異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ

賃金

　一般的なお給料はいくらなのだろうか？ちなみに今までいっていた金貨には小がつく、小金貨が現代に戻ると一万円に変化した、金の換金率とは別だろうけど、神様がそう定めたんだろう。　
　
　銅貨が１００円、銀貨が１０００円、小金貨が一万円、金貨が５万円、大金貨が１０万円、小白金貨が１００万円、白金貨が１０００万円、大白金貨が５０００万円、聖青白金貨が一億と上には上がある。　
　
　ちなみに金貨を金として見た場合、日本の相場で４万円と一万くらいの誤差がある。　
　
　まぁそれはどうでもいいのだが、一般的な宿で食事つきで銀貨８枚から小金貨１枚が相場、宿に３０日泊るなら小金貨で３０枚＋食事は一食だけなので、食事を別料金の銀貨５枚と計算、３０日で小金貨１５枚、小金貨４５枚で一か月生活出来る事になる。　
　
　ちなみに兵士や町の警備をしている兵達は、大金貨５～７枚が大金貨として支給される。　
　
　中級冒険者パーティーのダンジョンでの魔物が安定供給される状態での狩りで、５人組なら一日小白金貨３枚が平均目安だと言われている、もちろん綺麗に魔物を殺したなど、傷が少ない程、皮や肉に価値があるものだとか、買取は変わってくるが、魔物がポンポンと沸いてくるので慣れていないと命の危険度はかなり高い。　
　
　オークやオーガなどは小金貨３枚、オークウォリアーなどで金貨１枚オークキングなどになってくると個体差によって大金貨５枚から小白金貨まで値段が高騰することもある。　
　
　ゴブリンなど他の種族でも個体差や強さによって査定は変わってくる、体内の魔石の純度でも高純度なものは高値で取引される、たまに小さな個体でありながら高純度魔石やレアリティの高い魔石などを輩出するラッキーな存在などもいる。　
　
　さて飲食店の話に戻そう、もちろん安い素材で串焼きやセット料理などで銀貨１枚で大体お腹いっぱい食べられる、だがこの世界では高級な食材や様々な食材が多種多様にある、露店だからといってその全ての料金が銅貨ばかりではない、中には串焼き一本で銀貨５枚、ものによっては小金貨１枚など高額の物も少なくはない、ただ高いいい素地を使えば売れるわけでもなく、安くても人が絶え間なく並ぶ店もあれば、良い物を使っているのに人がこない店も多い、逆に貴族をターゲットにした店なのに、冒険者の利用者が一番多いなど、中々に読みずらい。　
　
　「金貨四枚っていうから驚いたが、小金貨４枚かよ！？でも３の鐘の時間で小金貨４枚かぁ～ぼろい商売だな！中堅の飲食店なら一日小金貨１枚くらいが妥当じゃないか？」　
　
　「それに私達、ご飯も住むところも斗真さんにお世話になってます」　
　
　「否、それはいいんだよ。じゃあ一日小金貨２枚ならどうかな？」　
　
　「そんなにもらってもいいの！？お風呂もあってお布団もふかふかでご飯も美味しいのに！？」　
　
　「なんだかんだで、リリが家事してくれてるし、仕込みも手伝ってくれてるしね、それに材料費も格安で譲ってもらえて、お客さんも多い、かなり儲けてる方だよ。それに材料次第でこれからの儲けも変わってくるし、そんな中俺だけ金が溜まっていくなんてなんか不公平なきがしてなぁ」　
　
　最初から儲ける気もあまりなかった、おままごとの様な始まり方で、急に大金を手にしてしまったような？そんな気分というか、ニーアさん達のたまり場にでもなればいいと思って始めた、飲食店なので、こんなにお客さんに満足してもらえるとは思っていなかった、それに銅貨だ銀貨だってなんだか金を稼いでいるって意識も薄いんだよなぁ、実際に店を閉めた後は、本業でPCに張り付いているから、そっちの方が俺にとっての本職なんだよなぁ････。　
　
　それに二人の目標が宿を開きたい、その為にお金を貯めたいって言うのなら手伝ってあげたい気持ちもある、なんだろうか？無条件に懐かれたのが俺の中でかなり嬉しかったのか、この子達にかなり甘い気がするけど、多分これは他人にしてきされても、むしろ大人なら誰でもこんなもんじゃない？って言う謎の感覚がある、お人よしなんだと思う･････。　
　
　「もちろん、無い袖はふれないから、儲けが全然な～いとかお客さんがこなくなりました～ってなったらお給料は払えないと思う。普通の商売なら儲けに限らず絶対お給料払うべきだと思うんだけど、そこは理解してほしいかな、その変わり今日は滅茶苦茶忙しい！売り上げもめっちゃある！なんて時はボーナスも払うよ」　
　
　「否、甘すぎだろ、二人とも成人前の子供で両親もいない孤児だぞ。どこの世界にそんな好条件で孤児雇う奴いるんだよ、まぁあんたらがいいならあたしは文句ないけどね。小金貨２枚に繁盛すればボーナスまでもらえる、めっちゃいいじゃん！」　
　
　「なんだかもらってばかりで」　
　
　「お兄ちゃんに迷惑かけすぎな気がするけど」　
　
　「いいんじゃないかな？儲かるって確証はないからなんともいえないし、中の上とか高級店なんかはもっと店員の給料もいいんでしょ？」　
　
　「そりゃあなぁ、貴族の家で執事やメイドとして教育を受けた奴が接客するような所は高いさ」　
　
　「まぁやってみて駄目だったら、また考えるって事でいいんじゃない？問題ないなら今のままで」　
　
　「そういや、ルーカスが言ってたぞ、そろそろイールを引き取りにきてほしいって」　
　
　「イールか」　
　
　「マジックボックスにはいりっぱなしだから、捕獲した時の新鮮な状態のまんまだそうだ」　
　
　「マジックボックスって時間経過しないんですか？」　
　
　「そうだよ、飲食店じゃ当たり前に使われてるよ」　
　
　「ほしいなぁ～高いんだろうな～」　
　
　「あっ！じゃあ家のマジックボックス使えば、イールも新鮮な状態で保管出来るんじゃ？」　
　
　「リリの家にあるの！？」　
　
　「ありますよ、使ってないのが。元々宿の調理場で使う予定だったのですけど、肝心の宿がまだまだ先の話ですから、よかったら使ってください」　
　
　「それならフィガロさんの所で出る内臓も新鮮な状態で確保できるな、容量は？」　
　
　「お父さんが言うには限りなく無限に近いとか」　
　
　その話を聞いて、ニーアが噴き出した。　
　
　「げっほげっほ！それ国宝級じゃないか！？ガロの奴いつそんな物を！」　
　
　「なんでも知り合いのエスなんとかさんに作ってもらったって」　
　
　「エスメラルダ！？伝説の錬金術師！！空間のエスメラルダの作品じゃないか！」　
　
　「そんなに凄いん？」　
　
　「凄い何てもんじゃないよ！それ売れば宿立つんじゃないか？ああっでもエスメラルダの作品を売りに出す方が怖い････買う方も怖い････気に入った人間に渡ってないとどんな目にあうか･･･」　
　
　それうちの店で使って大丈夫なの？うちめちゃくちゃにされない？