19 / 303
波瀾の再会
2-1
しおりを挟む
暖かい春の日差しが降り注ぐ、駅前の噴水広場。
そこは、沢山の木々や草花が植えられた広い公園になっており、噴水を囲むように置かれた数あるベンチは、殆ど空きが無い状態で、多くの人々の憩いの場となっているようだった。
噴水のふちに座っていた冬樹は、持っていたアルバイトの情報雑誌を横に放ると、ひとつ溜息をついた。
「あーあ…」
(探してみると、無いもんだな…アルバイトなんて。どうしよう…)
良く考えたら、自分はまだ…16にもなっていない。
(考えがちょっと甘チャンだったな…)
自分のあまりにも安易な思考に思わず呆れる。
(でも、生活掛かってるし…)
たかだか高校生の身で、たいした額を稼ぐことなど出来ないことぐらいは十分承知している。生活していく上で、今は仕送りに頼るしかないのが現状だとは思う。でも、せめて小遣いの分ぐらいは、甘えず自分で何とかしたいと冬樹は思っていた。
(やっぱり、ドカタか…?)
正直、カネは良い。
(でも、いくらなんでも体力的に問題あるよな…やっぱ…)
流石に限度があるだろう。
(喧嘩なら男並みなんだけどな…)
心の中で考えを巡らせながら、冬樹は前髪をぐしゃり…とかき上げた。
普段は、自分の心の内を見せないように、人前ではポーカーフェイスを保っている冬樹だったが、今の彼は端から見たらとても表情豊かだった。心の中での自問自答に顔をしかめたり、げんなりしたりしている。勿論、誰もそんな彼を知る者はいなかったが…。
冬樹は一呼吸置くと、ずっと背にしていた噴水を振り返ると、暫く何を思うでもなくボーっと眺めた。
ザアザアと吹き出す水の飛沫が陽に照らされてキラキラと光っている。眩しい位だった。その光の向こう側を、同年代位の女の子達が会話を弾ませながら楽しそうに通り過ぎていった。
その様子を何気なく視界に入れながらふと、思わぬことを考える。
(いっそのこと、夜だけ女に戻る…とか?)
ものすごく、金はいい。勿論、業種にもよるが…。
だが、思わず女の格好をして愛想笑いを浮かべる自分を想像しかけて…やめた。
(だめだ、想像すんのもヤダ…。それこそ自殺行為だって…)
冬樹は、ひとり脱力した。
(少し、歩いてみるか…)
気を取り直して、駅前の繁華街を散策してみることにする。
繁華街は、多くの人で賑わっていた。
子どもの頃は、あまり歩いたことのない裏通りに入ると、最近流行のお洒落なカフェやレストラン、カラオケ店などが数多く建ち並んでいた。
探検も兼ねて、それらの店先に貼ってある求人募集などを何気なくチェックしながら冬樹が歩いていると、ある路地に差し掛かった時、奥から不穏な声が聞こえてきた。
そこは、沢山の木々や草花が植えられた広い公園になっており、噴水を囲むように置かれた数あるベンチは、殆ど空きが無い状態で、多くの人々の憩いの場となっているようだった。
噴水のふちに座っていた冬樹は、持っていたアルバイトの情報雑誌を横に放ると、ひとつ溜息をついた。
「あーあ…」
(探してみると、無いもんだな…アルバイトなんて。どうしよう…)
良く考えたら、自分はまだ…16にもなっていない。
(考えがちょっと甘チャンだったな…)
自分のあまりにも安易な思考に思わず呆れる。
(でも、生活掛かってるし…)
たかだか高校生の身で、たいした額を稼ぐことなど出来ないことぐらいは十分承知している。生活していく上で、今は仕送りに頼るしかないのが現状だとは思う。でも、せめて小遣いの分ぐらいは、甘えず自分で何とかしたいと冬樹は思っていた。
(やっぱり、ドカタか…?)
正直、カネは良い。
(でも、いくらなんでも体力的に問題あるよな…やっぱ…)
流石に限度があるだろう。
(喧嘩なら男並みなんだけどな…)
心の中で考えを巡らせながら、冬樹は前髪をぐしゃり…とかき上げた。
普段は、自分の心の内を見せないように、人前ではポーカーフェイスを保っている冬樹だったが、今の彼は端から見たらとても表情豊かだった。心の中での自問自答に顔をしかめたり、げんなりしたりしている。勿論、誰もそんな彼を知る者はいなかったが…。
冬樹は一呼吸置くと、ずっと背にしていた噴水を振り返ると、暫く何を思うでもなくボーっと眺めた。
ザアザアと吹き出す水の飛沫が陽に照らされてキラキラと光っている。眩しい位だった。その光の向こう側を、同年代位の女の子達が会話を弾ませながら楽しそうに通り過ぎていった。
その様子を何気なく視界に入れながらふと、思わぬことを考える。
(いっそのこと、夜だけ女に戻る…とか?)
ものすごく、金はいい。勿論、業種にもよるが…。
だが、思わず女の格好をして愛想笑いを浮かべる自分を想像しかけて…やめた。
(だめだ、想像すんのもヤダ…。それこそ自殺行為だって…)
冬樹は、ひとり脱力した。
(少し、歩いてみるか…)
気を取り直して、駅前の繁華街を散策してみることにする。
繁華街は、多くの人で賑わっていた。
子どもの頃は、あまり歩いたことのない裏通りに入ると、最近流行のお洒落なカフェやレストラン、カラオケ店などが数多く建ち並んでいた。
探検も兼ねて、それらの店先に貼ってある求人募集などを何気なくチェックしながら冬樹が歩いていると、ある路地に差し掛かった時、奥から不穏な声が聞こえてきた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる