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4巻
4-1
しおりを挟む第一話 魔の海域への船旅
三角帽子とローブを身に着けた少女が、海に浮かぶ巨大なモンスターと対峙していた。
少女の肩に乗っている狐のような二股の尻尾を持つ猫が鳴き声を上げる。
『リンネお姉ちゃん。今だ!』
ただの鳴き声のはずなのに、鳴き声に重なるように人の言葉が発せられた。
声変わり前の少年のように高く溌溂とした声だ。
少女は指示に従い、深紅の目を吊り上げ、いかにも真剣な表情で呪文を唱え上げる。
「分かったわ! 漆黒より昏きモノ。純白より無垢なモノ。交わることのない両極が交わりし時、立ちふさがりしモノに破滅をもたらさん。究極魔法、インフィニット・バースト!」
詠唱とともに少女の持つ杖の先に光が集まり、唱え終わった瞬間、眩い閃光が放たれた。
その光線はモンスターに直撃して派手な爆発を引き起こす。
「グギャアアアアアアアッ!」
辺りに爆風が吹き荒れ、モンスターの悲鳴が響き渡った。
少女のシルクのように煌めく金髪がたなびき、ローブがバタバタと激しい音を立ててはためく。
彼女は帽子が飛ばされないように手で押さえた。
爆風が収まり、砂埃が晴れると、巨大なモンスターの姿が跡形もなく消え去っていた。
その直後、俺――福菅健吾はひときわ大きな声を上げる。
「はい、カァアアアット!」
先ほどまで凛々しかった少女が、打って変わってあどけない表情で近づいてきた。
「ねぇ、どうだった? 上手にできてた?」
彼女はリンネ・グラヴァール。
勇者召喚に巻き込まれて異世界に転移させられた俺が、付き合うことになった女剣士だ。
そんなリンネの顔には「褒めて、褒めて」と書いてある。
「なかなか良かったんじゃないか?」
「でしょ、でしょ。これなら私が見た映画みたいになると思うの」
俺が褒めると、リンネはうっとりとした表情で遠くを見つめながら妄想にふける。
多分完成した後の皆の賞賛の嵐を想像しているに違いない。
そんな子供みたいな彼女も可愛い。
俺たちが今までやっていたのは、映画の一シーンの撮影だ。
大洞窟に向かう前にしていたリンネとの約束を果たしている。
監督・原作・脚本・主演リンネ、撮影が俺、という分担だ。
今の俺たちは北の海を宇宙船アルゴノイアに乗って進んでいる。
アルゴノイアには偽装機能があり、現在この機能によってアルゴノイアの外見は木造の帆船に見えるようになっている。船内はアルゴノイアのままだ。
ドワーフの国の危機を救った後、修理に成功したことでアルゴノイアは空を飛べるようになった。
だが、ゲーム好きな俺にとって、空を飛んで目的地に向かうのは認められない。
海路より先に空路を進むというのは、自分の流儀に反する。やはり徐々に移動範囲が増えていくのが醍醐味というものだろう。
とはいえ船旅中は暇なので、その時間を使って映画の撮影を行っていたのだった。
リンネの肩の上に乗っている猫っぽい動物が俺に尋ねる。
この猫はイナホ。
悪徳商人に捕まっていたところを助けて以来、俺たちの仲間になったペットだ。
『ねぇねぇ、主ぃ僕はぁ?』
「よかったと思うぞ」
『やったね!』
ただ鳴いただけなので良いも悪いもない気もするが、それを言うと可哀そうなので褒めておく。
ちなみにイナホの声をアテレコしていたのはバレッタだ。
俺たちは言語理解のスキルや、魔導ナノマシンの力によって、イナホの言葉を理解できるが、他の人にはただ猫が鳴いているようにしか聞こえない。
そこで彼女に白羽の矢が立ったわけだ。
普段抑揚のない声をしているが、演技をしている時のバレッタはプロ顔負けの感情の乗った声で演じていた。
流石パーフェクトメイドのバレッタさんである。演技にも余念がない。
俺の考えを読んだバレッタがどこか嬉しそうに声を上げる。
「当然です」
ドワーフの国を出るまでは、船の管理に専念してもらっていたバレッタとは通信でやり取りしていたが、現在は俺たちと行動をともにしている。
なぜなら、バレッタの代わりに船の管理を任せられる天使型アンドロイドや人型ゴーレムといった船員たちを大洞窟で仲間に加えたからだ。
バレッタにジッと見つめられて背筋に寒気が走る。
「うっ」
以前にも増して隅から隅まで監視されるようになった気がするが、気にしてはいけない。
皆で話していると、緑色の服を着た小さな女の子が空中を漂いながら近寄ってきた。
彼女はフィー。
見た目はほぼ人間の幼女と変わらないが、精霊という種族の一人だ。
エルフの森で出会って契約して以来、俺たちについてきてくれている。
基本的に人には見えないはずだが、俺と契約したことで誰にでも見えるし、触れるようになっていた。
『フィーはぁ?』
「フィーの風もよかったぞ」
フィーには爆風をちょうどいい具合に吹かせたり、海の波を操ったりしてもらって、演出をお願いしていた。
注文通りに働いてくれたことを褒めて頭を撫でると、フィーは嬉しそうに笑顔を咲かせる。
『やったぁ!』
何時間も撮影していたので、そろそろ良い頃合いだ。
「今日の撮影は終わりにしよう」
「分かったわ」
俺の提案に皆が賛成し、映画の撮影はいったん切り上げることにした。
地球にいた頃、中年太りで独り身の俺は、海とは十年以上縁がなかった。
しかし、今は少なくとも見られても恥ずかしくない体型にはなっているし、リンネたちもいる。
折角海に来たならとことん楽しまなければもったいないだろう。
「よし、遊ぼう」
「え、海で?」
「こっちでは海で遊ばないのか?」
「そうね。強い魔物がいるから私くらい余裕がある人じゃないと、ほとんど立ち入らないと思うわ」
「あぁ~、なるほどな。確かにそれもそうか」
以前、エルフの湖で水浴びしたことはあったが、あの時は主こそ棲みついていたものの、それ以外に脅威になるような生物はいなかった。
だから、エルフの国では水辺で遊ぶ習慣があるのだろう。
エルフの湖に比べると海はモンスターが遥かに多く、遊ぶには不向きだ。
地球出身の俺のような発想に至らないのも仕方ないだろう。
「ケンゴのいた世界では、海でどうやって遊ぶの?」
「そうだな、板の上に立って波に乗るサーフィンとか、船に曳いてもらって海の上を滑走するジェットスキーとか。アルゴノイアに全く同じものがあるかは分からないけど、似たようなものはあるはずだ」
今までの例から言って、地球上にあった道具はほとんどアルゴノイアの倉庫に入っている。今回も多分あるだろう。
「何それ、面白そう。すぐにやってみましょうよ!」
「分かった、分かった」
興味を惹かれて俺の腕を引っ張るリンネを宥める。
それから俺たちは水着に着替えた。
エルフの国で水浴びした時にも見たが、相変わらず目を奪われるプロポーションだ。
「よく似合ってるぞ」
「な、何よ。そんなこと言われたって何も出ないんだからね! 先に行ってるから!」
褒めると、リンネは恥ずかしそうにそっぽを向いて海に飛び込んでしまった。
はじらう様子がなんとも可愛らしい。
倉庫に入って道具を探すと、リンネに話していたようなものが、案の定一通り揃っていた。
「まずはこれだ」
「何それ、バナナ?」
最初に取り出したのは、バナナによく似た形をしているボートだ。
「そうだな。よく似てるよな」
「どうやって遊ぶの?」
「海の上に浮かべて、俺たちが跨った状態でアルゴノイアに曳いてもらうんだ。やってみれば分かる」
「それもそうね」
俺たちは海に飛び込み、バナナボートに跨った。
バレッタも、俺の前に何も言わずにしれっとした様子で跨っていた。
先頭からリンネ、フィー、イナホ、バレッタ、俺の順だ。
いったいいつの間に、みんな水着に着替えたんだ……本当に油断も隙もない。
そういえば、いつも見てるバレッタの背中のゼンマイや機械らしい部分が見当たらないな。
どこにいってしまったんだろうか。
もしかしたら肉体を換装できるのかもしれない。
見れば見るほど人間にしか見えないな。
アルゴノイアを造った前の所有者は本当に天才だと思った。
まぁ、バレッタの不思議なシステムに関してはこれ以上気にするだけ無駄だろう。
いつものことだと思って、俺は思考を切り替えて指示を出した。
「それじゃあ、頼む」
アルゴノイアがゆっくりと動き出す。
ボートの先頭に乗ったリンネが話しながらはしゃぐ。
「あ、動き出したわ」
徐々にスピードが上がり、ボートが波に煽られて飛び跳ね始めた。
『きゃははっ』
『気持ちいいねぇ』
フィーとイナホは体が小さいので、ボートにしがみつく形になっている。
とても上機嫌で、二人ともまだまだ余裕がありそうに見える。
異世界にはもっと速く動ける存在がいるので、この程度では物足りないのかもしれない。
バレッタはボートが弾もうが、回転しようが、全く動じる様子がない。
ピクリとも動かない佇まいが、異様さを際立たせる。
俺は再びアルゴノイアに向かって指示を出した。
「スピードを上げてくれ」
ただの帆船にしか見えないが、実際は超技術で造られた宇宙船だ。
そのスピードは、モーターボートなんて比にならない。
「あはははっ。なかなか刺激的ね!」
『きゃはははっ!』
『速ーい!』
スピードを上げれば、地球人なら乗っていること自体ままならないだろう。
しかし、リンネは危なげなく飛び跳ね回るボートを楽しんでいた。
フィーとイナホも体を宙に浮かせて風に煽られているが、すごく楽しそうだ。
スピードに慣れたところで船がターンをし始める。
「おぉ~、外側に体が引っ張られるわ!」
『なにこれ、おもしろーい!』
『もっと激しくしてもいいよぉ!』
慣性の法則で外側に思い切り引っ張られるが、それも三人にとっては面白さを刺激するスパイスでしかなかった。
それから皆が飽きるまで船に曳かれて楽しんだ。
最後まで、誰一人海に落ちることはなかった。
ひとしきり楽しんだところで一度船の上に戻り、次の遊びを準備する。
「帆船がモータボート以上のスピードを出すのも、バナナボートが帆船に曳かれているのもシュールだよな……」
「どうかしたの?」
「いや、なんでもない。次はサーフィンでもやってみるか」
首を傾げるリンネに俺は首を横に振り、次の道具を取り出した。
「それはどうやって遊ぶのかしら?」
「やってみせよう。フィー、軽く波を起こしてくれ」
『分かったぁ!』
フィーが元気に返事をして風で波を起こす。
俺は海に飛び込み、パドリングして波に乗った後、サーフボードに乗って立ち上がった。
まるで波でできたトンネルを潜るように進んでいく。
身体能力が上がっているからか、ボードの上でも体が全くブレたりしない。
「これ一度はやってみたかったんだよなぁ!」
テレビCMで見たことがあって、自分でもやれたら気持ちいいだろうなと憧れていた。
完璧な姿勢を保ったまま、波の終わりまでたどり着いてトンネルの外に飛び出した時、俺は想像以上に達成感と爽快感で満たされる。
――バシャンッ
波が途切れたところでついに俺は海に落ち、顔を出して思わず叫ぶ。
「気持ちいぃいいいいっ!」
リンネもいてもたってもいられないという様子だ。
早速フィーに波をたてるようお願いしている。
「わ、私もやってみたいわ! フィー、お願い」
『はーい!』
俺の時と同じように波が起き、リンネが俺の真似をして波に乗った。
SSSランク冒険者だけあって一発でサーフを成功させ、気持ちよさそうに波の上を滑走していく。
一度波乗りを成功させ終わると、すっかりサーフィンの虜になっていた。
「これ病みつきになりそうね!」
俺とリンネが楽しそうにしているのを見れば、イナホもフィーも当然やりたがる。
『僕もやりたい!』
『フィーも!』
小さなサーフボードで二人も同じようにやり始める。
フィーは自分の風で波を操り、自由自在に滑走する。
イナホもイナホで猫らしい身体能力で器用に二本の足で立ち、波に乗って楽しんでいた。
二人が可愛すぎるので、映画撮影用のドローンカメラで撮影してしまった。
もちろんリンネも撮影済みである。
『これもおもしろーい!』
『楽しい!』
バレッタのサーフィンは、皆と違って波に逆らったり、波もないのに進んだりと物理法則を無視した異次元の内容だった。
しかも、ここでも顔も姿勢も一切変わらないので不気味さが際立った。
「バレッタ、それ楽しいのか?」
「はい、なかなか興味深いマリンスポーツですね」
あれで面白いらしい。俺には分からない感覚だ。
その後も、水上スキーやパラセーリングなど、様々なアクティビティを満喫した。
数時間後、俺たちは一度船の上に戻った。
「あぁ~、楽しかった!」
『お腹空いたぁ』
『フィーはあそびたりないなぁ』
リンネとイナホは満足げな表情を浮かべていた。
フィーだけはもっと遊びたそうにしていたが、イナホが空腹を訴えだしたことだし、ここらへんで休憩を挟んだ方がいいだろう。
「そろそろご飯にするか」
「『賛成!』」
『たべる~』
俺の提案に皆が同意し、バレッタが食事の準備を始めた。
「お任せください」
「今日は何かしら?」
「できてからのお楽しみだな」
海での食事といえば、俺の中では海の家のメニューのイメージが強い。
例えば、焼きそば、たこ焼き、ラーメン、かき氷などだ。ラーメンは大洞窟を訪れた際にたくさん食べたので除外するが、他の三つは海には欠かせないだろう。
バレッタは、そんな俺の思考を読んでいたようで、どこからともなく鉄板を取り出し、火で加熱し始めた。
しっかり鉄板が温まったところで肉と野菜を炒めて麺を投入し、ソースを加えて絡める。
ジュワーっと焼ける音とともに香ばしい匂いが周囲に広がった。
「これ、絶対旨いわね……」
『ジュルッ、早く食べたい』
『いいにおーい!』
三人は鼻をひくつかせながら、鉄板をかじりつくように見つめた。
良い頃合いになったところで天使アンドロイドが皿を持って姿を現し、人数分の焼きそばを盛りつけて全員に配った。
みんなが口端からよだれを垂らしているのを見て、俺はすぐに食前の挨拶をした。
「我慢できないみたいだし、すぐ食べよう。いただきます」
「『『いただきます』』」
襲いかかるように焼きそばを口にした三人は、リスのように頬張りながら笑みをこぼす。
その顔は、幸せそのものといった様子だ。
皆が美味しそうに食べているのを見て満足した俺も、焼きそばを口に運ぶ。
「美味っ!」
バレッタが作った焼きそばは、特別な食材を使っていないにもかかわらず、今まで食べた焼きそばの中で一番美味しかった。
野菜と肉と麺の量のバランス、調味料の比率、焼き加減、全てが完璧に調和しているおかげで、最高の味に仕上がっているのだろう。
リンネたちは美味すぎて無言でバレッタに皿を差し出し、おかわりを催促していた。
撮影に運動と、結構体を動かしたので、相当空腹だったのか、皆食べるスピードが速い。
バレッタは目にもとまらぬ速さで焼きそばを作りながら、たこ焼きも焼き始めた。
右手と左手が完全に別の作業をしている。
人間にはできそうにない動きだけに少々気持ち悪く見えるが、神業には違いない。
バレッタは三人の焼きそばのおかわりに応えつつ、俺には出来立てのたこ焼きを提供してくれた。
こちらも焼きそばと甲乙つけがたいほどに美味だった。
「食べたぁ」
『満腹~』
『どっちもおいしかった!』
リンネが背もたれに体重を預け、イナホは床に寝そべり、フィーは宙で横たわっている。
