが笑いのツボがズレており、妙なタイミングで吹き出すのが玉に瑕だ。
「あの王妃さまがお気に召したというのも納得です。こんなに笑ったん、生まれて初めてかもしれませんわ」
「うち殿方の前であんなに口を開けて笑ってしもて…マダム、今度から片山様がいらっしゃるときは事前に教えてくださいな。お扇子もってきますからぁ」
頬を上気させた取り巻きたちも、口々に片山を誉めそやす。名前こそ憶えていないが、確か彼女たちも地位ある夫を持っていたはずだ。
「奥様方のお褒めに預かり光栄です。楽しんでもらえたみたいで、漫談師冥利につきますわ」
片山はおどけたような笑みを浮かべ、軽くお辞儀をした。汗で崩れた前髪に彼女たちの熱い視線が注がれていることに気づき、さりげなく髪を撫でつける。彼はもう若いとは言えない年だが、そのすっきりとした顔立ちは年を経るごとに魅力的を増しており、本人もそれを自覚していた。
「片山君、お疲れ様。うちの妻のお相手は疲れるだろう」
マダムの夫、霞大蔵大臣が笑いながら会話に入ってきた。霞氏は一見どこにでもいる小太りの男だが、実はこの国の財政を握っている権力者だ。
「いつもパーティーに呼んでもらって、マダムにはほんまいくら感謝しても足りませんわ。今日もこない豪華な館で舞台に立たせてもらって。水晶の館、でしたっけ?ほんまにものすごいお屋敷ですねえ」
「綺麗なところでしょう?ここの所有者が女中さんたちの派遣業をやっていらして、お屋敷自体が事務所になっているらしいの」
「館の説明はそこまでにして。私も片山君と喋りたいからね」
「はいはい、わかりました。それでは私は退散いたしますわ。男同士の会話をどうぞ楽しんでください」おどけたように口をとがらせながら、マダムとその取り巻きたちは去っていった。
「ようやくうるさいご婦人方が退散なさったか。実はね、今晩は彼の補佐官就任祝いも兼ねているんだ。正式発表はまだだから、秘密にしてくれよ」
霞大臣が腹を揺らしながら笑うと、隣にいた割りばしのように細い男が頭を掻きながら会釈をした。
「それはめでたい!お若いのにご立派なことで」
「いえ、自分なんかただの穴埋めです。前の補佐官が病気で急に辞任してしまって…」
「病気ですか。前の方には何度かお会いしたことありますけど、お元気そうやったのに」
「キセキの呪い、だよ」
大臣がにやりと笑った。呪い。華やかな場に似つかわしくないその言葉に、片山は眉をひそめた。
「先の革命で断絶させられた悲劇の王家、輝石家…かつて栄華を誇った姿は見る影もなく、当主は惨めに野垂れ死に、一族は海外で消息を絶ち、唯一残された姫は行方不明」怪談を語るようなおどろおどろしい口調で、大臣が説明を始めた。
先の革命は数年前に起こったもので、まだ片山の記憶にも新しかった。呂色国が建国されてから千年近く、この国は逞灼、賢泉、輝石の3王家が100年ごとに交代で政治を行っていくのが決まりだった。だが数年前、当時政権を握っていた逞灼家に対して賢泉家が反乱を起こし、勝利した賢泉家がこの国唯一の王家として君臨するようになった。輝石家は確か、それに巻き込まれて断絶させられたはず…
片山はおぼろげな記憶を掘り起こした。革命がおこった当時彼はまだ売れっ子の中の一人という程度で、政府高官と親しく話すほどの地位ではなかったため、あまり政府の内情には詳しくないのだ。
「ところが革命の後から、輝石家の断絶に関わった人たちに恐ろしい不幸が降りかかるようになったんだ。汚職で罷免されたり、妻の不貞で爵位を剥奪されたりね。今回も、病気ってのは建前で、本当は予算の横領がバレたのさ」驚きでたじろぐ割りばし男に目をやりながら、大臣は笑った。
「そしてなんと、ここ水晶の館は昔輝石家のものだったんだ。輝石家はずっと海外に住んでいたから、王家関係者でもない限り誰も顔は知らないし、もしかしたら今もこの館のどこかに潜んで復讐の日を待っているかも…」
「もうそろそろ止めて下さい、背筋が冷たくなりました」
「さすが大臣、話がめっちゃ上手いですなあ。本業のボクも聞き入ってもうた」
「それはどうも。ま、呪いを受けたのは後ろ暗いことをしていた奴らばかりだから、誠実に仕事していれば何も恐れることは無いよ。それに君の仕事はあの王子のお付きだからね、彼の傍に居れば何の心配ないよ」
「男前な上に頭もいいって評判の、氷冠王子でしたっけ。そんな人のお付きなんてすごいやないですか。いやあ呂色国の未来は明るいなあ」
大臣はすっかり青ざめてしまった割りばし男の背中を笑いながらバンバンと叩き、シャンパンを運んでいる女中を呼んだ。
「昇進と、素晴らしい漫談に」グラスを目の高さまで掲げ、3人は黄金色の液体を一気に飲み干した。
その後も取り留めのない雑談がだらだら進んだが、酔いが回ってくるにつれ熱を帯びていく彼の脳は、ある一つの事柄でいっぱいになっていた。
片山を真っすぐ見据えた、あの女中。冷静になって考えてみると、高等教育を受けた上流階級でさえ理解できない自分のネタをいち女中がわかるはずもなかった。そう頭では理解していても、彼の直感がそれを強く否定する。理解者に飢えすぎて直感が鈍っているのかもしれないが、とにかくあの女中と話をしてみたい。
熱を帯びた瞳で会場をぐるりと見渡したが、彼女の姿は見つからなかった。酔いのせいか必要以上に強く落胆を感じてしまい、この場で笑顔を取り繕っているのが急に嫌になってきた。
「すみません、ちょっと飲みすぎましたわ。外で頭冷やしてきます」
「輝石の呪いに気を付けて」
大臣の言葉にあいまいな笑みを返しながら、片山は席を立った。
華やかな舞台に立ち、聴衆から喝采を浴びながらも、彼の心は満たされていなかった。
片山はここ呂色国で今、最も勢いがある漫談師だ。まさにこの瞬間も、政府高官、大病院の院長、そして最上位の華族たちが、彼が次に放つ言葉を固唾を飲んで見守っている。
「紳士淑女の皆様、今宵も御機嫌よう!わたくし片山がお話させていただきます。昔ある男が田舎道を通りかかると、小さい子が石使って火を起こしてましてん。でもそれ、どう見てもキンキラキンの金塊やってん!」
片山は大げさな動きをしながらネタのさわりを披露した。一瞬の静寂の後、1人のマダムを皮切りに爆笑の渦が広がった。
何で今笑うねん。まだ笑いどころやないやろ。
お辞儀をして聴衆の歓声に答えながら、片山は冷え切った心で彼らをあざ笑う。
彼らの中に今、ネタで笑っている奴なんて一人もいない。さっき話した部分に笑いどころなど入れていないのだから。ただ“教養のある”マダムが笑うタイミングを真似しているだけだ。こっちが頭を振り絞って考えてきたネタが、ただ教養のアピールとして使われている。
そんな奴らの前で道化を演じている自分が堪らなく惨めになって、片山は笑顔のまま奥歯を食いしばった。
誰か一人だけ。誰か一人だけでいいから、どうか俺の笑ってほしい場面で笑ってくれ。
「ボクなんでそれで火ぃ起こしてんの、と男が聞くと、子供はこう言う。これは“ふるご”っていう石で、火ぃつけるのに使うもんや、と。男は無知な子供から二束三文で金塊を買い上げると、意気揚々と町まで向かって…」
ネタを続ける彼の視界の端で、なにかがちら、と動いた。
それは銀のトレイだった。女中が抱えたトレイが、彼の言葉に合わせてかすかに揺れてシャンデリアの光を反射しているのだ。彼女はうつむいていたが、その口元は笑いを堪えるようにへの字に曲げられていた。気のせいだろうかと思い、彼はネタを続ける。
「男は宝石屋に入ると、この金塊、いくらで売れる?と得意顔。すると宝石店のおっちゃん、あんたこれは金やない、“ふるご”や、と笑って返す。金やないって?さっきからその“ふるご”って何やねん。男が聞くと、おっちゃんはにやりと笑って答えましてん。これは金とよく似た黄鉄鋼、別名は“フールズゴールド”(愚か者の金)……さすが皆さん、ここで大爆笑!今日いらっしゃる方々はバッタもんなんか絶対持たへんもんねえ。この話を別の会場でやった時、皆一斉になんやごそごそし始めて、自分の“金”製品を確かめてはったのに!それではどうも、ありがとうございました!」
笑う聴衆の端で、先ほどの女中もまた皆と同じようにうつむいて控えめに笑っている。しかし彼の漫談師としての直感が、彼女が他とは違う理由で…自分の意図を理解して笑っていると告げていた。
片山の目がその女中にくぎ付けになっていると、彼女がふと顔を上げた。意志の強そうな漆黒の瞳と目が合う。笑いや拍手の音が遠くなり、この場で息をしているのが2人だけのような錯覚に陥る。彼女の瞳は少しもたじろぐことなく、片山をまっすぐに見据えていた。
それが、片山と女中…琥珀の出会いだった。
「片山様、今夜の漫談も最高でしたわ。さすが呂色国一番の漫談師!」
漫談が終わり舞台を降りると、聴衆の中で一番に笑ったマダムが取り巻きと共に近づいてきた。彼女はここ呂色国の大蔵大臣を務める霞氏の夫人で、 国中のインテリが集まるサロンを主宰している。悪い人ではないが笑いのツボがズレており、妙なタイミングで吹き出すのが玉に瑕だ。
「あの王妃さまがお気に召したというのも納得です。こんなに笑ったん、生まれて初めてかもしれませんわ」
「うち殿方の前であんなに口を開けて笑ってしもて…マダム、今度から片山様がいらっしゃるときは事前に教えてくださいな。お扇子もってきますからぁ」
頬を上気させた取り巻きたちも、口々に片山を誉めそやす。名前こそ憶えていないが、確か彼女たちも地位ある夫を持っていたはずだ。
「奥様方のお褒めに預かり光栄です。楽しんでもらえたみたいで、漫談師冥利につきますわ」
片山はおどけたような笑みを浮かべ、軽くお辞儀をした。汗で崩れた前髪に彼女たちの熱い視線が注がれていることに気づき、さりげなく髪を撫でつける。彼はもう若いとは言えない年だが、そのすっきりとした顔立ちは年を経るごとに魅力的を増しており、本人もそれを自覚していた。
「片山君、お疲れ様。うちの妻のお相手は疲れるだろう」
マダムの夫、霞大蔵大臣が笑いながら会話に入ってきた。霞氏は一見どこにでもいる小太りの男だが、実はこの国の財政を握っている権力者だ。
「いつもパーティーに呼んでもらって、マダムにはほんまいくら感謝しても足りませんわ。今日もこない豪華な館で舞台に立たせてもらって。水晶の館、でしたっけ?ほんまにものすごいお屋敷ですねえ」
「綺麗なところでしょう?ここの所有者が女中さんたちの派遣業をやっていらして、お屋敷自体が事務所になっているらしいの」
「館の説明はそこまでにして。私も片山君と喋りたいからね」
「はいはい、わかりました。それでは私は退散いたしますわ。男同士の会話をどうぞ楽しんでください」おどけたように口をとがらせながら、マダムとその取り巻きたちは去っていった。
「ようやくうるさいご婦人方が退散なさったか。実はね、今晩は彼の補佐官就任祝いも兼ねているんだ。正式発表はまだだから、秘密にしてくれよ」
霞大臣が腹を揺らしながら笑うと、隣にいた割りばしのように細い男が頭を掻きながら会釈をした。
