【完結】ツインクロス

龍野ゆうき

文字の大きさ
80 / 303
禁断の恋?

6-10

しおりを挟む
食べ始めて少しすると、長瀬がこっそりと耳打ちしてきた。

「禁断の恋の噂…聞いちゃったんだ」
「…禁断…?」
訝しげに雅耶は、眉を寄せた。
「そ。それも…誰のだと思う…?」
「…誰なんだよ?」
回りくどい言い方に少しイラついて聞き返すと。
長瀬は「聞いて驚くなかれ」…と楽しげに口を開いた。

「冬樹チャン…だよ」

「…え?」
雅耶は耳を疑った。
「だーかーらー。冬樹チャンだってばー」
「……マジで?」
思わず箸が止まってしまう。
「相手…は…?」
『禁断の』…というからには、聞くにもそれなりの覚悟がいる気がした。
若干緊張気味な雅耶の顔を見て、長瀬は満足げに微笑むとそっと耳元で呟いた。
「保健医の浅木清香先生…だってさ」

「は…?清香姉っ?」

「そ♪雅耶のお姉ちゃん的存在っ。そして我が成蘭高校のマドンナ!浅木清香先生なりっ」

(自称…じゃなくてホントに『マドンナ』だったんだ…)

以前、清香が自分で言ってたのを思い出して雅耶は思わず感心した。
でも…いや、今のツッコミ所はそこじゃない。

確かに、冬樹は最近清香姉の元へよく足を運んではいるが、それは『ひとり暮らし』のことなどを相談していると言っていた。『栄養相談』なども受けている…とも。頻繁に顔を出しているから、そういう噂を立てられたんだろうか?
「あいつ…確かによく保健室行ってるけど…最近、カウンセリングとか受けたりしてるらしいんだ。それで変に勘ぐった奴に噂立てられただけじゃないのか?」
「んー…でも、冬樹チャンのあの顔見ちゃうとなー。何とも信憑性が高いというか…」
「あの顔…?」
雅耶が聞き返すと、長瀬はYシャツの胸ポケットから白い封筒を取り出した。
その中から一枚の写真を取り出すと、周囲を確認しながら雅耶の手元にそっと差し出した。
「…これ…?」
そこには、冬樹が写っていた。
背景を見る限りでは、保健室にいる時の写真の様だ。
「すっごくイイ顔してるっしょ?冬樹チャン…」
「………」

それは、再会してから今まで見せたこともないような…。
鮮やかな笑顔。

そして、その向かいにいる人物は、やはり清香姉だった。
写真ではこちらに背を向けているし、冬樹をメインに合わせて撮られた写真なので端に僅かに写っているだけだが、自分には彼女が清香姉に間違いないことだけは判った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

秘密のキス

廣瀬純七
青春
キスで体が入れ替わる高校生の男女の話

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

処理中です...