全員ご満悦の表情だ。
しかし、食事はこれで終わりじゃない。
まだ〆のデザートが残っているのだ。
「だけど、まだこれで終わりじゃないぞ」
「もちろん、デザートは別腹に決まっているわ」
リンネが自信ありげな表情でポンとお腹を叩く。
俺の心配はどうやら杞憂だったらしい。
「さいですか」
「それで、何を作るつもりなの?」
「かき氷だよ」
「かき氷?」
「氷を細かく削って甘いシロップや果物をトッピングして食べるんだ」
「へぇ~、それは楽しみね」
夏といえば、アイス。
乳製品やチョコレート類の甘さも捨てがたいが、暑い季節はかき氷のさっぱりした甘さが恋しくなる。
「イチゴとメロンとブルーハワイって三種類があるんだけどどうする?」
「もちろん全部もらうわ!」
『僕も!』
『フィーも!』
「了解。バレッタ頼む」
リンネ、イナホ、フィーは欲張って全種類選んだ。
三人の注文と一緒に、俺はブルーハワイを頼む。
小さい頃からなんか好きなんだよな、ブルーハワイ。
「かしこまりました」
そしてあっという間に、皆の前に彩り豊かなかき氷が並ぶ。
「あ~、これこれ」
出されたのは昔ながらのかき氷。
転移される直前の地球では、様々なトッピングが施された、豪華なかき氷が溢れていた。
しかし、俺が小さい頃は、ただシロップをかけただけのシンプルなものが主流。
俺にとってかき氷といえば、こっちだ。
懐かしの味にしばし舌鼓を打っていると、リンネとイナホが頭を抱える。
「いったぁーい!」
『あいたたたっ!』
ガツガツ食べたせいで、かき氷を初めて食べた人がやりがちな洗礼をうけていた。
『?』
フィーは精霊のせいか特に頭痛はしないらしい。
二人が頭を押さえているのを不思議そうに見つめていた。
頭痛が治まった二人が俺に詰め寄ってくる。
「な、なんなの、これ!」
『毒!?』
食にこだわりがある二人からの圧が凄い。
この世界では、氷をそのまま食べる文化がないから、こういう状況にも慣れていないのだろう。
「これはかき氷を勢いよく食べすぎると起こる現象なんだ。ゆっくり食べれば問題ない」
「もう、先に言ってくれればいいのに」
『そうだ、そうだ!』
「悪い悪い。これもかき氷の醍醐味みたいなものだから。一度は味わってほしくてな」
抗議するリンネとイナホに、俺は肩を竦めてみせた。
リンネたちは、それから先ほどの反省を活かして、ゆっくり味わうように食べていた。
かき氷まで完食した後、イナホが大きな口を開けて鳴く。
『美味しかったぁ!』
その様子を見ていたリンネがあることに気づいた。
「うふふっ。イナホの舌の色が変ね」
『お姉ちゃんも変だよぉ!』
二人の舌がシロップの色で変色していたのである。
「え、嘘!?」
「かき氷を食べるとシロップの色が舌に移るんだ。こんな風にな」
説明しながら俺も舌を出してみせる。
「あ、ホントね」
『あおーい!』
『気持ち悪い色!』
俺の舌を見た三人が三者三様の反応を見せた。
リンネは驚き、イナホとフィーはおかしそうに笑った。
「少し腹休めをしようか」
「そうね。また食べすぎちゃったわ」
いつも通りご飯を食べすぎた俺たちは、食休みにデッキチェアを出して横になる。
満腹感も手伝い、心地良い揺れとともに寝てしまいそうだ。
――ドォオオオオオオオオンッ
「な、なんだ!?」
しかし、突然大きな音が耳朶を打った。
上体を起こして辺りを見回すと、大きな帆船がアルゴノイアに近づいてくる。
アルゴノイアの傍で水柱が上がっているのを見て、俺は状況を理解した。
どうやら向かいの船が大砲で攻撃してきているようだ。
しかも、その船の上には漫画やアニメで見かける髑髏マークの旗が――
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