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試される客 ガウェイン
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試される常連客その2
-SS級冒険者兼侯爵貴族 ガウェイン・フォン・サード
冒険者貴族集団、クラン、ラウンズに所属する、第三席でこの国が認めるSS級冒険者である。
この街を治めてる、第一席アーサー・フォン・ドラゴンの命を受けて、街に突如現れた建物と八百万がどんな店か、確認してくる様に遣わされた。
建物に関しては、外から見る限り未知の構造であり、商業ギルドのSSS級冒険者兼商人のライブラのギムレッドが仕切っているらしく、深く確認追及する事ができなかった。
そして今俺は八百万なる恐らく庶民の飲食店である店の列に並んでいる・・・・・一体人々が何に惹かれているかはわからないが、この人の列が高々一飲食店が作りあげていると思うと、とてもじゃないけど信じられない。
高々一回飯にこんな列を作ってまで、並んで食べる価値はあるのか?貴族のレストランが一般に開放されれば確かに人は集まるかもしれない、だが聞けば八百万は一般大衆の店、それとも出す食材がとても高価なものなのか?それを激安で売っているとかか?
貴族が一般人に混じって列に並ぶなんて、ランスロットの奴なら絶対嫌がるはずだ、道理で俺にこんな調査の仕事がくるはずだ、俺は話の分かる男だ、それでも一応は貴族なんだがなとなんとも言えない気持ちになる、それに並んでも所詮出てくるのは庶民の飯と思うと大して期待もできない。
でもこの列の奴らは誰も文句の一つも言わず、綺麗に並んでやがる、気の短い冒険者なら待たされる事に苛立ちを覚える奴もいるだろう、それなのにどいつもこいつもお行儀よく、むしろ近くの奴と楽しそうに談笑しながら、自分の番を待っている。
不思議な光景だな。
俺も一人で来るんじゃなかったな、せめて話相手でも連れて来るべきだったと思うと、店から出て来たのは、笑う大災害一撃のフィガロ!海の悪魔、海神ルーカス!デストロイプリンセス、返り血のニーア!。
この三人が見えた瞬間に、ガウェインは最大限に自分の存在感を消した。
それだけSSSの称号は重く、強い、そしてSSとの差は山脈の山々を登るが如く遠い、SSSにランク付けされる戦力を持つ者が理性なく暴れたら、相対する国は同じだけの戦力をぶつけるか、滅ぶかの二択を選ばなきゃいけない程、彼らが本気になれば、貴族や王族などと言った肩書など関係なくなる、国や民あっての王や貴族である、ではその国がなくなったら?それが実行できるのがSSSであり、国家連合国の同盟達が危険と警鐘を鳴らす人物達である、複数の国家、連合国に認められて初めてSSSを名乗る事が出来る。
そんな超大物達が通う店・・・・・ガウェインは滝の様な汗をかく、アーサーの野郎!この事を黙っていやがったな!?自分の領地にいるSSSの冒険者を把握していないはずがない!?だが、俄然興味が湧いてきた、そんな英雄達が通う店、興味が出て来た。
店にはいると、特に変わった事はない、ちょっと東国を思わせる様な装飾がある普通の店だ。
席に座ると、メニューはなく、一日一日日替わりで料理が運ばれるらしく、今日は・・・。
「今日は地龍のステーキ御前だよ!常連のレオンさんの差し入れで大特価銀貨5枚だよ!みんなレオンさんを見たらお礼いってね!」
レオン?聞いた事がある様なないような?それにしても地龍が銀貨5枚か、安いな、まともな店なら小金貨2枚はするはずだ。
それでもSS級にとったら地龍も珍しい物じゃないし、小金貨2枚も大した額ではない、まぁ一般人にしたら小金貨2枚もするものが銀貨5枚で手に入る、食べれるんだ、列が出来るのはこういった事か?と納得した。
「は~い!地龍のステーキ御膳だよ!刺し身にユッケ、寿司の5点握りに骨から出汁をとったスープ!お替りはお米はただ、お肉は銀貨2枚だよ」
目の前に出されてのは、生肉を切ったものに、細切れの生肉に卵黄も生だ!おいおい!俺は未開の原人じゃないんだぞ!?生肉を食えってのか!?
