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異世界の素材でケーキを作ろう!
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八百万 おやつの日
おやつやお菓子なんかはどうしていたのか?田舎なのでケーキなんて洒落たものは手に入らない。
精々が通販で買うお菓子やチョコ、クッキーなんかがねねやリリ、リンネのお菓子として食べられている。
さて異世界で手に入る甘味とはどんなものだろう?甘さ控えめのクッキーやスコーン、パンケーキにジャムを乗せた物や果物を砂糖で煮詰めた物、干した果物やドーナッツの様に揚げたものにはちみつや砂糖をまぶしたりといった物や果物のパイなどがあり、氷菓などアイスの原型になる果物を凍らせたものなんかもある。
ダンジョンで肉を狩って手に入れる生活からか酪農文化があまり栄えていないので、ミルクを使ったクリームやお菓子に必要なバターの重要性があまり知られていないようで、生クリームの乗ったケーキというものとは少々縁遠い世界の様だった。
もちろん国によって変わってくるので、他国で食べた事あるけど?とそこから教えてもらうとかそういった発展をしないのが、この世界の不思議な所で、現代で言う文化盗用ではないが、気に入った物が他国にあっても詳しく聞いて自国に取り入れると言う行為が希薄に感じられる。
詳しくはわからないんだけどね。
だからこそクリームたっぷりのケーキが食べたくなるってもんじゃないかな?でも僕は和菓子なんかも綺麗で餡子も大好きだったりする。
現代とは便利な物で出来上がったケーキの生地から、もう完成している生クリームまで売っている。
どうせなら異世界のミルクや砂糖を使ってみるのも面白いと思って、中々手に入らない所を手に入れてもらったりした。
まずは王牛のミルク、腸内環境を整えてくれる事で村では女性に人気のミルク、飲んでみて思った事は臭くなく風味はしっかり感じるのにごくごくいける飲み口で、生クリームに適しているかわからないが、美味しいミルクだ。
フラメルさんの超魔道具に牛乳を入れると、バター、生クリームなど材料次第で選択肢が出て来る。
材料次第でカスタードクリームなんかも作れるんだなと思いつつ、バターは有塩と無塩の物を、生クリームには砂糖を混ぜて仕上げる。
ケーキを作るのだが、素人が考えたケーキだからどうか容赦してほしいなんて思いながら、一段目にはピスタチオをペーストにしてクリームに混ぜた物を塗り、スライスしたカシューナッツを散らして、また上に塗る。
次に王牛の生クリームでケーキ全体を上塗りして、その上からチョコレートを溶かした物をかけた。
カカオを手に入れる時は、潰して粉にして薬草や薬に混ぜて飲むものだといわれた、苦いぞとも脅された。
カカオを見て、まぁ確かに苦いカカオに砂糖いれて無理やり甘くするなんて考えあまり思いつかないよなと思いつつ、ケーキにかけていく。
1800年代までは主に飲み物として扱われ、ココアパウダーが出来たのが1828年、ミルクチョコレートを開発したのも薬剤師と言われている。
チョコレートは4回の技術革命により現代に繋がる形のチョコとして出来上がったのである、チョコレートの四大技術革命、まさに美味しい物を求めて段階を踏んで進化したその姿は、人類の食、甘味への飽くなき探求心によるものだろう。
何気ないちょっとした料理への工夫、それが食の歴時のターニングポイントと言ってもいい程素晴らしい進化に繋がっている事、そしてその進化は日本人にとっては当たり前なことやなんでもない事が意外とカギを握っているのかもしれない。
諸外国からレシピを教わり、美味いが故に進化させ続け、現代でも多くの料理人が更なる工夫に明け暮れる料理達、それでもその根底、起源がしっかりと他国から伝わって進化させたものだと言える事が、海を渡り食のバトンを繋ぎ合わせる様に、辿ってきた国の歴史や土地による食事は違っても良いものは良いと、受け継ぎ紡いで、そしてまた原点の国へと帰っていく、食の歴史とはなんとも美しい事か。
もちろん人間の美食を求めるが故に現れた残虐性や飼育動物達への配慮、フードロスや豊か故に捨てられる食材の数々など現代でも改善すべき課題は多く、決して美しい側面だけではないことも理解しつつ、知性がある故に感謝し悩み食べるのだ。
と難しい話になったが、ケーキはチョコレートをかけコーティングする時に、青蘭糖と言う異世界の青い砂糖を天の川の様に散らすと、まるで初めて作ったとは思えない綺麗な見た目のチョコレートケーキが完成した。
上から見ると夜空と天の川がキラキラと流れる川の様に、明け方の夜空の様な見た目だ。
よくできたなぁ、なんて思いながら、みんなを大声で呼ぶ。
紅茶もいいけど緑茶もいいかなぁ?なんて考えていると、足音が騒がしく聞こえて来る。
「なぁに?おにいちゃん」
「おやつできたよ」
「うわぁ!!きれいです!これおやつなんですか!!??」
「すげぇ!宝石みたいな見た目だな!」
「きゅー!」
「あぅーもぐもぐ?」
「そうもぐもぐ、食べれるよ。みんなで食べよう」
「ひゃぁ~切っちゃうのもったいないね!ほんと綺麗!でも味の想像ができないや?これもお菓子なんだ~」
見た目は本当に素人が作った割には凄く綺麗に出来た、材料がいい材料で丁寧に作ったからだけど。
ずっと眺めている訳にもいかないので、思い切ってカットしていくと、切った所から断面にチョコが流れるのがまたいい。
全員分配ると、みんなが僕を見る。
お先にどうぞって事なのだと思って、アリスとリンネも俺を見つめている中、最初の一口をいただく。
とろりとしたチョコの味にピスタチオクリームとナッツの味が混ざる!生地は若干粗目だけど吸い込む様にチョコと混ざり、ざらざらとした舌ざわりが妙に癖になる!!生クリームの上にチョコをかけたからか、生クリームのまざってまろやか~!香ばしさも感じつつ、中の生地はマカロンのピスタチオ味の様な感じでうんまい!
自分で作ったからか?贔屓目でみてもいい感じのケーキだ!これは金とれるわ!
「うまああああい!こいつはグレイトですよ!」
「はわわ!美味しそう!味の想像つかないけど!お兄ちゃんの顔が美味しそうすぎる顔してる!!!私もいただきまぁ~す!んぐんぐんぐんふ~!なぁにこぉれ!わかんないわかんない!わかんない!!!知らない味でいっぱいだけど!美味しいって事だけはわかる!!!」
「初めての味でいっぱいだけど、美味しい!こんな味があるなんて!!ご飯とかいつものお料理とは全然違う!いつものお菓子も美味しいけど、これはもう何かが爆発しちゃってるみたい!!!」
「組み合わせだ、なんだなんて難しい事はわかんねぇけど、ああもうぅ言葉が難しい!美味い!とにかく美味いんだよ!だけど説明?言うのが難しいんだ!これ店で売ったらまたすげぇ事になるんじゃないか!?甘いもんは男も女も大好きだからな!!!」
「きゅ~ん!↑きゅ~ん!↑」
「うにゃぁあああん」
「うままま!あ~ん!あ~ん!!!」
「はいはい、今あげるから」
リンネが早く早く!と催促してくる、アリスは子龍でキャスコは子猫だけど神獣だから問題ないよな、やらないと暴れそうで怖いし、その後みんなは幸せそうな顔をしながら食べていた。
一人一人の個性がわかる様に、ねねはゆっくりゆっくり味わいながら、リリは少しずつ少しずつ、ニーアさんもすぐ飲み込むのではなく舌で楽しんで味わっているようだ。
簡単には売りにだせないから、家族だけにふるまっているけど、みんなが自慢して噂が広まるのは簡単だった。
おやつやお菓子なんかはどうしていたのか?田舎なのでケーキなんて洒落たものは手に入らない。
精々が通販で買うお菓子やチョコ、クッキーなんかがねねやリリ、リンネのお菓子として食べられている。
さて異世界で手に入る甘味とはどんなものだろう?甘さ控えめのクッキーやスコーン、パンケーキにジャムを乗せた物や果物を砂糖で煮詰めた物、干した果物やドーナッツの様に揚げたものにはちみつや砂糖をまぶしたりといった物や果物のパイなどがあり、氷菓などアイスの原型になる果物を凍らせたものなんかもある。
ダンジョンで肉を狩って手に入れる生活からか酪農文化があまり栄えていないので、ミルクを使ったクリームやお菓子に必要なバターの重要性があまり知られていないようで、生クリームの乗ったケーキというものとは少々縁遠い世界の様だった。
もちろん国によって変わってくるので、他国で食べた事あるけど?とそこから教えてもらうとかそういった発展をしないのが、この世界の不思議な所で、現代で言う文化盗用ではないが、気に入った物が他国にあっても詳しく聞いて自国に取り入れると言う行為が希薄に感じられる。
詳しくはわからないんだけどね。
だからこそクリームたっぷりのケーキが食べたくなるってもんじゃないかな?でも僕は和菓子なんかも綺麗で餡子も大好きだったりする。
現代とは便利な物で出来上がったケーキの生地から、もう完成している生クリームまで売っている。
どうせなら異世界のミルクや砂糖を使ってみるのも面白いと思って、中々手に入らない所を手に入れてもらったりした。
まずは王牛のミルク、腸内環境を整えてくれる事で村では女性に人気のミルク、飲んでみて思った事は臭くなく風味はしっかり感じるのにごくごくいける飲み口で、生クリームに適しているかわからないが、美味しいミルクだ。
フラメルさんの超魔道具に牛乳を入れると、バター、生クリームなど材料次第で選択肢が出て来る。
材料次第でカスタードクリームなんかも作れるんだなと思いつつ、バターは有塩と無塩の物を、生クリームには砂糖を混ぜて仕上げる。
ケーキを作るのだが、素人が考えたケーキだからどうか容赦してほしいなんて思いながら、一段目にはピスタチオをペーストにしてクリームに混ぜた物を塗り、スライスしたカシューナッツを散らして、また上に塗る。
次に王牛の生クリームでケーキ全体を上塗りして、その上からチョコレートを溶かした物をかけた。
カカオを手に入れる時は、潰して粉にして薬草や薬に混ぜて飲むものだといわれた、苦いぞとも脅された。
カカオを見て、まぁ確かに苦いカカオに砂糖いれて無理やり甘くするなんて考えあまり思いつかないよなと思いつつ、ケーキにかけていく。
1800年代までは主に飲み物として扱われ、ココアパウダーが出来たのが1828年、ミルクチョコレートを開発したのも薬剤師と言われている。
チョコレートは4回の技術革命により現代に繋がる形のチョコとして出来上がったのである、チョコレートの四大技術革命、まさに美味しい物を求めて段階を踏んで進化したその姿は、人類の食、甘味への飽くなき探求心によるものだろう。
何気ないちょっとした料理への工夫、それが食の歴時のターニングポイントと言ってもいい程素晴らしい進化に繋がっている事、そしてその進化は日本人にとっては当たり前なことやなんでもない事が意外とカギを握っているのかもしれない。
諸外国からレシピを教わり、美味いが故に進化させ続け、現代でも多くの料理人が更なる工夫に明け暮れる料理達、それでもその根底、起源がしっかりと他国から伝わって進化させたものだと言える事が、海を渡り食のバトンを繋ぎ合わせる様に、辿ってきた国の歴史や土地による食事は違っても良いものは良いと、受け継ぎ紡いで、そしてまた原点の国へと帰っていく、食の歴史とはなんとも美しい事か。
もちろん人間の美食を求めるが故に現れた残虐性や飼育動物達への配慮、フードロスや豊か故に捨てられる食材の数々など現代でも改善すべき課題は多く、決して美しい側面だけではないことも理解しつつ、知性がある故に感謝し悩み食べるのだ。
と難しい話になったが、ケーキはチョコレートをかけコーティングする時に、青蘭糖と言う異世界の青い砂糖を天の川の様に散らすと、まるで初めて作ったとは思えない綺麗な見た目のチョコレートケーキが完成した。
上から見ると夜空と天の川がキラキラと流れる川の様に、明け方の夜空の様な見た目だ。
よくできたなぁ、なんて思いながら、みんなを大声で呼ぶ。
紅茶もいいけど緑茶もいいかなぁ?なんて考えていると、足音が騒がしく聞こえて来る。
「なぁに?おにいちゃん」
「おやつできたよ」
「うわぁ!!きれいです!これおやつなんですか!!??」
「すげぇ!宝石みたいな見た目だな!」
「きゅー!」
「あぅーもぐもぐ?」
「そうもぐもぐ、食べれるよ。みんなで食べよう」
「ひゃぁ~切っちゃうのもったいないね!ほんと綺麗!でも味の想像ができないや?これもお菓子なんだ~」
見た目は本当に素人が作った割には凄く綺麗に出来た、材料がいい材料で丁寧に作ったからだけど。
ずっと眺めている訳にもいかないので、思い切ってカットしていくと、切った所から断面にチョコが流れるのがまたいい。
全員分配ると、みんなが僕を見る。
お先にどうぞって事なのだと思って、アリスとリンネも俺を見つめている中、最初の一口をいただく。
とろりとしたチョコの味にピスタチオクリームとナッツの味が混ざる!生地は若干粗目だけど吸い込む様にチョコと混ざり、ざらざらとした舌ざわりが妙に癖になる!!生クリームの上にチョコをかけたからか、生クリームのまざってまろやか~!香ばしさも感じつつ、中の生地はマカロンのピスタチオ味の様な感じでうんまい!
自分で作ったからか?贔屓目でみてもいい感じのケーキだ!これは金とれるわ!
「うまああああい!こいつはグレイトですよ!」
「はわわ!美味しそう!味の想像つかないけど!お兄ちゃんの顔が美味しそうすぎる顔してる!!!私もいただきまぁ~す!んぐんぐんぐんふ~!なぁにこぉれ!わかんないわかんない!わかんない!!!知らない味でいっぱいだけど!美味しいって事だけはわかる!!!」
「初めての味でいっぱいだけど、美味しい!こんな味があるなんて!!ご飯とかいつものお料理とは全然違う!いつものお菓子も美味しいけど、これはもう何かが爆発しちゃってるみたい!!!」
「組み合わせだ、なんだなんて難しい事はわかんねぇけど、ああもうぅ言葉が難しい!美味い!とにかく美味いんだよ!だけど説明?言うのが難しいんだ!これ店で売ったらまたすげぇ事になるんじゃないか!?甘いもんは男も女も大好きだからな!!!」
「きゅ~ん!↑きゅ~ん!↑」
「うにゃぁあああん」
「うままま!あ~ん!あ~ん!!!」
「はいはい、今あげるから」
リンネが早く早く!と催促してくる、アリスは子龍でキャスコは子猫だけど神獣だから問題ないよな、やらないと暴れそうで怖いし、その後みんなは幸せそうな顔をしながら食べていた。
一人一人の個性がわかる様に、ねねはゆっくりゆっくり味わいながら、リリは少しずつ少しずつ、ニーアさんもすぐ飲み込むのではなく舌で楽しんで味わっているようだ。
簡単には売りにだせないから、家族だけにふるまっているけど、みんなが自慢して噂が広まるのは簡単だった。
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