37 / 132
第三章 黄巾の反乱と漢王朝の衰退
第三十七話 飛焔
しおりを挟む垂れ込めた暗雲で空は薄暗く、 頻りに降り注ぐ雨は、いつ止むとも無く激しさを増している。
辺りは起伏の少ない地であり、晴れていれば何処までも続く山々を遠望出来るであろう。
降りしきる雨の中、暗がりへ続く道は、まるで深い闇の奥へと繋がっているかの様である。
そんな長い土砂降りの道の上を、馬を急がせて走る一塊の集団があった。
彼らは武装した護衛を引き連れてはいるが、軍隊では無い。
集団の中心にいる人物は、賈人の身なりをしていた。
やがて彼らの前方に、何人かの人影が連なって道を塞いでいるのが見えて来た。
「子要様、あれを…!」
仲間の一人が、中心の人物に呼び掛けた。
「くそ、盗賊の一味か…!」
彼は舌打ちをし、仲間に合図を送ると、やむなく集団を停止させた。
後方からは、馬に乗った別の集団が姿を現す。
「がっはっはっ!もう何処へも逃げられぬぞ…!」
追い付いて来たのは盗賊たちである。
先頭に立つ濃い髭面の大男は、剣を抜き放ちながら、醜く口を歪めて嘲笑う。
賈人の集団は、完全に盗賊たちに取り囲まれてしまった。
「…!わかった、抵抗はしない…!」
「子要」と呼ばれた若い男である。
彼は仲間たちに指示し、集団が引いて来た荷車から金目の品物を取り出し、盗賊たちに差し出させた。
「おい、これっぽっちか?!」
大男は喚くと、集団の後方にある一際大きな荷車を指差した。
「あれだ!あの中身を持って来い…!」
それを聞いた子要は、一瞬で顔を強張らせた。
「あ、あれは…!あれだけは、どうか…」
上擦った声で男の前に膝を突き、両手で拝手し必死に哀願する。
男は馬を降りると、いきなり子要を足蹴にして後方の土砂の中へ突き飛ばし、自分の顎髭を扱きながら、舌舐めずりをして大きな荷車へと近付く。
「黙れ!それだけ言うからには、相当な値打ち物が入っていると見た…!」
男は、「ひひひ」と下衆な笑い声を立てながら、乗せられた積み荷の、巨大な箱に取り付けられた錠を剣で叩き壊す。
男が箱を蹴り破ると、その中は漆黒の闇である。
仲間に助け起こされた子要は、沈痛な面持ちで男を見詰め、首を左右に振りながら小さく呟いた。
「止めておけと言ったのに…」
箱の中へ入った男は、真っ暗な中を手探りで探る。
だが男の手は空を切るばかりで、触れる物は無い。
「何だ…?何にも入っちゃいねぇじゃねえか…!」
男が訝しげに言った時、ふと何かの気配を感じ立ち止まった。
男の鼻面に、何やら生暖かい物が触れる。
突然、どかんと何かが弾ける様な巨大な音が鳴り響き、荷台の箱が粉々に吹き飛んだ。
吹き飛んだ木の板が、子要たちの方にまで飛んで来て、次々と泥濘んだ地面に突き立つ。
驚いた彼らと盗賊たちは、慌てて地面に蹲り、身を守った。
更に、上空へ飛ばされた大男の体が、回転しながら地面に落下し、ぐしゃりと鈍い音を立てて崩れ落ちた、
「ひいぃぃ!お、お頭ーー!!」
盗賊の仲間たちは全員蒼白になって、不自然に折れ曲がり、絶命した頭を見下ろす。
やがて、粉々になった箱の欠片を踏み付けながら、黒い大きな影が荷台の上に揺らめいているのが見えた。
「お、おい…!何だあれは?!か、怪物か?!」
「ひえ…!に、逃げろーー!」
盗賊たちが叫び声を上げると、その黒い大きな影は荷台から飛び出し、阿鼻叫喚する盗賊たちの集団に襲い掛かって行く。
怪物は彼らの頭上を跳び、恐るべき怪力で次々と人を馬から突き落としては、巨大な足で踏み潰す。
辺りには盗賊たちの死骸が次々と積み上げられて行った。
恐怖に捕われ、完全に混乱に陥った盗賊たちは、散り散りになりながら、命からがらにその場から逃げ去った。
後には、無残に踏み潰された盗賊たちの死骸が散乱している。
その周りを、荒れ狂う様に走り回っているのは、一頭の巨大な馬であった。
赤い鬣に、赤い馬体のその大きな馬は、雨に濡れた体から真っ白い湯気を立ち昇らせている。
その姿は、正に怪物そのものであった。
「漸く捕らえて、閉じ込めておいた"赤兎馬"だと言うのに…」
子要は苦笑いを浮かべながら、暴れ回る赤兎馬を見詰めていた。
するとその時、逃げて行った筈の盗賊たちであろうか、再びこちらへ向かって来る集団がある。
子要は仲間たちに合図し、武装した護衛たちに積み荷を取り囲ませた。
身構えてそちらを凝視すると、こちらへ走って来る盗賊たちは、次々に土砂の中へと倒れて行く。
一体何が起こっているのか…?!
良く見ると、何者かが後方から、盗賊を弓矢で射殺しているらしい事が分かった。
これ程の豪雨の中で、確実に的を射抜くとは、もしや…!
子要には、それ程の弓矢の腕前を持った人物は、たった一人しか思い浮かばなかった。
やがて雨の中から浮かび上がったのは、騎馬の上で弓矢を構える一人の大男であった。
歳の頃は四十を越えた辺りであろうか、男の眼光は鋭く、飢えた狼の様であり、屈強で逞しい体格の持ち主で、銀色に輝く髪を肩に長く垂らしている。
男は真一文字に口を噤んで馬上で弓を引くと、遥か遠くへ逃げて行く盗賊に狙いを定め、騎馬で駆けながら矢を放つ。
矢は盗賊の背中を貫き、その勢いで射抜かれた盗賊の体は宙を飛び、勢い良く子要の足元へ叩き付けられた。
「董仲穎殿、一体どうして此処へ…?!」
子要は驚きの表情で、馬上の男を見上げる。
「お前たちの到着が遅いのでな…面倒に巻き込まれておらぬかと心配して、見に来てやったのだ。それに…一刻も早く、わしの赤兎馬を見たかったからな!」
仲穎は低音だが、良く通る大声でそう言うと、雨が目に流れ込む事も気にせず豪快に笑声を放つ。
そしてその視線の先には、宥めようと必死になる人々を嘲笑うかの様に、暴れ狂う赤兎馬の姿があった。
董卓、字を仲穎というその男は、涼州隴西郡臨洮県出身の人である。
涼州は「西涼」とも呼ばれ、中華の最北西部に位置し、西方の異民族らと国境を接する地域である為、彼らによる掠奪、反乱が度々起こっていた。
仲穎は、異民族である羌族らとの交流も積極的に行い、一度反乱が起これば、その鎮圧の為に尽力した。
その功を認められ、郎中に任命された折、朝廷から絹九千匹を賜ったが、功を独り占めにする事を良しとせず、その全てを部下に分け与えてしまったという。
若い頃から武勇に優れ、剛腕の持ち主であり、遊牧民族との生活が身に付いていた仲穎は、騎馬に乗ったまま両手で弓矢を扱う、騎射を得意としていた。
数日前、東中郎将に任命された仲穎は、冀州の広宗県で籠城する黄巾党の指導者、張角らと戦っていた盧植が解任された為、彼の後任として冀州に赴くよう朝廷から命を受け、派遣された勅使から節(先端に房の付いた旗)を渡された。
だが彼は、それをあまり面白く無い顔で受け取った。
何故なら、朝廷は彼の武勇を認めてはいるものの、彼を辺境の野蛮な異民族の一人と見做しており、何とか彼を飼い馴らしたいという意向が、有り有りと見えるからである。
いっそ、黄巾党が漢王朝を打倒し、新たな王朝を立ててくれでもすれば、さぞ気分も良かろう…!
仲穎は、役目を終え揚々と京師へ引き上げて行く勅使の一行を睨み付けながら、内心そう思い嘲笑を浮かべていた。
激しい雨の降り続く中、賈人の一行は、仲穎の陣営が置かれた所まで、彼自らに案内されて辿り着いた。
既に夜となっていたが、仲穎は酒宴を開いて彼ら一行を手厚くもてなし、旅の労を労った。
「この度は、遥か西域までの長旅、ご苦労であった…!」
仲穎は上機嫌な様子で子要の肩を叩き、酒を勧めた。
仲穎は自分では気付いていないが、彼の力は半端ではない強さで、一介の賈人に過ぎない小柄な子要にとって、それは大木で突かれる程の勢いであり、思わず顔を顰め、苦笑いを返した。
「良い馬を得る為、遠く大苑の地まで行って参りました。お陰で、あの様な立派な赤兎馬を得る事が出来たという訳です。ただ、少々立派過ぎましたが…」
「何、良い事に、過ぎるという事は無い!わしはあの馬が大層気に入ったぞ!約束の褒美は、倍にしてやる!」
そう言って、仲穎は豪快に笑う。
子要も釣られて笑いを返したが、果たしてあの駻馬を乗り熟す事が出来るのかと、内心心配していた。
暗い箱に閉じ込める事で、何とか大人しくなったが、 此処へ来るまでの間、一体何台の檻を壊された事か。
実は、あの馬は相当な安値で手に入れた物である。
と言うのも、現地の人々はあの馬の扱いに手を焼いており、安値で良いから買い取って欲しいと頼まれたのだ。
あの赤兎馬は非常に頭が良く賢いが、前の飼い主二人を蹴り殺したと言われており、人間を全く信用せず、誰にも懐こうとはしない。
それまで、どのような扱いを受けて来たのかは知らないが、彼は決して人間を主と認めないであろう。
子要がぼんやりとそんな事を考えていると、大きな手で再び肩を強く叩かれ、はっと我に返った。
「浮かぬ顔だな、どうした?」
「はっ…そ、それは…」
思わず子要は狼狽えた。
「そういえば、お前が故郷を離れている間に、父が亡くなったそうだな…」
仲穎は笑いを収め、じっと子要の顔を見詰めた。
「嗚呼、その事をご存知でしたか…実は父の衛賢は、私が西域へ馬の買い付けに行っている間に、呂龍昇の配下によって、殺害されました…」
そう言うと子要は顔を伏せ、静かに目を閉じた。
彼の名は、衛臣、字を子要という。
父の衛賢が殺され、後妻やその異母兄弟たち全員が殺害されたが、遠い西域に行っていた彼は難を逃れる事が出来た。
だがその為、龍昇の手下に命を狙われる危険性が高く、彼は暫く故郷へは戻る事が出来ずにいた。
実に十数ヶ月振りに、この漢の地へ足を踏み入れたのである。
「呂興か…あいつは、実に残忍な男だと聞く。だが、奴もこの乱で戦場へ駆り出されており、最早お前の事に構ってはおられまい。良い機だ、わしと共に行動してはどうだ?」
仲穎は目を細め、今度は驚く程優しく、彼の肩に手を乗せた。
顔を上げた子要は、仲穎の眼差しに憐憫の情が現れているを見ると、次第に喉の奥から熱い物が込み上げて来るのを感じ、彼に拝手した。
「仲穎殿、お心遣いに感謝致します…!」
子要は潤んだ瞳で、仲穎を見詰め返す。
或いは、この人なら…あの赤兎馬を手懐ける事が出来るかも知れない…
ふと子要は、その様な期待と興味を彼に抱いた。
翌朝、雨はすっかり上がり、雲間から明るい日差しが地表へ降り注いでいる。
子要は幕舎を出ると、腕を大きく広げて胸一杯に朝の澄んだ空気を吸い込んだ。
「おや、あれは…」
子要の視界の先に、泥濘んだ地面を足で激しく踏み荒らし、大きな嘶きを上げて暴れている赤兎馬の姿が見えた。
董仲穎の屈強な数名の配下たちが、必死に轡の縄を引いているが、赤兎馬の力は尋常では無く、中々前へ進まないらしい。
「あれを見よ!素晴らしいではないか…!」
突然背後から現れた仲穎が、子要の背中を強く叩きながら、まるで童子の様に嬉しげに瞳を輝かせ、赤兎馬を指差す。
それから彼は、大股で泥濘みの中を歩き、赤兎馬の方へ向かって行った。
近付いてくる仲穎に、赤兎馬は明らかに敵意を示している。
鼻息は荒く、血走った目で仲穎を鋭く睨み付けた。
仲穎は微笑を浮かべながら、暴れる赤兎馬の手綱を掴み取ると、素早く飛翔し、馬の背に飛び乗った。
途端に、馬は狂った様に激しく暴れ回り、仲穎を振り落とそうと、後ろ脚を何度も後方へ跳ね上げる。
しかし、騎射で鍛えた身体能力を持つ仲穎は、股の力でがっしりと赤兎馬の胴体を挟み込み、簡単には振り落とされない。
群がる仲穎の配下たちに肩を並べ、子要も一緒になって首を伸ばし、跳び回る赤兎馬と仲穎の姿を見守った。
"赤兎馬"は、汗血馬の一種で、汗血馬とは「血の汗をかく馬」という意味である。
赤い毛並みの馬が汗をかく姿が、恰も血の汗をかいている様に見える。または、実際に血の混じった汗を流していた。等、諸説あるが、汗血馬は西方域の名馬である。
赤兎馬はその中でも最も優れており、"兎の様な顔"は、名馬と呼ばれる条件でもある。
そもそも現地では、"赤兎馬"は伝説上の名馬の事で、"麒麟"等の類であると考えられている。
赤兎馬は、背中の大男を何とか振り落とそうと必死に足掻き、仲穎は落とされまいと、巧みな手綱捌きで懸命に食らい付く。
周りの者たちが固唾を呑む中、仲穎と赤兎馬は泥に塗れ、かれこれ一刻余りもこの激しい根競べを繰り広げている。
やがて子要は、額に浮かんだ大粒の汗を着物の袖で拭った。
既に日は中天に差し掛かっているが、二人は未だに、いつ果てるとも無い攻防を続けている。
赤兎馬の体力も然る事ながら、それに負けず劣らず渡り合っている仲穎にも舌を巻く。
最早、立って見ているだけの子要の方が、二人より余程体力を消耗している様に感じられた。
だが、流石に二人の体力も限界に達しているらしく、次第に赤兎馬の脚は動きが鈍くなり、仲穎の息もかなり上がって来ている。
遂に、赤兎馬は暴れるのを止め、仲穎を背に乗せたまま、軽やかな足取りで歩き始めた。
仲穎もまた、疲れ切った表情ではあるが、その顔に満面の笑みを浮かべ、「どう、どう」と掛け声を上げながら、赤兎馬の太い首筋を手で撫でる。
「凄い!遂にあの馬が、仲穎殿の言う事を…!」
子要は、思わず驚きの声でそう叫んだが、彼には驚きよりも感動の方が大きかった。
水溜まりを避けながら二人に駆け寄ると、仲穎は笑顔で馬上から子要を見下ろす。
「仲穎殿!よくぞこの馬を、乗り熟しましたな…!」
「ふっ…何、こいつもわしも、詰まらぬ人間になど飼い馴らされたくないという思いが、通じ合ったまでの事。なあ、飛焔よ…!」
仲穎はそう答え、大きな笑声を放ちながら、赤兎馬の首を軽く叩く。
「飛焔…?」
「こいつの名だ。わしはずっと、こいつの名を考えておってな…"飛焔"が最も相応しい!そう思わぬか?」
その問い掛けに、またしても子要は驚き、今度は呆れた。
あの激しい命懸けの根競べの最中に、呑気に馬の名を考えていたとは…!
やはり、この人は只者では無い…!
「仰る通り。とても、良い名です…!」
子要は仲穎に破顔して見せると、腰を折り、深々と頭を下げて礼をした。
0
あなたにおすすめの小説
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる