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第4章 演劇部編
第19話 頼りにされている?
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「わーっ、助けてくれーっ!! 怖いようーっ!!」
教室中に立花部長の声が響き渡っている。
「さすが部長だわ!! 凄い演技力よねっ!?」
「そ、そうね。ホント凄い演技よね……」
順子は目を輝かせながら惚れ惚れとした表情で立花部長の演技を観ていたけど、私は内心、穏やかではなかった。
だって数時間前に立花部長は五十鈴君のことを『隆君』って呼んでいたのだから……
部長はどういう気持ちでいつも五十鈴君と接しているんだろう?
ただ部長として副部長に接しているだけなのだろうか?
もしかして『年下の男の子』に恋愛感情を……
「石田、照明の打ち合わせをやらないか?」
「えっ? あっ、五十鈴君……うん、そうだね。そろそろ打ち合わせをした方が良いよね?」
今回の『七夕祭り』には、ほとんどの四年生は演者としては出ない。
ほとんどが裏方をやることになっている。
そして私と五十鈴君は『体育館二階東側の照明係』としてペアを組むことになり、実のところ私は天にも昇る様なくらい嬉しくて仕方が無かった。
ちなみに『西側の照明係』は順子と田中君……
私とは逆に順子は『くじ引き』を恨むと共に、この世の終わりの様な顔をしていたけど大丈夫なのかな?
「俺達はこの場面とこの場面では青色の照明を照らして、それでこの場面では赤い照明を回転させながら照らさないとダメなんだよなぁ……」
私は台本を指さしながら説明している彼をジッと見ている。
本来なら『中身が十五歳』の私が、まだ十歳にもなっていない彼にうっとりしているのは変なんだろうけど、どうしても彼のことは『大人の男性』を見るような感覚になってしまう。
やはりこの感覚って『恋』のせいなのかな……?
「おい、石田? 俺の話、聞いているのか?」
「えっ? ああ、ゴメン。全然、聞いてなかったわ……」
「オイオイオイッ、頼むぞ石田!? 俺も『照明』なんて初めて扱うんだから結構不安だし……石田のことを頼りにしてるんだからな……」
「えっ、そうなの? 私は五十鈴君は何でもできる子って思ってたよ」
「バッ、バカなことを言わないでくれよ。何でもできるわけないじゃん。俺達まだ『四年生』なんだぞ。どちらかといえば石田の方が俺よりもしっかりしていると思うけどなぁ……」
私の方が彼よりもしっかりしていると思っていたのはほんのわずかな期間だけ……
今の私は彼のことを心の底から尊敬している。
「ワン!! ワン!! ワン!!」
あっ、この声は……
教室中に時期部長の佐藤さんの声が響き渡っている。
「佐藤さん最高!! ブッ!!」
五年の福田さんがお腹を押さえながら本当は爆笑したいところだが、それをなんとか必死に我慢しながら佐藤さんに言った。
福田さんの声を聞いた佐藤さんは福田さんを睨みつけた。
その様子を見ていた他の部員は『ヤバイッ』と思ったのか、全員よそ見をするか自分の仕事をやりだし始める。勿論、私達も……
「山口先生、立花部長、何んで私が犬役なんですか? 私人間の役が良かったのに……」
少し涙目になりながら佐藤さんは二人に訴えている。
「だって佐藤さん、立花さんから佐藤さんが幽霊役をやってくれるみたいって聞いていたから、そのあと直ぐに他の配役決めてしまったから……まさか、佐藤さんが幽霊役だけは嫌だなんて知らなかったしねぇ……」
顧問の山口先生が少し困った表情で答えていた。
そして立花部長が冷静な表情で淡々と言い出した。
「強面の男性役は六年の天野君、老夫婦役は六年の時田君と高田さん、除霊師役は六年の大浜さん、若い夫婦役は四年生から抜擢の木場君と夏野さん、酔っ払っている若いOL二人組は六年の安達さんに轟さん。あと残っている役は犬と背景の木の役だけだったから……さすがに次期部長に木の役は失礼だと思ったから一番盛り上がる場面の幽霊を追いかける犬の役の方がいいかなって……プッ……」
最後の方は立花部長も視線をそらして答えていた。そして五十鈴君の方を見て
「ねっ、隆君? 佐藤さん犬の演技とてもうまいよね?」
急にフラれてしまった彼はとても慌てていたけど、
「えっ!? そっ、そうですね!! とてもうまいです!! 本物の犬かと思いました!!」
と苦しい返答をしたけど、直ぐに近くにいた高山君が両腕を左右に上げたまま、とても嫌そうな顔をしながら佐藤さんにこう言った。
「佐藤さん、犬でいいじゃないですかぁぁ。僕なんか裏方の予定だったのに木の役をする予定だった福田さんの弟さんが急遽入院することになって僕が代役になってしまったんですからね。もし良かったら僕と代わりませんか? 僕、木の役より犬役の方がまだマシです。両腕をずっと上げるのはかなりきついですよぉ!!」
高山君がワザとフォローめいたことを言ってくれたのかは謎だけど、佐藤さんの訴えのせいで教室内が異様な空気になりかけていたので高山君の言葉が空気を和らげた感じになり演劇部全員が少しホッとした。
また佐藤さんも高山君の言葉で少し冷静になり木の役よりはましかな? と思い出してきているようにもうかがえる。
「高山君ごめんねぇ。弟の誠は双子なのにさぁ、昔から俺と違って体が弱くてさぁ……本当は俺が代わりに入院して病院で一日中テレビ観たいのに勉強好きのあいつの方が入院しちゃうなんてさぁ……ほんっとゴメンねぇ……」
福田さんが少し申し訳なさそうに高山君に言うと、
「いずれにしても佐藤さん、次期部長としてはこういう動物の役を経験するのも必要じゃないのかしら? 私はそう思うんだけど!!」
立花部長と仲良しでみんなからは『陰の副部長』と言われている高田瑞穂さんがそう言い、
「佐藤さん、私は将来女優になりたくて演劇部に入ってるし劇団にも所属してるけど、どんな役でも全力でやればとても美しく見えるものよ。私は今テレビや本で除霊師の研究中よ!! あなたも本気で犬の研究してみたらどうかしら?」
同じく立花部長と仲良しの大浜楓さんがキレのある声でそう言った。
「佐藤さん、僕なんか大道具担当なのに見た目だけで強面の男役になってしまったんだぞぉぉ。ぼ、僕はそんな怖い性格じゃないのにさ」
見た目と違いとても優しい性格の天野さんも佐藤さんに優しく話し出した。
そして高山君や六年生の人達の言葉を一つ一つ噛みしめてから佐藤さんは目を大きくし、こう言った。
「わかりました!! 高山君には悪いけど私、木の役は無理だと思うの。私、犬の役を時期部長として一生懸命頑張ります!! 大浜さんみたいに今日から犬の研究もします!! なので皆さんよろしくお願いします!! 立花部長、隆君ゴメンなさいっ!!」
立花部長は笑顔で佐藤さんの肩を叩いている。
しかし、佐藤さんまで彼のことを『隆君』って呼ぶなんて……
顧問の山口先生が話し出した。
「さぁ、話がまとまったところで稽古再開よ!! 大道具さんも天野君と高山君が稽古で無理だから小道具担当の望月君中心によろしくね? 七夕祭りまであと一ヶ月切ったからみんな気合い入れて頑張りましょう!!」
「 「 「はーい」 」 」
全員大きな声で返事をし、稽古再開というところで高山君が
「先生、部長、すみません……僕、稽古中は腕を上げなくてもいいですか? このままだと本番には腕が痛くて上がらないかもです~」
「プッ」
五十鈴君が高山君の訴えに思わず吹き出すと教室中が大爆笑の渦になった。
「そうね。このままだと高山君かわいそうだから大道具で何か腕を支えれるような道具を作りましょうか。 それじゃぁ、望月君よろしくね!?」
立花部長は笑いながらそう言った。
元小道具担当、現在大道具兼小道具担当、小柄な望月さんが大きな声で
「えーっ、また仕事追加かよ~っ!?」
さらに教室中が笑い声でいっぱいになった。
私はこの『演劇部』の雰囲気がとても心地よくて、このままずっと続いてほしい気持ちになっていた。
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
とても良い雰囲気の中? 稽古は進んでいる。
そして次回、七夕祭り開催!!
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
教室中に立花部長の声が響き渡っている。
「さすが部長だわ!! 凄い演技力よねっ!?」
「そ、そうね。ホント凄い演技よね……」
順子は目を輝かせながら惚れ惚れとした表情で立花部長の演技を観ていたけど、私は内心、穏やかではなかった。
だって数時間前に立花部長は五十鈴君のことを『隆君』って呼んでいたのだから……
部長はどういう気持ちでいつも五十鈴君と接しているんだろう?
ただ部長として副部長に接しているだけなのだろうか?
もしかして『年下の男の子』に恋愛感情を……
「石田、照明の打ち合わせをやらないか?」
「えっ? あっ、五十鈴君……うん、そうだね。そろそろ打ち合わせをした方が良いよね?」
今回の『七夕祭り』には、ほとんどの四年生は演者としては出ない。
ほとんどが裏方をやることになっている。
そして私と五十鈴君は『体育館二階東側の照明係』としてペアを組むことになり、実のところ私は天にも昇る様なくらい嬉しくて仕方が無かった。
ちなみに『西側の照明係』は順子と田中君……
私とは逆に順子は『くじ引き』を恨むと共に、この世の終わりの様な顔をしていたけど大丈夫なのかな?
「俺達はこの場面とこの場面では青色の照明を照らして、それでこの場面では赤い照明を回転させながら照らさないとダメなんだよなぁ……」
私は台本を指さしながら説明している彼をジッと見ている。
本来なら『中身が十五歳』の私が、まだ十歳にもなっていない彼にうっとりしているのは変なんだろうけど、どうしても彼のことは『大人の男性』を見るような感覚になってしまう。
やはりこの感覚って『恋』のせいなのかな……?
「おい、石田? 俺の話、聞いているのか?」
「えっ? ああ、ゴメン。全然、聞いてなかったわ……」
「オイオイオイッ、頼むぞ石田!? 俺も『照明』なんて初めて扱うんだから結構不安だし……石田のことを頼りにしてるんだからな……」
「えっ、そうなの? 私は五十鈴君は何でもできる子って思ってたよ」
「バッ、バカなことを言わないでくれよ。何でもできるわけないじゃん。俺達まだ『四年生』なんだぞ。どちらかといえば石田の方が俺よりもしっかりしていると思うけどなぁ……」
私の方が彼よりもしっかりしていると思っていたのはほんのわずかな期間だけ……
今の私は彼のことを心の底から尊敬している。
「ワン!! ワン!! ワン!!」
あっ、この声は……
教室中に時期部長の佐藤さんの声が響き渡っている。
「佐藤さん最高!! ブッ!!」
五年の福田さんがお腹を押さえながら本当は爆笑したいところだが、それをなんとか必死に我慢しながら佐藤さんに言った。
福田さんの声を聞いた佐藤さんは福田さんを睨みつけた。
その様子を見ていた他の部員は『ヤバイッ』と思ったのか、全員よそ見をするか自分の仕事をやりだし始める。勿論、私達も……
「山口先生、立花部長、何んで私が犬役なんですか? 私人間の役が良かったのに……」
少し涙目になりながら佐藤さんは二人に訴えている。
「だって佐藤さん、立花さんから佐藤さんが幽霊役をやってくれるみたいって聞いていたから、そのあと直ぐに他の配役決めてしまったから……まさか、佐藤さんが幽霊役だけは嫌だなんて知らなかったしねぇ……」
顧問の山口先生が少し困った表情で答えていた。
そして立花部長が冷静な表情で淡々と言い出した。
「強面の男性役は六年の天野君、老夫婦役は六年の時田君と高田さん、除霊師役は六年の大浜さん、若い夫婦役は四年生から抜擢の木場君と夏野さん、酔っ払っている若いOL二人組は六年の安達さんに轟さん。あと残っている役は犬と背景の木の役だけだったから……さすがに次期部長に木の役は失礼だと思ったから一番盛り上がる場面の幽霊を追いかける犬の役の方がいいかなって……プッ……」
最後の方は立花部長も視線をそらして答えていた。そして五十鈴君の方を見て
「ねっ、隆君? 佐藤さん犬の演技とてもうまいよね?」
急にフラれてしまった彼はとても慌てていたけど、
「えっ!? そっ、そうですね!! とてもうまいです!! 本物の犬かと思いました!!」
と苦しい返答をしたけど、直ぐに近くにいた高山君が両腕を左右に上げたまま、とても嫌そうな顔をしながら佐藤さんにこう言った。
「佐藤さん、犬でいいじゃないですかぁぁ。僕なんか裏方の予定だったのに木の役をする予定だった福田さんの弟さんが急遽入院することになって僕が代役になってしまったんですからね。もし良かったら僕と代わりませんか? 僕、木の役より犬役の方がまだマシです。両腕をずっと上げるのはかなりきついですよぉ!!」
高山君がワザとフォローめいたことを言ってくれたのかは謎だけど、佐藤さんの訴えのせいで教室内が異様な空気になりかけていたので高山君の言葉が空気を和らげた感じになり演劇部全員が少しホッとした。
また佐藤さんも高山君の言葉で少し冷静になり木の役よりはましかな? と思い出してきているようにもうかがえる。
「高山君ごめんねぇ。弟の誠は双子なのにさぁ、昔から俺と違って体が弱くてさぁ……本当は俺が代わりに入院して病院で一日中テレビ観たいのに勉強好きのあいつの方が入院しちゃうなんてさぁ……ほんっとゴメンねぇ……」
福田さんが少し申し訳なさそうに高山君に言うと、
「いずれにしても佐藤さん、次期部長としてはこういう動物の役を経験するのも必要じゃないのかしら? 私はそう思うんだけど!!」
立花部長と仲良しでみんなからは『陰の副部長』と言われている高田瑞穂さんがそう言い、
「佐藤さん、私は将来女優になりたくて演劇部に入ってるし劇団にも所属してるけど、どんな役でも全力でやればとても美しく見えるものよ。私は今テレビや本で除霊師の研究中よ!! あなたも本気で犬の研究してみたらどうかしら?」
同じく立花部長と仲良しの大浜楓さんがキレのある声でそう言った。
「佐藤さん、僕なんか大道具担当なのに見た目だけで強面の男役になってしまったんだぞぉぉ。ぼ、僕はそんな怖い性格じゃないのにさ」
見た目と違いとても優しい性格の天野さんも佐藤さんに優しく話し出した。
そして高山君や六年生の人達の言葉を一つ一つ噛みしめてから佐藤さんは目を大きくし、こう言った。
「わかりました!! 高山君には悪いけど私、木の役は無理だと思うの。私、犬の役を時期部長として一生懸命頑張ります!! 大浜さんみたいに今日から犬の研究もします!! なので皆さんよろしくお願いします!! 立花部長、隆君ゴメンなさいっ!!」
立花部長は笑顔で佐藤さんの肩を叩いている。
しかし、佐藤さんまで彼のことを『隆君』って呼ぶなんて……
顧問の山口先生が話し出した。
「さぁ、話がまとまったところで稽古再開よ!! 大道具さんも天野君と高山君が稽古で無理だから小道具担当の望月君中心によろしくね? 七夕祭りまであと一ヶ月切ったからみんな気合い入れて頑張りましょう!!」
「 「 「はーい」 」 」
全員大きな声で返事をし、稽古再開というところで高山君が
「先生、部長、すみません……僕、稽古中は腕を上げなくてもいいですか? このままだと本番には腕が痛くて上がらないかもです~」
「プッ」
五十鈴君が高山君の訴えに思わず吹き出すと教室中が大爆笑の渦になった。
「そうね。このままだと高山君かわいそうだから大道具で何か腕を支えれるような道具を作りましょうか。 それじゃぁ、望月君よろしくね!?」
立花部長は笑いながらそう言った。
元小道具担当、現在大道具兼小道具担当、小柄な望月さんが大きな声で
「えーっ、また仕事追加かよ~っ!?」
さらに教室中が笑い声でいっぱいになった。
私はこの『演劇部』の雰囲気がとても心地よくて、このままずっと続いてほしい気持ちになっていた。
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