「お兄さん、ここの料理は絶対腹痛にならないんだよ!聖女クリスタ様のお墨付き!もちろん食べてまずかったら、お代はお返ししますよ」
聖女クリスタ・・・・女神の代行者クリスタのお墨付きか、それならまぁ信じよう。
ただまずかったら、速攻で帰らせてもらう!
決意して肉をタレにつけて、食う!?
「おっ!これは・・・・」
今まで地龍をこんな食い方なんかしなかった、程よい弾力にさっぱりとした旨味が溢れ出てきて、臭みなどなく、いい味が出ている!?知らないぞ!長年狩ってきて、食べてきて!こんな地龍の味!俺は知らない!?
もう一つ、こっちは少し火が入っている、これも美味い!噛みやすく、さっきより脂の旨味を感じる、数回噛んで喉奥に消えていく、美味い!?
ユッケ!タレに卵黄が絡み合い、クリーミーでねっとりとして美味い!米を食べてみる、なるほど!この味に米が良く合う!互いに支えあい美味さが複雑になり、玄妙な味になっている!そして赤いこれは塩漬けか?辛い!これはネギか!香味野菜を何か辛い塩漬けにしている!これも美味い!癖になる美味さだ!肉以外のスープに煮物も美味い!これは計算されているのか!!貴族である私が知らない世界の味!知らない世界の幸福感!なんだこれは!なんだこれは!引き込まれる!怒涛の美味さだ!。
そしてこの寿司?と言ったか?これどこかで聞いた事がある様な・・・・・そうだ!?アーサーが子供の頃爺さんに聞いた、一度だけ食べた事のある料理とか?アーサーはそれを羨ましがって、俺達にも愚痴をこぼしたもんだ・・・・・同じ物かどうかわからんが、食ってみる価値はある。
寿司、米の上に地龍の肉が乗っているだけに見えるが・・・・・・。
「こいつは美味い!?・・・・・おっと失礼した」
これは美味い!味のついた米!ピリリと鼻を抜ける辛さ!舌の上で解ける米に地龍の肉が絡み合う!もう一つ!こっちは炙ってあるのか!触感が良くとろける様に消える!次は白い差しが入っている、これは脂の旨味か!サラサラと舌を喜ばせる!次は薄ピンクの綺麗な身!おおおお!こいつが一番強い旨味を放っているかもしれない!そしてトロリ、ねっとりと舌に絡み、気持ちの良い余韻を残しながらも消えていく!どこまで!どこまで俺を魅了すれば気が済むんだ!これがアーサーの求めたものじゃなくてもいい!これは俺が求めた!俺の寿司だ!最後に黒いものに包まれた奴を、おお!風味の良い香りが鼻を抜ける、そしてごろごろと上に乗っている赤い地龍の肉がどっしりとした旨味を放つ、これは脂の旨味とは違い、独特な肉の味だ!
怒涛の寿司五巻に放心しながらも、目の前のメイン、そうステーキを見つめる。
シンプルな塩と胡椒だけなのに、地龍とはこんなにも美味かったか?他の店で食べた地龍はこんなにも俺に感動を与えてくれたか?答えは否だ!だがこのステーキはシンプルなのに、こんなにも美味い!何より肉を感じる!一本芯のあるどっしりとした肉の味に地龍の生命力を感じる。
ああっ!?美味かった!!!!!!。
俺は店を後にして考える、アーサーにありのままの事を伝えるべきか?調査に時間がかかるといい、当分俺だけで楽しむか、友人の為を思って言えば、寿司の事を一刻も速く伝えてやるべきなのだが、なんともいえない欲が、もう少し味わってからにしようと囁くのだ!ああっ悩ましい!
-SS級冒険者兼侯爵貴族 ガウェイン・フォン・サード
冒険者貴族集団、クラン、ラウンズに所属する、第三席でこの国が認めるSS級冒険者である。
この街を治めてる、第一席アーサー・フォン・ドラゴンの命を受けて、街に突如現れた建物と八百万がどんな店か、確認してくる様に遣わされた。
建物に関しては、外から見る限り未知の構造であり、商業ギルドのSSS級冒険者兼商人のライブラのギムレッドが仕切っているらしく、深く確認追及する事ができなかった。
そして今俺は八百万なる恐らく庶民の飲食店である店の列に並んでいる・・・・・一体人々が何に惹かれているかはわからないが、この人の列が高々一飲食店が作りあげていると思うと、とてもじゃないけど信じられない。
高々一回飯にこんな列を作ってまで、並んで食べる価値はあるのか?貴族のレストランが一般に開放されれば確かに人は集まるかもしれない、だが聞けば八百万は一般大衆の店、それとも出す食材がとても高価なものなのか?それを激安で売っているとかか?
貴族が一般人に混じって列に並ぶなんて、ランスロットの奴なら絶対嫌がるはずだ、道理で俺にこんな調査の仕事がくるはずだ、俺は話の分かる男だ、それでも一応は貴族なんだがなとなんとも言えない気持ちになる、それに並んでも所詮出てくるのは庶民の飯と思うと大して期待もできない。
でもこの列の奴らは誰も文句の一つも言わず、綺麗に並んでやがる、気の短い冒険者なら待たされる事に苛立ちを覚える奴もいるだろう、それなのにどいつもこいつもお行儀よく、むしろ近くの奴と楽しそうに談笑しながら、自分の番を待っている。
不思議な光景だな。
俺も一人で来るんじゃなかったな、せめて話相手でも連れて来るべきだったと思うと、店から出て来たのは、笑う大災害一撃のフィガロ!海の悪魔、海神ルーカス!デストロイプリンセス、返り血のニーア!。
この三人が見えた瞬間に、ガウェインは最大限に自分の存在感を消した。
それだけSSSの称号は重く、強い、そしてSSとの差は山脈の山々を登るが如く遠い、SSSにランク付けされる戦力を持つ者が理性なく暴れたら、相対する国は同じだけの戦力をぶつけるか、滅ぶかの二択を選ばなきゃいけない程、彼らが本気になれば、貴族や王族などと言った肩書など関係なくなる、国や民あっての王や貴族である、ではその国がなくなったら?それが実行できるのがSSSであり、国家連合国の同盟達が危険と警鐘を鳴らす人物達である、複数の国家、連合国に認められて初めてSSSを名乗る事が出来る。
そんな超大物達が通う店・・・・・ガウェインは滝の様な汗をかく、アーサーの野郎!この事を黙っていやがったな!?自分の領地にいるSSSの冒険者を把握していないはずがない!?だが、俄然興味が湧いてきた、そんな英雄達が通う店、興味が出て来た。
店にはいると、特に変わった事はない、ちょっと東国を思わせる様な装飾がある普通の店だ。
席に座ると、メニューはなく、一日一日日替わりで料理が運ばれるらしく、今日は・・・。
「今日は地龍のステーキ御前だよ!常連のレオンさんの差し入れで大特価銀貨5枚だよ!みんなレオンさんを見たらお礼いってね!」
レオン?聞いた事がある様なないような?それにしても地龍が銀貨5枚か、安いな、まともな店なら小金貨2枚はするはずだ。
それでもSS級にとったら地龍も珍しい物じゃないし、小金貨2枚も大した額ではない、まぁ一般人にしたら小金貨2枚もするものが銀貨5枚で手に入る、食べれるんだ、列が出来るのはこういった事か?と納得した。
「は~い!地龍のステーキ御膳だよ!刺し身にユッケ、寿司の5点握りに骨から出汁をとったスープ!お替りはお米はただ、お肉は銀貨2枚だよ」
目の前に出されてのは、生肉を切ったものに、細切れの生肉に卵黄も生だ!おいおい!俺は未開の原人じゃないんだぞ!?生肉を食えってのか!?
