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メアリー・アンク・オルレアンのウーェルズ大冒険 その2

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 メアリー・アンク・オルレアン 
 
 私のウェールズの冒険はまだまだ続く。 
 
 ウェールズ屋台通り 
 
 孤児達以外の屋台も数多く並ぶ屋台、でも聞けば多くの屋台を監修したのは八百万の店主であると聞く。 
 
 お好み焼きなるもの、タコ焼きなるもの、イカ焼きなるもの、お好み焼きに似て非なる広島焼き、やきそば、豚汁、などなど非常に美味で人気も高いという。 
 
 だが八百万在住の客や店主はこう言う。 
 
 物足りない・・・・・・レシピ通りなのに・・・・・・何かが足りない・・・・・・・。 
 
 なんでも考案者の八百万店主が作った時はもっと衝撃的でまさに飛ぶような美味さだったのだとか?だが店主に監修までしてもらい、完全にレシピ通りに作ったのに何故か格段に風味や味わいが落ちている様に感じるのだとか?教会関係者は神様の加護により、店主の料理の方がより本能に!野性的に!情熱的に!命の奔流感じる様に!圧倒的に優れているのではないか?という見解らしい。 
 
 神様によって料理の味が引き上げられてるって何??? 
 
 そんなことしなくても十分に美味しいと屋台の料理を食べながら思う。 
 
 ウェールズには八百万以外にも名店が存在する。 
 
 料理店 フランチェスカ 
 
 料理長のアステリオスさんはなんと三ツ星料理人!元冒険者で世界各国色々な獲物も自分で狩って調理し腕を磨いたと言う、料理人の中では結構ありふれた話らしい。 
 
 フランチェスカ名物のイールのトマト煮込み、ポレンタを添えて。 
 
 なんと驚きのイール料理!!トマトにしっかりと煮込まれたイールは濃厚な脂の味と身のふんわりほくほくした感じが、トマトの酸味と甘みにマッチして絶品!添えてあるポレンタが揚げられていて、これにイールをあわせるのがまたいい!若干しっとりしてサクっとするポレンタにふわふわじゅんわりのイール、そこにトマトソースが混ざり、三重奏の様に舌を喜ばせる。 
 
 多くの冒険者がこのイールのトマト煮を食べに長蛇の列を作る程である。 
 
 他にも輝き鳥の丸焼きや、黄金豚のアイスバインの煮込みなども人気料理で更には八百万提供の元、内臓料理まで出される様になったのだ! 
 
 中でも絶品なのが、様々な内臓が入った煮込み料理と、マルチョウ、シマチョウの筒焼きブラウンソースをかけてが大人気!!それでもやはり内臓はまだまだ忌避されるイメージが拭えず、八百万と同じで内臓目当てと言うお客は少ない。 
 
 ゆっくりゆっくりと内臓はその地位を上げている途中である。 
 
 肉やのフィガロさんから内臓をわけてもらわないのか?と質問すると、八百万の八意斗真が一度でも触れた素材は加護により、寄生虫や悪い菌などが死滅して安心して食べれるのだと言う、それ故に八百万から直接内臓料理や生魚なんかを扱う時は、直接ゆずってもらっているのだと。 
 
 他にもこの街はよくできている。 
 
 種族ごとに分けられた、通り。 
 
 獣人通りやコボルト、ゴブリンは魔物のイメージが悪すぎる為に、この街で暮らすゴブリンは鬼人と呼ばれる様になったり。 
 
 しかも獣人通りやコボルト通りだからといって、他の種族がいないわけでもない、こういった通りを想像するとまぁその種族しかいないんだろうなぁとか考えがちだが、全然そんな事はなく他の種族も当たり前に堂々と通りを歩いている。 
 
 あくまでも住宅に住んでいるのが、獣人さん達がメインですよってだけで通りは誰でも通れるのだ。 
 
 コボルト通りなんて用もないのにコボルト好きが、あえて通行したり、コボルト通りに店を積極的に出そうとする人族は多い、更にはそういったコボルト大好きな人たちによって警備の特段の強化、これは鬼人通りやリザート通りなんかも結構人族に好かれている。 
 
