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夏色メランコリー
13-11
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「雅耶は…夏樹がいた方が、良かった…?」
流石に、冬樹よりも夏樹の方が…という意味合いで口にした言葉ではないのだろうと思いながらも。何故だか痛々しげに呟いた冬樹に、「もちろん。…当たり前だろ?」雅耶は笑顔で答えた。
「………」
「だって、夏樹がいれば…お前がそんな風に辛い顔をすることもなくなるだろうし、な?」
そう言って優しく微笑む雅耶に。
とうとう、冬樹の瞳から一滴の涙が零れ落ちた。
「…冬樹?」
「ご…めん、ごめんね……雅耶…」
突然、涙を零しながら謝り出した冬樹に雅耶は面食らった。
「…どうしたんだよ?何で謝るんだよ?」
「だって…。オレ…お前にそんなに優しくしてもらう資格、ない…んだ」
口元を押さえながら、苦しげに言葉を紡ぐ冬樹に。
「何だよ?資格って…。そんなの、何も…関係ないだろ?」
冬樹が何のことを言っているのか分からない雅耶は、戸惑いながらも、次の冬樹の言葉を待った。
「…だって、オレは…」
オレは、雅耶が大切に想ってくれている『冬樹』を犠牲にして此処にいる。
でも、お前が会いたいと願ってくれる『夏樹』にも戻ることが出来なくて。
今の自分は、雅耶の思い出の中にいる冬樹と夏樹の両方を穢している、裏切りの存在でしかないのだ。
(そんなオレが、今のこの関係を壊したくない…なんて、言えた立場じゃないよな…)
「…オレ…。お前に話さなくちゃいけないことがある…」
冬樹がそう口にした時だった。
「誰かーーっ!!」
その大きな金切り声に、冬樹と雅耶はハッ…とした。
声のした方を振り返ると、浜辺の向こうでこちらに向かって何かを叫んでる女性が目に入った。
「…何だ?」
女性が何を言っているのか、そちらに注目している雅耶の横で、冬樹は瞬時に周囲を見渡した。
(男の子がっ!!)
海で溺れかけている子どもを見付けた冬樹は、咄嗟に海へと駆け出した。
「…っ?冬樹っ!?」
打ち寄せる波に足を取られ、思うように前へ進めない。
腰辺りまで海に浸かった所で、突然深くなっている場所があって、一瞬身体が水に沈んだ。
「…っ!!」
(ここは遊泳禁止区域だから、急に深くなってる所があるのかっ)
だが、子どもはもう少し先まで流されていて危険な状態だった。
冬樹は必死に泳いで、そのバシャバシャと暴れながら沈みかけている小さな腕を掴むと、何とか抱え上げた。
流石に、冬樹よりも夏樹の方が…という意味合いで口にした言葉ではないのだろうと思いながらも。何故だか痛々しげに呟いた冬樹に、「もちろん。…当たり前だろ?」雅耶は笑顔で答えた。
「………」
「だって、夏樹がいれば…お前がそんな風に辛い顔をすることもなくなるだろうし、な?」
そう言って優しく微笑む雅耶に。
とうとう、冬樹の瞳から一滴の涙が零れ落ちた。
「…冬樹?」
「ご…めん、ごめんね……雅耶…」
突然、涙を零しながら謝り出した冬樹に雅耶は面食らった。
「…どうしたんだよ?何で謝るんだよ?」
「だって…。オレ…お前にそんなに優しくしてもらう資格、ない…んだ」
口元を押さえながら、苦しげに言葉を紡ぐ冬樹に。
「何だよ?資格って…。そんなの、何も…関係ないだろ?」
冬樹が何のことを言っているのか分からない雅耶は、戸惑いながらも、次の冬樹の言葉を待った。
「…だって、オレは…」
オレは、雅耶が大切に想ってくれている『冬樹』を犠牲にして此処にいる。
でも、お前が会いたいと願ってくれる『夏樹』にも戻ることが出来なくて。
今の自分は、雅耶の思い出の中にいる冬樹と夏樹の両方を穢している、裏切りの存在でしかないのだ。
(そんなオレが、今のこの関係を壊したくない…なんて、言えた立場じゃないよな…)
「…オレ…。お前に話さなくちゃいけないことがある…」
冬樹がそう口にした時だった。
「誰かーーっ!!」
その大きな金切り声に、冬樹と雅耶はハッ…とした。
声のした方を振り返ると、浜辺の向こうでこちらに向かって何かを叫んでる女性が目に入った。
「…何だ?」
女性が何を言っているのか、そちらに注目している雅耶の横で、冬樹は瞬時に周囲を見渡した。
(男の子がっ!!)
海で溺れかけている子どもを見付けた冬樹は、咄嗟に海へと駆け出した。
「…っ?冬樹っ!?」
打ち寄せる波に足を取られ、思うように前へ進めない。
腰辺りまで海に浸かった所で、突然深くなっている場所があって、一瞬身体が水に沈んだ。
「…っ!!」
(ここは遊泳禁止区域だから、急に深くなってる所があるのかっ)
だが、子どもはもう少し先まで流されていて危険な状態だった。
冬樹は必死に泳いで、そのバシャバシャと暴れながら沈みかけている小さな腕を掴むと、何とか抱え上げた。
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