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第4章 演劇部編
第18話 いつの間に下の名前呼びを!?
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四年一組
それが私がいるクラスである。
教室の片隅でクラスメイトの大石哲也君、村瀬秀延君、森重裕也君、そして五十鈴君、高山君の五人で雑談をしているのを私は少し離れたところで耳だけを傾けていた。
「しかし、五十鈴凄いよなぁぁ。お前演劇部の副部長なんだろ? 四年生で副部長って他の部にはいないよなぁ。俺のところの理科部なんかは部長も副部長も六年だし……」
クラス一の長身でおっとりした性格の村瀬君がそう言うと、
「でも五年生になったら俺と高山と五十鈴はバスケ部に入るんだから来年、演劇部を辞めるのは辛いんじゃないの? 別に俺は五十鈴がそうしたいのなら演劇部のままでもいいけどさ……」
大石君が少しニヤリとしながら言う。
その大石君の言葉に五十鈴君と高山君は無言で聞いていた。
そうだったよね。五十鈴君は五年生になったら『バスケ部』に入るんだったよね。
まぁ、私もだけど……
『前の世界』では彼がどういう選択をしてどう進んでいくかなんて知らなかったから彼が行動を起こす度に驚きの連続だったけど、『この世界』では前もって知っていることばかりが起こっていくので私にすればなんだか新鮮味が無いんだよなぁ……
多少のズレや違いはあるけど……
あっ、久子が五十鈴君のことを好きになるというのは『前の世界』では無かったことだから、それが一番驚いたかもしれないなぁ……
私がそんなことを思いながら聞き耳を立てていると今度は森重君の声がしてきた。
「バスケ部は人気あるから部員も多いし、六年生になってもレギュラーになれるかどうかわからないぞ。俺や村瀬みたいに卓球部に入ったらどうだ? 卓球部は地味でうちの学校ではあまり人気ないし、すぐにレギュラーになれそうじゃん。それに五十鈴も大石も高山も身長そんなに高くないんだしさ」
すると常に冷静な五十鈴君にしては珍しく強い口調で森重君に言い返す。
「何言ってんだよ!? そんなのやってみないとわからないじゃん!! 背が低くても俺の父さんなんかは昔バスケ部の副部長をやってたんだからな!!」
彼の反論に大石君や高山君も大きく頷き賛同していた。しかし森重君は更に言い続ける。
「五十鈴のお父さんの時代ってさ、バスケする人も少なかっただろうし田舎の話だろ? 部員だって少なかったんじゃないのか?」
森重君の言葉に、さすがにカチンときた五十鈴君は森重君に詰め寄ろうとした時、教室の入り口の方から五十鈴君を呼ぶ声がした。
「ちょっと五十鈴くーん!」
その声の主は久子だった。
「五十鈴くーん、六年の人が五十鈴君に用があるらしくて廊下で待っているわよ」
久子がそう言うとその後ろの廊下に立花部長が微笑みながら立っていた。
すると彼はハッと我に返ったみたいで落ち着きを取り戻し、一目散に立花部長の方へ駆け寄って行った。
別にそんなに慌てて行かなくてもいいじゃない……
私は彼を見てそう思ってしまった。
そんな様子を見ていた男子達は、すぐに高山君以外の三人が高山君に
「あの美人は誰だ!? もしかして演劇部の人なのか?」
目を大きくしながら大石君がそう質問をすると、村瀬君も高山君に、
「六年って寿さんが言っていたから、あの人がもしかして演劇部の部長さんなのかい?」
と、聞いている。
「俺、理科部辞めて演劇部に入ろうかな!! 寿さんと同じくらいに美人じゃん!!」
他の者より少しマセている森重君が鼻を膨らませながら言っている。
彼等の質問や意見を高山君は呆れた表情をしながら適当に返事をし、廊下で話をしている五十鈴君と立花部長の方に目をやっていた。
そんな私も自然と体が動いてしまい、いつの間にか廊下の方へ少しだけ近づいていた。
久子も私に近づいてきて「あの人、凄く美人だよね? それに凄く五十鈴君と仲良さそうだし……」
久子はそう言いながら不安と不満が入り混じった様な表情をしている。
久子、あなただけじゃないのよ。私も同じ気持ちだから。
『前の世界』とは少し違う動きがもう一つあったわ。
そう、いくら『演劇部』の部長と副部長だからといっても、立花部長が五十鈴君に近寄り過ぎている様な気がする……
数分後、五十鈴君と立花部長との話は終わり、彼は少し困った表情で教室に入ろうとしていた。その際、立花部長は彼の背中に向かってこう言った。
「隆君、それじゃまた後でね」
「は、はい……」
「 「!!!!」 」
た、た、た、隆君ですって!?
い、いつの間に立花部長は五十鈴君のことを『隆君』って下の名前を呼ぶようになったの!? わ、私ですら彼に一度も下の名前で呼んだことなんて無いのにさ!!
そう思いながら私が久子の顔を見てみると、今度は悔しそうな表情をしていた。
だから久子、私も同じ気持ちだからね!!
これから彼のことを下の名前で呼べるように一緒に頑張りましょう!!
と心の中で久子を励ました。すると……
「わ、私……『家庭科部』辞めて『演劇部』に入り直そうかな……」
と、久子が小声でとんでもないことを呟いていたので私は思わずこう言った。
「ひ、久子、森重君みたいなこと言っちゃダメよ!! 久子には『家庭科部』で頑張る理由があるんだからね!!」
「そ、そうだね……私としたことが恥ずかしいわ……ひ、浩美、ありがとね……」
「ううん、別にお礼を言われるほどのことじゃないから……」
いずれにしてもこれは『女の勘』だけど、立花部長は私達にとって『要注意人物』であるのは間違いないようだ。
五十鈴君は『はぁ……』とため息をつきながら少しうつむき加減で教室に戻って来た。
それを待ち構えていたかのように大石君、村瀬君、森重君の三人は彼に立花部長のことを根掘り葉掘り聞こうとしていたので私や久子もそれに便乗して彼のところに近づいて行った。
「どうしたんだ? 部長に何か言われたのかい?」
高山君が心配そうな顔で彼に問いかけたので私も彼に聞いてみた。
「何か五十鈴君が困る様なことでも言われたの?」
「いやさ……困るというか、なんというか……誰もやりたがらない『ドジな幽霊役』をさ、立花部長がやるって言ってきたんだよ……」
「え? それなら良かったじゃない。佐藤さんもあれだけ嫌がっていたんだしさ」
あれ?
これも『前の世界』とは違う展開だわ。本来なら佐藤さんが嫌々、『ドジな幽霊役』をするはずなんだけど……
「まぁ、そうなんだけどさぁ……でも……もしかすると『ドジな幽霊』がさ……」
彼がそう言うと高山君が、
「立花部長がその役をやると『綺麗な幽霊』になってしまうかもしれないよね……」
またしても少しだけ『未来』が変わるようだ……
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
立花部長を『要注意人物』と断定した浩美。
そして皆が嫌がる主役を演じると言って来た立花部長
それい困惑している五十鈴君
浩美の言う通り『未来』が少し変わるのか?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
それが私がいるクラスである。
教室の片隅でクラスメイトの大石哲也君、村瀬秀延君、森重裕也君、そして五十鈴君、高山君の五人で雑談をしているのを私は少し離れたところで耳だけを傾けていた。
「しかし、五十鈴凄いよなぁぁ。お前演劇部の副部長なんだろ? 四年生で副部長って他の部にはいないよなぁ。俺のところの理科部なんかは部長も副部長も六年だし……」
クラス一の長身でおっとりした性格の村瀬君がそう言うと、
「でも五年生になったら俺と高山と五十鈴はバスケ部に入るんだから来年、演劇部を辞めるのは辛いんじゃないの? 別に俺は五十鈴がそうしたいのなら演劇部のままでもいいけどさ……」
大石君が少しニヤリとしながら言う。
その大石君の言葉に五十鈴君と高山君は無言で聞いていた。
そうだったよね。五十鈴君は五年生になったら『バスケ部』に入るんだったよね。
まぁ、私もだけど……
『前の世界』では彼がどういう選択をしてどう進んでいくかなんて知らなかったから彼が行動を起こす度に驚きの連続だったけど、『この世界』では前もって知っていることばかりが起こっていくので私にすればなんだか新鮮味が無いんだよなぁ……
多少のズレや違いはあるけど……
あっ、久子が五十鈴君のことを好きになるというのは『前の世界』では無かったことだから、それが一番驚いたかもしれないなぁ……
私がそんなことを思いながら聞き耳を立てていると今度は森重君の声がしてきた。
「バスケ部は人気あるから部員も多いし、六年生になってもレギュラーになれるかどうかわからないぞ。俺や村瀬みたいに卓球部に入ったらどうだ? 卓球部は地味でうちの学校ではあまり人気ないし、すぐにレギュラーになれそうじゃん。それに五十鈴も大石も高山も身長そんなに高くないんだしさ」
すると常に冷静な五十鈴君にしては珍しく強い口調で森重君に言い返す。
「何言ってんだよ!? そんなのやってみないとわからないじゃん!! 背が低くても俺の父さんなんかは昔バスケ部の副部長をやってたんだからな!!」
彼の反論に大石君や高山君も大きく頷き賛同していた。しかし森重君は更に言い続ける。
「五十鈴のお父さんの時代ってさ、バスケする人も少なかっただろうし田舎の話だろ? 部員だって少なかったんじゃないのか?」
森重君の言葉に、さすがにカチンときた五十鈴君は森重君に詰め寄ろうとした時、教室の入り口の方から五十鈴君を呼ぶ声がした。
「ちょっと五十鈴くーん!」
その声の主は久子だった。
「五十鈴くーん、六年の人が五十鈴君に用があるらしくて廊下で待っているわよ」
久子がそう言うとその後ろの廊下に立花部長が微笑みながら立っていた。
すると彼はハッと我に返ったみたいで落ち着きを取り戻し、一目散に立花部長の方へ駆け寄って行った。
別にそんなに慌てて行かなくてもいいじゃない……
私は彼を見てそう思ってしまった。
そんな様子を見ていた男子達は、すぐに高山君以外の三人が高山君に
「あの美人は誰だ!? もしかして演劇部の人なのか?」
目を大きくしながら大石君がそう質問をすると、村瀬君も高山君に、
「六年って寿さんが言っていたから、あの人がもしかして演劇部の部長さんなのかい?」
と、聞いている。
「俺、理科部辞めて演劇部に入ろうかな!! 寿さんと同じくらいに美人じゃん!!」
他の者より少しマセている森重君が鼻を膨らませながら言っている。
彼等の質問や意見を高山君は呆れた表情をしながら適当に返事をし、廊下で話をしている五十鈴君と立花部長の方に目をやっていた。
そんな私も自然と体が動いてしまい、いつの間にか廊下の方へ少しだけ近づいていた。
久子も私に近づいてきて「あの人、凄く美人だよね? それに凄く五十鈴君と仲良さそうだし……」
久子はそう言いながら不安と不満が入り混じった様な表情をしている。
久子、あなただけじゃないのよ。私も同じ気持ちだから。
『前の世界』とは少し違う動きがもう一つあったわ。
そう、いくら『演劇部』の部長と副部長だからといっても、立花部長が五十鈴君に近寄り過ぎている様な気がする……
数分後、五十鈴君と立花部長との話は終わり、彼は少し困った表情で教室に入ろうとしていた。その際、立花部長は彼の背中に向かってこう言った。
「隆君、それじゃまた後でね」
「は、はい……」
「 「!!!!」 」
た、た、た、隆君ですって!?
い、いつの間に立花部長は五十鈴君のことを『隆君』って下の名前を呼ぶようになったの!? わ、私ですら彼に一度も下の名前で呼んだことなんて無いのにさ!!
そう思いながら私が久子の顔を見てみると、今度は悔しそうな表情をしていた。
だから久子、私も同じ気持ちだからね!!
これから彼のことを下の名前で呼べるように一緒に頑張りましょう!!
と心の中で久子を励ました。すると……
「わ、私……『家庭科部』辞めて『演劇部』に入り直そうかな……」
と、久子が小声でとんでもないことを呟いていたので私は思わずこう言った。
「ひ、久子、森重君みたいなこと言っちゃダメよ!! 久子には『家庭科部』で頑張る理由があるんだからね!!」
「そ、そうだね……私としたことが恥ずかしいわ……ひ、浩美、ありがとね……」
「ううん、別にお礼を言われるほどのことじゃないから……」
いずれにしてもこれは『女の勘』だけど、立花部長は私達にとって『要注意人物』であるのは間違いないようだ。
五十鈴君は『はぁ……』とため息をつきながら少しうつむき加減で教室に戻って来た。
それを待ち構えていたかのように大石君、村瀬君、森重君の三人は彼に立花部長のことを根掘り葉掘り聞こうとしていたので私や久子もそれに便乗して彼のところに近づいて行った。
「どうしたんだ? 部長に何か言われたのかい?」
高山君が心配そうな顔で彼に問いかけたので私も彼に聞いてみた。
「何か五十鈴君が困る様なことでも言われたの?」
「いやさ……困るというか、なんというか……誰もやりたがらない『ドジな幽霊役』をさ、立花部長がやるって言ってきたんだよ……」
「え? それなら良かったじゃない。佐藤さんもあれだけ嫌がっていたんだしさ」
あれ?
これも『前の世界』とは違う展開だわ。本来なら佐藤さんが嫌々、『ドジな幽霊役』をするはずなんだけど……
「まぁ、そうなんだけどさぁ……でも……もしかすると『ドジな幽霊』がさ……」
彼がそう言うと高山君が、
「立花部長がその役をやると『綺麗な幽霊』になってしまうかもしれないよね……」
またしても少しだけ『未来』が変わるようだ……
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
立花部長を『要注意人物』と断定した浩美。
そして皆が嫌がる主役を演じると言って来た立花部長
それい困惑している五十鈴君
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