「お兄さん、ここの料理は絶対腹痛にならないんだよ!聖女クリスタ様のお墨付き!もちろん食べてまずかったら、お代はお返ししますよ」
聖女クリスタ・・・・女神の代行者クリスタのお墨付きか、それならまぁ信じよう。
ただまずかったら、速攻で帰らせてもらう!
決意して肉をタレにつけて、食う!?
「おっ!これは・・・・」
今まで地龍をこんな食い方なんかしなかった、程よい弾力にさっぱりとした旨味が溢れ出てきて、臭みなどなく、いい味が出ている!?知らないぞ!長年狩ってきて、食べてきて!こんな地龍の味!俺は知らない!?
もう一つ、こっちは少し火が入っている、これも美味い!噛みやすく、さっきより脂の旨味を感じる、数回噛んで喉奥に消えていく、美味い!?
ユッケ!タレに卵黄が絡み合い、クリーミーでねっとりとして美味い!米を食べてみる、なるほど!この味に米が良く合う!互いに支えあい美味さが複雑になり、玄妙な味になっている!そして赤いこれは塩漬けか?辛い!これはネギか!香味野菜を何か辛い塩漬けにしている!これも美味い!癖になる美味さだ!肉以外のスープに煮物も美味い!これは計算されているのか!!貴族である私が知らない世界の味!知らない世界の幸福感!なんだこれは!なんだこれは!引き込まれる!怒涛の美味さだ!。
そしてこの寿司?と言ったか?これどこかで聞いた事がある様な・・・・・そうだ!?アーサーが子供の頃爺さんに聞いた、一度だけ食べた事のある料理とか?アーサーはそれを羨ましがって、俺達にも愚痴をこぼしたもんだ・・・・・同じ物かどうかわからんが、食ってみる価値はある。
寿司、米の上に地龍の肉が乗っているだけに見えるが・・・・・・。
「こいつは美味い!?・・・・・おっと失礼した」
これは美味い!味のついた米!ピリリと鼻を抜ける辛さ!舌の上で解ける米に地龍の肉が絡み合う!もう一つ!こっちは炙ってあるのか!触感が良くとろける様に消える!次は白い差しが入っている、これは脂の旨味か!サラサラと舌を喜ばせる!次は薄ピンクの綺麗な身!おおおお!こいつが一番強い旨味を放っているかもしれない!そしてトロリ、ねっとりと舌に絡み、気持ちの良い余韻を残しながらも消えていく!どこまで!どこまで俺を魅了すれば気が済むんだ!これがアーサーの求めたものじゃなくてもいい!これは俺が求めた!俺の寿司だ!最後に黒いものに包まれた奴を、おお!風味の良い香りが鼻を抜ける、そしてごろごろと上に乗っている赤い地龍の肉がどっしりとした旨味を放つ、これは脂の旨味とは違い、独特な肉の味だ!
怒涛の寿司五巻に放心しながらも、目の前のメイン、そうステーキを見つめる。
シンプルな塩と胡椒だけなのに、地龍とはこんなにも美味かったか?他の店で食べた地龍はこんなにも俺に感動を与えてくれたか?答えは否だ!だがこのステーキはシンプルなのに、こんなにも美味い!何より肉を感じる!一本芯のあるどっしりとした肉の味に地龍の生命力を感じる。
ああっ!?美味かった!!!!!!。
俺は店を後にして考える、アーサーにありのままの事を伝えるべきか?調査に時間がかかるといい、当分俺だけで楽しむか、友人の為を思って言えば、寿司の事を一刻も速く伝えてやるべきなのだが、なんともいえない欲が、もう少し味わってからにしようと囁くのだ!ああっ悩ましい!
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