 ゴブリンが人に好かれるってあるのか?って思うかもしれないが、人間や他の種族と敵対している魔物全開のゴブリンと、この街のゴブリン、鬼人は見た目がまず驚くほど違う。 
 
 凶暴化の魔素や邪悪な力、殺戮の本能なんかが完全に抜け落ち、とても穏やかな表情で鬼人の子供なんか完全に人族の子供と違いが判らないレベルで顔も愛らしかったりする。 
 
 肌の色が緑や赤、青なのだけで他は人族の子供と変わらず、大人の鬼人も少し人族より背の低い人間くらいの感覚である。 
 
 魔力の影響を受けやすく、位階、生物としての格があがると体も大きくまさに鬼と人のハーフの様に大きく強靭になる、男性も女性もである。 
 
 もっとわかりやすく言えば、位階があがった鬼人はボディビルダーの様にマッチョな感じであり、体も骨格自体が人間より一回り大きくなる感じだ。 
 
 魔物のゴブリンが、魔物のままゴブリン、ゴブリンファイター、ホブゴブリン、ゴブリンウォーリアー、チャンピィョンなど様々な職業に派生し肉体も強靭になるように、人間と共に成長すると、より人間らしく知性的で極めて高潔な種族として成長していく、これは他の魔物でも考えられることで非常に有意義な話として今研究者の間でも語られている。 
 
 またウェールズには妖精族、フェアリーも存在し、精霊達までがウェールズに住み始めて共存の道を選んでいる。 
 
 フェアリーにしか作れない幻想酒や幻想糖、精霊でしか作れない精霊酒に果物、加護というものが存在する。 
 
 これらは極めて高額で取引される。 
 
 大都市ウェールズの一年の運営費に近いと言われるほど、高く価値がある。 
 
 どれだけ巨大な国の王だろうと、帝国といわれる国の王だとしても、どれだけ超大国だとしても、神々に近い種族や国だと言われても、金さえ出して飲めることがあるなら絶対に飲みたい!!!と言われる程幻の酒なのである。 
 
 妖精や精霊に作り方を聞いて模倣したと言う、人間の酒、模倣酒ですら、超超高値で取引される。 
 
 そんな酒がウェールズでは当たり前のおすそ分けの様に飲めてしまう・・・・・・・まさに異常事態である。 
 
 しかも八百万ではそんな幻の酒に近い様な、夢の様に美味い酒が山ほどあると言われる、まさに酒好きの中で今一番熱い場所が八百万、夜の部なのである。 
 
 そしてこの街の異常な所、スラムがない、街全体が超清潔、急に行きたくなった時の為にトイレがあり、そのトイレが寝転がってリラックスしてしまう程綺麗、まさに住めそうな広さ余裕さ綺麗さ、そんなトイレが点在している。 
 
 汚物などもどう処理しているかがわからない、聞けば発酵させ畑の肥やしになるのだとか。 
 
 それでいて街にちょっとした自然や公園などもあるのが凄い、子供やお年寄りが日向ぼっこしていたり、図書館なども会員制で開けられていると言う。 
 
 私はそこに大きく驚いた。 
 
 まさか?街の人間が当たり前の様に?子供達ですら普通に文字の読み書きができる・・・・・・・・。 
 
 これが王都ではなく、一地方都市なのだから空いた口が塞がらない。 
 
 孤児や小さな子供達は勉強以外にも、近所の老人達とも仲が良く、街全体で子供をそして身寄りのいない老人や動けなくなった老人や病人の世話を地域住人がみんなで率先的にやる。 
 
 何という助け合いの世界、何と言う進んだ社会性、団結力。 
 
 同じ種族の人間、同じ国の人間同士ですらそんな事は簡単ではなく、やれといわれてもできることじゃないのに、他種族があふれてるこの街では当たり前の様に誰も疑問に抱くことなく助け合い、分かち合っている。 
 
 街として国として、大きな格の違いを見せつけられている。 
 
 だが、この街には学ぶべき事が沢山ある!少しでも自国にこの街の文化を取り入れる様に、少しでも学習するのだ!!!
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