「それはめでたい!お若いのにご立派なことで」
「いえ、自分なんかただの穴埋めです。前の補佐官が病気で急に辞任してしまって…」
「病気ですか。前の方には何度かお会いしたことありますけど、お元気そうやったのに」
「キセキの呪い、だよ」
大臣がにやりと笑った。呪い。華やかな場に似つかわしくないその言葉に、片山は眉をひそめた。
「先の革命で断絶させられた悲劇の王家、輝石家…かつて栄華を誇った姿は見る影もなく、当主は惨めに野垂れ死に、一族は海外で消息を絶ち、唯一残された姫は行方不明」怪談を語るようなおどろおどろしい口調で、大臣が説明を始めた。
先の革命は数年前に起こったもので、まだ片山の記憶にも新しかった。呂色国が建国されてから千年近く、この国は逞灼、賢泉、輝石の3王家が100年ごとに交代で政治を行っていくのが決まりだった。だが数年前、当時政権を握っていた逞灼家に対して賢泉家が反乱を起こし、勝利した賢泉家がこの国唯一の王家として君臨するようになった。輝石家は確か、それに巻き込まれて断絶させられたはず…
片山はおぼろげな記憶を掘り起こした。革命がおこった当時彼はまだ売れっ子の中の一人という程度で、政府高官と親しく話すほどの地位ではなかったため、あまり政府の内情には詳しくないのだ。
「ところが革命の後から、輝石家の断絶に関わった人たちに恐ろしい不幸が降りかかるようになったんだ。汚職で罷免されたり、妻の不貞で爵位を剥奪されたりね。今回も、病気ってのは建前で、本当は予算の横領がバレたのさ」驚きでたじろぐ割りばし男に目をやりながら、大臣は笑った。
「そしてなんと、ここ水晶の館は昔輝石家のものだったんだ。輝石家はずっと海外に住んでいたから、王家関係者でもない限り誰も顔は知らないし、もしかしたら今もこの館のどこかに潜んで復讐の日を待っているかも…」
「もうそろそろ止めて下さい、背筋が冷たくなりました」
「さすが大臣、話がめっちゃ上手いですなあ。本業のボクも聞き入ってもうた」
「それはどうも。ま、呪いを受けたのは後ろ暗いことをしていた奴らばかりだから、誠実に仕事していれば何も恐れることは無いよ。それに君の仕事はあの王子のお付きだからね、彼の傍に居れば何の心配ないよ」
「男前な上に頭もいいって評判の、氷冠王子でしたっけ。そんな人のお付きなんてすごいやないですか。いやあ呂色国の未来は明るいなあ」
大臣はすっかり青ざめてしまった割りばし男の背中を笑いながらバンバンと叩き、シャンパンを運んでいる女中を呼んだ。
「昇進と、素晴らしい漫談に」グラスを目の高さまで掲げ、3人は黄金色の液体を一気に飲み干した。
その後も取り留めのない雑談がだらだら進んだが、酔いが回ってくるにつれ熱を帯びていく彼の脳は、ある一つの事柄でいっぱいになっていた。
片山を真っすぐ見据えた、あの女中。冷静になって考えてみると、高等教育を受けた上流階級でさえ理解できない自分のネタをいち女中がわかるはずもなかった。そう頭では理解していても、彼の直感がそれを強く否定する。理解者に飢えすぎて直感が鈍っているのかもしれないが、とにかくあの女中と話をしてみたい。
熱を帯びた瞳で会場をぐるりと見渡したが、彼女の姿は見つからなかった。酔いのせいか必要以上に強く落胆を感じてしまい、この場で笑顔を取り繕っているのが急に嫌になってきた。
「すみません、ちょっと飲みすぎましたわ。外で頭冷やしてきます」
「輝石の呪いに気を付けて」
大臣の言葉にあいまいな笑みを返しながら、片山は席を立った。
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる