My² Gene❇︎マイジーン ~URAZMARY~

泥色の卵

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     ~第2章・おまけ(会話のみ)

   +@2話 風呂好きの鬼

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~水王家大浴場・6年前~


「あっ……涙流華るるか様……失礼します。」

八千代やちよ茉雛まひなか。気を使うな。」

「あ、ありがとうございます。」

「お隣失礼します。」

「あぁ。」

「今日は仕入れだったのか?」

「はい。宇宙港まで一月分の食糧を。」

「毎回お前達使用人だけで行っているのか?」

「いえ、待機の侍衆の方々に護衛でついてきていただいております。」

「お前達使用人だけで運んでいるのか?侍衆共ももちろん運んでいるのだろう?」


「あっ、いや……侍衆の方々は護衛で忙しいと思いますので……」


「運んでいないんだな。使用人だけでは男手はほぼないだろう?今度から護衛と運搬でそれぞれ侍衆を出させるようにする。」

「い、いえ!!そんな!侍衆の方々にそこまで迷惑をかけるわけには……!」

「忍び衆にも声をかけるとしよう。」


「いっそ当番制にしてはどうだ?私も護衛か運搬に就く。」

「め、滅相もございません!!涙流華様!!結構です!」

「心配するな。私が今決めた。侍衆にも忍び衆にも文句は言わせん。」


「涙流華様……その様なお心遣い……有難き幸せにございます……」


「で、では失礼します……」

「お前達、湯舟につからないのか?」


「使用人が長風呂など……」

「それに水王家は男性がほとんどですし、女湯の時間は30分しかありませんから、早く上がった方がよいかと……」

「それは侍衆の男共に言われたのだな?」

「あっ……いえ……その……」

「その様子だと忍び衆からもか。」

「そうか……30分まるまる浸かっていたのは私だけか……」


「その手拭借りるぞ。待っていろ。」

「涙流華様!?どこへ!?」




▽▽▽
▽▽





「軍団長……!なんという格好でおられるのです!はしたないですぞ!!」

とき乃々ののはどこだ?」

「女房と娘なら夕餉の準備の前で休んでいますが……?」




「涙流華様!?その格好は!?」

「時、乃々。家中の女性陣に伝えろ。“今すぐ風呂の準備をして大浴場に来い”と。」

「は……?」

「早くしろ。これは水王家の軍団長命令だ。男共が聞いてきたらそう答えろ。」




千里華チリカ!!!千里華どこだ!!!」



▽▽▽
▽▽



~大浴場~


「これは一体……?」

「皆、湯舟にもつからず3分も経たない内に上がっていたんだな。」

「中には午後6時からの30分に間に合わず、風呂に入れないときもあったそうだな。すまなかった。」


「これからは午後6時から午後9時までの3時間、女性陣で大浴場を使うことにした。」

「気兼ねなく使え。軍団長命令だ。」


「本当にいいのでしょうか……?夫たちにお叱りを受けそうですが……」

「あやつら洗うところも気に掛けるところも大してないくせに風呂が長いのだ。」

「男共に文句は言わせない。何かあったら私に言え。」

「ゆっくりと入ってくれ。」


「涙流華様……!!」




~大浴場入口前・午後6時30分~


「あぁ~今日も疲れた~、風呂上がったら一杯やるか。」

「あぁ、今日の夕餉はなんだろうな……ん?なんだ?立て看板?」



今後午後6時から午後9時までは女湯とする
  異論のある者は果たし状を持ってこい
          水王涙流華  


「なんだこれは……!!」


「どうした?」

「あっ、殿……!!これを……!」


「涙流華か………これは………大人しく出直すとしよう……」



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